【底本】
岩波文庫 誹諧武玉川(二) 山澤英雄校訂 岩波書店 1984
【凡例】
通し番号 篇-丁
(本文)
(解説)
【注意】
字・は字が底本通りでないことを示す
☆はコメントや引用
3709 6-1
むら雨に 立た障子の 暮かゝり
☆清池満夏雲 村雨→降ったり止んだりするにわか雨 立た→たてた 閉めた☆国大 雨が降ってきて障子を閉めたらもう暗くなっていた
3710 6-1
かきつはた 畳のぬれる いとま乞
笠からしずくが
3711 6-1
土手て逢たと 言そうな皃
土手→吉原へいく日本堤 皃→顔 遊び仲間でない奴 女房に告げ口されそう
3712 6-1
かつかれた日ハ 客椀て喰ふ
かつかれた→さらわれた ここでは男と逃げたその日
3713 6-1
稀に比丘尼の 小間物を呼ふ
比丘尼→尼さん 小間物→小間物屋 化粧品や髮結用品を売る行商人 「尼寺へ極内でうる小間もの屋」☆柳七八・29 バレ?
3714 6-1
惣領ハ 棒の師匠に 名を貰い
棒の師匠→棒術の師匠 あだ名を付けられた? ???
3715 6-1
天の川 寐て出る顔も 大事也
七夕は紋日
3716 6-1
山雀の 藝も水から 汲習らい
山雀→やまがら つるべ上げや水汲みの芸あり 修行は何でも水汲みから
3717 6-1
むいて干ても 夕皃の宿
源氏物語の夕顔のささやかな住まいのような家 干瓢を干しても同じ貧家
3718 6-1
三重て 籔入に出る 艸履とり
三重→さんじゅう 声高の節付☆雑俳語辞典 籔入→藪入り 機嫌良く休暇に
3719 6-1
此蜆 壁て死とハ おもふまひ
此蜆→このしじみ 壁土にひびを防ぐつなぎのすさとして入れられた
3720 6-1
新造も 水引ほとの 〆リあり
〆リ→しまり 態度や気構えがしっかりしていること☆国大 水引は細い意か
3721 6-1
ひよこなつける 舌のはたらき
鼠鳴きで呼ぶ
3722 6-1
有難く 着る六月の 簔・と笠
簔・→蓑 みの 日照り挙句の雨なので感謝して
3723 6-1
とろほうの やうなおとこを 可愛かり
間男に目をかけていた あるいは悪い男に入れ込む?
3724 6-1
赤猫の 折〳〵年を 算へられ
もうすぐ猫又に
3725 6-1
立聞の かけて帰て 高わらひ
☆そのまんま
3726 6-2
一夜鮓 妾かつけて もらわれる
一夜鮓→いちやずし 一夜押しの早鮨 妾が浮気して解雇?
3727 6-2
鵜遣ひの 四十を越て 渡し守
越て→こえて 後世を願って引退 四十は初老
3728 6-2
紅繻絆 言れ序に 肌を脱
紅繻絆→もみじゅばん 言れ序→いわれついで 男伊達をみせる
3729 6-2
端女の梦に 小間物屋死
端女→はした 武家等の下女 梦→ゆめ 支払いがかさんで? 怪しい買い物をしたので?
3730 6-2
踏は隣の 起る蓬生
踏は→ふめば 蓬生→よもぎう 草深い荒れた地の家 足踏みすると隣が目を覚ます
3731 6-2
乞食の猫の 吉原へ来
踊り子?
3732 6-2
うくひすの 咽を袷か かハかせる
咽→のど 袷→あわせ 四月一日から五月四日までと九月一日から八日まで 着た 四月になり声が変わる?
3733 6-2
かわらす若い 観音の皃
昔恋の願いに参詣した観音様 自分は老いたが 恋の祈願の長谷寺?
3734 6-2
胡葱に 何か言たく 膳をすへ
胡葱→あさつき 雛をしまう時胡葱膾を供える 明日は奉公の最終日で
3735 6-2
女房に むかしの若衆 引あわせ
若衆→男色の弟分 俺はこんな美男子と懇意だったと妙な自慢
3736 6-2
かわゆさか 余れハ銭に 羽かはへ
子煩悩で
3737 6-2
腰帯を 〆ルと腰か 生て来
腰帯→着物の帯の上にまたしめる帯 きりっとする? ☆柳一・14
3738 6-2
膝の下から 見へる細見
細見→吉原細見 吉原のガイドブック 親が急に部屋に入って来て
3739 6-2
狼か 過てとふ〳〵 墨ころも
狼→凶悪な振る舞い? 出家させられる羽目に 「狼に衣」☆諺 残忍無慈悲な人間がうわべだけ柔和らしく装うこと☆俳説ことわざ辞典
3740 6-2
袖留て 半分消る せたのはし
せたのはし→勢田の橋 近江八景の柄の振袖の袖を留めて
3741 6-2
品川の 見せか引ると 式舞台
式舞台→敷舞台? 歌舞伎で舞台の上に敷く二重舞台 品川遊郭は一階が二階 縁の下にも部屋あり☆江戸文学地名辞典
3742 6-2
物さして 足らぬちりめん 打たゝき
縮緬の皺を伸ばして生地丈をかせぐ
3743 6-2
遠くへ投る 瞽女の賽銭
賽銭箱へ届くよう力を入れ過ぎて
3744 6-3
松風の 吹くたひれて 竪に降
松林が長過ぎて横に吹けず
3745 6-3
行燈を 消して言ふのか ほんの事
ほんの→本当の 寝物語に真実を
3746 6-3
三人と なれハ哀な 傘の下
誰かが濡れる 色っぽくもない
3747 6-3
尻のためにハ ならぬ前帯
後帯はスタイルを引き締める 前帯では線を隠せない
3748 6-3
足とりも 仲間はつれの 神馬也
足とり→足どり 神馬→じんめ 神社に奉納した馬 訓練されておらず
3749 6-3
表具師の 家内を呼て いたゝかせ
家内→家人 貴重な絵を預かって表具?
3750 6-3
退屈の 目をかき廻す めたか舟
めだか売りの水槽を客がかき廻す?
3751 6-3
厄ををとしに くら闇を行
年越の夜に来年厄年の者が人知れず四辻で褌を落として来ると厄落しになるという☆江戸文学俗信辞典
3752 6-3
娘にはりの 出来るうは玉
うは玉→ぬばたま ぬばたまの は黒などの枕詞 夜?恋の闇路?
3753 6-3
下谷から 見れハ上野も 峯の枩
下谷→したや 上野の高台下 枩→松 上野は台地
3754 6-3
銀閣寺 金閣寺より 慾かなし
☆そのまんま
3755 6-3
むつかしき ねちり服紗も 一むかし
むつかしい→面倒な ねちり服紗→ねじりぶくさ 捩袱紗 金銭を袱紗を捩って包むこと 昔の財布
3756 6-3
西明寺 とこそて知れる 銭遣ひ
西明寺→最明寺? 北条時頼 とこそて→どこぞで 諸国を微行したので?
3757 6-3
槙屋の女房 しんとして居
槙屋→真木屋 薪を商う家 薪は「しん」と読めるから?
3758 6-3
生酔の 隅から起て ねつみ色
生酔→なまえい 酔っぱらい 昨夜どぶに落ちたとか
3759 6-3
関守の ある夜狸に かふせられ
かぶせる→色仕掛でだます☆江語辞 山奥の関所?
3760 6-3
縫出した 袖か娘の 病なり
縫い紋? 衣装道楽
3761 6-3
山茶花や 呵られそうな 戸を明る
山茶花→さざんか 朝帰り?
3762 6-4
五位鷺ハ しら鷺よりも 反リ返り
五位より上が殿上人なので
3763 6-4
衣かへ 夕べ・の夜着へ 振かへり
夜着→掛け布団にする着物様のもの 季節の変化を実感
3764 6-4
聞人か有て おもふほと泣
聞人→ききて ☆そのまんま
3765 6-4
面出しの しにくい月日 過て行
面出し→つらだし 義理を欠いてますます疎遠に
3766 6-4
むらさきハ 都の水に 突出され
むらさき→江戸紫? 都→京都 江戸っ子が京都へ行って困惑?
3767 6-4
霜月の 恥かしい日と 成にけり
報恩講か顔見世狂言での見合い?
3768 6-4
硯筥 よせて古郷を 詠やり
硯筥→すずりばこ 詠やり→ながめやり
3769 6-4
うそをつく 聟を〳〵と 染物屋
「紺屋のあさって」の嘘をつかねばならないので
3770 6-4
ゆゝしき大事 鼻に出来物
梅毒が鼻に来たかと
3771 6-4
見てみぬふりも 献立のうち
食事で見合い?
3772 6-4
寒一ツ 通した声て 奈良晒
奈良晒→ならざらし 奈良産の晒し布 寒声修行した声で 寒い中で作業?
3773 6-4
とふ〳〵酒を やめる鐘つき
酔って時の鐘を撞き損ねた
3774 6-4
早乙女の 中て納る つむし風
納る→おさまる? 早乙女の列に突き当たって
3775 6-4
おとり習ふて 和哥のうら立
和哥のうら→和歌浦 名勝 雑賀踊り?
3776 6-4
護府をやめて 揃ふ盃
護府→護符 ごふう 堀の内妙法寺の張護符 病気平癒祈願が成就して祝宴
3777 6-4
きり〳〵す 都の土と なりにけり
きりぎりす→痩せた男の意☆雑俳語辞典 ???
3778 6-4
昼顔を 朝皃にして 食好み
食好み→好き嫌い? 夏バテで昼まで寝坊 食欲もなし
3779 6-4
光陰も 一幕過て ほとゝきす
春がすぎ次の季節の夏が来た
3780 6-5
串柿・に 終十月も からひけり
柿・→柿 終→つい からびる→乾く ???
3781 6-5
田植の馬の 庫裏を近道
お寺の境内を通ると近い
3782 6-5
質蔵立て よその夕くれ
貧富の差を実感?
3783 6-5
命かきりの 頬すりをする
捨て子か離縁か つらい別れ
3784 6-5
廿日のゑひす 人中へ出る
十月二十日のゑびす講 恵比寿の像を祭る
3785 6-5
肩をならへる 三十日朔日
三十日朔日→みそかついたち 正反対だが隣同士
3786 6-5
反リ橋て夜の 明ける大名
反り橋→太鼓橋 参勤交代?
3787 6-5
夏もわつかに 小蠅なす神
小蠅なす→さばえなす 陰暦五月の蠅のように騒がしく煩わしいさま 神→幇間
3788 6-5
浅艸ハ おとこを繋く 鐘の聲
浅草寺の鐘で吉原へ?
3789 6-5
竹町を せみの小河の 思ひきり
竹町→たけちょう 竹町の渡し? 大川橋近くの 渡し せみの小河→瀬見小川 京都下賀茂神社内の小川 思い切って吉原へ?
3790 6-5
うかれ女の 土蔵と思ふ たはこ盆
うかれ女→娼妓 何でも入れておく?
3791 6-5
盆へすりすり・ 婆ゝのせんたく
盥では力が足りない?
3792 6-5
梓の跡に 母のつれつれ・
梓→梓弓の口寄せ? つれづれ→一人寂しく物思い にふける 亡くなった夫をおもって
3793 6-5
見通しに 生物知リの 二三人
見通し→見通座敷 遊里の家で一番上等の客間 生物知リ→なまものしり なまはんかな知識で物知り顔をする人
3794 6-5
鼠の巣から 持て来る尻
何かの裏へ這入って後ずさりで出て来るさま?
3795 6-5
ひよことも 氏子一人を 追廻し
初午関係?
3796 6-5
鑓持の 爰ハと尖る 初あらし
爰→ここ 尖る→神経が鋭敏になる 初嵐→立秋後最初の強い風 武家の行列のさま
3797 6-5
十九迄振る 袖もからくり
十九→女の厄年 からくり→計略 たくらみ 十九まで振袖を着て亡くなる
3798 6-6
蓮見戻リの 衛士と連たち
蓮見→はすみ 蓮の花の見物人と見附か何かの朝の交代?
3799 6-6
遠くから 見た詞也 みなれ棹
詞→ことば みなれ棹→みなれざお 水馴棹 水になじんで使いなれた棹 近くで見てもわからん?
3800 6-6
飛脚の皃を あふく女房
ご苦労様で
3801 6-6
同商買の ふりかへり見る
商買→商売 同じ行商人がすれ違って 向こうの景気は?
3802 6-6
ない智恵を 振ふ拍子に 鍔か鳴
良い思案が出ないので刀にものを言わす
3803 6-6
あやかれと 坐頭をなふる 一夜鮓
一夜鮓→いちやずし 宴会に呼ばれた坐頭も朝まで居た
3804 6-6
あわせ鏡へ 吸上るかほ
見えにくい所が見える
3805 6-6
水くさひ 奉公をする 小風呂敷
湯屋のお供
3806 6-6
不機嫌て 一生くらす 金盥
金盥→かなだらい 片付ける時座りが悪いし 倒れると音が大きい
3807 6-6
温泉へたつ朝も いたひ口上
温泉→ゆ いたい→情けない 草津へ梅毒治療
3808 6-6
向ふの母ハ 抱込んて置
将を射んとすれば
3809 6-6
町屋敷 惣仕廻して 惣仕廻
町屋敷→町人の居住地? 寺院内の町役人の屋敷? 惣仕廻→そうじまい 遊里惣揚げ 全部売りつくす 遊興費で売り払った?
3810 6-6
浪人の 顔の引張 とうからし
引張→ひっばる 貧乏で唐辛子をおかずに?
3811 6-6
言事の それ切て済む きしの聲
岸から舟へ悪口を あるいは雉子の声?
3812 6-6
二ツ鳴らして 袖口の出来
右袖と左袖をパンと鳴らして 仕上がりをみる
3813 6-6
生て娘の 代る人参
薬代のために娘が身売り
3814 6-6
嘘を感して 戻る掛乞
借金取りが気づいて戻る
3815 6-6
隣から 張合もなく 聟を取
気心も知れて安心だが何か物足らない
3816 6-7
八幡に向いて うこく唇
八幡→やわた 京都の石清水八幡宮
3817 6-7
庭鳥の 楽屋へ這入る せうか市
せうか市→生姜市 芝飯倉神明祭
3818 6-7
其とど・ハ 添ふ添ふ・と 縫習い
其→その とど・→結局 添ふ添ふ・と→そおうそおうと 夫婦になろうと
3819 6-7
去リ状か 着て初て 段かつら
去リ状→離縁状 着て→ついて 段かつら→鎌倉鶴岡八幡宮の参道中央の一段高い道 松ヶ岡で離婚が成立し参詣
3820 6-7
火もらいの 吹き吹き・人に 行当
行当→いきあたり 長屋の隣から火種を貰って 消さないよう吹きながら戻ると路地で人にぶつかる
3821 6-7
やり手ハ外へ 出てもきりもり
芝居見物? 郭の外でも遣手が仕切る
3822 6-7
よい皃に 肝のつふれる 八重葎
あばら屋に上品な人が住んでいて驚く?
3823 6-7
からくりに 旦那の登る 米問屋
からくり→やりくり算段? 登る→京都へ行く?
3824 6-7
人さへ見ると 死にたかる婆々・
婆さんの口癖
3825 6-7
杉を吹く 少の事て 松の風
少→すこし すこしずれて吹けば松風に
3826 6-7
ほんに泣せて 三味線かやむ
ほんに→本当に 冗談が過ぎて踊り子を泣かせた?
3827 6-7
朝皃ハ 一群つゝの わかれ艸
朝帰りの流れ解散?
3828 6-7
消て行 虹をおハへて 灯を灯し
おハへて→? 灯を灯し→ひをとぼし ???
3829 6-7
浅間と聞て 伸上る妻
道中の光景?
3830 6-7
遣り手の珠数の くら闇て鳴
珠数→数珠 遊女を監視?
3831 6-7
仲人と 云ふも出雲の つかわしめ
つかわしめ→神仏の使いとされる動物 稲荷の狐とか 出雲の縁結びの神の使い
3832 6-7
目薬に 添て四五枚 照紅葉
照紅葉→てりもみじ 美しく照り輝く紅葉 眼病の祈願関係?
3833 6-7
馬に仕立る 鎌倉の牛
吾妻鏡に鎌倉の牛の駐車禁止 についての記事あり 牛が多く利用されたか?
3834 6-8
からかさを 広けて置て いとま乞
戸口で傘をさしてから挨拶
3835 6-8
稲妻の 目口へはいる 水のうへ
涼み舟に乗っていて雷に
3836 6-8
その五段めを 元の羽二重
定九郎の古い黒羽二重?
3837 6-8
酒の肴に 怖しの餅
左ききには恐怖の対象
3838 6-8
吐血して 元のむすこと 也にけり
起請文破りで懲りた?
3839 6-8
乞食の下駄て 三日の原越
三日の原→甕原 百人一首の みかのはらわきてながるるいづみ川・・ 水たまりを越えるのに下駄を貸す乞食がいた
3840 6-8
素人へ 近い女郎の 皃淋し
とびきりの美人ではない? まだ仕事に慣れていない?
3841 6-8
口寄ハ 客のあるうち 寐かし物
口寄→くちよせ 巫女が霊をおろす 寐かし物→売れずにある商品 商売中目を閉じている?
3842 6-8
細見ハ 目かねの入らぬ 道具也
細見→吉原細見 吉原のガイドブックで記号でわかる
3843 6-8
小町の留守に 空を見て居
雨乞い関係?
3844 6-8
呵られて やふれかふれの 面白き
親にしかられまた遊蕩
3845 6-8
世界を蔵へ 入れる労咳・
世界→世の中 遊興の場? 労咳・→ろうがい 遊ばず閉じこもると労咳になるといわれた
3846 6-8
いき過瞽女の 京を鵜て居
行過→生意気な 洒落すぎな 鵜で居る→呑み込んでいる 熟知しているの意
3847 6-8
しらぬ妾を 憎む百姓
お殿様のお妾が悪いそうな
3848 6-8
蚊やから余る 剛力の足
剛力→山伏の下僕 大男
3849 6-8
御隠居ハ 廓の恥を 嬉しかり
廓→くるわ 年寄の新造買い 新造の失敗を却って喜ぶ?
3850 6-8
坐頭の持て まわるさかやき
さかやき→月代 額から脳天へかけての部分 頭を剃る様子?
3851 6-8
囃子の楽屋 乳母も来て居
坊っちゃんが稚児舞に? 囃子の舞台裏を坊っちゃんが見たがる?
3852 6-9
去る去る・と 言ふも木葉の 青い内
去る→離縁する 離縁沙汰の騒動は若い頃
3853 6-9
昼皃ハ とちらの露も 間に合す
朝露には遅く夜露には早い
3854 6-9
夜夜中 草履をはかせ 奉り
若君の落ち延び
3855 6-9
我皃の ふへたと思ふ 稲光
一瞬陰が
3856 6-9
幾日笑ハぬ 尼の主従
幾日→いくか 主従→しゅうじゅう 精進して静かに暮らす
3857 6-9
淋しさを 新黒谷て 殖しけり
新黒谷→しんくろだに 金戒光明寺 法然の専修念仏の道場 敦盛を討って無常を感じた熊谷直実が出家
3858 6-9
水仙を 供に持せて ふり返り
お供をもったのがうれしい? 正月のものなので女の年礼?
3859 6-9
尖針の 奥に妾の つんとして
尖針→とげばり 大名屋敷の奥に一本の棘が
3860 6-9
江戸へ使に 出ると日かくれ
江戸→吉原からみて日本橋等吉原以外の江戸をいう 吉原から江戸市中にお使い? いろいろ道草して
3861 6-9
年寄の 中に交リて 岩つゝし
岩躑躅→云はねば の序詞 若い者の中で失言せぬよう?
3862 6-9
此耳ハ 留守かと人に 引はられ
聞いたことをすっかり忘れ
3863 6-9
身代の 因果ハ怖い 物かなし
因果→不幸 金持ちの弱点
3864 6-9
宝尽しも 下卑か半分
着物の柄? 宝尽→如意宝珠 打出の小槌 隠蓑 隠笠 とか宝物の形を描いた絵や模様 変な物も混じる?
3865 6-9
焚く皃はかり それと夕くれ
???
3866 6-9
入相に 鞘当をする かんこ鳥
入相→いりあい 日没の鐘 鞘当→さやあて ささいなことから起こる争い かんこ鳥→かっこう
3867 6-9
池上か 見へると尼の 口を利
池上→池上本門寺 やっと着いた
3868 6-9
垣間見の 尻ハ出て居 片折戸
垣間見→かいまみ 隙間からのぞく 片折戸→片開きの戸 能 小督 嵯峨の片折戸の家にいる小督殿を仲国が探す
3869 6-9
脇差と 扇を妻ハ しやんと持
夫の外出の身支度を手伝う
3870 6-10
惣領の 智恵ハうしろに 付て居
後から出る
3871 6-10
二年めの 土用干にハ 雛はかり
女房の着物はすでに質入
3872 6-10
十て三文 ほとの言伝
言伝→ことづて 百で四文なら質屋の利息 それよりも話しの利息がついて? 土弓ほど安い?(土弓は十本で三文)
3873 6-10
去られた町へ 意地によめ入
去られた→離縁された 意趣返し
3874 6-10
御捌に 古哥も交りて 面白し
御捌→おさばき 審判 和歌を引き合いにした判決があった?
3875 6-10
口留に あふて五菜の 戻リけり
五菜→御宰 奥女中の下男 奥女中の逢引か陰間買い
3876 6-10
しら鷺ハ 床しい時の 見物なり
床しい→心がひかれる 行って見たり聞いたりしたい 見物→みもの
3877 6-10
汐干狩 さすか見て居る 女形
あられもなく裾もまくれず
3878 6-10
女房に 成とたちまち 傾城め
女房ももと傾城
3879 6-10
隣ても 草津に立ハ しらぬなり
草津温泉で梅毒療治
3880 6-10
昼寐の皃を なふる手雫
手雫→てしずく 手で雫をたらして驚かず
3881 6-10
容躰ハ 母に言ハせて 畏り
容躰→ようだい 事情 状況 放蕩息子のトラブルを母が親父に報告する 息子は母の陰で
3882 6-10
船頭を 止た噺の 怖しき
止た→やめた 海に強いはずの船頭がよほど怖い目に遭い船頭をやめた
3883 6-10
淋しさハ 五日の女房 襷にて
五日→三月五日の出代り? 下女を雇えなくなった?
3884 6-10
利口に成て 大門を出る
ふられて成長
3885 6-10
是もこれなり おとり子の姉
踊り子の姉も売春系?
3886 6-10
屋根葺・を 幾度呵るも 同し事・
事・→こと 屋根で褌などが見える?
3887 6-10
牡丹の蟻に 袷着かへる
袷→あわせ 袷を着るのは旧暦四月一日から五月四日迄 春牡丹に蟻がたかるのを見て季節の変わりに気づく
3888 6-11
草餅も きのふの原の 匂ひあり
野遊びで摘んで来た
3889 6-11
化もの屋敷 水か名物
皿屋敷になる前の井戸? ???
3890 6-11
大将も 箸さへもたぬ 時もあり
謡曲 藤戸 平将門を討つ詔が届いた時 食事中の宇治民部卿は箸を 投げ捨てた
3891 6-11
むすめの謎を 伯母か来て解
恋煩い
3892 6-11
大根の襟も 青い六月
大根の上半分の青さ
3893 6-11
侍の 冷食喰ふも あわれなり
冷食→ひやめし 冷食を喰う→冷遇されたり 解雇されること
3894 6-11
雷に 二ツ鳴られて かしこまり
放蕩息子が伯父さんと親父に説教される?
3895 6-11
言訳の くらい皃から 灯かとほり
くらい→筋が通らない とほり→とぼり ともり 暗くなっても説教が続く
3896 6-11
関守の 寐乱て居る 青あらし
青嵐→初夏の青葉を吹き渡る風 暇な関守の昼寝?
3897 6-11
琵琶を弾日の 寺に足軽
平家物語関係? 平家の都落ちの時平経正は仁和寺に琵琶を預ける
3898 6-11
よたれにて 牛ハ愚に 見へる也
☆そのまんま
3899 6-11
白い所ハ 葱のふと股
☆そのまんま
3900 6-11
入聟と 見せぬ仕方の 手強て
仕方→ふるまい 手強て→てごわくて 聟とあなどられないように
3901 6-11
その当坐 過てハ尼の 沙汰もなし
夫の死後月日が過ぎて 尼になるという話もなくなり
3902 6-11
うは玉の ともへハ兜 着さりけり
うは玉→ぬばたま ぬばたまの は黒などの枕詞 夜の意 ともへ→巴御前 木曾義仲の妾で武将 巴御前も夜は
3903 6-11
若代に成て 下手なほた餅
若代→わかよ 若主人の時代 ほた餅→牡丹餅 姑のほうが上手だった
3904 6-11
絵踏に向ふ 君か高褄
絵踏→えふみ 踏絵 君→主人? 高褄→たかづま 褄→着物の裾のへり 褄を取って踏絵に向かう? ???
3905 6-11
こゆるきの いそく鰹に うら表
こゆるぎの→急ぐ の枕詞 大磯も示す 裏表→表面的なことと裏に隠されたこと 初鰹の鮮度?
3906 6-12
菅笠ハ 照ると降との 二おもて
日よけと雨よけ?
3907 6-12
桔梗さへ 浅黄かちなる 鳥辺山
桔梗→お盆の花 浅黄→緑がかった薄い藍色 ひかえめにあっさり 鳥辺山→京の火葬場 墓地
3908 6-12
人に見られて きへる奉公
下女など奉公人の恋愛沙汰
3909 6-12
傘売の 秤に遣ふ 尾長鳥
尾長鳥→雄鶏 尾長鳥は雨を呼ぶという 鳴けば傘が売れそう
3910 6-12
互の時宜の 遠い元日
時宜→辞儀 あらたまってよそよそしく
3911 6-12
囁・の 跡と先とハ 立なから
囁・→ささやき 二人立ったままささやく
3912 6-12
かまほこに 煙る亭主を 見ちかへる
???
3913 6-12
尼寺に また見ぬ皃の ふたり迄
祇王と仏御前?
3914 6-12
碁打と中の わるひ門番
勝負が長引くので門番が困る
3915 6-12
法花経の 唇はかり いそかしき
お題目
3916 6-12
尾長鳥 小町の読た 跡を啼
尾長鳥は雨を呼ぶというが 小野小町の雨乞いのあとで 啼いた
3917 6-12
黒木の宿に 歯の足らぬ櫛
大原女の黒木売り 頭にのせて売り歩く 髪が堅くなって櫛が欠ける?
3918 6-12
観音と 言ふても摺木 あらく成
摺木→すりぎ すりこぎ 浅草寺の歳の市?
3919 6-12
紅裏に はねを蹴上て 道成寺
紅裏→もみうら 紅色に染めた絹製の裏地 はね→飛び散った水や泥 清姫
3920 6-12
傾城の はなした爪に 物着星
物着星→爪に白斑点が出ると衣類が新調できるという 三蒲団ねだりの目的達成?
3921 6-12
椎の實ハ 曾我兄弟の 泪也
工藤祐経は赤沢の椎の木の陰から曽我兄弟の父の伊東祐泰を射させた
3922 6-12
関守に 見立る皃ハ ほろにかし
関守のような顔
3923 6-12
うまい事 段々・見えて くすり喰い
くすり喰い→滋養のため獣肉を食べること はじめは嫌がっていたが
3924 6-13
身のうちに 帯恥かしき 桐の花
岩田帯? 桐の花は五月ころ
3925 6-13
十六日ハ うまい六月
六月十六日→嘉祥 かじょう 疫病を払うため神に供えた餅や菓子を食う
3926 6-13
又此無尽 仇野ゝ露
仇野→あだしの 鳥辺山と並ぶ京の火葬場 人の世のはかなさの象徴 また無尽講に当たらず無駄に
3927 6-13
見ほれてハ 口の淋しい 淡路嶋
流された須磨から眺めて? 在原行平?
3928 6-13
瓜ぬす人の 瓜てふたれる
ぶたれる→打たれる ☆そのまんまか
3929 6-13
鰒売に 起して貰ふ 雪の竹
鰒→ふぐ 寒くなって旬 鰒売りが雪の重みで曲がった竹を起こしながら売りに来る
3930 6-13
遺言まてを あかす懸乞
懸乞→かけごい 掛取り 死んだ親父の遺言で掛けは絶対取れと? あるいは急な後家が掛取り?
3931 6-13
冬籠 惚れた団扇も 骨斗
冬籠→ふゆごもり 斗→ばかり 夏の恋も今は思い出
3932 6-13
大根て 蚫をむこい めに合せ
蚫→あわび あわびを大根と煮ると柔らかくなるという
3933 6-13
冬篭 八十八ハ 怪我のうち
冬篭→ふゆごもり 八十八→煩悩の数? 怪我→あやまち 家に籠りがちのためつい
3934 6-13
我か身て 我身を来てハ 淋しかり
我身→自分 そなた ???
3935 6-13
ほら貝か 鳴るとつかんて 待て居
狐憑き落としに山伏を呼んだ 憑かれた人を掴んで待つ
3936 6-13
十七屋 立横に寐る 人斗
十七屋→飛脚 たちまちつくから 仕事柄雑魚寝で仮眠ばかり
3937 6-13
三百両ハ むつかしい金
中国故事の此地無銀三百両? 物事を隠すためにしたことがかえって露見する原因になるたとえ あるいは元文四年ひらかな盛衰記の無間の鐘?
3938 6-13
行皃に 行れぬ顔を 窓へ出し
吉原へ遊びにいく友達を閉じ込められている家の窓から見送る放蕩息子
3939 6-13
塀越に みれハ鑓にも 浮沈
整然と行く鑓の列も水平面でならして見ると上下している
3940 6-13
浮家の名に 石部金吉 頼母しき
浮家→ふか 船 石部金吉→いしべきんきち 手堅く生真面目な人☆江語辞 沈みそうな名でもあるが
3941 6-13
池田へ直に 送る乗物
直に→すぐに 乗物→引き戸付きの駕篭 ???
3942 6-14
大きくおもふ 元日の耳
町が静かで遠くの音がいつもよりよく聞こえる
3943 6-14
番町ハ 役の行者の 細工過
番町→町名や町筋が複雑 祭りの山車か何かが ???
3944 6-14
三浦から 玉屋を呪ふ 衣配
衣配→きぬくばり 年末に正月用の衣服を家族や使用人に配り与えること 吉原の三浦屋薄雲と玉屋小紫 太夫はこの二人のみ
3945 6-14
暁の 声を聞知る 峯の松
一の谷の合戦?
3946 6-14
乱菊や みんな尾の出る 供廻り
乱菊→蘭菊 狐を導く語 供廻り→供の人々 狐の嫁入りか
3947 6-14
また皃も 三十三て 面白キ
三十三→女の厄年 顔に人生が出て来る?
3948 6-14
胸の火ハ 昼より夜へ 燃しさり
燃しさり→もえしさり 燃え退り 燃え残る? 夜の方が思いがくすぶる?
3949 6-14
女郎買 はたかに成て よみ返り
身上潰して目が覚める?
3950 6-14
つまむほと 夜の音ある 籔小路
つまむほど→ほんの少し 籔小路→薮柑子 冬小球形の果実が赤熟する ???
3951 6-14
宝くらへの 宵に欠おち
結納の日に男と逃げる?
3952 6-14
逆修を立て 新造を買
逆修→ぎゃくしゅ 老人が若死にした者の冥福を祈ること 隠居の新造買いの言訳
3953 6-14
菅笠の 中へ帯とく 真菰刈
真菰刈→まこもかり 真菰→沼地に生え葉はむしろやちまきの葉になる 沼地の作業なので笠の中へ脱いだ着物を入れる
3954 6-14
去り状て 元の従弟と 也にけり
去り状→離縁状 従兄弟同士の夫婦
3955 6-14
店かりハ 二百十日を おかしかり
借家住まいはかえって気楽? 風で痛んでも他人のもの
3956 6-14
取次ハ やり手のやうな 御物いみ
取次→奏者? 将軍に大名や旗本が拝謁する取次をする役 御物いみ→おものいみ 縁起をかつぐ人 言葉が慎重?
3957 6-14
番付を 枕に敷いて 雨と寐
角力見物 晴天興行なので雨では休み 相撲好きが取り組みを想像
3958 6-14
前帯て 横平らしい 正気散
前帯→既婚女性か遊女か 横平→おうへい 無遠慮 正気散→しょうきさん 風邪薬らしい
3959 6-14
鰒いつか 霞の中に 腰かぬけ
鰒→ふぐ とうとう中毒
3960 6-15
敦盛も 討るゝ比か 聲かわり
比→ころ 平敦盛は十六才で討たれる
3961 6-15
ふむ陸尺の あきる十念
ふむ→経験を積んだ? 陸尺→ろくしゃく 駕篭かき 十念→南無阿弥陀仏を十遍唱えること 臨終の際など 駕篭の超特急で客が念仏を
3962 6-15
うぬを見て居て 誉る長持
うぬ→自分 貴様 長持→衣類や調度を運び保存する長方形の箱 訳ありで嫁入り道具が立派?
3963 6-15
日蓮も おとりのふりを 付し人
念仏踊りもあるが 題目踊りもあるので
3964 6-15
三畳敷か 聟のかくれ家
三畳敷→九尺二間の裏長屋 以下の貧しい住居 聟の秘密基地?
3965 6-15
今年まて 隠した年を 大地震
地震で死んで享年がばれた?
3966 6-15
やふ入の 先親指か さかい丁
先→まず 親指→頭立つもの さかい丁→堺町 芝居町 藪入り休暇はまず芝居見物
3967 6-15
とりあけ婆々・に 歩行せて見せ
歩行せて→ありかせて こんなに大きくなりました
3968 6-15
煤掃に 人形か出て 又泣せ
暮の大掃除に亡くなった子の玩具が
3969 6-15
草り取 こらへ兼てか 棹をさし
遊びに行った主人を待ちくたびれで
3970 6-15
巨燵にはへる やうな母親
はいったっきり
3971 6-15
うき時に 昼と夜とを 寐くらへる
終日ごろごろ
3972 6-15
一門に 突放されて しかの聲
百人一首の喜撰法師? わが庵は都のたつみしかぞ すむ世をうぢ山と人はいふなり
3973 6-15
西瓜好 指をさゝれる 行所
利尿効果でトイレに通う
3974 6-15
ある時ハ 妾の手から 水かもり
上手の手から水が漏る☆諺 妾でもおねだりに失敗することが
3975 6-15
よひおとこ 貧乏神の 氏子也
色男 金と力はなかりけり
3976 6-15
女房の そらて覚る 蔵の内
財産をしっかり把握しておかないと亭主が勝手に質入れする
3977 6-15
麦食に 陽炎もへる 芝の奥
麦食→むぎめし 田舎の意? 芝→柴が山野の小さな雑木 ???
3978 6-16
月並の 丸薬呑て 衣かへ
衣更えの四月朔日も朔日丸を 朔日丸→朔日に呑む避妊薬
3979 6-16
毛見か済ても 止ぬ横平
毛見→検見 役人が稲の刈入れ前に作柄をみて年貢高を定める 検見役人が威張る
3980 6-16
ほねはかりなる 寺へ秋風
荒れ寺の様子
3981 6-16
恨寐へ 羽折掛れハ ほうり出シ
恨寐→うらみね 羽折→はおり 掛れハ→かければ ふて寝に羽織をかけてやるが
3982 6-16
十二銅 主のあたまを 越て行
十二銅→じゅうにどう 神仏に供える灯明料のお捻り 主→しゅう 主人 主君 越て→こえて 主従大勢で参拝?
3983 6-16
狸寐入の 脇へ付さし
付さし→つけざし 酒や煙草の廻しのみ 花魁を待つ おきてんでしょ?
3984 6-16
高野ひちりの 大晦日出る
高野聖→高野僧の形の乞食僧 借金逃れのにわか出家?
3985 6-16
はさみ将棋の 強く成乳母
坊っちゃんの相手で
3986 6-16
尼の暦の よ所てなくなる
よ所→よそ ???
3987 6-16
咽かかわくか 瀧に鳴鹿
☆そのまんまか
3988 6-16
惣領の 馬鹿を弟て 埋て行
惣領の甚六 弟ははしこい
3989 6-16
三世相見て 下女か塩断
三世相→さんぜそう 江戸時代の運勢判断本の一種 何か思うところあって
3990 6-16
煩の 時ハやり手も ちから艸
ちから艸→頼みにするもの 病気の時は意地悪な遣り手婆も頼りに
3991 6-16
逃たいと 言ふハ互の 口斗
斗→ばかり 駆け落ちも云うは易く
3992 6-16
六月の ふとんハ屋根へ ほうらるゝ
土用干しで干す場所がなく
3993 6-16
短気・の道具 弓矢八幡
八幡大菩薩は弓矢の神 弓矢八幡照覧あれと武士が誓いを立てる時用いる語
3994 6-16
妾の里へ 向ふ詰飛ふ
向ふ詰→むこうずめ 本膳料理の焼物 祝いの送り膳を漏らさずに?
3995 6-16
念佛を 面白そうに 老にけり
念仏好きの好々爺
3996 6-17
病上り きたない膝に 遠めかね
増上寺かどこかの彼岸の山門 開放に這って上がった?
3997 6-17
正月に 壬か有つて とらをうち
壬→うるう 放蕩息子が初買いを二回?
3998 6-17
自慢する 気も起々・か 大事也
起々・→起きぬけ 昨日の吉原の首尾?
3999 6-17
きかぬ所 押す肌ぬけハ 緋縮緬
花魁のうそ癪?
4000 6-17
親方の 起す箒ハ 与所を掃く
親方→商家の主人 与所→よそ 起こされた丁稚が他の家の前を掃かされる?
4001 6-17
女の皃の 夜近く成
行灯の下で近く感じる?
4002 6-17
ちよつと来て 履かへて行 鉋屑
鉋屑→かんなくず 鉋屑が行ったり来たりする様
4003 6-17
鹿聞の 初たけ一ツ 持て居る
初茸→初秋松林に生える茸 秋牡鹿は雌を呼んで鳴く 鹿聞のついで
4004 6-17
娵の雛の 翌ル年来る
娵→よめ 雛→ひいな 嫁入道具には持って来なかったが翌年女の子が生まれて実家のを持ってきた?
4005 6-17
よいおとこ 吹流されて 人に成
放蕩して勘当され田舎で改心
4006 6-17
夜なべの膝の ほつかりと出る
同じ姿勢で根をつめて 立ち上がると着物が膝の形に あるいは肌が少し出て
4007 6-17
袖留て 男と物を 言ひたかり
振袖時代と違って話しやすい
4008 6-17
関所の鼻の 赤ひ木からし
役人の鼻に寒風が
4009 6-17
闇夜にほねの 出来るさゝやき
ほね→最も重要な所 中心 あたりの中心になったよう?
4010 6-17
顔を撫よと 羽箒を遣る
羽箒→はぼうき 鳥の羽毛で 作った小さな箒 ???
4011 6-17
雲水に 出立二人も 畑泊
出立→でたつ 出発する 畑泊→はたどまり ???
4012 6-17
うまい事かく 極月の文
極月→ごくげつ 十二月 花魁の催促の文(暮の文)
4013 6-17
憎れ子 握り拳に 喰あきる
憎れ子→にくまれご ☆そのまんま
4014 6-18
そふそう・ハ 最ウ盗人に なすられす
放蕩息子が家の金をくすねる? 掛取りへの言い訳?
4015 6-18
十露盤を 伯父へ直して 消たかり
十露盤→そろばん 直す→向きを整える 消たかり→きえたがり 親父が放蕩息子のことで相談
4016 6-18
物思ひ 例のうちハを かしりけり
例の→いつもの うちハ→団扇 かしりけり→齧りけり
4017 6-18
此世の数に 入ぬ六月
暑くて地獄
4018 6-18
神鳴の 夕べ・にこりて 夜着を入
暑いけど被れるように?
4019 6-18
うまい屏風の 中へ雨もり
色事進行中に
4020 6-18
柔取 めつたに人へ 寄かゝり
柔取→やわらとり 柔術家 めったに→やたらと 技を掛けたがる?
4021 6-18
薬喰 こたつやくらハ ひへかへり
薬喰→滋養に獣肉を食べる 女房は嫌うので独り淋しく
4022 6-18
白魚の また恐ろしき ゑひす講
恵比寿講は一月十日か十月二十日 白魚漁は初冬から早春 ???
4023 6-18
妾の里へ 落る入札
入札→いれふだ 入札 殿様の妾の家族が落札 妾が殿様から情報収集?
4024 6-18
とや鷹の 人に逢れぬ 物思ひ
鳥屋に就く→鷹の羽毛が夏に 抜けて冬に生えること 娼婦の梅毒が第二期に入って毛髪が抜ける期間 梅毒の夜鷹
4025 6-18
土産のうちへ 入れる吉原
江戸の土産話のために見物
4026 6-18
脈に恐れて 聟ハ定まる
定まる→決まる 落ち着く 主人が病気で娘に婿をとる?
4027 6-18
日待から 娘に犬を 付はしめ
日待→潔斎して翌朝の日の出 を拝む行事 遊興や博打場と化した場合も 犬→まわしもの 娘の素行を親が心配し?
4028 6-18
道艸か 奉公に成 わか菜時
わか菜→七草の類い 七草を摘んで来れば買わずに 済む 薺売りから買えば一束一文
4029 6-18
山伏の 穴を言出す 狐つき
調伏に来た山伏 狐つきは秘密暴露をするもの
4030 6-18
放し雀の 竹町へ飛ぶ
竹町→京橋の竹町? 数万本の竹置場あり 竹に雀は図柄や紋のお約束
4031 6-18
相違なく 二階へ上る 水の物
水の物→水物? 飲物や果物 奉公人には絶対貰えない
4032 6-19
河たけの 年を盗むも あわれ也
河たけ→川竹の流れの身 遊女のこと 年をごまかす
4033 6-19
同行五人 四人は瘡
四人→よったり 瘡→かさ 梅毒治癒祈願の巡礼? もう一人はお大師様?
4034 6-19
恥かしい 元ハ四季着に 品か付
四季着→しきせ 奉公人に支給する着物 品→媚びを含んだしぐさ様子 奉公人の間の色恋沙汰?
4035 6-19
油揚の 仕方も四百 八十寺
四百八十寺→唐の杜牧の詩で 出てくる江南の寺の数 しひゃくはっしんじ 昔は寺でも豆腐を作った?
4036 6-19
ふすほりくさい 人買の声
ふすぼる→燻ぼる くすぶる 不機嫌になる 女衒の声か
4037 6-19
悪口を 通して通る 橋の上
屋形船から橋の上の涼み人に悪口を?
4038 6-19
紋所にも そんな母方
五月幟で上が父方の紋で下が母方の紋
4039 6-19
弥生まつ 所帯道具の 拾ひ買
所帯→せたい 出代りで良い出物が?
4040 6-19
女房に 直すと奥の 手か見へて
直す→妾などを正妻にする 正体が顕われる
4041 6-19
しろ餅を 下前にする 草の餅
下前→合わせた着物の内側 雛祭りの菱餅を着物に見立て 昔は白餅と草餅だった
4042 6-19
六十余州 皆女形
六十余州→日本全国 日本武尊はクマソタケルに女装して近づき刺殺したので女形の元祖
4043 6-19
一ツ出来 二ツ滅たる 帆かけ舟
滅→減 帆を上げる舟 下ろす舟
4044 6-19
能い摘人来る 雪の菜畑
能い→よい 摘人→つみて 雪から出ている菜を鳥がついばむ?
4045 6-19
よくこねかへす 恥の翌ル日
酔って騒いだ翌朝に反省
4046 6-19
雪を見に 行かハ女房の ない所
吉原へ 雪の日に登楼するともてる
4047 6-19
突つけらるゝ 六原の質
六原→六波羅 平家一門の意 驕りの報いで滅亡?
4048 6-19
夫婦中 水と魚とも 案しられ
夫婦中→夫婦仲 水と魚→密接な間柄の意☆俳説ことわざ辞典 ???
4049 6-19
土蔵か明て 生霊・か退く
放蕩息子を座敷牢から追放?
4050 6-20
おそめか供の 光る桟留
桟留→さんとめ サントメ縞の綿織物 お染久松の心中? 久松は丁稚
4051 6-20
久しい藝の 売れる青山
久しい→古い 江戸でも遠い所なので?
4052 6-20
手桶て猫を 捨る町代
町代→ちょうだい 自身番に勤務する者
4053 6-20
祇王がたん・笥 皆下ル音
祇王→京の白拍子で清盛の寵を受けるも仏御前に寵を奪われ嵯峨で尼となる ???
4054 6-20
らうそくに 弥駄の手の筋 顕れし
弥駄→弥陀 手の筋→手相 蝋の流れた跡が
4055 6-20
坐頭の坊 裸に成て 袖たゝみ
袖たゝみ→着物の略式のたたみ方
4056 6-20
松か岡 おとこに犬の 吼かゝり
松か岡→駆け込み寺の東慶寺 吼→ほえ 尼寺で男子禁制
4057 6-20
ゆく秋ハ 百人町か 死所
青山か新宿か ???
4058 6-20
茶筌うり 子も七墓を 覚けり
茶筌うり→京の空也堂の半僧半俗 暮れに鉢叩きに 七墓参り→大坂で七月十五日の夜鉦を叩いて七カ所の寺の墓地を巡る
4059 6-20
引出しへ ひよこの這入 土用干
たんすの引出しを開けて虫干し
4060 6-20
恋草や 覚悟の前の 咲所
恋草→こいぐさ 恋心のつのることを草が茂るのに例える 咲所→さきどころ
4061 6-20
金堀の 面に命ハ なかりけり
金堀→鉱山で金銀を掘る人 苦役
4062 6-20
つはくらハ 帆のふところを 雨舎
雨舎→あまやどり ☆そのまんま
4063 6-20
三十年来 日に餅を喰
??? 日に→毎日?
4064 6-20
縫なから 額て見たる 言ひ名付
上目遣いで 真っ直ぐ見ない娘心
4065 6-20
夜食にも出る 親の伊賀越
伊賀越→いがごえ 親が伊賀越をした話か 荒木又右衛門の話か
4066 6-20
志度寺の法事 浦の外聞
志度寺→しどじ 香川の寺で謡曲海人で有名 藤原房前の母の海女を弔う よそ者と結婚したと?
4067 6-20
坐頭にも 結ふの神の 乗うつり
結ふの神→むすぶのかみ 男女の縁をとり結ぶ神 坐頭が縁で?
4068 6-21
伽藍の雨戸 蹴たり踏たり
??? 本能寺?
4069 6-21
隣から あふなくおもふ 誉詞
誉詞→ほめことば 歌舞伎で見物人が立ち上がって役者を誉めること 音羽屋アッ
4070 6-21
四十の赤子 はつはつ・に産
はつはつ→辛うじてぎりぎり 高齢出産 あるいは四十二の二つ子☆HP「武玉川を歩む」 父が四十一の時生まれた子は親に祟るというが母についてもいう所あり☆俳説ことわざ辞典
4071 6-21
つくつく・と 後家ハ蚫を 誉て居
蚫→あわび 片貝だから?
4072 6-21
かゝみ研 古い玄関に 大胡座
鏡研ぎの仕事スタイル
4073 6-21
わすれはてたる 膝へ書出し
書出し→請求書 お金が要ることをすっかり忘れていた
4074 6-21
世を捨た 身の煎薬に 皃かみへ
煎薬→せんやく 煎じ薬 自分の顔が映る 世を捨てても命は惜しし
4075 6-21
海老に成ハと 居風呂のこへ
居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 熱いぞー
4076 6-21
こそくりに 来ル度毎に 蚊か這入
こそくる→修繕する こそぐる→くすぐる
4077 6-21
出女の 口ほともなき つむし風
出女→宿場遊女 つむじ風が来るといって宿へ引き込む
4078 6-21
うは玉に 助られたる 中の町
うは玉→ぬばたま ぬばたまの は黒などの枕詞 夜? 恋の闇路? 中の町→吉原仲の町
4079 6-21
初雪を 地主からして 喰はしめ
出来た物は何でもまず地主から?
4080 6-21
愛相過て 凄く成る母
愛相→愛想 凄い→気味が悪い 何で?
4081 6-21
掛乞の 嘉例のやうに たゝかれる
掛乞→かけこい 掛取り 借金取り 嘉例→吉例 正月になったら
4082 6-21
おとこづくにて 蛇の吸物
おとこづく→男の意地や体面を立てぬくために事をなすこと 根性試し
4083 6-21
音頭取 道陸神に 寄かゝり
道陸神→どうろくじん 道祖神 村はずれで一休み?
4084 6-21
おふくろを 泣せて帰る みつ物や
みつ物や→三物屋 古着の行商人 安く買いたたく?
4085 6-21
小豆餅 是て一首ハ 是非もなし
家康の話か?
4086 6-22
帯も日も 短くなりて 初しくれ
☆胸裏三斗 時雨→晩秋から初冬の雨 厚着をするようになり?
4087 6-22
淋しい足りに ならぬ兄弟
足り→たし 彼女がいなくては
4088 6-22
つらつら・と 大宮人の 買かゝり
つらつら・と→念入りに 大宮人→宮中に仕える人 ???
4089 6-22
羲之を習らへハ 親ハ苦にする
羲之→王羲之 晋代の書家 千字文の筆跡を書いた 寺子屋の千字文の学習で無筆の親が困る?
4090 6-22
放下のやうに 仕廻おや椀
放下→ほうか 放下師? 手品や曲芸の大道芸人 仕廻→しまう 親椀→大型の飯椀 大喰らい
4091 6-22
淋しさに 尼をさそへハ 猶淋し
賑やかにはならない
4092 6-22
娘のはたち 家につかへる
つかえる→滞る はやく嫁に行ってくれ
4093 6-22
いとこか死て すたる 鰒汁
鰒→ふぐ 近親に犠牲者が出ると
4094 6-22
とつちの恥か しらね寐こかし
しらね→しらぬ? 寝こかし→寝かしたまま放っておく 相手を放置して寝てしまう 花魁の恥か客の恥か
4095 6-22
坐頭か着れハ 若いむらさき
若い→未熟である? 検校は紫の法衣
4096 6-22
松魚の声て あかるさみたれ
松魚→かつお 初鰹ではないが 鰹売りと五月雨の季節感
4097 6-22
峰の枩 おしへる人の 裾をふみ
枩→まつ ???
4098 6-22
内に居る日ハ あまる抱守
抱守→だきもり 小児を抱いて守をする乳母 雨で出られず
4099 6-22
ねはん会や 人も枕をほしけなり
涅槃図は右手を手枕 お釈迦様も参詣人も枕が
4100 6-22
新温泉のゆかた 紋を案しる
新温泉→しんゆ ???
4101 6-22
薬ても いかぬ病か 丸はたか
憑き物? 恋煩いの果て?
4102 6-22
立すかた見て みたい寐すかた
いい女
4103 6-23
四谷に住めは 馬の世の中
青梅街道や甲州道中に近い 駄馬の通行多く馬の糞が名物
4104 6-23
最ウ壱両と きせるにて書
火鉢にあたりながら交渉 銀煙管を質入れ?
4105 6-23
大かたハ 取返さるゝ あくた川
業平と逃避行 二条の后高子は連れ戻された
4106 6-23
梶の葉て 嬉しい頬を 撫て居
七夕の梶の葉に思いを書く
4107 6-23
かふせた鍋を 桟敷から見る
鍋かぶり日新?
4108 6-23
出女の 役者をとめて ふところ手
出女→宿場遊女 役者が泊ってそっちへ人が
4109 6-23
古郷へ向て つまむ新米
江戸住まいが故郷の農村を偲ぶ?
4110 6-23
溜息の 灯火へ来て つきあたり
灯火→ともしび 暗い中をあてどもなく
4111 6-23
抱付て 向ふへ見せる 米俵
米俵を見せる仕草?
4112 6-23
妾の小言 桶鉢の漏
いつまでもだらだらと
4113 6-23
勘当免す 母ハ着かさり
免す→ゆるす この母にしてこの息子あり
4114 6-23
廻廊に 向ふ下リの 普門品
普門品→ふもんぼん 観音経 浅草観音 ???
4115 6-23
夜鰹に 手燭の持人 うつくしき
夜鰹→明け方魚河岸に着く前の鰹 手燭→てしょく 持人→もちて 本材木町の魚市場新場の夜鰹☆江戸川柳名物図絵
4116 6-23
落した馬を 餞別にやる
自分を落馬させた馬をやる
4117 6-23
斯ウ死たいと 夜着に三人
斯ウ→こう 死たい→しにたい 貧乏親子?
4118 6-23
拭ハ又書く 六波羅の壁
平家一門へ落書き?
4119 6-23
我かせこに 蠏の逃込 笹の音
蠏→かに わがせこが来べき宵なりささがにの蜘蛛のふるまひかねてしるしも ☆衣通姫 御幸があり
4120 6-23
呼返されて 吝くふりむく
吝く→しわく しぶしぶ振り返る
4121 6-24
御油ハ家来の 呵られる宿
御油→東海道御油宿 飯盛女で有名
4122 6-24
野郎の文を 拾ふ棹川
棹川→?
4123 6-24
あしな形見て 引料か入る
味な→色っぽい 形→なり 姿 引料→ひきりょう 引越料 口止めで引越させられる?
4124 6-24
江戸見坂 みんな世界ハ 男の子
江戸見坂→江戸下町の大部分を眺望できた 長屋の外で遊んでいる男の子が目立つ?
4125 6-24
猿かほしかる 蝉丸の撥
撥→ばち 謡曲蝉丸 逢坂山のほとりの藁屋で琵琶を弾じる
4126 6-24
音頭の扇 今朝ハ明かね
明かね→あけかね 疲労困憊?
4127 6-24
横笛吹けハ 須广て怖かる
須广→須磨 敦盛の亡霊かと
4128 6-24
女房を 田か見えてから 歩行せる
歩行せる→ありかせる それまでは馬に乗せていた? 田舎か吉原か?
4129 6-24
禿よく 大事のことを 言ぬ也
禿→かむろ 子供だが営業上差しさわることを言わぬのはさすが
4130 6-24
何か売たか 木場の吸物
木場→深川の貯木場や材木屋 儲かったらしい あるいは上客の接待?
4131 6-24
又一廻リ 借夜着を着る
一廻リ→ひとまわり 七日間 借夜着→かしよぎ 貸衣装の夜着?
4132 6-24
献立を 合点して行 夷講
恵比寿講→十月二十日の商家の祀り 食い放題
4133 6-24
一もみもんた 跡の名代
一もみもんた→一紛糾した 遊里で他の客に花魁がもらわれて名代の新造が出て もらい引きの一悶着
4134 6-24
闇の夜の 使に調市 死かゝり
調市→でっち 昔の夜は真の闇
4135 6-24
三社の託の わかる女房
三社の託→さんしゃのたく 三社託宣 伊勢・八幡大菩薩 ・春日大明神のお告げを一幅に書いた軸物 吉田神道の信仰対象
4136 6-24
子を誉過て 親ハだいなし
親ばか
4137 6-24
暮の秋 皆鶏頭に 見たをされ
暮の秋→季語 晩秋 見倒す→みくびる 買い叩く ???
4138 6-24
七府に寐せて 尻に敷れる
七府→七布 ななふ 狭いむしろ 粗末な寝床 蒲団の七割に寝る女房に頭上がらず 「みちのくの十符の菅菰七符には君をねさせて三符にわれ寝む」☆川柳辞彙
4139 6-25
惣本寺まて 知れる堪忍
惣本寺→総本山?
4140 6-25
おもてへ向て 居る針筥
居る→すわる 針筥→はりばこ 明るい方を向いて針仕事
4141 6-25
とこそてハ 振らねハおかぬ 草り取
振る→供が手を動かして伊達の形をしてみせる?
4142 6-25
女房の 言た師走に 成にけり
あんた掛取りが来たらどうすんのさ
4143 6-25
木馬の腹の 寒き入相
木馬→乗馬の稽古用 入相→いりあい 日没の鐘
4144 6-25
ほたんをつかむ やうな胸くら
女が男の胸ぐらを掴む? ボタンなら丸山遊廓? ???
4145 6-25
妹にして 置もそろはん
嫁とすれば金がかかる
4146 6-25
緋ちりめん哉 鬼のふんとし
緋縮緬のふんどしとは粋
4147 6-25
五十から 飛んた商 なかりけり
安全第一
4148 6-25
枝豆て こちら向せる はかりこと
枝豆を飛ばして? 九月十三日の後の月見?
4149 6-25
鶯の 子も口はしる ゑひす講
競りの真似事の様?
4150 6-25
納太刀 雫の中に かしこまり
納太刀→おさめだち 大山詣りの前の垢離 納める木刀とともに墨田川で あるいは大山の滝で
4151 6-25
遺言の 妹にハ最ウ 届かね
長男の分で手一杯?
4152 6-25
五十年 能く納りし 無筆也
納まる→終了する 無筆でも一生無事に送れた
4153 6-25
講中寄て ほめる戒名
葬式代の頼母子の念仏講
4154 6-25
寒念佛 むかしハ鰒の 世也けり
寒念佛→かんねぶつ 寒中三十日間夜中に念仏を唱えて歩く行 鰒→ふぐ 若い時ならこんな寒い夜は
4155 6-25
聟か通ると ふれ歩行乳母
歩行→ありく もうすぐお婿さんが通るよ
4156 6-25
日光の 土産に人を 怖からせ
釣り天井のことか? 日光を開いた勝道上人の蛇橋?
4157 6-26
持主へ 抜身戻て たそかれる
抜身→鞘から抜いた刃 たそがれる→夕暮れになる 放蕩息子の帰宅? 菖蒲刀? 大山詣りの木太刀は別のか?
4158 6-26
惚れた人来て 鳴らぬ三弦
三弦→しゃみせん 別のことを
4159 6-26
なりけりにして 闇を出て行
なりけり→そのまま
4160 6-26
一夜て笛の 入らぬ牛若
すぐ弁慶が家来になって
4161 6-26
しなりくなりと しても子か出来
しなりぐなり→のらりくらりふわふわと暮らしていても
4162 6-26
ちく生か 恋しく成て 前渡リ
前渡リ→遊郭にひやかしに いく 女郎買いにいく 前は振られたが今度こそは
4163 6-26
溜息の 向ふハ燃る 火吹竹
下女の恋?
4164 6-26
関へちろりの 通ふ栗橋
ちろり→お酒の燗をする道具 栗橋→奥州街道の宿駅 利根川の堤に中田の関所あり 川風寒く? 通う千鳥の文句取り
4165 6-26
ふくら雀も 誉られて死
ふくら雀→羽を膨らませた雀やそれを図案化した紋 本当は寒いだけか
4166 6-26
雨の日の 忘れ艸にも 蝸牛
忘れ艸→憂さや心配を忘れさせるもの
4167 6-26
なふれハ畷を 廻る早乙女
畷→あせ? ひやかすと畦を回って逃げる
4168 6-26
地主の自慢 水にとゝまる
ここは水がいいんだとしか
4169 6-26
伯父も揃て むす子粉に成
粉に成→こになる 粉々になる 疲れはてる 親父と伯父に説教され粉砕
4170 6-26
二百十日の 疵ハ晴天
疵→きず 不名誉 嵐にならないと恥
4171 6-26
野郎廻しの 酔と名言
遊郭の回し方の男?
4172 6-26
江戸ハ蛇か出て 暑い朔日
朔日→ついたち 六月朔日の駒込富士権現祭礼で藁細工の蛇
4173 6-26
命しらすの 汐干仕あてる
汐干→潮干狩り? 仕あてる→成功する 危険な真似もして
4174 6-26
狸も化て 見ようもの哉
何かの文句取か?
4175 6-27
言ふなとはかり 殿の口笛
殿様が腰元に接近
4176 6-27
町内に 知る人もなく 竹を植
??? 筍が出て近所に迷惑なので? 竹酔日を知る人がいない?
4177 6-27
挑灯三張 はれな生酔
はれな→晴れがましい
4178 6-27
納豆汁を 隣から替え
納豆を叩く音でわかる 長屋の隣からお替わりを貰う
4179 6-27
さんこ珠に 若衆の歯形 いさき能
珊瑚珠→毒気に触れると割れるという 練り物の偽物も多かった 若衆→男色の弟分 いさき能→いさぎよし
4180 6-27
出雲を急に 見たい十月
神無月で出雲に神様が集まっているのを見たい
4181 6-27
肝の所へ あてる鐃鉢
肝→最も重要な所 鐃鉢→にょうはち 葬儀に使うシンバルのような鳴り物 ここぞというところで鳴る
4182 6-27
浜萩ハ 両方ともに 言かゝり
浜萩→難波の蘆は伊勢の浜荻 所かわれば名や習慣が違う意 ここでは伊勢商人のことか? 伊勢屋稲荷に犬の糞 近江泥棒伊勢乞食
4183 6-27
すつほんに 拝れた夜の 暖さ
スッポン鍋 スッポンの暴れる様
4184 6-27
笑た所へ 中椀かゆく
中椀→ちゅうわん 中くらいの大きさの椀 大きめの器で酒を飲ます
4185 6-27
母のない 娘を側に あしろ守
あしろ守→網代守 冬に氷魚をとる網代の番人 寒い中の父子
4186 6-27
河原の院へ からかさを干
河原の院→源融の豪邸 後に荒廃
4187 6-27
さくら麻 むかしの人の 名も忘レ
桜麻→麻の雄株
4188 6-27
菜か出盛と 日帰リの旅
彼岸の六阿弥陀詣?
4189 6-27
四条糺ハ 六月の川
糺→ただす 下賀茂神社の六月祓 六月晦日の神事 糺川に五十串の御幣を立てる
4190 6-27
十八粥ハ 不断着の侭
十八粥→正月十八日元三大師 供養に食べる小豆粥 七草粥とちがって松の内は過ぎているので?
4191 6-27
唐紙の うしろへふとる 物思ひ
恋煩いで引きこもる?
4192 6-28
裸てと 言へハ娘ハ おかしかり
裸で→持参金なしで
4193 6-28
さへ人ハ 握り拳を 持て行
さへ→頭の冴えた? ざえ→才?
4194 6-28
長普請 釘の名迄を 覚けり
何度も見に行くので
4195 6-28
児ひとり いつ迄艸の 目を病て
児→ちご いつ迄艸→木蔦や万年草の異名 いつまでもの意
4196 6-28
よける気て居る うたゝ寐の足
人が通ると動く
4197 6-28
やり手かむす子 斎日に来
遣り手の息子が薮入りで
4198 6-28
こと葉を残せ 闇も有へし
???
4199 6-28
我思ひ 皆寐せ付て かしこまり
自分の気持ちは押さえて
4200 6-28
石の降る夜ハ 甘口てなし
婚礼の夜の石打ちの習俗 甘口→普通 やさしい
4201 6-28
立往生ハ はれな往生
はれな→晴れがましい 弁慶の立往生
4202 6-28
吉野紙 仏の道も しくれけり
吉野紙→吉野産の薄い化粧紙 閨房用の紙
4203 6-28
永代を 節木隠れの 絵馬か行
永代→永代橋? 節木→ふしき 節のところに 穴があり中空になっている木 頼朝の石橋山の節木隠れの絵?
4204 6-28
鬼千人て つゝき出す娵
娵→よめ 子姑の嫁いびり 「小姑一人は鬼千匹にむかう」☆諺→嫁にとって小姑ほどやりづらい存在はない意☆俳説ことわざ辞典
4205 6-28
傘の 下を時雨る 小性髪
主人にさしかけて
4206 6-28
つかめハ消へる 傾城の乳
小さい乳房が美しいとされた ?
4207 6-28
送り来て 潜りを覗く 美しさ
潜り→くぐり 潜戸 門の脇の低く小さい戸口 夫か子を送って
4208 6-28
留守の手からに 子を産て置
亭主の旅の留守にお産
4209 6-28
とり付にくい 顔へおしろい
化粧すると印象がかわる? 腹を立てた朝の化粧?
4210 6-28
手桶を見ると そつとする聟
聟に水をかける水祝いを思い出して? あるいは「提の水が湯となる」→嫉妬の情が激しく燃え上がる意☆俳説ことわざ辞典 をきかす?
4211 6-29
言ひ甲斐なくも 品川て死
旅戻りの途中?
4212 6-29
うき世絵を 誉てそろそろ・ 当こすり
芝居見物のおねだり
4213 6-29
狐に隠す 関の冷食
冷食→ひやめし ???
4214 6-29
蚰蜒に 椀をかゝへて すつと立
蚰蜒→げじげじ 逃げる
4215 6-29
蔵へ行 給仕に乳母ハ 言ふくめ
座敷牢か
4216 6-29
皃つきも 夫ほとつゝな 物を買
夫ほと→つまほど ???
4217 6-29
寒声の 見覚て居る 都鳥
寒声→冬の夜や早朝戸外で する音曲の稽古 隅田川で稽古
4218 6-29
なひかぬしたく 突袖て居
したく→身支度 突袖→つきそで 袖の中に手を入れて袂の先を前方に突き出すこと なびきませんよ
4219 6-29
ほくろかぬけて 広く成る顔
☆そのまんま
4220 6-29
鱠を捨る 舟の明星
鱠→なます 魚を細かく切ったもの 屋形船の宴会の夜明け
4221 6-29
から鮭に成 頃か関寺
謡曲 関寺小町 老いさらばえた小野小町
4222 6-29
向ふの恥を 蚊屋に釣上
???
4223 6-29
白鷺も 紅葉の中ハ 酔て飛
赤く照り映えて
4224 6-29
美しい 取次の出る 十二月
掛取りの言い訳にご新造が
4225 6-29
九十九夜 能い日和をハ ひし隠シ
ひし隠シ→ひた隠しにする 若草少将の小町百夜通い?
4226 6-29
無造作に 明る?笥の 恥かしき
花魁の?笥は立派だが中は空
4227 6-30
出て行と 思へハ家か 高くみへ
戻るには敷居が高い
4228 6-30
恋の闇 明るくなれハ 命かけ
成就すれば今度は
4229 6-30
夫婦揃つて 神酒を酢にする
神棚に上げっばなし
4230 6-30
公家のはたしハ 深草か先
深草少将は裸足で百夜通い 在原業平は芥川で?
4231 6-30
秋風の 覗懸りて みそき川
六月晦日の夏越の祓 夏の終わり
4232 6-30
裸て聟を 居へる正月
居へる→すえる 裸聟をとった?
4233 6-30
一はい喰ふて 二度に出る蔵
一杯喰う→だまされる 二度に→別々に? ???
4234 6-30
尼あたらしく 娵連て出る
比丘尼と惣嫁?
4235 6-30
女の舌に 怖いあわもり
あわもり→泡盛 沖縄や九州 産の蒸留酒 品川の客の薩摩武士関係?
4236 6-30
左右から 口か尖て 松ヶ岡
尖て→とがって 姑や小姑の嫁いびりで駆込寺
4237 6-30
埋れ木を つまみ上たる 又従弟
埋もれた逸材の出世? 秀吉と加藤清正か?
4238 6-30
面白い字に かわる年号
宝暦以前のことと思われる 宝暦をほうりゃくと読み法楽としゃれた ☆柳二85参考
4239 6-30
家買て 恥かしかりし 女形
何処迄も女らしく内気で
4240 6-30
三十日の顔の ぬかる子卸
三十日→みそか ぬかる→抜かる うっかりし て失敗する だらしなくなる 子卸→こおろし 仲条流? 薬礼を取り損ねる?
4241 6-30
格子のうちへ 借りる錫杖
??? 歌舞伎の花魁道中は先頭に 錫杖をつくが?
4242 6-30
言込られて うこく唇
言葉には出ないが
4243 6-30
病上り いたゝく事か 癖に成
薬湯は頂いてから飲むので
4244 6-30
はこの子も 斯ウ恥かしく 成物か
はこの子→羽子の子 羽根つきの羽根 斯ウ→こう 恥ずかしがりの娘
4245 6-31
買ふて喰ふ 時も出家の 手を合
合→あわせ 托鉢ではないけれど
4246 6-31
松虫の 終に命を 鳴ちゝめ
終に→ついに 鳴く事で命を縮めた
4247 6-31
ゑひすの前て 晴な商
恵比寿講で競りの真似事 馬鹿な高値をつける
4248 6-31
使に筆を おろすあさちふ
あさちふ→ 浅茅生 荒れた草地 浅茅生の宿→荒れ果てた住居
4249 6-31
隣も起て 出たるうしろ手
うしろ手→後ろ姿 お縄?
4250 6-31
一夜泊の 乳母に岡崎
一夜泊→一晩泊まる? 岡崎→唄三味線の練習曲 昔世話になった乳母に
4251 6-31
緋の袴 小町の気てハ 恥かしき
小町になったつもり?
4252 6-31
玉の緒と 外の事にハ 書にくし
枕詞以外でば
4253 6-31
狸の腹ハ 根生か鳴ル
根生→根性 そんな感じ
4254 6-31
吉原の 人ハ千住の 蚊にくわれ
千住は荒川隅田川にはさまれ蚊多し 千住道沿いに蚊が?
4255 6-31
一先梦の 覚る三十
一先→ひとまず 梦→ゆめ 覚る→さめる 現実的に 「三十の尻くくり」☆諺☆俳説ことわざ辞典
4256 6-31
勘畧に ほうり出されし 黒小袖
勘畧→勘略 かんりゃく 倹約 黒小袖は吉原行き衣装 黒小袖を着た息子を勘当
4257 6-31
格子の外を つめるけいせい
素見の客をつねる
4258 6-31
せうかの匂ふ からかさを干
せうか→生姜 九月十一日から二十一日 芝飯倉神明祭生姜市の秋雨
4259 6-31
大三十日 舌を抜るゝ 覚悟也
掛取りに大うそを
4260 6-31
きのふから 時雨の溜る 捨小舟
捨小舟→すておぶね 捨てられた小舟
4261 6-31
石屋へ戻す 後家の傘
墓石を注文した時借りた?
4262 6-31
人の吸う酢に あちら向母
産婦の気付け
4263 6-32
茶の花の 茶ほと世間を しらぬ也
葉ほど知られていない
4264 6-32
小野郎ふへて 帰る太々・
小野郎→こやろう 年少の従僕☆川柳辞彙 太々・→だいだい 太々講 伊勢講 伊勢参宮の講 抜け参りの少年が合流?
4265 6-32
一日の 遊ひ納に 鳥を寐せ
鳥は留守番だったが
4266 6-32
御息所の 夜半も冷水
御息所→みやすどころ 志賀寺上人は一目惚れした京極の御息所の御所の庭に一日一夜立っていた 年寄の冷水
4267 6-32
白拍子 行先々・て 寄かゝり
江戸の踊り子みたいなもんで
4268 6-32
丸薬の利く 頼母しい母
何か弱みがあって放蕩息子のいうことを聞く母?
4269 6-32
樽か明たと 訴をきく
大酒呑みに早く帰れと? ???
4270 6-32
坐頭坊 一思案して 袖畳
袖畳→そでだたみ 和服の略式の畳み方
4271 6-32
盆の来るのか 七夕の疵
疵→きず 欠点 数日後の盆にも掛取りが来る
4272 6-32
女の料理 吸口ハなし
吸口→吸物に添えて香気をつける柚子など 実質本位
4273 6-32
似た似た・に はや五六両 たをれけり
たおれる→借金などを返して もらえず損をする 子供が生まれて祝われたがあとで費用がいろいろ
4274 6-32
女の汗ハ 押つけて置
拭くと化粧が
4275 6-32
三度の勅使 降に出て行
降→ふり 謡曲雷電 菅原道真の怨霊を鎮めるため比叡山の法性坊に三度使いを出す
4276 6-32
松風斗る 住よしの升
斗る→はかる 住吉と松風は高砂や岩船で謡われる 摂津住吉大社の升市では升が売られた
4277 6-32
我所帯 銭に崩して 入間河
居る?
4278 6-32
一月を 十日牡丹に 嫌れて
牡丹は富貴草二十日草という ひと月のうち二十日は貧乏
4279 6-32
身柱から 先へふさいて 山颪
身柱→ちりけ 首筋の灸点 山颪→やまおろし 被り物が飛ばぬよう?
4280 6-32
正月か 四十を越せは 飛て来
年取ると一年が早い 四十は初老
4281 6-33
憎れ瞽女の こそこそ・と喰う
瞽女→ごせ?
4282 6-33
池田へ直に 送る乗物
直に→すぐに 乗物→引き戸付きの駕篭 池田→大坂の池田?酒造業や植木で有名 ???
4283 6-33
よるへの水に ありあり・と銭
よるべの水→神に供える水 神霊のやどる水 社頭の神水 お賽銭が沈んでいる
4284 6-33
蓬莱・の 前うしろなき 松の内
蓬莱・→正月の喰積 祝い肴で蓬莱を作る
4285 6-33
樟脳匂う シテのはたらき
シテ→能狂言の主人公 激しく動けば装束の匂いが
4286 6-33
飛々・に日の あたる村雨
村雨→降ったり止んだりするにわか雨 日差しがまばらに
4287 6-33
三分と銭に すれハ魔かさす
一両をくずして一分で吉原
4288 6-33
文の長いか 損のはしまり
花魁の催促の文
4289 6-33
あかれた皃に 損な白粉
塗っても無駄
4290 6-33
とり込母も 元が錦木
錦木→門前に立て女が取り込めば求婚受諾になる一尺の木 母の時もその母が?
4291 6-33
うしろへ歩行 神子のくつろき
歩行→ありく 神楽で後退する時気が緩む?
4292 6-33
よい梦を 御覧なされて 小豆飯
梦→ゆめ 姫様のおめでたいこと?
4293 6-33
元舟の 中にも露の 置所
元舟→もとぶね 遠洋を航行するための大船 水が漬く筈のない大船の中に
4294 6-33
妾の息の かゝる足軽
お妾の手下
4295 6-33
薬師も常の 夕くれてなし
朝観音に夕薬師 ことに正月八日の初薬師?
4296 6-33
家内に毒の 多い後家の代
夫には毒だった
4297 6-33
膳の半ハへ 袖とめた顔
半ハ→なかば 既婚の人が宴の途中で挨拶? ???
4298 6-33
居風呂に 沈んて居たる 十二月
居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 掛取りから隠れる?
4299 6-34
九尺店 度紋か借リて 引延し
九尺店→くしゃくだな 九尺二間の長屋 度紋→どもん 揚弓矢取り女 弓を引くに掛ける?
4300 6-34
金剛杖を 正直につく
大山詣り 懺悔が必須
4301 6-34
物着星 大たはに出る 夜着ふとん
物着星→爪に白斑点が出ると衣類が新調できるという 大たは→おおたば はでに 夜着ふとん→吉原の三蒲団
4302 6-34
穴を言れて 着直して来
外出着に綻びが
4303 6-34
小袖皆 こかし課せて さよ嵐
小袖→黒小袖の遊客 こかす→だます 課せて→おおせて さよ嵐→夜嵐 花魁の述懐?
4304 6-34
眼をハ夫へ ゆする潮煮
潮煮→鯛などの塩味の汁 魚の目玉を夫にやる
4305 6-34
一周忌 佛器も後家も 美しき
どちらもまだ新しい
4306 6-34
初午の 翌ハ狐も 人に成
翌→あす 寺子屋がはじまる
4307 6-34
腹立を 踏付て行 上草履
上草履→遊女が屋内で履く底の厚い草履 遊女が自分のところへ来ず他所へいってしまう
4308 6-34
死ぬ事の いやな時分に 西行忌
西行忌→二月十五日 本当の忌日は十六日 願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃 花見の頃で?
4309 6-34
言んとしたる 口を看経
看経→かんきん 仏壇の勤行 言いたい小言をごまかず
4310 6-34
俎箸を 味に持なす 大江山
俎箸→まなばし 味に→色っぽく 源頼光が大江山の酒呑童子を討った時 女の腕脚を俎に盛並べてぞ出しける
4311 6-34
新地の軽子 棒の突初
新地→深川新地? 軽子→かるこ 担ぎ人足 深川遊郭の仲居の意味も 突初→つきぞめ ???
4312 6-34
人形屋から 乳母に名かたつ
坊っちゃんやお嬢様の買い物のお供で人形屋にいく 乳母の間で色男の手代が話題に?
4313 6-34
冬枯に 物知顔な 麦畑
麦が茂った頃は中でいろいろ村出合
4314 6-34
吉次か着て 若く成る夜
吉次→金売り吉次 着て→ついて 若い→生気がある? 金があるので大盤振る舞い?
4315 6-34
つむし風 紙屋の人の 気か違い
商売物の紙が飛んで
4316 6-34
内證ハ金も ふらぬよし原
内證→ないしょう ないしょ 遊女屋の主人のいる所 色男だけではなく金持ちもよい扱い
4317 6-35
誉られて 淋しい物ハ 女房也
女房ばかり誉められるということは
4318 6-35
高々・と 傘さして行 鳥兜
雨の中を舞楽の舞台へ 鳥兜が高いので傘も高く
4319 6-35
入聟の 吝い所ハ 都鳥
隅田川まで来ても吉原へは 行けない
4320 6-35
茶碗て呑て 見せる述懐
述懐↓愚痴 泣き言 茶碗酒で愚痴
4321 6-35
忘るなと 言ふを覗ハ 山椒のめ
覗ハ→のぞけば 山椒の芽?木の芽 木の芽田楽作り?
4322 6-35
つはくらか 来ると巨燵ハ うつの山
つばくら→燕 うつの山→東海道宇津山 人に逢わぬ意☆雑俳語辞典 あたる人もいなくなる
4323 6-35
はやまつて履く あまごい・の下駄
あまごい・→あまごい 降る前に
4324 6-35
大名の 中高に成 橋の上
中高→なかだか 中央が盛り上がっている様 反り橋に行列がさしかかる
4325 6-35
丸木橋 あしな道具に 遣ハれて
丸木橋→細谷川の丸木橋 味な→色っぽい 平通盛と小宰相の恋文のネタ ☆平家物語
4326 6-35
旅の拍子の 抜るみりん酒
味醂酒→味醂 焼酎で割って 冷やして飲んだりした 甘いので飲み過ごして?
4327 6-35
引くに袂の 長い日の本
和服は袂が長いのが特徴?
4328 6-35
三谷の屋根を かける田鼠
三谷→山谷 日本堤あたり 田圃多し 田鼠→たねずみ 野鼠☆国大 でんそ↓モグラの異称☆国大 「田鼠化して鶉となる」で鶉?
4329 6-35
鰹に笹を くれる気違
狂女に笹の葉はつきものだが?
4330 6-35
悋気にハ 旦那か負て 埒を明
☆そのまんま
4331 6-35
四十から 水くさくなし 魂・祭
魂・祭→たままつり 盂蘭盆 水くさい→情愛が薄い 真面目にするようになる 四十は初老
4332 6-35
似合ふたと 度々・宿へ 御伝言
似合う→つりあう 宿→家 親元 奉公人の宿元 御伝言→おことづて
4333 6-35
いつ迄瘡の 門戸さしたり
瘡→かさ 梅毒 戸さしたり→とざしたり 梅毒の症状が表に出て
4334 6-35
互に二度め 取にくい棹
離婚した者同士の結婚 船頭多くして
4335 6-36
土用干 親子並んて うそを付キ
???
4336 6-36
今売家て 芦刈を舞ふ
売→うる 芦刈→あしかり 謡曲 難波の夫婦が貧乏で離別するがやがて再会する
4337 6-36
ふところを出る 八瀬の縫物
八瀬→洛北八瀬 縫物→縫い物 刺繍 大原女関係? ???
4338 6-36
呑む関守に 棒の手ハなし
棒の手→棒術
4339 6-36
今度の和尚 大工半分
普請好き
4340 6-36
物おもふ時 大針に縫ふ
大針→おおばり 大雑把に縫う?
4341 6-36
けいせいの子も 這ふ程に成
☆そのまんまか
4342 6-36
大わつらいか 蔵へひゝける
主人が病気で身上が あるいは放蕩で身上が
4343 6-36
さわれハ痒い 牛若の鞘
痒い→物足りない? 名刀薄緑? 刀を抜きたくなる?
4344 6-36
昼過の 衣淋しく 二つ折
昼過→色あせ古びている意 粗末に扱われ
4345 6-36
三代迄ハ 続く借金
貧乏も富貴も三代続かぬ?
4346 6-36
顔にかけ直の やうな白粉
かけ直→かけね 値段を高めにいうこと ☆そのまんま
4347 6-36
師走静に 起る古御所
古御所→公家の古い住居 世間の慌ただしさとは無縁
4348 6-36
貧乏の 尾の見えて来る 銀河
銀河→あまのがわ 尾が見える→実態が表れる ぼろが出る 寝ていて星が見える?
4349 6-36
ついと立たて こまる若殿
立たて→たったで 若殿の気まぐれでお供が困惑
4350 6-36
うかれ女に 可愛からるゝ 物貰い
うかれ女→うかれめ 遊女 弱者同士の情
4351 6-36
記念のかつら 素人へ行
記念→かたみ 素人→普通の婦人 ここでは専門でない人か 役者の遺品が贔屓に?
4352 6-36
ぬくめ鳥とハ 老の言訳
ぬくめ鳥→ 鷹が小鳥を炬燵がわりにしてから生かして放すという 同衾したが不如意で
4353 6-37
腐れるまてハ 飛ありく鯛
☆不騫不崩→ふけんふほう 棒手振りの魚屋? 進物の鯛の盥回し?
4354 6-37
梦を跨て 夜をしのふ艸
梦→ゆめ 人を跨ぎ越えて夜這いに
4355 6-37
拝むほと 樒て掃て かしこまり
ほと→あたり 樒→しきみ 枝葉を仏前に供える木 お墓の前だけ樒で掃く?
4356 6-37
由良の湊に 寒い兄弟
説教節 山椒大夫
4357 6-37
今の女房の 請状か出る
請状→奉公人の身元保証書 下女に手を出し後妻にしたが煤払でその請状が
4358 6-37
四十から 鏡をみれハ 腹か立
老いを自覚させられて 四十は初老
4359 6-37
土蔵の見へる 木からしの果
凩の果はありけり海の音☆池西言水 質屋通い?
4360 6-37
いさかいを 濡手て捌く 池の坊
華道家元
4361 6-37
寒をにかさす 江戸中か餅
寒餅→小寒から節分につく餅 味よく長持ちするという?
4362 6-37
百夜の小町 着た侭て寐る
深草少将の百夜通い どうせ明日もまた来るし
4363 6-37
蝶々・の 灯を取習ふ 石とうろ
昼に蝶が石灯籠にまとわる
4364 6-37
下戸はかり そろそろ・外ス 新枕
婚礼の夜 下戸の客は早々に退散
4365 6-37
鑓持を はるかに招く 白拍子
鑓持→やりもち 白拍子→平安末の遊女 お前さん無事だったかい
4366 6-37
寐もせて牛の 梶の葉を喰ふ
七夕の牽牛の牛
4367 6-37
大きな声を もたぬ九重
九重→宮中 みな上品に
4368 6-37
梓弓 出て行あとに 盆かある
梓弓→巫女が口寄せに使う そのご先祖が来る