八篇


誹諧武玉川私考ホームへ

【底本】 
  岩波文庫  誹諧武玉川(二) 山澤英雄校訂 岩波書店 1984

【凡例】
  通し番号 篇-丁
  (本文)
  (解説)

【注意】
  字・は字が底本通りでないことを示す
  ☆はコメントや引用
  江語辞→江戸語の辞典  国大→国語大辞典(小学館)

5097 8-2 
  けいせいも 大工を遣ふ 程に成
  ☆清池満夏雲 部屋に手を入れる?
5098 8-2 
  清書を 誉れは味に 畏り
  清書→きよがき 習字の清書 味に→色っぽく 手習いの少女?
5099 8-2 
  翌ル日の 夕方聟に 蔵を見せ
  吉原行きで翌朝帰り 道楽したら閉じ込めるぞと
5100 8-2 
  鬼といふ 子をなめられて 鉢たゝき
  鉢たたき→年末に鉦や瓢箪を叩き勧進する半僧半俗の空也僧 茶筅売り ???
5101 8-2 
  坐頭の皃へ 夜か更て来
  徹夜の宴会で疲れが
5102 8-2 
  蚊屋を飛ふ 壱分の蛍 哀也
  吉原で売っている蛍
5103 8-2 
  鹿に蹴らるゝ 奈良の生酔
  生酔→なまえい 酔っぱらい☆そんまんま
5104 8-2 
  三ツ物の 肩を流るゝ 立田川
  三ツ物→古着 紅葉の柄の
5105 8-2 
  一拳つゝ 衆徒の了簡
  一拳→ひとこぶし 衆徒→しゅと 僧兵 乱暴
5106 8-2 
  昼通ふ のハしらて居て 風吹ハ
  吹ハ→ふけば 業平の河内通い 「風吹けば沖つ白浪たつ田山 夜半にや君が一人越ゆらん」 浮気は夜だけとは限らない
5107 8-2 
  めうかにも 蓼にも合ぬ 懸人
  めうか→茗荷 懸人→かかりうど 居候 ???
5108 8-2 
  蝶々・も 尼の竈ハ しこなして
  しこなす→なれなれしくする 炊事の尼に蝶がまとわる
5109 8-2 
  口かるに 留守といふ日の うたかハれ
  口軽→軽卒にものを言う様 居留守か
5110 8-2 
  正直に 遅く成たる たゝき鉦
  くたびれてきた
5111 8-2 
  気遣ひか 止むと湯元の いとま乞
  湯元→温泉の湧く土地 親しくなった頃に湯治が終り
5112 8-2 
  有ルとハしらて 聟の相談
  交際している女性が居るのに婿に行かないかと
5113 8-2 
  長刀の師の 淀てうなつく
  長刀→なぎなた 淀→淀川の水車 くるくる廻す系の技に開眼?
5114 8-3 
  初雪に 壱両きりの 言合せ
  吉原へいくが一両ぽっきりで
5115 8-3 
  むかしの京に 残る店賃
  むかしの京→奈良 店賃→たなちん 家賃 前の借家の家賃がまだ
5116 8-3 
  扶持の謂れを 語る三十日
  三十日→つごもり 掛取りへの言訳の中で昔話を
5117 8-3 
  向合 顔の大事ハ 午ノ時
  大事→重要問題 大切 午ノ時→正午頃 ???
5118 8-3 
  しのひ駒 何ンそ喰たい 姿也
  しのひ駒→三味線の音を抑える駒 座敷で差し向かい
5119 8-3 
  しとゝめの 下緒をありく 恋の闇
  しとどめ→穴の縁を飾る覆輪 下緒→さげお 刀の鞘から下げる紐 狭い不安定な道をいく?
5120 8-3 
  庭鳥の 四日ハ人を 寄せ付す
  寄せ付す→よせつけず 喰われかけて?
5121 8-3 
  三ヶ日 淋しい物ハ 姑也
  家族博打や歌かるたに参加 できず?
5122 8-3 
  明石ハ仮名て 書やうな景
  書→かく 源氏物語?
5123 8-3 
  石蕗の花 最う銭箱に 錠かおり
  石蕗→つわ つわぶき 秋に花が咲く 最う→もう 八朔や月見で息子が浪費?
5124 8-3 
  しやう事か ないとハ角の とれはしめ
  しょう事が無い→ 仕方がない ☆江語辞 女房の機嫌がやっと直り
5125 8-3 
  最一夜も 寐て行やうな 雲の帯
  最→も? もう一夜 雲の帯→山などに雲がたなびいているさま 明け方の横雲のさま
5126 8-3 
  薬箱 はつに持せて 振かへり
  医者が初めてお供を連れて 往診する嬉しさに
5127 8-3 
  伯父か来て ひつしやりと成 年忘
  ひつしやり→ぴっしゃり 堅い伯父の登場で忘年会が
5128 8-3 
  面白い はしめ斗を 瞽女か聞
  斗→ばかり ???
5129 8-3 
  行春に 夕くれといふ 罪かある
  物悲しくなる
5130 8-3 
  物云迄か 妻に成る年
  物云→ものいい 口の利き方 女房らしくなってきた
5131 8-3 
  七草の 一所つゝ はつれ雪
  はずれ雪→雪紋の一つ 草に雪が少し積もった様子?
5132 8-4 
  鼻先に 八百屋を置て 若菜摘
  買わなくても入手可能
5133 8-4 
  燈籠に 一艘つゝの 人たかり
  燈籠ごとに人が集まり
5134 8-4 
  さくらに反の 合ぬ雑云
  反→そり 反が合わぬ→気が合わぬ☆江語辞 雑云→雑言 ぞうごん 悪口
5135 8-4 
  箕輪四丁に 殺される雪
  ???
5136 8-4 
  羽衣ハ 撫尽しても 柏餅
  柏餅→二つ折の敷蒲団にくるまって寝ること 結局独り寝?
5137 8-4 
  虹のとまりか 我旦那寺
  旦那寺→檀家になっている寺 葬列の光景? ???
5138 8-4 
  耳こすり 焼かね程に 思れて
  耳こすり→あてつけ 焼かね→やきがね 烙印
5139 8-4 
  小判に角の 出来る遺言
  角→かど 円満でないこと 遺産分けが難しくなるような
5140 8-4 
  逆の峯 仕廻は元の 額也
  逆の峯→山伏の逆の峯入り 仕廻→しまい 兜巾をはずして
5141 8-4 
  濡手へしかと 請る松風
  琴を弾く女性を手に入れた?
5142 8-4 
  人形に さへもおはゝの むつかしき
  おはゝ→お婆 むずかしい→面倒だ 複雑だ お婆さんの人形を作るのも
5143 8-4 
  けし提て 女のやうに 歩行けり
  けし→芥子玉絞りの手拭? 提て→さげて 歩行けり→ありきけり
5144 8-4 
  死ぬる事 心安さに 思ひそめ
  恋の闇?
5145 8-4 
  夜伽の咄 口に手を当
  夜伽→夜付き添っての看病 内緒話が出る
5146 8-4 
  雑踏て 狭ミの心 かハりけり
  狭ミ→挟み はさみ 挟箱をかついだ従者?
5147 8-4 
  身代の 穴から知れる 秋の声
  放蕩で身代が傾く
5148 8-4 
  親のこゝろハ 岡崎にうく
  岡崎→唄三味線の初心練習曲 親のひいき目?
5149 8-4 
  人の上のみ 思ふひとり身
  他人の身の上がよく思われ
5150 8-5 
  公事に出る子の 口上を聞
  公事→くじ 訴訟 陳述の練習?
5151 8-5 
  足よ足よ・と 車あらそひ
  源氏物語 六条御息所と葵の 上の賀茂祭での車争い 大混雑の見物の牛車をどかす
5152 8-5 
  気の軽い 女の階子 音かある
  気が軽い→きさくな 階子→はしご 軽やかな足音
5153 8-5 
  のしと書せて 母の埒明
  埒明→らちあき はかどり?
5154 8-5 
  勾当迄ハ 番町の恩
  番町→地理が複雑で坐頭に道を聞くという ☆江戸文学地名辞典 勾当までは聞けるが検校には 聞けない?
5155 8-5 
  美くして 帰す尼寺
  松ヶ岡?
5156 8-5 
  高田て遣ひ 殺す若党
  若党→若侍 馬場で遠的の矢を拾わされる
5157 8-5 
  男なら 銚子へ行を 松ヶ岡
  勘当もの
5158 8-5 
  長崎や あつちの食も 喰て見
  長崎屋→石町の旅籠屋 阿蘭陀人や唐人が泊った 食→めし 南蛮の
5159 8-5 
  しのふ山 犬から知れて 棒か出る
  信夫山→歌枕 忍ぶ意か 犬→間諜 夜這が知れて折檻される 犬も歩けば棒に逢うをきかす
5160 8-5 
  根ふとのうへに 丸き題目
  根ふと→ねぶと おでき
5161 8-5 
  柳の闇へ 這入る早乙女
  田植えの休憩
5162 8-5 
  一八ハ 民の煙の 中に咲
  一八→いちはつ アヤメ科の 多年草 わら屋根に植えた 「高き屋にのぼりてみれば煙たつ民のかまどはにぎはいにけり」☆仁徳天皇
5163 8-5 
  槌を利口に 遣ふ屋ね葺
  ☆そのまんま
5164 8-5 
  大根ハ 曳れた跡か 枯野也
  抜かれた跡が言わば
5165 8-5 
  河内かよひに 柄袋かけ
  河内通い→伊勢物語の業平 河内の女に通う 柄袋→つかぶくろ 刀や脇差しの柄にかぶせる袋 道中に使う
5166 8-5 
  寐起に膳の 遠い六月
  夏バテで食欲が
5167 8-5 
  鎌倉に ねはる枕の あらハこそ
  松ヶ岡? 尼なので髪油を使わず? 有髪ともいうが
5168 8-6 
  綿を苦にする 四月浪人
  衣更だが貧乏で袷がない 綿入れの綿を抜く
5169 8-6 
  居膳て 喰ふかハりにハ うつくしき
  居膳→すえぜん 家事をしない美人妻
5170 8-6 
  八重霞 銭のない日を かそへけり
  八重霞→幾重にもたちこめる霞
5171 8-6 
  雲の峰見て 下駄うりか出る
  雲の峰→入道雲 夏が来て商売を
5172 8-6 
  皃をかそへて 蓬生の蕎麦
  蓬生→よもぎう 草深い荒れた地の家 人数分の蕎麦を振る舞う?
5173 8-6 
  牛若ハ 稲妻に迄 たとへられ
  謡曲熊坂 牛若と長範の戦い 「取らんとすれどもかげろふ 稲妻 水の月かや 姿は見れども手に取られず」
5174 8-6 
  朔日を わさと曇て 時雨月
  朔日→ついたち 時雨月→十月
5175 8-6 
  秋鰹 向ふ三軒 あやまらせ
  秋鰹→秋とれる鰹 あやまらす→困らせる おすそわけで? 年配の花嫁?
5176 8-6 
  烏帽子折 ときれときれ・に 声かする
  作業中は無言?
5177 8-6 
  出女の 口を揃へて つはくらめ
  出女→でおんな 宿場の客引き女 つはくらめ→燕 燕の巣の雛のように
5178 8-6 
  一からけ 浴衣を雨の から衣
  一からけ→一束にまとめて縛る 浴衣を雨具に?
5179 8-6 
  つくつく・と 思へは淋し 硯筥
  硯筥→すずりばこ 様々な思い出が
5180 8-6 
  請られて 金の生ル木に 寄かゝり
  花魁がお大尽に身請けされて
5181 8-6 
  女浪男浪を 夫婦して汲
  女浪男浪→めなみおなみ 打ち寄せる低い波と高い波 男女の浪と汐汲夫婦
5182 8-6 
  葉さくらに 成て母から 合点させ
  婚期が遅れた娘を説得して嫁がせる
5183 8-6 
  しら魚を 反古に包めは 薄くもり
  反古→不要の紙 白魚を包んだ紙が滲む様子?
5184 8-6 
  その口を かへせと一ツ たゝかれて
  うそつき!
5185 8-6 
  女房の尻の 見へるこねとり
  こねとり→捏取 こねどり 餅つきの時餅をこね返す人 夢中で
5186 8-7 
  夕薬師 袖へ入日ハ うしろから
  夕薬師→茅場町薬師堂 縁日は黄昏から参詣人多し ☆そんまんまか
5187 8-7 
  口車 京ハ油の きいた所
  京の人は口がうまい?
5188 8-7 
  生酔を つふして置て さし向
  生酔→酔っぱらい さし向→さしむかい 邪魔者はいなくなったし さて二人で
5189 8-7 
  拭は書 西八条の 表門
  拭は書→ふけばかく 西八条→西八条殿 平清盛の邸宅 清盛の異称 ☆川柳辞彙
5190 8-7 
  狸の穴の 前てわひ言
  わひ言→わびごと 狸を怒らせるようなことをして?
5191 8-7 
  斯う成て 見れハ異見も 身ニあたり
  後悔先に立たず
5192 8-7 
  夫から先ハ 仲人の口
  夫→それ あとは仲人の口八丁の腕次第
5193 8-7 
  惣領に 目鼻か付て 冬籠
  目鼻がつく→ほぼできあがる 道楽も止んで
5194 8-7 
  しきみの中に 干からひた婆
  しきみ→樒 枝葉を仏前に供える木 卒塔婆小町
5195 8-7 
  光ル物 大宮人も ほしかりて
  源氏物語を光物語ともいうが
5196 8-7 
  渋うちわ 家内の事を 書ちらし
  渋うちわ→渋を塗った下等の 団扇 貧乏神の持ち物 ☆江語辞 家中貧乏神の氏子?
5197 8-7 
  つむしに高の 知れた侍
  つむじが曲がっている ひねくれ者
5198 8-7 
  恋しさの 夕べ・の雨を よく覚
  相会い傘? 雨宿りで一緒?
5199 8-7 
  八王子 ふすほりくさい 食を喰
  ふすぼる→燻ぼる くすぶる 食→めし 八王子は炭の名産地
5200 8-7 
  奉加帳にて 蠅を追ふ妻
  奉加帳→寺社の寄付金帳簿 こちとらも苦しいのに いくら出そうか
5201 8-7 
  昼間ハ影の うすい奉公
  妾奉公?
5202 8-7 
  鬢鏡 淋しい時に 拭て置
  鬢鏡→びんかがみ 合せ鏡にして鬢をうつしてみる柄付きの小さい鏡 ☆江語辞 鏡は女の親友
5203 8-7 
  むさんやな 階子の下の 草り取
  階子→はしご 階段 草り取→ぞうりとり お供の 家来 登楼したご主人を 供待ち部屋で待ちぼうけ 甲の下のきりぎりすの文句取
5204 8-8 
  鏡を汲て 遣ふ浅妻
  浅妻→あさづま 朝妻船→琵琶湖東岸の朝妻と大津の渡し船 遊女もいた 湖の水鏡を使う?
5205 8-8 
  大工にも 灸見せ給ふ 幼君
  幼君→おさなぎみ 我慢したよえらいでしょと 出入りの大工に若君が
5206 8-8 
  松明て子を 覗く鵜遣ひ
  鵜匠が我が子同然の鵜を気遣う
5207 8-8 
  尻声の 字を引く女房 面白き
  尻声→しりごえ 語尾 ☆江語辞 語尾を引っ張る
5208 8-8 
  奈良の都も 少着たをれ
  少→すこし 京の着倒れの類
5209 8-8 
  かうやくも 張所にて 哀也
  かうやく→膏薬 尻に貼られた
5210 8-8 
  朔日ハ また割膝の 時雨にて
  割膝→膝頭を離してすわる 男子の礼儀正しい座り方 十月のはじめは時雨も大人し い降り方
5211 8-8 
  なしまぬ店て 低くよむ本
  初めて行った本屋で?
5212 8-8 
  手のひらヘ 来てまんちうハ むこく成
  まんちう→饅頭 まんじゅう 饅頭の蒸篭で大奥に潜入し 島流しになった生島新五郎?
5213 8-8 
  京談て 呵られて居る 馬の面
  京談→京言葉 下りの上方役者に呵られている馬の足役の役者
5214 8-8 
  あさ妻ハ 舞台かないて 怪我かない
  朝妻舟の遊女は鼓を持つが
5215 8-8 
  腹の立時 大針に縫ふ
  縫い物をする女性の様子
5216 8-8 
  猿引の 我より猿に 着セたかり
  猿引→さるひき 猿廻し 我が子同然
5217 8-8 
  何から思ひ 付て引負
  引負→ひきおい 身代わりの負債 使い込み
5218 8-8 
  その奉公て なしに奥様
  お妾奉公でなく奥様になる?
5219 8-8 
  失念と いへはりつはな 物わすれ
  りつはな→立派な 聞こえは良いが
5220 8-8 
  馬迄狂ふ 気違の笹
  狂女は笹の葉を持つ
5221 8-8 
  世の中や ひよんな比久尼を 請出し
  比丘尼→尼に似た形をした 私娼の一種 請出し→うけいだし 買った比丘尼が知り合い?
5222 8-9 
  五月闇 互に咳の 突あたり
  五月闇→さつきやみ 梅雨の頃の夜の暗さ☆国大
5223 8-9 
  二月二日ハ うそのつきそめ
  二日灸 熱くないといって子をだます
5224 8-9 
  相応に 浪風のたつ 八重むくら
  八重葎→雑草が生い茂った庵
5225 8-9 
  湯殿て恥を かくす稲妻
  臍を隠す?
5226 8-9 
  寐たうへを 深田のやうに またき越
  下女へ夜這
5227 8-9 
  だしに遣れ そうな太刀持
  太刀持→武家で主人の刀を 持ってそば近く仕える役 ☆国大 利用する?
5228 8-9 
  親仁気も 旅にしあれは 軽井沢
  親仁気→おやじぎ 堅い親父も旅の気軽さで つい軽井沢の飯盛を かるいに懸けて
5229 8-9 
  針立の かふつて見せる 角かつら
  針立→針さし 針仕事をする 人の意か 角かつら→角隠しのこと?
5230 8-9 
  うまい事 いふとたをすか 一度也
  倒す→踏み倒す? うまいこといって借金するが はじめから返す気なし
5231 8-9 
  うは玉の 怪我を昼見て 淋しかり
  うは玉→ぬばたま ぬばたまの は黒などの枕詞 夜? 夜這に失敗して叩かれた?
5232 8-9 
  灯を消てから 夜の道行
  道行→男女の旅
5233 8-9 
  籔入の 四貫からけを 水の淡
  四貫からけ→しかんからげ 一両分の銭か? 淡→あわ 薮入りで小遣いを使い果たす ?
5234 8-9 
  うたゝ寐も 秤に懸る 東山
  懸る→かける?
5235 8-9 
  鳥面白く むらさき野飛ふ
  紫野→洛北大徳寺周辺 朝廷の狩り場で狩猟を禁じら れていたので鳥も自由に
5236 8-9 
  請負か 逃て柱か 雨にあひ
  普請の請負業者が逃げて
5237 8-9 
  帆懸舟 湯嶌の指の 先を行
  湯嶌→ゆしま
5238 8-9 
  虫の飛付く 盆の買物
  草市の真菰とか
5239 8-9 
  病上り 敵と見ても 喰たかり
  身体に悪い食べ物とか女房 とか
5240 8-10 
  箸紙へ 元服の名の 書はしめ
  馴染みになって吉原で一人前
5241 8-10 
  梶原ハ 鎌倉殿を かつほぶし
  梶原→梶原景時 鎌倉殿→源頼朝 ☆国大
5242 8-10 
  金の減る わるい思案の 面白き
  吉原行き
5243 8-10 
  むらさきや 是も同しく うそをつき
  紫屋→染物屋 ☆江語辞 紺屋のあさって ☆柳初19
5244 8-10 
  仲間に 夕への恥を ましなハせ
  仲間→ちゅうげん 武家の下僕 まじなう→呪ふ ごまかす 家には黙ってろよ
5245 8-10 
  質屋に反リか 合と勘当
  反が合う→気が合う 放蕩息子が質屋の常連になる頃には
5246 8-10 
  大おとり 茶釜の蓋か 翌もとる
  大踊り→大勢で踊る踊り 翌もとる→あすもどる
5247 8-10 
  三ノ糸 借してその身ハ 遅く行
  三ノ糸→三味線の三ノ糸 切れ易い 借して→貸して 踊り子が茶屋に呼ばれて? 自分の分の糸を買って行く?先方で客が糸を切った?
5248 8-10 
  瓦燈をまたく 下司の近道
  瓦燈→かとう 上が狭く下が広がった陶製の灯火具 その形の口や窓 ☆江語辞 下司→げす 下級の役人 身分の低い者 ???
5249 8-10 
  玉の輿から 人殺し出る
  鳥羽院は玉藻前を妃として 病気になった ☆謡曲 殺生石
5250 8-10 
  五十日 立と土蔵か 歩行出し
  親父の四十九日が済んで 放蕩息子が財産に手を?
5251 8-10 
  火を焚は 狭いやうなる 高せ舟
  高瀬舟→河川で貨客輸送する喫水の浅い細長い船 ☆国大
5252 8-10 
  ほた餅に 前の妾を たてをろし
  牡丹餅→四十九日の牡丹餅 たておろす→こきおろす ☆江語辞 腎虚で死んだ?
5253 8-10 
  よくよく・下戸の 御備を喰ふ
  御備→御供 おそなえ 上戸がお神酒を呑むように
5254 8-10 
  専一と いふ養生も 古いやつ
  御自愛専一 お見舞いの古い文句?
5255 8-10 
  肴あらしも 同し手まくら
  さかなあらし→ 酒席で肴を食べ荒らす人 最後は皆横になってしまう
5256 8-10 
  叶恋 横から口を とからかし
  叶恋→かなうこい 成就する恋には横槍が
5257 8-10 
  外へ出て 云ことつてに 骨か有ル
  骨→核心
5258 8-11 
  ねんころハ 鼠に引れ 十二月
  暮の文か? ???
5259 8-11 
  恋くさの 種か替れは 忘くさ
  恋草→草が生い茂るように燃え上がる恋 忘れ草→身につけると憂さを忘れるという萱草 憂さや心配を忘れさせるもの☆国大 新しい恋で前の恋は
5260 8-11 
  かふろの智恵の 出る庚申
  かぶろ→禿 かむろ 見ざる聞かざる言わざる? ???
5261 8-11 
  遣ふたる 金の行衛も 廿日艸
  行衛→ゆくえ 廿日艸→はつかぐさ 牡丹 富貴草というが散財すれば あっという間に
5262 8-11 
  時雨るゝや ひよんな小家に 畏り
  時雨るゝや黒木つむ屋の窓 あかり☆凡兆 猿蓑
5263 8-11 
  きやりと胸に あたる影法師
  きやりと→痛いの方言? 思う人に似た影法師を見て 胸が痛む?
5264 8-11 
  巨燵出る子の 足を押える
  寒いから出るなよ
5265 8-11 
  糸遊や しろき物皆 奈良の川
  糸遊→いとゆう 陽炎 高い所からの眺めか? 奈良晒しを利かす?
5266 8-11 
  切れぬはさみの 見へる壷口
  壷口→つぼくち おちょぼ口 娘が歯で糸を切ろうとして?
5267 8-11 
  従弟も石を 投る婚礼
  婚礼祝儀の石打ち 従弟も花嫁に惚れていた
5268 8-11 
  歯か抜て 人の笛にも 腹かたち
  腹かたち→腹が立ち 笛が上手く吹けない?
5269 8-11 
  遣った夜着 にて振るゝも 飛鳥川
  夜着→夜着蒲団 三蒲団か 振るゝ→振らるる 飛鳥川は心変わりの象徴 花魁にせっかく貢いだのに
5270 8-11 
  腕て持たる 頼政の妻
  源三位頼政と菖蒲前 気転の和歌で菖蒲前を賜る 俗説では鵺退治の褒美とも
5271 8-11 
  金の替た 年に往生
  替た→かわった? 小判改鋳の年に死んだ? ???
5272 8-11 
  袖を留ふと 言ふか曲もの
  留ふ→とめう 留めよう? 曲もの→くせもの 危険な者? 袖を留める→振袖をやめて結婚する?  隠居客が新造の袖留の出費を申し出る?
5273 8-11 
  いく通 時雨て見ても おとこ山
  いく通→いくとおり 男山→男山八幡 ???
5274 8-11 
  細見を 鵜呑にすると 丸裸
  細見→吉原細見 吉原のガイドブック 書かれている玉代だけでは 全然足りない
5275 8-11 
  立居に根太か 鳴てはつかし
  立居→たちい 根太→床板を支える横木 体重が大きいお嫁さん?
5276 8-12 
  かまくらに いつ迄草の 出来心
  いつまで草→いつまでも ☆川柳大辞典 鎌倉松ヶ岡の駆け込み寺
5277 8-12 
  痞ハ爰と 指てをしへる
  痞→つかえ 病気や精神的悩みで胸が苦しいこと 爰→ここ 恋煩い
5278 8-12 
  いまた憎気・の 付ぬ剛力
  憎気・→にくげ 剛力→山伏の下僕 まだ常人の顔
5279 8-12 
  近いころ 心から出て 縫ならひ
  結婚が近い?
5280 8-12 
  とうからし 喰へは若衆も 怖くなり
  若衆→男色の弟分
5281 8-12 
  そのかみの 人ハたまかな 峯の松
  かみ→上 高い所? たまかな→質素な 勤勉な ☆江語辞
5282 8-12 
  馬を見知て 笑ふおとり子
  腹太鼓をよくする馬?
5283 8-12 
  石燈籠 吉原からも なふる也
  善光寺にある仙台高尾供養に三浦屋が寄進した石燈籠? 浅草寺の石燈籠? 花川戸六地蔵石燈籠参詣? ???
5284 8-12 
  春先ハ 咄の高い 飼鳥屋
  高い→声が大きい 鳥の鳴き声がにぎやかなので大声を
5285 8-12 
  庇の雪を 喰て気に入
  吉原の雪で居続けの醍醐味?
5286 8-12 
  云名付 鼠舞して 帰りけり
  云名付→いいなずけ 鼠舞→鼠が穴から出ようとして引き込み出かねるさま ためらうこと☆川柳辞彙 仲良くしたいがためらわれ
5287 8-12 
  枇杷はかり 大キな皃て 咲て居
  枇杷葉湯の関係? 多情な人? ???
5288 8-12 
  つかみ合ても 橘中の友
  橘中→きっちゅう 囲碁を橘中の楽という 喧嘩しながら囲碁友達
5289 8-12 
  紫の 足袋から懺悔 はしまりて
  紫の足袋→供奴?
5290 8-12 
  乗物に 和尚の袖も 緋ちりめん
  乗物→引き戸のある駕篭 和尚が駕篭で品川遊廓行き?
5291 8-12 
  御納戸茶 女の智恵の 廻り過
  御納戸茶→おなんどちゃ 緑がかった浅葱色 流行色 吉原仲間が誘いに来たかと女房が疑う?
5292 8-12 
  茶台出す 皃も近くて 遠い物
  茶台→茶托 お見合い? 気のはる客?
5293 8-12 
  蛍狩 皆とつときの 皃斗
  斗→ばかり みんな良い表情をしている
5294 8-13 
  はたこ払に 残る猫舌
  はたこ→旅籠 猫舌の者は食べ終わるのが 最後になるので支払い役を
5295 8-13 
  駕舁の 内にも二ツ 塗枕
  駕舁→かごかき 彼らも家へ帰れば
5296 8-13 
  京のみやけの 腰元か着く
  みやげ→土産 殿様が京で見初めて?
5297 8-13 
  添ふとハ 心の猿の 云過し
  添ふ→そおう 結婚しよう
5298 8-13 
  緋ちりめん 物云なしの 春の色
  物云→争論 ☆江語辞 文句なし
5299 8-13 
  呵られて 最う見苦しい 三十九
  四十にして惑わず
5300 8-13 
  入聟の 手からはしめハ 男の子
  手から→手柄 跡継ぎ作りが第一任務
5301 8-13 
  吸物に 埃をかませる 旦那寺
  埃→あい 土ほこり ちり 多人数分作り置くので?
5302 8-13 
  穴蔵て 物云やうな 御若衆
  くぐもった声? 殿様の男色のお相手?
5303 8-13 
  かふろの夜食 猶哀也
  禿は空腹で台の物の残りを あさったりする
5304 8-13 
  六原に 尻のすハらぬ 奉公人
  六原→六波羅 平家一門の 邸宅 ご主人が都落ちするので
5305 8-13 
  けいせいと 仮名に書ても 怖しき
  ゆうれいとか
5306 8-13 
  事觸か 来てハ今年も いやからせ
  事觸→鹿島の事触 正月に来て鹿島明神の御託宣 として凶作だとか嫌な予言 めいた事を云って物を乞う
5307 8-13 
  水かねを 手のくほにして 恥かしき
  水かね→水銀 避妊や中絶の目的に用いられた☆川柳辞彙 手のくぼ→掌の窪み 下女が妊娠して?
5308 8-13 
  しら拍子 につこりとして 調出し
  調出し→しらべだし 調べる→食べる☆江語辞
5309 8-13 
  かな川や 海から上る はやり歌
  神奈川→川崎と保土ヶ谷の間 の東海道の宿 港町 宿場女郎は陸海から客を取る 船乗りも客
5310 8-13 
  飛神に 名主も付て 飛廻り
  飛神→とびがみ 他の土地から飛んで来てその土地に祭られる神☆江戸文学俗信辞典 名主があちこちに運んで祀る? ???
5311 8-13 
  をもしろいにハ 質か付キ物
  質→質草 お楽しみには代償が
5312 8-14 
  ゆくゆく・ハ 女房と見へる 取捌
  取捌→とりさばき 嫁になる子が来ている
5313 8-14 
  妾と妾 よく夢を見
  ライバル同士
5314 8-14 
  白鼠 はらい物とハ 哀也
  白鼠→忠義な番頭☆川柳辞彙 払い物→売り払う物☆江語辞 主人の代替わりで?
5315 8-14 
  とちらかうそか しれぬ死際
  死際→しにぎわ この世は幻?
5316 8-14 
  そろはんを 息子の皃へ はしきかけ
  そろばん→算盤 放蕩息子が浪費
5317 8-14 
  干ルうちに 声のよく成 寒せうが
  干ル→ひる 寒せうが→かんしょうが 寒声修行みたいに?
5318 8-14 
  楼船に乗て 堅いけいせい
  楼船→やかた 屋形船 いつもの座敷ではないので? 橋から人目が気になり?
5319 8-14 
  植木うり とうからし迄 煎し詰
   ???
5320 8-14 
  やりてか寐ルと 起る分別
  遣手にやった祝儀が惜しい?
5321 8-14 
  元日からハ 耳か聞へる
  暮れの間は耳が遠いふりを? 掛取対策? あるいは正月で町が静かに?
5322 8-14 
  昼過の 娘ハ琴の 弟子をとり
  婚期が過ぎて
5323 8-14 
  うり薬 弓矢を出て 遠からす
  うり薬→売薬? 弓矢→浅草寺随身門矢大臣 ☆川柳辞彙 浅草辺で人気の薬売り香具師 松井源水?源水横町?
5324 8-14 
  くろ木売 大事に跡を 振かへり
  頭に黒木を載せているので 慎重に振り返る
5325 8-14 
  新検校の むらさきを嗅・
  嗅・→かぐ ついに検校になって紫衣を
5326 8-14 
  夏痩の 相手ハ側に のめのめ・と
  側→そば のめのめと→平然と☆江語辞 腎虚?
5327 8-14 
  大半切に うつる子比久尼
  大半切→おおはんぎり 半切→はんぎり 底の浅い 盥形の桶☆江語辞 比久尼→尼僧 小柄なので全身が映る
5328 8-14 
  寒声も 金にするのハ 哀也
  寒声→かんごえ 冬の夜や早朝 戸外でする音曲の稽古 プロの弟子は厳しい修行
5329 8-14 
  かつかれた いてその時の 放下にハ
  いて→いで いざ いやもう 放下→ほうか 曲芸? 謡曲放下僧のように接近? いでその時の鉢の木は☆謡曲 鉢木
5330 8-15 
  恥かしい 夢ハ三十日を かけ廻ル
  掛取に追っかけられる夢
5331 8-15 
  釣合ぬ 隣を持し 佃嶌
  石川島は旗本屋敷 ☆江戸文学地名辞典
5332 8-15 
  餅買に遣る 雨の降出し
  雨に振り込められる前に?
5333 8-15 
  来るとそのまゝ 見へぬ籔入
  籔入→薮入 親の気も知らず遊びに
5334 8-15 
  口かうこけは 呑込んたふり
  呑み込む→合点がいく 承知している 引受ける☆江語辞 説教された途端に降参のふり
5335 8-15 
  蝶もまた 舞ぬ所を 摘へらし
  目立たぬ花を摘む?
5336 8-15 
  折そへて さくらしつまる 切樒
  切樒→きりしきみ 樒→枝葉を仏前に供える木 樒に桜を添えて手向ける?
5337 8-15 
  手をたくし込む 乳母か懐
  おぶった子供の手?
5338 8-15 
  三両からハ 名乗奉公
  三両→武家屋敷中間の給金 名乗→自分の名や身分を言う
5339 8-15 
  灸すへて居る 馬の葉隠
  葉隠→木の葉の間に隠れる事
5340 8-15 
  逗留に 拾た文て ねたり喰
  ねたり喰→ねだりぐい 湯治場で強請って飲み食い
5341 8-15 
  女湯の 片道ぬれて なふらるゝ
  湯あがりに雨にあって?
5342 8-15 
  からくりの 家ともしらす 仲人つく
  からくり→計略 たくらみ やりくり算段
5343 8-15 
  弾明されて 馬鹿な盗人
  弾明されて→ひきあかされて 三味線が終わったら寝込みを襲おうと待ってていたら朝になった
5344 8-15 
  出来立の蚊の 這入る京町
  吉原の京町 水道尻側で田圃や鉄漿溝に近いので蚊が多い?
5345 8-15 
  浴油の餅の うまき勝公事
  浴油→よくゆ 待乳山聖天 聖天像に香油をかけ供養 聖天に供える菓子の歓喜団 勝公事→かちくじ 勝訴 馬喰町の客の願掛け?
5346 8-15 
  駕から借る 見世のそろはん
  借る→かりる 質屋へ寄って吉原行き 駕篭に乗ったまま交渉?
5347 8-15 
  思ひ廻せは にくい業平
  色男
5348 8-16 
  手をもみくちやに したる堪忍
  手を握りしめて我慢
5349 8-16 
  大根の 軽く切られて 郭公
  郭公→ほととぎす
5350 8-16 
  着心の よい上下の 頼ミなし
  頼み→頼りに思うこと 上下はごわごわでこそ
5351 8-16 
  子の手を曳と 年の寄る妻
  妻から母に
5352 8-16 
  海苔汲ミか 殖て千鳥の 馬鹿ニ成
  海苔汲ミ→のりくみ 千鳥の鳴き声で汐の干満が わかるというが海苔取りが 多くて千鳥も意味なく騒ぐ ☆川柳辞彙
5353 8-16 
  うそか溜て 我皃に飽
  自己嫌悪
5354 8-16 
  音頭の悋気 字余りな唄
  やきもちで音頭が乱れる あの娘の廻りが気になって
5355 8-16 
  鰒にうなつく 居風呂の皃
  鰒→ふぐ 居風呂→すえふろ 風呂桶で わかす風呂 危険なお誘い
5356 8-16 
  家内か留守て 外科の存分
  患者一人なので痛い治療も 遠慮なく
5357 8-16 
  一言も 云ハて内儀の 勝に成
  だんまりで夫婦喧嘩に勝利
5358 8-16 
  櫛か落 前髪か落 泣寐入
  落→おち 女性が泣き崩れて
5359 8-16 
  不機嫌に 上戸のくれる 柏の葉
  柏の葉をあげたお礼の柏餅など要らんぞ
5360 8-16 
  酒屋に間を させて雨宿
  間→あい 二人で酒をのんでいる時もう一人加わって盃を受けること 雨宿→あまやど
5361 8-16 
  寐て行く舟を 編笠て掃
  淀川の三十石夜船とか
5362 8-16 
  広袖揃ふ 子安伊せはら
  広袖→どてら 子安→大山近くの相模の子安村 東福寺子安観音が有名(柱を削るまじない) 伊勢原→大山街道で多くの 相模下女の出身地 大山詣りか
5363 8-16 
  二十五ハ 娘の年て なかりけり
  この頃は二十歳でも結婚が 遅いといわれた
5364 8-16 
  しのふ山 蓮の夜明を 見て戻
  信夫山→歌枕 忍ぶ意か 不忍池の出合茶屋
5365 8-16 
  壁も付けすに 馬鹿な売すへ
  売居→うりすえ 造作付きで売られる家屋 さすがに誰も入居しない
5366 8-17 
  後家さへさへ・と 吉野丸借り
  吉野丸→隅田川の屋形船 川施餓鬼?
5367 8-17 
  袈裟衣 盗む狸の 一思案
  袈裟衣→けさころも 和尚に化けて後家を?
5368 8-17 
  年かくすりの 云分ケに来
  云分ケ→いいわけ 年だで薬も呑むわな 「年が薬」☆諺→年功の人には若い者は及ばない所がある意☆俳説ことわざ辞典
5369 8-17 
  大坂ハ 口の利れぬ 水を呑
  ???
5370 8-17 
  うき寐鳥 ひよんな所て 目か覚る
  うき寐鳥→水に浮いたまま 首を翼に入れて眠る水鳥 眠ったまま流れて行って
5371 8-17 
  蜑小舟 大きく成て 着にけり
  蜑小舟→あまおぶね 海人の乗る小舟 初瀬の枕詞 藤原鎌足の志度の海士との契り関係か?
5372 8-17 
  はな紙に 唇といふ きいたやつ
  きいた→見物のうけのよい ☆江語辞 はな紙を唇でとる閨房の仕草?
5373 8-17 
  うき中の 所々・に はした銭
  気晴らしに小銭を遣う?
5374 8-17 
  今落た 桃を放下に 遣う也
  放下→手品師
5375 8-17 
  拝みたをしに またこりぬ母
  放蕩息子に母は弱い
5376 8-17 
  雨もり捨て 若く成る人
  ???
5377 8-17 
  小町見とれて ぬれる百性
  小野小町の雨乞いの和歌
5378 8-17 
  蛍取 ひとり出されぬ 人はかり
  子供や女など闇で危ない人
5379 8-17 
  手詰の異見 大工召連
  手詰→てづめ 召連→めしつれ 座敷牢を作る
5380 8-17 
  伴頭に 成て登れと いとま乞
  江戸の支店に下る手代
5381 8-17 
  土用干 並の御恩と 見へぬ也
  持参嫁の財産公開
5382 8-17 
  申子と 思ふ夫の 律儀也
  申子→もうしご 神仏に祈願して授かった子 実は
5383 8-17 
  ほたんをわるく 見せる女房
  ほたん→牡丹 女房が牡丹餅?
5384 8-18 
  産湯へ塩を 入れる蜑の子
  蜑→あま 海女 海水にご縁が
5385 8-18 
  物云ぬ 気違も又 哀也
  ☆そのまんま
5386 8-18 
  前髪を 取ても残る 京の皃
  前髪→元服前の男子の前髪 元服で剃り落とす 京都出身の丁稚の元服? あるいは上方出身の陰間?☆川柳江戸歌舞伎
5387 8-18 
  秋の所ハ 夜知れて来
  冷える?
5388 8-18 
  鶴の鳴日ハ 銭に出かない
  鳴日→鳴く日
5389 8-18 
  あふむ石迄 鼻くたにする
  あふむ石→鸚鵡石 伊勢の度会にある反響する石 梅毒の人の鼻声のこだまも
5390 8-18 
  死ぬと云せぬ 母の手廻し
  娘の恋路の手助け?
5391 8-18 
  けふの仏も むら雨か好
  村雨→降ったり止んだりする にわか雨 葬列に村雨?
5392 8-18 
  弁慶も 安宅て聞ハ うそつ付
  聞ハ→きけば うそつ付→うそっつき? 勧進帳 関所の人から見れば単なる 嘘つき
5393 8-18 
  うまい事 云て聾を 證據人
  事情を知らなかった人を?
5394 8-18 
  妹にも 拵へて遣る 口ふさけ
  口ふさげ→間食 口止め料 ☆江語辞 兄が妹に口止めを頼む
5395 8-18 
  鳴川たけに 吹たらぬ虹
  鳴川たけ→なるかわだけ
5396 8-18 
  口上を吹 さらす小とほし
  口上→用事をあらたまって 口頭で述べること 小とぼし→小さい灯り 手燭や小提灯など ☆国大
5397 8-18 
  一夜鮓 物の見事に 蓋をとり
  夜這がばれる?
5398 8-18 
  吹 ・いくつ 白張の穴
  吹 ・→吹殻 ふきがら 白張→しらはり
5399 8-18 
  水汲の 虫か知たか 今朝の雪
  仕事がら
5400 8-18 
  とうからし 千種の中に 下司近キ
  千種→ちぐさ いろいろの種類の草 数有る草の中で上品なもので はない?
5401 8-18 
  前垂も つかむ心ハ 緋の袴
  下女にすがる時も官女に すがる気持ちで
5402 8-19 
  傘壱本か 寺の大詰
  傘一本持って追い出される
5403 8-19 
  けいせいも 哀に見れは 哀也
  見かけは華やかだが
5404 8-19 
  口笛て 土蔵をありく 松の内
  口笛を吹く→途方に暮れる ☆川柳辞彙 正月なのに座敷牢?
5405 8-19 
  四五人の 親とハ見へぬ 舞の袖
  若く見える神楽巫女
5406 8-19 
  卯月の鰹 真直に立
  真直→まっすぐ?
5407 8-19 
  身のうちへ来て 低い口寄
  梓弓の巫女が近づいて 故人が内緒話を あるいは身内の話になって?
5408 8-19 
  袴着の うしろに乳母ハ 畏り
  七五三の五才の袴着の参詣
5409 8-19 
  たはこ屋に 成気て二人 出代ぬ
  出代ぬ→でがわりぬ 奉公人の年季終了 煙草ばかり吸って怠けていた 奉公人?
5410 8-19 
  中剃ハ 物ほしそうな 女の子
  中剃→なかぞり 頭を小判型に剃る 男の子のすることなので
5411 8-19 
  弱果たる 母の羽二重
  弱果たる→よわりはてたる 放蕩息子は羽二重を何回か 着ると幇間などへ与える 母が貰っても
5412 8-19 
  酒屋の禁酒 こゝろもとなし
  酒に囲まれているので
5413 8-19 
  嶋の便りに 抜けた歯か来
  島流しの人から形見がわりに
5414 8-19 
  道成寺へと 急く時斗屋
  時斗屋→とけいや 道成寺の鐘 蛇が七まとひまいたので
5415 8-19 
  桶を田に 利口過たる 風か吹
  稲が吹き飛ばされて偶然桶に 入った?
5416 8-19 
  難波の闇に きやうきやう・し鳴
  ぎょうぎょうし→行々子 鳥のよしきりの異名 難波の葦関係?
5417 8-19 
  呼子鳥 大つこもりも 伝受事
  古今集秘伝三鳥 掛取りも秘伝?
5418 8-19 
  子を持て 物すこくなる 四十一
  物すごい→気味が悪い 四十二の二つ子 父親が四十一の時生まれた子は親を喰うという
5419 8-19 
  女ハまける うたゝ寐の足
  まける→曲げる? 女の人らしくちんまりと
5420 8-20 
  其角を誉て 戻る山伏
  其角の雨乞いの歌が成功して 呼ばれていた山伏は帰る
5421 8-20 
  逃て来た 平家の皃の うつくしき
  都落ちのお公家さんなので
5422 8-20 
  手のひらを 痒くして来る 宝寺
  宝寺→山城の宝積寺 打出の小槌を納める 何か持ち出したくて?
5423 8-20 
  妾の用の 多い供舟
  舟遊山でお妾の我がまま
5424 8-20 
  哥をよむ 女房に油断 すへからす
  学のある女房は油断ならぬ?
5425 8-20 
  おはくろの 皃を見て居 隣の子
  変な顔
5426 8-20 
  食の外 盛てをかしき 親の椀
  食の外→めしのほか 親椀→大型の飯椀 やはり飯が似つかわしい
5427 8-20 
  鳴ほとの 梢の鳥の 笙に合
  鳴けば鳴くほど
5428 8-20 
  十二月 大屋のいふか ほんの事
  暮れの支払いで切羽詰まる それみたことか
5429 8-20 
  うしろ明るく 主の気に入
  変な前歴がない?
5430 8-20 
  もらハれた 夜ハ両方へ 蚊か這入
  吉原のもらいびき? 遊廓で他の馴染み客に呼ばれ 今迄の座敷を退く どっちも蚊屋を明けるので
5431 8-20 
  九軒の揚屋 まんかちな皃
  大坂新町九軒町の揚屋 まんがち→自分勝手 短気 ???
5432 8-20 
  鶴折て 恋しい方へ 投て見
  ☆そのまんま
5433 8-20 
  丸木橋 わたる姿を 案し詰
  案し詰→あんじつめ 平通盛と小宰相の故事 ただたのめ細谷河のまろ木橋 ふみかえしては おちざらめ やは の歌で心配した?
5434 8-20 
  皃の中なる 皃見せの皃
  顔見世興行 衆人注目の中で
5435 8-20 
  白粉ハ 化物といふ 物に成
  白粉→おしろい 厚化粧
5436 8-20 
  偽の なくて妹に 羽かなし
  偽→いつわり 正直者で身持ちの堅い妹
5437 8-20 
  先の相手か 外科て仕合
  仕合→しあわせ 外科が仇で切られても大丈夫 ?
5438 8-21 
  うき事の 泪の末か つまみ喰
  泪→なみだ ☆そのまんま
5439 8-21 
  吉原を 吹て仕廻た 風か来
  仕廻た→しまった 吉原の遊びを知ってしまった ?
5440 8-21 
  石女の かまハすに置 ほらの貝
  石女→うまずめ 子が居れば玩具にと?
5441 8-21 
  云にくい 事の云よい 蚊屋のうち
  寝物語で
5442 8-21 
  娘たけ 穴を明たる 切落し
  芝居見物 娘の廻りを明けさせる?
5443 8-21 
  かの笄か 味な日に出る
  笄→こうがい 女性の髷に横に挿す飾り 味な→色っぽい なくした笄が違う女と居る 時に?
5444 8-21 
  銅の鳥井の 施主に近付
  銅→あか 施主と一緒に変色
5445 8-21 
  壱分つゝ うそをつきけり 年の暮
  少しづつでも払いをごまかす ?
5446 8-21 
  鷺をさかさに 撫る木枯し
  鷺の毛が逆立っている
5447 8-21 
  つまんてほうる 春の革足袋
  暑苦しい
5448 8-21 
  鶏のめくらの 出来る三月
  鳥目? ???
5449 8-21 
  次男に手間の とれる遺言
  長男宛の内容は決まり易いが
5450 8-21 
  皆無理て 娘の願 叶ひけり
  親の力で無理を通す?
5451 8-21 
  木辻の起請 大仏も入
  木辻→奈良の遊廓 起請文に信仰する神仏として 奈良の大仏も書き加え
5452 8-21 
  さんせうを さすつてあてる 柏餅
  山椒が入っている?
5453 8-21 
  云名付 人身御供に してやられ
  云名付→いいなずけ 許嫁の娘よりも遊女が?
5454 8-21 
  二晩て よく見て戻る 局下リ
  局下リ→つぼねおり 御殿女中の宿下りか? 実家や故郷の様子を
5455 8-21 
  八月も 帷子を着ル 身と成て
  帷子→かたびら ひとえもの 成て→なりて 年季が明けて八朔にも白無垢 を着ない身になり?
5456 8-22 
  三寸を次く うしろ姿ハ 静にて
  ☆胸裏三斗 三寸→みき 次ぐ→つぐ
5457 8-22 
  和布刈か済て 足にかうやく
  和布刈→めかり 大晦日の豊前国和布刈の神事
5458 8-22 
  せめての馳走 燃る火をたく
  鉢の木の故事
5459 8-22 
  久しふり 互に傘を さし上て
  ☆そのまんま
5460 8-22 
  瓦師の 知たふりする 都鳥
  今戸の職人に隅田川の都鳥 の故事を訊く
5461 8-22 
  銭の有る うちハ聞へぬ 松の風
  貧乏になるとはじめて気が つく
5462 8-22 
  卯花咲て 肩か火を乞ふ
  卯花→うのはな 旧暦四月に咲く 衣更で袷になって寒い?
5463 8-22 
  佃の狐 舟にたそかれ
  島なので舟で夕暮れを迎える ?
5464 8-22 
  こゝろに冬の ちかき女房
  はやく質入れしてある着物を 出したい?
5465 8-22 
  むすふの神を 寐るとさいそく
  結ぶの神→縁結びの神 仲人?
5466 8-22 
  ほんの出家ハ 何の香もなし
  ほんの→本当の ☆江語辞 解脱している
5467 8-22 
  屏風も人を けし懸る物
  屏風の陰でいろいろ
5468 8-22 
  梅ほのほの・と 鷹に傘
  鷹狩りの鷹か?
5469 8-22 
  春更て 親に蹴らるゝ 烏の子
  更て→ふけて 巣立ち?
5470 8-22 
  ほたんを見ても うかぬけいせい
  富貴草というが見せかけ
5471 8-22 
  焼餅にさへ 杉の愛相
  焚火で焼いた餅に杉の香りが
5472 8-22 
  子を寝せて 又子を起す さよ碪
  さよ→夜 碪→きぬた 木槌で布を打ち柔らかくする 夜なべ仕事で子が起きる
5473 8-23 
  御祓川 一夜違ひて 法の声
  六月晦日夏越の祓い 七月一日から川施餓鬼
5474 8-23 
  かしこい皃の 並ふ負公事
  負公事→まけくじ 正しい方が勝とは限らない?
5475 8-23 
  くらかりを来る 銭にらうそく
  ???
5476 8-23 
  昼寐をしらぬ むかし侍
  戦国なら
5477 8-23 
  髪結ふた 跡も仕廻す 縄すたれ
  仕廻す→しまわず
5478 8-23 
  傘へ入ても 損のない皃
  美人?
5479 8-23 
  何所となく 一群に行 うしろ帯
  何所→どこ うしろ帯→素人の女性 娘たちが一緒に行動する
5480 8-23 
  ほたんに十日 猫の食傷
  絵では牡丹に猫がつきもの 牡丹は廿日草 猫は途中でいやになる?
5481 8-23 
  云事も いへは跡なき おとこ山
  何か言ってもあとはひかない のが男
5482 8-23 
  闇をくハへて 帰る立聞
  音を立てずに唇をくいしめて その場を去る
5483 8-23 
  いく度も 返事かなくて 片し貝
  片し貝→二枚貝の貝殻が離れ て一枚になったもの 片思いの恋文
5484 8-23 
  学文か 棚へ上て 声かハり
  学文→学問 真面目に寺子屋に行かなく なった頃が変声期
5485 8-23 
  棒のやうなる 関守の声
  するどいあるいは単調な?
5486 8-23 
  女房から先 冬か来そめる
  先→まず 綿入れを質から出せという?
5487 8-23 
  遠くて見ても 痒い麦秋
  麦秋→むぎあき ばくしゅう 麦の取り入れの季節 麦畑の毛羽立ちが痒い
5488 8-23 
  花さかり 吹より鐘ハ かたき也
  上野は暮六ツに追い出される
5489 8-23 
  相手か出来て 路次に立皃
  立皃→たつかお
5490 8-23 
  かさかさ・と 時雨て通る 赤合羽
  時雨て→しぐれて 赤合羽→あかがっぱ 中間の着る赤色の半合羽
5491 8-24 
  枯野に吹れ 是きりの皃
  風流の枯野見に来てはみたが もうこりごり
5492 8-24 
  出舟へ 次第に高き いとま乞
  出舟→いでぶね 出帆する船 達者でな|
5493 8-24 
  爰て落よと 女良花さく
  爰→ここ 女良花→おみなえし 女の意
5494 8-24 
  家督かもめて 元舟に母
  元舟→もとぶね 大船 小舟を従えてまとめる役?
5495 8-24 
  ほたんに飽る 安産の床
  牡丹の柄の何か? ???
5496 8-24 
  雨夜の鹿の 衣すゝめる
  衣→僧の法衣 出家を促す?
5497 8-24 
  御所をりの日に はつ雪か降
  ???
5498 8-24 
  明星ハ 朝日の側に なまぬるき
  側→そば 朝の星
5499 8-24 
  ちらし書 目をさまさま・に 読て行
  ちらし書→色紙などに和歌や 文を揃えず様々に書くこと
5500 8-24 
  筏士の 汁の実青き 二三日
  筏士→いかだし 川下りに何日もかかるので 持っている食料が変色する
5501 8-24 
  突出す猪牙に 二心なし
  猪牙→ちょき 吉原めがけてまっしぐら
5502 8-24 
  地へしやりしやり・と 下女の挑灯
  挑灯→ちょうちん 小柄な下女で提灯が擦る
5503 8-24 
  向れぬ皃を あふく鼻紙
  向れぬ→むかれぬ あふく→仰ぐ
5504 8-24 
  小町ハ空を 生つころしつ
  生つ→いけつ 小野小町神泉苑の雨乞いの歌 ことわりや日の本なれば 照りもせめさりとてはまた あめが下とは
5505 8-24 
  つくまの鍋の 我をいくつめ
  近江筑摩神社祭礼の鍋祭 関係した男の数の鍋をかぶる 俺はいくつ目の鍋だ
5506 8-24 
  我恋ハ 隣の口を あふなかり
  人に知れると
5507 8-24 
  釣鐘を 引をろす迄 うつくしき
  道成寺の清姫
5508 8-24 
  あちこちと 手燭の廻る ふとん張
  手燭→てしょく 蒲団の周囲を廻って仕事
5509 8-25 
  置去りの子を 寺へ納める
  汝元来蜜柑籠の類いか 捨て子を寺に預ける
5510 8-25 
  日蓮宗ハ とれも細工者
  細工者→さいくしゃ 器用な人?
5511 8-25 
  買た屋敷を 愛宕から見る
  愛宕→芝の愛宕山 自慢の屋敷を俯瞰してみる
5512 8-25 
  忘れんと まきらかしても 乳か余
  まきらかし→紛らかし 余→あまり 幼子が亡くなったか離縁され たか
5513 8-25 
  しらぬ目からハ 憎い連弾
  連弾→つれびき 琴や三味線の合奏 お安くないぞ
5514 8-25 
  柾木とひちる 後見の恥
  柾木→まさき ニシキギ科の常緑低木 深川の柾木稲荷?瘡に利益 縁日に柾木の笛を売る ☆川柳辞彙
5515 8-25 
  手煎と 覚悟極めて 京へ出
  手煎→てせんじ 自分で茶を煎じること 奉公人もなく全てを自分で 処理すること☆江語辞 単身京へ上り事業を?
5516 8-25 
  弟の衣 先しらぬ分ン
  弟→おとと 先→まず 曽我兄弟関係?
5517 8-25 
  皃替へて来る 石燈籠買
  石燈籠買→いしどうろかい
5518 8-25 
  恥かしい 物を引摺る つむし風
  着物が乱れて褌が?
5519 8-25 
  乳母も百から 上るわひ言
  百→百桟敷の略☆川柳辞彙 百文の安い芝居桟敷 わひ言→わびごと 子供が泣いて芝居から出る?
5520 8-25 
  木ハちりはてゝ 遠い鐘つき
  遠くの鐘の音がよく聞こえる ?
5521 8-25 
  咳に妹の しつむ衝立
  衝立→ついたて 労咳?衝立の蔭で咳こむ?
5522 8-25 
  内に居て 見れハ碪に 夜をとられ
  碪→きぬた 木槌で布を打ち 柔らかくする 遠くから聞くのではないので 夜中音がうるさい
5523 8-25 
  呑ぬのもなき 河竹の親
  河竹→川竹の流れの身 遊女のこと 事情があるにせよ少しは道楽 も
5524 8-25 
  稲つまの とほしく見せる 草の花
  草の花に比べれば派手
5525 8-25 
  戸にはさまれて 尼の挨拶
  戸を少しだけ開けて
5526 8-25 
  三十日かなくて 急な朔日
  三十日→みそか 朔日→ついたち 小の月
5527 8-26 
  くほい所を 呵る足軽
  くぼい→取るに足らぬ ☆江語辞 殿様をかさに着て些細な事を 注意する
5528 8-26 
  本店の 声か懸て 吉野丸
  吉野丸→一流の屋形船 本店のお声掛りで奮発? 大店の川涼み?
5529 8-26 
  うくひすに 鳴れて皃を 風に当
  風も少しは暖かく?
5530 8-26 
  繋く銭をハ もたぬよもきふ
  蓬生→草深い荒れた地の家 蓄えなしのその日暮らし
5531 8-26 
  重着の 裾の揃ハぬ あたり月
  重着→かさねぎ あたり月→臨月☆国大 お腹が大きくて
5532 8-26 
  夕皃や 蚊屋に雀目の かしこまり
  雀目→とりめ 薄暗くなって
5533 8-26 
  二十五の あかつき懸て 扇うり
  人は二十五の暁まで背が伸び るという たまたま元旦早朝の扇売り
5534 8-26 
  生酔の 道か多くて はかとらす
  生酔→なまえい 酔っぱらい 千鳥足
5535 8-26 
  庭鳥に 鳴つふさるゝ 年忘れ
  年忘れ→忘年会 夜明けでお開き
5536 8-26 
  くら闇て 男まさりの 請こたへ
  暗闇も怖がらぬ女房?
5537 8-26 
  五ツ程 後の女房に かくしけり
  前妻の遺品の何か? ???
5538 8-26 
  中押エから ぬれる夕立
  中押→大名行列の中央の警護 役 合羽箱は行列末尾の方で 雨具が廻って来るのに手間が かかる?
5539 8-26 
  音頭の皃の 遠い朔日
  ???
5540 8-26 
  留守のうち 鎰迄からむ 八重むくら
  鎰→かぎ 八重葎→生い茂った雑草 草庵 ☆そのまんま
5541 8-26 
  関守ハ きたない面ラか 見事也
  格好かまわず職務に専念
5542 8-26 
  化物屋敷 切米かよし
  切米→きりまい 武家の扶持米 転じて武家の 奉公人の給料 ☆江語辞 誰も奉公したがらず
5543 8-26 
  嵐の跡に 響く鉄槌
  鉄槌→かなづち 屋根修理
5544 8-26 
  みとり子の 欠の口の うつくしき
  欠→あくび ☆そのまんま
5545 8-27 
  けいせいと 女房の間を 片折戸
  片折戸→蝶番で折り畳める片 開きの扉 能小督では嵯峨の片折戸の 家 にいる小督殿を仲国が探す
5546 8-27 
  うくひすの 歯のない頃に 蝉の声
  雛の頃?
5547 8-27 
  巡礼乗せて 蜜柑舟出る
  西国三十三ヵ所巡り 一番は紀州那智山から
5548 8-27 
  陰てはる あたま見に出る 最明寺
  最明寺→北条時頼
5549 8-27 
  天の河 竪になるころ 鐘の声
  竪→たて
5550 8-27 
  いらたか珠数の 手を太く見せ
  珠数→数珠 いらたか↓山伏などの数珠 ごつい数珠なので指が開いて大きくみえる
5551 8-27 
  とり付所の ないに口笛
  口説いたが完敗
5552 8-27 
  御物師の 居たまゝに 灯かとほり
  御物師→おものし 武家の裁縫師 居た→すわった とほり→点り ずっとそのまま
5553 8-27 
  三社の詑を わたす元ふく
  三社の託→さんしゃのたく 三社託宣 吉田神道の信仰対象の軸物 元ふく→元服
5554 8-27 
  酒湯を懸て 見れはほた餅
  酒湯→ささゆ 疱瘡の治ったあとの子に浴び させた酒を混ぜた湯 疱瘡の跡が
5555 8-27 
  五合徳利に 妻の袖笠
  袖笠→袖を笠がわりにする 雪の中妻が酒を買いに?
5556 8-27 
  たから寺にも 切る小つかひ
  宝寺→山城の宝積寺 打出の小槌を納める 切る→きるる 寺宝は売る訳にもいかず
5557 8-27 
  五郎か家も よもきふの分
  五郎→曽我五郎時致? 蓬生→草深い荒れた地の家 曾我兄弟は貧乏
5558 8-27 
  火を焚く下女を なふる居風呂
  居風呂→すえふろ 風呂桶で わかす風呂 熱いとかぬるいとか
5559 8-27 
  蚫に埃の たかる精進
  蚫→あわび 埃→ちり
5560 8-27 
  狐にゆする うそのをそろし
  ゆする→ゆずる?
5561 8-27 
  九ツを 問へは日なたへ 立て見ル
  九ツ→ここでは正午 太陽の方角が真南かどうか
5562 8-27 
  江戸の友にハ 合ぬ松風
  合ぬ→あわぬ 江戸っ子にはまだるっこしい ?
5563 8-28 
  名代の猟師 面白く死
  面白い→興味深い?
5564 8-28 
  百日紅ハ 夢の少将
  百日紅→ひゃくじつこう 深草少将の百夜通い 九十九夜で死す
5565 8-28 
  酔かさめると 赤い蚊かとふ
  寝ている間に吸われた
5566 8-28 
  言れぬ恋に 日のあたる皃
  心に秘めた恋が叶い?
5567 8-28 
  桟敷へ来ると 弱る朔日
  十一月朔日からの顔見世狂言 避妊薬の朔日丸が飲めない?
5568 8-28 
  汐干狩 拾ひ仕廻へは 怖しき
  こんなに殺生を?
5569 8-28 
  煤掃や 巴も終に 生とられ
  煤掃→すすはき 巴→巴御前 年末大掃除恒例の胴上げに 男勝りの下女も捕まって
5570 8-28 
  越後屋に 長い返辞も きれい也
  丁稚の判取りの声 あ い| と返事
5571 8-28 
  医者に誠を 聞て念仏
  誠→まこと 真実 本当の病状を知って
5572 8-28 
  村中ありく 寺の大釜
  飢饉の施粥 あるいは それ を記念して?
5573 8-28 
  穴蔵を出て もとの六月
  中に居れば涼しかったが
5574 8-28 
  二ツから 見れはいやしき 枕十
  枕十→まくらとう 大部屋? 共寝の二つ枕に比べれば?
5575 8-28 
  あたゝかな 金を引出す あつさ弓
  梓弓→巫女の口寄せ 聞いている間礼金を手に握っ ていたので?
5576 8-28 
  目の痒く成る 夜の商
  暗いところで商売するので 銭勘定に目が疲れる?
5577 8-28 
  五月の鐘の 雫して鳴ル
  五月雨で濡れる鐘を撞く
5578 8-28 
  つめられたのか 損のはしまり
  つめる→男が女に求愛する 悪い男に引っかかって?
5579 8-28 
  元ふくの 独見てゐる 鏡山
  元ふく→元服 前髪を落とした姿を自分で 鏡に映して見る
5580 8-28 
  うつり香の やかましく成 土用干
  うつり香→残り香
5581 8-29 
  裸て這入る 清盛の医者
  熱病で
5582 8-29 
  證文に 判迄済て 物怖し
  物怖し→ものおじし 契約してしまったが
5583 8-29 
  生貝の 力をいれて 死て居
  開かないのが死んだ貝
5584 8-29 
  松を作るに 木馬迄出る
  松→門松?
5585 8-29 
  赤子を奥へ 借りる霜月
  ???
5586 8-29 
  物着星 淋しい時ハ うち詠
  物着星→ものきぼし 爪に白斑点が出ると衣類が 新調できるという 詠→ながめ 何かよいことが
5587 8-29 
  向ふから 女房も遣ふ 硯箱
  上下から二人で一緒に使う
5588 8-29 
  あちらても目を こする替駕
  替駕→かえかご 宿駅で別の駕篭に乗り換える こと ☆国大 遠くから互いが見えて
5589 8-29 
  坐頭の我慢 杉の木へ行
  杉の葉なら酒屋だが?
5590 8-29 
  夫に当て 細見をよむ
  当てる→あてこする☆江語辞 細見→吉原細見 吉原のガイドブック
5591 8-29 
  諸行無常を 雇れて撞く
  寺男の鐘撞き?
5592 8-29 
  女一群 四谷なりけり
  内藤新宿の飯盛女?
5593 8-29 
  笑て見ても 済ぬ身のうへ
  勘当されて?
5594 8-29 
  棒のしなハぬ 六條の塩
  しなう→たわみ曲がる 六條の塩→六条河原院の塩竈 で作られた塩 源融の道楽 能の融の様子か?
5595 8-29 
  借しなくす 物にして置 湯女の櫛
  借しなくす→貸しなくす 又貸しで何処かへ紛失
5596 8-29 
  つかむた癖の 若菜にも出
  蕨の形?
5597 8-29 
  八官丁て 誉る黒髪
  八官丁→はちかんちょう 八官町 銀座七丁目 阿蘭陀人八官に下賜された町 阿蘭陀屋敷で日本娘の黒髪 を誉める☆江戸文学地名辞典
5598 8-29 
  餅も流れす 下戸の曲水
  曲水の宴では盃が流れるが
5599 8-30 
  漏かとまると 元のふたり寐
  漏→もり 雨漏り 雨漏りが止んで添い寝できる
5600 8-30 
  をそろしや あれを着たかと 衣かえ
  質に入っていたボロ着物?
5601 8-30 
  人をきたなく 遣ふ十月
  きたなく→けちに? ???
5602 8-30 
  きりきり・す 籠て死ぬ気て 鳴あかし
  これを最期とばかり
5603 8-30 
  すれすれ・に 三人くらす 和中散
  和中散→わちゅうさん 霍乱眩暈の薬 江戸の出店が大森に三軒あり 食い合い?近江梅木村が本店 ☆川柳大辞典
5604 8-30 
  忘れ草にも 昼の三味線
  忘草→憂さを忘れる材料
5605 8-30 
  あかぬ別れの 闇をこく舟
  あかぬ別れ→不本意な別れ ☆国大
5606 8-30 
  質屋の前の 凄い六月
  凄い→気味が悪い 質草の土用干
5607 8-30 
  秋もはや つめたい物を 手に覚え
  水仕事から秋を感じる?
5608 8-30 
  初物提て 目たつ仲間
  仲間→ちゅうげん 武家の雑事をする者 金のない仲間が初鰹を?
5609 8-30 
  高田の比丘尼 日と共に入
  比丘尼→尼 歌比丘尼? 田舎なので夜は人がいない?
5610 8-30 
  六條さして 寺へよめ入
  ???
5611 8-30 
  蜑かいやさに 宿て振ル袖
  蜑→あま 宿→口入れ屋 海女になるのが嫌で奉公に?
5612 8-30 
  頭巾から 最うあみ笠と 成にけり
  お忍びから女敵討ちへ?
5613 8-30 
  五月雨 ちいさい窗に 惚返し
  五月雨→さつきあめ 窗→まど 窓 大きな窓では雨が吹き込む?
5614 8-30 
  追人か蓋を 明る大釜
  追人→おって 駆け落ちの二人が隠れていな いかと
5615 8-30 
  手へ押付る 闇の舟賃
  落とさないように受け渡す
5616 8-30 
  筑波の帯の 解る明六ツ
  筑波→筑波染 ☆江語辞 筑波山の歌垣?
5617 8-31 
  薬子ハ ことはすくなに かしこまり
  薬子→くすりこ 元日に宮中で供御の屠蘇を なめ試みる少女 ☆国大
5618 8-31 
  かきつはた 今に云出す 辰之介
  辰之介→水木辰之助 歌舞伎役者 市村座女形で 所作事の名人 槍踊りが有名 ☆川柳辞彙
5619 8-31 
  撞木の先の かむやうに減
  撞木→しゅもく ☆そのまんまか
5620 8-31 
  鰹て届く 神奈川の文
  神奈川の宿場女郎の客は 漁師や船頭が多い 女郎の文の返事に鰹が来る ☆柳初22
5621 8-31 
  茶碗酒 女の屑も 面白し
  鉄火な女
5622 8-31 
  和尚のあらの 残る志賀寺
  あら→過失 ☆江語辞 志賀寺上人の故事
5623 8-31 
  越中嶋に 蔵の立見ゆ
  越中嶋→深川の地名 播州姫路榊原越中守屋敷あり 三浦屋の高尾の身請け関係?
5624 8-31 
  かくし泪に 餅草をもむ
  三月三日の草餅の準備をする 下女 三月四日で出代り
5625 8-31 
  けいせいの 時見し乞食 ふりかへり
  年季が明け素人になったが 顔を覚えられていて?
5626 8-31 
  丸寐を起す 衛士の朝食
  丸寐→まるね 着物を着たまま寝ること ☆そのまんま
5627 8-31 
  三人て引く 網に観音
  宮戸川で浅草寺の本尊の 観音様を浜成・武成兄弟と その主人土師臣中知が網で 引き上げる ☆川柳辞彙
5628 8-31 
  命といへは 近い媒
  媒→なかだち 仲人 何々命と恋が発展し
5629 8-31 
  むらさきハ 野を和らけた 詞也
  詞→ことば
5630 8-31 
  勅使の皃の 正直に行
  勅使下向?
5631 8-31 
  干からひて居る 黄檗の箸
  黄檗→禅宗の一派
5632 8-31 
  新田出来て 笛か届かぬ
  村はずれで祭の笛も聞こえぬ
5633 8-31 
  吹降の 傘に手を 借したかり
  吹降→ふきぶり 傘→からかさ 借し→貸し 女の人の?
5634 8-31 
  後藤か猿の 金を借り出す
  後藤→金座の後藤光次 秀吉や家康に仕えて大判小判 を鋳造 ☆川柳大辞典
5635 8-32 
  膳所か見へると みぞ落か鳴る
  膳所→ぜぜ みぞ落→みぞおち
5636 8-32 
  蜑の子の つめたい乳に ふらさかり
  蜑→あま 海女 ☆そのまんま
5637 8-32 
  羽かきの 羽とも云せぬ 料理人
  羽かき→はねがき 羽ばたき ☆国大 羽→は 料理人→宴会のある個人宅へ 出張して料理をする職人 瞬時に鳥をしめる
5638 8-32 
  夕べ・のあらし 蔵宿へ行
  蔵前→蔵宿あり 貧乏旗本や御家人が米相場が 上がると扶持米を担保に借金 しやすいかと
5639 8-32 
  投れは夜着へ 潜るいらたか
  いらたか→苛高数珠 いらだっている意か 腹を立てて帰ってふて寝
5640 8-32 
  木綿て皃の 替る奉公
  同じ仕着せで顔は違う
5641 8-32 
  冬瓜の 花ハ上手に うそをつき
  冬瓜の花は咲いても百に一つ という 花は多いが結実が少ない
5642 8-32 
  帰厂 文をくハへた 声てなし
  帰厂→かえるかり 雁は渡来する時と帰る時 小さい木の枝をくわえて飛ぶ という☆江戸文学俗信辞典 蘇武の雁文は雁の足だが?
5643 8-32 
  耳を手元に 置けと呵られ
  親の云う事を聞かない息子?
5644 8-32 
  河嵜迄ハ 行ぬ傘
  河嵜→川崎 東海道二宿目 旅送りは品川まで
5645 8-32 
  誉る隠居の 内に居付す
  居付す→いつかず 跡継ぎに甘い隠居は自分も 新造買いに忙しい?
5646 8-32 
  かすかな義理の 届く黙礼
  ☆そのまんま
5647 8-32 
  家老かなくは 物ハ思はし
  思はし→思わじ 国家老が諌めてくれるので 殿様も少しは放蕩を反省
5648 8-32 
  女さひしく 乾鮭を呼ふ
  乾鮭→からざけ 塩引鮭の 陰干し 老婆をさすことも ☆国大
5649 8-32 
  扱ひ済て 手のくほをする
  扱い→示談 調停 ☆江語辞 手の窪→掌に飯をのせて喰うこと☆江語辞 短時間の性行為とも☆川柳末摘花詳解上 性的手段とも☆川柳大辞典
5650 8-32 
  錦木ハ 棒の出そうな 所也
  錦木→求婚のしるしに女の家 の門に立てた一尺ほどの木 同じ地名か店があったのか?
5651 8-32 
  闇を上手に 遣ふ皃見せ
  顔見世狂言 暗い早朝から開始 十月晦日の仕度と十一月朔日の開演がともに闇夜☆川柳江戸歌舞伎
5652 8-32 
  いもか悋気の ちびちび・として
  いも→痘瘡のあばた ☆江語辞
5653 8-33 
  十九に成て 近い一年
  十九→女の厄年 嫁入りで慌ただしく過ぎる? ???
5654 8-33 
  了簡も替れハ 替れハかハる 水浅黄
  水浅黄→みずあさぎ 囚人服 ☆江語辞
5655 8-33 
  女形 女房はかり 年か寄
  役者本人は若い役のままだが
5656 8-33 
  つふ銭を 伽にして居 うつの山
  つふ銭→つぶせん ごく小額の銭の意か? 宇津山→宇津谷峠あり東海道の難所 人に逢わぬ意☆雑俳語辞典 金欠で外出できず
5657 8-33 
  盃へ はねるも柚の 若いうち
  はねる→拒絶する☆江語辞 柚→ゆず あばたのある婦人 ☆川柳大辞典
5658 8-33 
  折々・虫の かふる新関
  虫がかぶる→腹痛がする 陣 痛がおこる ☆江語辞 新関→しんぜき ???
5659 8-33 
  九ツハ 手の草臥る 鐘の声
  九ツ→十二時 草臥る→くたびれる 捨て鐘あわせて十二回
5660 8-33 
  なめて見たかる 塩竃の客
  源融の六条河原院の塩竈 宴会のアトラクション
5661 8-33 
  肴を呼へは 目たつ草の戸
  草の戸→草庵 貧乏そうなのに魚屋を呼ぶ
5662 8-33 
  うそ付ぬ日に 年か寄る也
  大晦日は掛取に嘘をつくが 元日は正直に過ごす
5663 8-33 
  生田の森を 返る笛ふき
  生田→いくた 摂津国生田の 森 梶原景季の箙の梅の地 一ノ谷の合戦の東の城戸口 鵯越の逆落しの後の義経か?
5664 8-33 
  寐ころへは 起る用ある 物思ひ
  鬱な時に限ってゆっくり寝て もいられぬ
5665 8-33 
  智恵か余て 瀬戸物に灸
  早く売れる呪い? 履物に灸を据えると客が帰る というが ☆江戸文学俗信辞典
5666 8-33 
  腹懸を干す 寺の日あたり
  腹懸→はらがけ ありがたい寺にも日常生活
5667 8-33 
  きのふの髪て 張物に来
  張物→はりもの 布を洗って 糊をつけ板に張って伸ばし 乾かすこと ☆国大 昨日は途中で雨に降られて 髪も乱れた
5668 8-33 
  ちとつゝの 盗に逢ふハ 嘉例也
  歳の市の大黒盗み?
5669 8-33 
  公家に三本 足らぬ伶人
  伶人→れいじん 雅楽を奏す る官吏 猿は人間より毛が三本足りぬ という☆諺 公家には少し及ばぬ?
5670 8-33 
  旅て泊れは 眠い品川
  旅送りや旅迎えで騒がしい 遊びに来たのでなければ迷惑
5671 8-34 
  行程塩の 辛い松前
  行程→ゆくほど 松前→蝦夷地? 昆布?
5672 8-34 
  ちまき結ふ日ハ 曳舟の音
  ちまき→粽 結ふ→ゆう 曳舟→流れに遡って綱で舟を引くこと 粽は屈原の霊に供えるため汨羅の河に流したのが起源
5673 8-34 
  はなれた馬の 女良花嗅・ク
  女良花→おみなえし 女の意 嗅・ク→かぐ 馬引のいない馬が女の人に
5674 8-34 
  皃を遠くに 見せる乗物
  乗物→引き戸付きの駕篭 恐れ多くて近づきがたい
5675 8-34 
  静に成て 残る盃
  宴会がおひらき あるいは 色事?
5676 8-34 
  腹立の 袖ふり上る しら拍子
  ☆そのまんまか
5677 8-34 
  むらさきの 空に時雨る うす煙
  紫→紫野大徳寺の略? 天正十年十月の信長の法要の 焼香順で秀吉が柴田勝家を 圧倒 ☆川柳辞彙
5678 8-34 
  憂時の 人に鼠の なつきけり
  憂時→うきとき 鼠が寄ってくる
5679 8-34 
  我子見に行 河竹の闇
  河竹→川竹の流れの身 遊女のこと 吉原に売られた娘の様子を
5680 8-34 
  廿日草 三日残て むし暑し
  廿日草→牡丹 ???
5681 8-34 
  風呂へ沈むて 雨を観する
  観する→かんずる 居風呂から雨を眺める
5682 8-34 
  木やりて金の 這入る吉日
  木遣→木遣唄 祭礼や祝儀に唄われる 如才はござらぬかと始める
5683 8-34 
  新造の 袖かそろそろ・ 怖くなり
  新造は袖留のお披露目をして 座敷持ち・部屋持ちになる 馴染客にその費用の無心が
5684 8-34 
  此汁て 蕎麦とハつらし 山さくら
  ???
5685 8-34 
  鑓おとり いつのむかしの 一枚絵
  鑓おとり→やりおどり 元禄の市村座の女形水木辰之 助の所作事 ☆川柳辞彙
5686 8-34 
  鹿の声 紅葉を急度 たしなませ
  急度→きっと きちんと たしなむ→行儀よくする ☆江語辞 鹿の声で紅葉がひきしまる
5687 8-34 
  揚屋丁 替た夢も 見さりけり
  揚屋丁→吉原の揚屋町 替た→かわった? 極楽でも寝て見る夢は同じ
5688 8-34 
  餅屋と酒屋 意趣のある皃
  贔屓は下戸派と上戸派
5689 8-35 
  蓑虫の 片親はかり 呼つゝけ
  ちちよちちよと鳴く☆枕草子
5690 8-35 
  今迄蝶の 遊ふ汁の實
  採ったばかりの菜っ葉の汁
5691 8-35 
  髪の落 売物に出て 怖しき
  落→おち 抜けた毛髪☆国大 かもじに?
5692 8-35 
  浪人の 手本に曾我ハ ならぬ也
  貧乏だし死ぬし
5693 8-35 
  宮守売 御中屋敷へ 水をさし
  宮守売→やもりうり 中屋敷→上屋敷と下屋敷以外 に将軍から拝領した控えの 大名屋敷☆江語辞
5694 8-35 
  見ぬ陸奥に 京て草臥
  陸奥→みちのく 草臥→くたびれ 能因 奥州まで行かずに白河 の関の歌を詠み家に籠って 日焼けしてから披露した
5695 8-35 
  身を知る雨ハ 手形たけ降
  身を知る雨→我が身の幸不幸をしみじみ思わせる雨 涙の意☆俳説ことわざ辞典 手形→証文 通行証明書☆江語辞 証文の上に涙が落ちる?
5696 8-35 
  四五人の 皃にも飽す かゝり舟
  飽す→あかず かかり舟→掛舟 停泊している舟 舟で博打?
5697 8-35 
  心覚の 前髪をかく
  心覚→こころおぼえ 身に覚えがあること 前髪→元服前の少年の額の髪 呵られた丁稚?
5698 8-35 
  文殊の智恵も 取あつめ物
  三人分
5699 8-35 
  片裄に着て 昔なつかし
  片裄→かたゆき 着物が着崩 れて袖が片寄ること 子供の頃を思い出し
5700 8-35 
  四季着手伝ふ 御出入の尼
  四季着→しきせ
5701 8-35 
  十二一重の 足の見たさよ
  ☆そのまんま
5702 8-35 
  云名付 女心の 古くなり
  云名付→いいなずけ 春が長過ぎて
5703 8-35 
  降参に 利口な皃の 哀也
  負け方についたばかりに?
5704 8-35 
  相応な みやけ程にハ 物覚へ
  抜け参りの少年の土産話?
5705 8-35 
  つふれ懸て 町人の九字
  九字→くじ 修験道などの護 身の呪文 手で印を結んだり指で空を 切るような仕草をする
5706 8-35 
  平家をひとり 誉る船頭
  壇ノ浦で義経は平家の船頭を攻撃させた
5707 8-36 
  深河へさす 品川の指
  深川遊廓よりは品川遊廓が 格が上?
5708 8-36 
  散柳 障子の影の 定まらす
  散柳→ちるやなぎ ☆そのまんま
5709 8-36 
  物好も 手うすく成て 田長鳥
  田長鳥→たおさどり 時鳥の異称 花見も梅若忌も終わって暇に なった頃時鳥の初音を賞玩
5710 8-36 
  子の三味線を 誉るくらかり
  親の闇 子の放蕩への第一歩を
5711 8-36 
  売れぬあふむの 口か利過
  あふむ→鸚鵡 利過→ききすぎ ☆そのまんま
5712 8-36 
  案のことくに 桟敷着かへる
  ☆不騫不崩→ふけんふほう 桟敷→芝居見物の左右の一段高い上席 桟敷の女客が芝居見物中に衣装を着替える☆川柳江戸歌舞伎
5713 8-36 
  月夜に釜も 親のした事
  月夜に釜を抜かれる→はなはだしい油断 親に嫁を離縁される 「姑に女房さられて月夜に釜」☆菜の花☆俳説ことわざ辞典
5714 8-36 
  うらみの口を ふさく明六
  明六→あけむつ 午前六時頃 後朝の別れ?
5715 8-36 
  土蔵の見へる 木からしの果
  凩の果はありけり海の音 ☆池西言水 質屋通い?
5716 8-36 
  せんたんの 二葉そたてる 気あつかひ
  せんだん→栴檀 花魁が将来性のある禿を英才教育する? 「栴檀は双葉より芳し」☆諺→成功する人は子供の頃から違う意
5717 8-36 
  うかりける 平家の時の 御出入
  出入→争い? 支出と収入? ???
5718 8-36 
  江戸を見ぬ 人を御家の たから物
  堅い国家老こそ国の要
5719 8-36 
  鯛の切たる 證文を書
  鯛が入荷しなかった証文? 将軍家に献上する鯛が揚がら ず?
5720 8-36 
  地頭を誉て 村に戸かなし
  地頭→鎌倉室町幕府の荘園や 公領の管理者 年貢をきっちり取り立てて村 は貧乏に
5721 8-37 
  初鶏や かハゆからるゝ 計
  ☆歳首 初鶏→新年最初の鶏の鳴き声 計→はかりごと 一番に鳴いて目出たがられる
5722 8-37 
  書のうちの 大工遣む 窗の梅
  ☆初読 遣む→つかわん 窗→窓
5723 8-37 
  虻ひとつ 何所て聞てか うめの花
  虻→あぶ 何所て→どこで どこで梅が咲いたと聞いてか
5724 8-37 
  たから船 碇印に まくらかな
  たから船→初夢のために宝船 を枕の下に敷いて寝る 碇印→いかりじるし
5725 8-37 
  鶯の 古郷あれぬ 竹の秋
  竹の秋→陰暦三月の異称 山から里へ鶯が出ていってし まうので?
5726 8-37 
  わか菜より 松曳方や 男ふり
  松曳方→まつひくかた 門松を抜く男の方が薺売り より男振りがよい
5727 8-37 
  はつ午や 袂をあてゝ 笑ふ山
  山笑うは春の季語 初午祭りの幟?
5728 8-37 
  草の芽や かそへ尽さぬ 土の恩
  ☆悲母十三回 ☆そのまんま
5729 8-37 
  凧 それさへ西を 行衛かな
  ☆小児をいたむ 凧→いかのぼり たこ 行衛→ゆくえ 子の魂も凧も西方に
5730 8-37 
  出る日も さくらにかゝる 彼岸哉
  出る→いづる ☆そのまんま
5731 8-37 
  御衣や 人かすかれは 雀の子
  ☆地蔵法楽 御衣→みころも? すかれは→縋れば ???
5732 8-37 
  明ほのや 身をひく雉子の 水鏡
  明ほの→曙 水鏡→水面に顔や姿を映して 見る ☆そのまんまか
5733 8-38 
  茶を摘る 時は茶つみに 成てこそ
  ☆関宿観音法楽 摘る→つめる つむ☆国大 ☆そのまんまか
5734 8-38 
  苣の葉の かきみたれても 頼ミかな
  ☆底くら地蔵奉納 苣→ちさ ちしゃ レタスの類いで春の季語 頼み→力になるもの ???
5735 8-38 
  身かまへな 蝶の遊ひや さくら艸
  警戒しながらも地を飛ぶ
5736 8-38 
  菜の花や 西日を請て 洗ひ馬
  請て→うけて ☆そのまんまか
5737 8-38 
  籔添に 逃る穴ある きゝす哉
  籔添→やぶぞい きぎす→雉子 きじ 地を走って逃げる
5738 8-38 
  かけろふや たゝけは登る 種俵
  種俵→たねだわら 種もみを入れた俵で春の季語 池などに浸けておくことあり 俵を叩くと陽炎があがる
5739 8-38 
  汐干哉 沖にうれしき 庭たつみ
  庭たつみ→にわたずみ 水たまり 潮干狩りのさま
5740 8-38 
  袖笠や 佐野のわたりの 雛買
  ☆三月二日雪ふる 雛買→ひいなかい 駒止めて袖打ちはらふ影もな し佐野の渡の雪の夕暮れ ☆藤原定家 袖を笠にして
5741 8-38 
  籠のめも 眠らぬ夜半や 事はしめ
  ☆白沢讃 事始→籠を竿の先につけて 立てる
5742 8-38 
  根を分ん 菊にかへさハ きつね川
  ☆長宇子に点印を送る 分ん→わけん かへさハ→かえさば? 心の花か蘭菊の狐川より引き 返し☆謡曲忠度
5743 8-38 
  いへはいふ 四十ハいまた 花の春
  ☆四十賀 四十才でもまだ青春の気持
5744 8-38 
  傘の うちのかゝりや 糸さくら
  かかり→姿 様子 ☆国大 糸桜→枝垂桜 桜の下は傘の中にいるよう
5745 8-39 
  眼星掘る 婆々・を尋ん 山さくら
  眼星→めぼし ???
5746 8-39 
  うつり気の 一口つゝや 花の蝶
  蜜を一口すっては次の花へ 浮気な蝶
5747 8-39 
  花咲ぬ 雀も 籔を わすれ皃
  咲ぬ→さきぬ 雀のお宿は竹薮だが
5748 8-39 
  宿なれは 灸すへる日を 花見哉
  二日灸をすえられず
5749 8-39 
  夕くれや さむさ合せて 花の雪
  雪の寒さと暮れ行く寒さと
5750 8-39 
  ゆく春の 招く手ならん いかのほり
  ☆三月尽 いかのぼり→凧 凧が春を招き戻すように
5751 8-39 
  さむいにも 着て世の中へ あハせかな
  ☆夏二十句 四月朔日の衣更 まだ寒いが袷を着て外出
5752 8-39 
  懸たそと 請ぬていく夜 ほとゝきす
  懸たそ→かけたぞ 請ぬて→うけぬで てっぺんかけたかと鳴くが 誰も答えてやらぬので幾夜も
5753 8-39 
  爰に鳴け 山郭公 山の芋
  ☆寄郷談 爰→ここ 山郭公→やまほととぎす ???
5754 8-39 
  ほたん見の 又驚くや 台所
  牡丹餅もある
5755 8-39 
  世の人の 是から憎し はつ松魚
  はつ松魚→初鰹 買える金持ちがうらやましい
5756 8-39 
  また喰ふて 言訳になる めうか哉
  めうか→茗荷 物忘れの言訳
5757 8-39 
  實に成て 桃ハ見てゐる あやめ哉
  ☆丹五 實→み 実が育った桃が端午の節句の軒の菖蒲を木の上から見る?
5758 8-40 
  十二神 八日迄ある かふとかな
  ☆奉納 端午の節句の兜が
5759 8-40 
  一月を 三十日しらすや 五月闇
  一月→ひとつき? 三十日→みそか 三十日間 五月闇→さつきやみ 五月中は暗かった?
5760 8-40 
  早乙女や 風ハ袂に 入れてをき
  早乙女の袂が風でふくらむ
5761 8-40 
  葭きりや 鍋屋に一羽 飼れけり
  葭きり→よしきり 水辺の小鳥で五月頃ギョギョシと鳴く 鍋直しもうるさいが?
5762 8-40 
  さみたれや 煙を植る 柳苗
  ???
5763 8-40 
  昼皃や 尾上の鐘の よそよそ・し
  尾上の鐘→播州尾上神社の 朝鮮鐘
5764 8-40 
  若竹や 今年の露の 置所
  毎年の若竹に露が
5765 8-40 
  をさむるも 女の役は うちわ哉
  ☆発句書と出されしに おさむ→おさめる ☆国大 おさめる→混乱を収拾する 役→役目 納まりかかった問題を煽る?
5766 8-40 
  松風の 裾分けをする 扇かな
  裾分け→おすそわけ 扇で松風のおすそわけ
5767 8-40 
  いてう迄 扇つかひの あつさかな
  ☆あさふとのにて いてう→銀杏 銀杏の葉が扇のよう
5768 8-40 
  山伏の 向て籟や 雲の峯
  籟→ふく 雲の峯→入道雲 籟は笛の音や穴から出る音 山伏が入道雲に向かって法螺 貝を吹く?
5769 8-40 
  藻の花や うこかすに居る 冷し馬
  暑くて馬も水の中でじっと
5770 8-40 
  夏帯の むすひこゝろも 茅輪哉
  ☆御祓 茅輪→ちのわ 夏越の祓いの茅輪のように
5771 8-40 
  神鳴て あらたに凉し 木々・の底
  ☆秋三十句 木々・の底→森の奥?
5772 8-41 
  朝皃に 日をとり持か 通り雨
  通り雨の後に日がさす
5773 8-41 
  買時に 升も入へし 女良花
  買時→かうとき 入へし→いるべし 女良花→おみなえし 女の意 ???
5774 8-41 
  そく才な 人の詠や とうからし
  そく才→息災 詠→ながめ 体が頑強でなければとうがら しをおかずにはできぬ
5775 8-41 
  女房の 明けに出る戸や 萩の花
  花をはやく見たくて
5776 8-41 
  いなつまや 力なけなる 草の原
  稲妻の前には無力
5777 8-41 
  馬の上に 笛ハ吹れす 花薄
  花薄→はなすすき 穂の出たすすき ???
5778 8-41 
  埋堀を 終の住家や 角力とり
  埋堀→うめぼり 浅草の砂利場か 本所や下谷にも埋堀あり 終の住家→ついのすみか 女衒にでもなった?
5779 8-41 
  夜の長く なるか朝寐の はしめ哉
  起きてもまだ暗いので
5780 8-41 
  膝たけに 蝶もぬるゝや 萩の露
  蝶の膝丈まで濡れる
5781 8-41 
  人ハ皆 煙の種や 若たはこ
  ☆悼 若たはこ→今年とれた煙草 煙草の煙と焼き場の煙に
5782 8-41 
  夕皃の 枕見てゐる 案山子哉
  倒れているかかし?
5783 8-41 
  蘭の香や 鳥にも二つ 袖袂
  鳥の羽が袖にみえる
5784 8-41 
  塀有て 松ある家の 砧かな
  砧→木槌で布を打って柔らか くする 金持ちの家でも主婦の仕事は 同じ
5785 8-41 
  きりきり・す 鳴ぬ捨子の むかし哉
  ☆拾得讃 お前は泣かない子だったなあ 唐の僧寒山拾得の拾得は捨子
5786 8-41 
  傘を くハへる鷺や 星迎
  星迎→ほしむかえ 七夕 かささぎ・・・の橋
5787 8-41 
  七夕や 物の借しよい 節句前
  借し→貸し 借し小袖といって七夕に着物 を飾る 七夕様に着物をお貸 しすると衣装持ちになるとい われた 飾るだけなので
5788 8-42 
  生て居て とうろ作るや 玉むかへ
  ☆盆会 皆先に逝ってしまい
5789 8-42 
  しら露ハ きれいな人の 仕廻かな
  ☆悼 仕廻→しまい 仕舞? 最期 ☆江語辞
5790 8-42 
  屏風とハ 外て気・の付く 花野哉
  ☆別荘にて まるで花の屏風のよう
5791 8-42 
  八朔や 二たひかすむ 稲葉雲
  ☆八朔 稲葉の雲→田一面の稲穂が 揺れるさま 嵐で
5792 8-42 
  しら露や 鱸の口も 小笹原
  鱸→すずき 小笹原→こざさはら 小笹の一面に生えた原
5793 8-42 
  翌からの 便を聞ん 鳴子綱
  ☆送別 翌→あす
5794 8-42 
  弓二張 よせてかつらの おとこ山
  ☆八幡法楽 二張→ふたはり 男山→男山八幡 桂川近く 月の桂の男山☆謡曲弓八幡 八幡は弓矢神
5795 8-42 
  いつしかに 鴉をまつや 厂の声
  ☆老情 鴉→からす 厂→雁 夜が明けて
5796 8-42 
  はつ茸も 親ふたりある 雨と露
  ☆憐捨子 はつ茸→はつたけ はつたけにさえ二親あるに
5797 8-43 
  もとの名と 二つ覚えて 柿・もみち
  ☆名改 柿・もみち→柿もみじ 柿の葉が紅葉すること 柿でありもみじであり
5798 8-43 
  名月や 気・の付く鐘ハ 六と六
  暮れ六ツと明け六ツ 一晩中月にみとれて
5799 8-43 
  松明に ふりふり・行や 枝もみち
  枝紅葉→散る前の紅葉か? 紅葉の枝を松明のように持ち 紅葉見物
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  紙漉の くむほと老ぬ 菊の水
  ☆関口にて 菊の水→菊水 菊の露が滴り落ちた川の水 飲むと長命するというが飲ん でいる筈の紙漉は老いる
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  原中や 見ぬ門出来て むら時雨
  ☆冬二十句 原中→はらなか 野原の中 いつの間にか一軒家が
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  裁縫の 皃見せ近き もみち哉
  顔見世狂言の芝居見物のため に着物を?
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  初雪の おもて道具や 蓑と笠
  表道具→ある事柄に欠くこと のできない道具や方法☆国大 初雪に付き物
5804 8-43 
  汐風に 爪先赤き 千とりかな
  千鳥の足先が赤いのは水が 冷たいから?
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  水さへも をのれを囲ふ 氷かな
  水も寒いので氷で自分を囲う
5806 8-43 
  木兎に 云込られん あしろ守
  木兎→みみずく 網代守→夜篝火を焚いて網代 の番をする人 はやく消して寝ろ
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  朝霜や 鐘につき出す 人の声
  明け六ツの鐘で渋々起き出す 寒い朝
5808 8-43 
  芭蕉忌や 筆をしたてる 飯の中
  ☆十月十二日 筆を湯気で整える?
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  冬籠 むかしハうちに 居ぬ人そ
  若い頃は雪で吉原とか
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  いろいろ・の 雪見て雪の かしらかな
  ☆つもれは人の 遊里の雪も野の雪も見て 頭も白くなった
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  茶の花に 淡ハ仏の たとへ哉
  ☆悼 茶の花→初冬咲く 淡→あわ 泡 茶の花と番茶を煮出して泡だ てて飲む?
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  水鳥の 皃向かへつ 朝日影
  皃向→かおむき 朝日さす中で水鳥がひょっと 向きを変える?
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  ひとつ飛ふ 雀は二つ おちはかな
  雀が二枚の落ち葉のよう?
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  物申ハ 師匠ひとりそ ゑひすこう
  物申→ものもう 御免下さい ゑひすこう→恵比寿講 皆勝手に上がって飲み食い 寺小屋の師匠だけは礼儀正し く挨拶してから
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  撫る手の 一葉二葉や 桐火桶
  桐火桶→桐の木の輪切りで作 った円形の火鉢 あぶる手が桐の葉のよう
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  いさりひの それもとうとき 十夜哉
  十夜→じゅうや 十月六日から十五日迄念仏を する浄土宗の法要 江戸から鎌倉光明寺に参詣 ☆川柳辞彙 鎌倉沖の漁り火
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  皃みせや 馬に成とも 君か門
  ☆大樹へ始て召れて霜月朔日 大樹→徳川将軍家☆川柳辞彙 十一月朔日から顔見世狂言 御目見えを洒落て?
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  せきそろも 壱人に成ぬ 廿日過
  せきぞろ→節季候 年末に来る騒がしい門付け はじめは三人ほどで来たが 大晦日も近づき
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  人五十 天から着せる 頭巾かな
  ☆五十賀 白髪頭? 六十だと赤い頭巾だが
5820 8-44 
  鷺々・と 云れて白し 年のくれ
  ☆歳暮 鷺は白の意味があるが?   ☆歳暮 鷺は白の意味があるが?


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