九篇


誹諧武玉川私考ホームへ

【底本】 
  岩波文庫  誹諧武玉川(二) 山澤英雄校訂 岩波書店 1984

【凡例】
  通し番号 篇-丁
  (本文)
  (解説)

【注意】
  字・は字が底本通りでないことを示す
  ☆はコメントや引用
  江語辞→江戸語の辞典  国大→国語大辞典(小学館)

5821 9-1
  恋しき方を 向て結せる
  ☆下開瓊筵坐花 瓊→けい たま 結せる→ゆわせる 思う人の方を向いて髪を
5822 9-1
  我接た 柿の生る頃 歯かぬけて
  接た→ついだ 生る→なる 柿八年で植えた自分は齧れず
5823 9-1
  元歴々・の 果の柴の戸
  歴々・→れきれき 身分格式のある人☆江語辞 柴の戸→粗末なすみか 零落して
5824 9-1
  悋気も折に 誉て聞也
  悋気もたまには役に?
5825 9-1
  楊貴妃死て やけの夜歩行
  夜歩行→よありき 玄宗の命で方士が楊貴妃の魂魄のありかをくまなく探す ☆謡曲楊貴妃
5826 9-1
  うしろ帯 前へ廻ると 我身也
  後帯→素人女 もと遊女の女房 まだ前帯の方が慣れていて
5827 9-1
  逆剃嫌らひ 公事ハ丸負
  逆剃→さかぞり 毛の生え並 とは逆に剃ること☆江語辞 公事→くじ 訴訟 ???
5828 9-1
  しら鷺の 廻る程明く 杜若
  白鷺が飛ぶ度に杜若が咲く 白鷺も杜若も夏の季語
5829 9-1
  やりてか宿へ 鑓を立かけ
  宿→家 鑓→やり 槍は遣手の略称でもある ☆川柳辞彙 王子権現の槍祭?
5830 9-1
  神馬に豆の 足らぬ十月
  神馬→じんめ 神無月で神社の収入が少なく ?
5831 9-1
  坐頭の皃の 脹る置土
  脹る→はれる 置土→おきつち 地面やものの上に土を置きかぶせること ☆国大 つまずいて転んで
5832 9-1
  鳶と云れて 酒を買母
  鳶が鷹を生んだと誉められ
5833 9-1
  籔入の その日帰りも 訳ケか有
  籔入→薮入 奉公先にいい人が?
5834 9-1
  思ひ羽も 抜てハ鴛も 鴨の皃
  思い羽→尾の根の両脇にある 銀杏の葉の形の羽☆国大 鴛→おし 鴨に似て来る?
5835 9-1
  股くらて 淋しく削る 餅の黴・
  餅を足に挟んでかびを削る?
5836 9-1
  かゝる所へ 重手代来る
  重手代→おもてだい 番頭の下の主立った手代 番頭か手代の不祥事?
5837 9-1
  吹付ぬかと 二階から声
  吉原の八朔の紋日 二百十日頃で嵐多し
5838 9-2
  今起た 先を見付の 棒か行
  見付→みつけ 江戸城外門の監視所 朝帰りの遊客が止められて
5839 9-2
  かふろの仕落 隅へ来て居
  仕落→しおち 手抜かり しかられて部屋の隅に
5840 9-2
  吹から・たまる 六月の橋
  吹から・→ふきがら 橋の上から屋形船や花火見物
5841 9-2
  和尚に結て もろふかき鬢
  かき鬢→かきびん 若者の髪型の一つ 寺小姓を若衆に?
5842 9-2
  傘持の 袖か障て こほれ萩
  貴人の萩見物?
5843 9-2
  よい女房見て 割るさんこ珠
  さんこ珠→珊瑚珠 毒に触れると割れるという 腎虚の原因
5844 9-2
  さむい巨燵も 通り者也
  巨燵→こたつ 通り者→ここでは通人の意か 縁結びをしてくれる?
5845 9-2
  穴蔵へ 懸て二階の 道か切れ
  梯子が一本しかない
5846 9-2
  馬に重箱 付るしつ原
  ???
5847 9-2
  おはくろに ほうほう・眉ハ 大むかし
  ほうほう・眉→ぼうぼうまゆ 女性の半元服でお歯黒をつけ本元服で眉を剃る 眉を剃って眉墨でかく習俗は後代?☆江戸文学俗信辞典
5848 9-2
  うそも嘉例に 成し元日
  昨日の大晦日はは掛取に恒例 のうそをついたが
5849 9-2
  大僧正の しけき小便
  しげき→回数が多い? 高齢で
5850 9-2
  挑灯も とほす時にハ 傘の音
  とほす→点す 提灯を伸ばす時傘のような音
5851 9-2
  小額残る 武士の正直
  小額→こびたい 角前髪 すみまえがみ 少年の元服の 少し前に前髪の額の両側を少し剃り角ばらせる☆江語辞 若い武士
5852 9-2
  骨のある 物とハ見へぬ 躍の手
  躍→おどり 踊りの手の様子
5853 9-2
  目の早さ ふたりに酒を 買せけり
  怪しい仲の口止めに?
5854 9-2
  夜の明ぬ うちの咄か 大事也
  寝物語に何かねだる? 朝帰り隠しの工作?
5855 9-2
  籔入を 戻て主の 気に入らす
  籔入→薮入 気に入らす→気に入らず 里心がついて?
5856 9-3
  誓文を 三ツ程聞て 手を放し
  誓文→せいもん 誓って 本当に の意 ☆江語辞 本当にと繰り返し言うので
5857 9-3
  無念さハ つめたい小袖 きりきり・す
  小袖→絹布の綿入☆川柳辞彙 きりぎりす→吉原通いの屋根のある二挺だての小舟 振られて?
5858 9-3
  端折所か 旅の口元
  端折→はしょる 旅では用件を手早く話す
5859 9-3
  素浪人 手て書文を 口て書
  用事があっても文を出すより 直接行った方が安くあがる
5860 9-3
  新参乳母の 堅い寐心
  寐心→ねごころ 奉公に来たばかりで緊張
5861 9-3
  役者附 いやな匂ひの 面白し
  役者附→やくしゃづけ 顔見世の時発行される芝居番付の一種☆川柳辞彙 江語辞 悪い墨の匂い?☆川柳辞彙
5862 9-3
  松ヶ岡 似た事斗 咄し合
  松ヶ岡→駆け込み寺 斗→ばかり 皆同じような事情で駆け込み
5863 9-3
  太刀持の つまんてありく 蝶の羽
  太刀持→太刀を持つ小姓 または力士 化粧まわしか何かが
5864 9-3
  十二一重て 見たひけいせい
  けいせい→傾城 ☆そのまんま
5865 9-3
  立田川 模様にしてハ 八王子
  立田川→奈良の紅葉の名所 流水に紅葉の模様の名☆国大 八王子→炭焼 機織り ☆江戸文学地名辞典 秋に炭を焼く?
5866 9-3
  こゝろの底に 新道か付く
  新道→町家の間の露路 新しい道 新たな恋心?
5867 9-3
  せり物に 木馬を買て くらく成
  せり物→せり売またはせり買 にする物 競売か行商☆国大 木馬→乗馬の稽古用の模型の馬☆川柳辞彙 買ったはいいが使い道なし
5868 9-3
  庭鳥ハ 分別の有 足つかひ
  ☆そのまんま
5869 9-3
  けふハ暮 翌ハ檜の 遊ひ好
  翌→あす 日暮れ迄遊び元気に育つ子供
5870 9-3
  持参を尻に 敷嶌の道
  敷嶌の道→和歌道 歌をよむ持参嫁?
5871 9-3
  居風呂て 牙婆の声に 伸上り
  居風呂→すえふろ 風呂桶で わかす風呂 牙婆→すあい 物品売買の仲介業 呉服類を扱ったので
5872 9-3
  夜あらしを 追欠て行 鉢扣
  夜あらし→夜に吹く強い風 追欠て→おいかけて 鉢扣→鉢叩き 年末に瓢を叩いて勧進する空也僧
5873 9-3
  いたひめを するかてんにて うそをつき
  かてん→合点 がてん 承知 ☆江語辞 後で痛い目にあうことを承知で親に嘘を
5874 9-4
  うし若に 成たむす子を うれしかり
  なかなかつかまらない元気な子に育った
5875 9-4
  鹿聞も 三味線聞た 耳の果
  遊び尽くしての境地
5876 9-4
  四十程 はしたな年ハ なかりけり
  若くもなく老いてもおらず
5877 9-4
  鍋の鋳懸の わたる六郷
  鋳懸→いかけ 六郷→六郷の渡し 川崎宿の鋳掛屋?
5878 9-4
  茅の輪か来ると 御所かさハかし
  茅の輪→ちのわ 六月晦日夏越の祓い 天武天皇が起源という もとは宮中行事か
5879 9-4
  むすめのはたち 我内にあく
  はやく嫁に行きたい
5880 9-4
  佛の腹へ 響く坪皿
  坪皿→つぼざら 賽賭博で賽を伏せる壷 ☆江語辞 古寺で博打?
5881 9-4
  籔入の こはい薬を 呑て行
  籔入→薮入 主人にいろいろ注意を受けてから遊びに?
5882 9-4
  二階から 白い跟の ほのほの・と
  跟→きびす かかと 吉原遊女は素足☆川柳辞彙
5883 9-4
  頬かふり しても尻目か 遣ひたい
  尻目→しりめ 目だけ動かし後方を見やる事流し目 ☆江語辞 自分は見られたくないが
5884 9-4
  つらつら・と 皃持ありく 十二月
  借金に廻る?
5885 9-4
  陰膳を 翌迄置も 悋気也
  翌→あす 朝帰りの亭主に昨夜の膳を朝迄すえておく嫌がらせ
5886 9-4
  似た小袖 人か着て居て 腹か立
  自分だけのお気に入りなのに
5887 9-4
  ほころひ迄ハ 縫て見る婆々・
  目も薄くなったが出来る事はなるべく自分で
5888 9-4
  竹の子に さし上らるゝ 蝸牛
  蝸牛→かたつむり 動きの遅い蝸牛を乗せたまま筍がぐんぐん伸びていく
5889 9-4
  雨もりハ 先の住持の 買かゝり
  住持→住職 買ががり→買掛 掛けでものを買うこと ☆江語辞 貧乏寺
5890 9-4
  草り取 観音経を 隠しけり
  草履取→主人のお供をする 雇い人 厄除けを持つのはご主人に 失礼?
5891 9-4
  庵室に 土筆か有て 緋ちりめん
  土筆→つくし 緋縮緬→玄人女の湯文字 ☆川柳辞彙 ???
5892 9-5
  御姫様 つるさるやうに 手を引れ
  幼いお姫様が手を引かれて いる様子
5893 9-5
  朝皃ハ 茶を一はいの あいしらい
  あいしらい→あしらい 朝顔を見ている人に茶でも飲んでいきなさいと
5894 9-5
  かるたを持て 行徳へ乗
  行徳→行徳舟 江戸小網町と下総行徳の間の定期船 真間や成田不動尊への順路 ☆江戸文学地名辞典 舟で博打
5895 9-5
  女房か死て 居風呂を売
  居風呂→すえふろ 風呂桶で わかす風呂 内風呂を好んだ女房が死んで 湯屋より手間もかかるし
5896 9-5
  仕送りか 付たと御国 うこかせて
  仕送→大名や旗本の財政再建担当者 付た→ついた 御国→大名の領地☆江語辞 動かす→操る?気持を揺るがす?
5897 9-5
  二十四孝の 親ハ甘口
  甘口→思慮が浅い 我がままな親が多い
5898 9-5
  わたり鳥 下坐見壱人ハ 古い皃
  下坐見→げざみ 城門や番所の下座台で大名や老中などの通行を知らせ諸人に下座の注意を与える足軽 また今年も渡り鳥の季節
5899 9-5
  関守の 勝手へ招く 狸汁
  勝手→台所 田舎の関所
5900 9-5
  大三十日 親子並んて 空寐入
  空寐入→そらねいり 共に掛取逃れ?
5901 9-5
  あやかれといふ 皃か梅干
  長命のご老人とか
5902 9-5
  七夕ハ 叶ぬ時の たとへ草
  逢われぬ恋の
5903 9-5
  むすめの声か かれて寒明
  寒声修行
5904 9-5
  うたかつて 十日も立す うたかハれ
  間男を疑ったらこっちも疑われ?
5905 9-5
  覚束なくも 白い百性
  百性→百姓 日に焼けていないとは
5906 9-5
  来るやいな 取上婆々・の しかり付
  来たとたん頭ごなしに指図
5907 9-5
  しみしみ・と 彼浪人に 秋の風
  しみしみ・と→しみじみと? 彼→かの?
5908 9-5
  損から先へ 咄す商人
  いやこっちは丸損ですよ
5909 9-5
  いたそうに 蛤斗る 音かする
  斗る→はかる ガラガラと
5910 9-6
  女房に惚れて 家内安全
  吉原通いもせず
5911 9-6
  つめつて置は 呑込んて来
  置は→おけば つめる→抓る 男から女への求愛 あとで女の方から
5912 9-6
  留守遣ふ 時思ひやる 般若櫃
  留守遣う→居留守をする 般若櫃→はんにゃびつ 大般若経を納める櫃 大塔宮が隠れた 掛取から隠れる
5913 9-6
  僧に成 訳ケハ訳ケハ・と 寄かゝり
  西行の出家?
5914 9-6
  尻持有て 文か文ン過
  尻持→しりもち 後援者 ☆江語辞 文か文ン過→ふみがぶんすぎ分ンな→格別な 特別な ☆江語辞 ???
5915 9-6
  日か落切て たち花を嗅・
  嗅・→かぐ 暗くなって香りが引き立つ
5916 9-6
  煙を外へ 出さぬ雨雲
  雨が激しく煙りが立たない
5917 9-6
  念仏に 彼岸さくらの 侘果て
  彼岸桜→春の彼岸頃咲く 侘果て→わびはてて 春の彼岸会 老人が多く参詣
5918 9-6
  忠臣に手の 足らぬ三味線
  手に足る→手応えがある 相手とするに足りる☆国大 由良之助にとって三味線なぞは
5919 9-6
  口利ぬ 膝へ口利く 膝をのせ
  男女のいさかいの仲直り?
5920 9-6
  拝んた跡て たゝく銅佛
  銅佛→かなぶつ つい
5921 9-6
  椀をかくせは 膳へ上る子
  食事時の幼子の様子
5922 9-6
  師走の釜を 生捕て行
  餅つきのために無理に頼んで貸して貰う
5923 9-6
  うくひすに 湯治願の 墨を摺
  湯治願→湯治へいく許可願? 春になって旅が可能に?
5924 9-6
  ひとり喰 なら茶の給仕 男にて
  喰→くう 万年屋かどこかの奈良茶飯 独り客には男の給仕が
5925 9-6
  今のうき世も 後家の弟
  ???
5926 9-6
  夢の新地に 麦の秋風
  新地→新開地 深川新地 麦の秋風→麦秋のころ吹く風初夏の風
5927 9-6
  夫の腹の もへる三味せん
  踊り子の三味線で
5928 9-7
  女房の こハこハ・入れる 胡椒の子
  胡椒の子→胡椒粉の意? 辛いのが苦手な女房
5929 9-7
  なまりふし干す 佐殿の縁
  なまりぶし→乾燥前の鰹節 佐殿→すけどの 頼朝 伊豆に流されていたので?
5930 9-7
  銭突迄に 野郎成果
  銭突→ぜにつく 銭を突く→銭を一文二文と数えつつ出す ☆江語辞 成果→なりはて しみったれた野郎に
5931 9-7
  労咳の 元の所へ かしこまり
  少し元気になっていたのだが
5932 9-7
  喰ほとの 田を植て居 八王子
  八王子の千人同心は一種の 屯田兵 ☆江戸文学地名辞典
5933 9-7
  ふつと階子を 懸る吉左右
  ふっと→ふと ☆江語辞 階子→はしご 吉左右→きっそう 吉報 ☆国大 良い知らせで急に見込みが
5934 9-7
  うそ付の 屋ねに冬瓜の 盛り也
  冬瓜→とうが 冬瓜は結実しない徒花が多い
5935 9-7
  母なくて 雛の居さまも ざまく也
  ざまく→ぞんざい ☆国大 雛飾りの世話をする母親がいなくなって
5936 9-7
  さハつても 新地のさくら 根かうこく
  新地→新開地 埋立地で地盤が緩い
5937 9-7
  世に有し 日の献立を うち詠
  世にある→世に時めいている ☆国大 詠→ながめ 羽振りが良かった頃の
5938 9-7
  はなし鳥 百度参に 行あたり
  放し鳥→放生の鳥☆江語辞 ☆そのまんまか
5939 9-7
  手燭てしのふ 牛若の幅
  幅→威勢 わがもの顔 ☆江語辞 ???
5940 9-7
  琴〆直す 若衆なふられ
  若衆→男色の弟分 ???
5941 9-7
  京の妹を 蔵にして置
  江戸へ奉公している兄が京の 妹に無心を?
5942 9-7
  引立る 桧杓に油 音を鳴て
  桧杓→ひしゃく 音→ね 鳴て→ないて 音を鳴く→声をたてて鳴く 油が堅くて掬う時音がする?
5943 9-7
  めてたく見へる 朝の盃
  正月みたい?
5944 9-7
  凩の 歯に喰残す 峯の松
  木枯が喰い残した跡のような
5945 9-7
  投たまくらか 御白洲へ出
  閨房のもめ事がこじれ訴訟に
5946 9-8
  蓮切の 一日尼に しかられて
  庵の池の蓮を切っだ
5947 9-8
  一生うしろ 帯もつれつれ・
  うしろ帯→若い女 素人女 つれづれ→単調でつまらない ☆国大 前帯の時代もあった方が
5948 9-8
  身代の 穴の所へ 米を積み
  田舎から持参嫁を貰う喩え?
5949 9-8
  題目銭か 恋の懸はし
  題目銭→お題目を鋳込んだ銭 でお守りの類 落としたのを拾ってあげたのが縁で
5950 9-8
  薬鍋 底を琢ひて 高笑
  琢ひて→みがいて ついに本復して
5951 9-8
  付るすかたの 堅まつて行
  付ける→大門待伏をする ☆江語辞 不義理な客を捕まえるため 新造や禿がかたまって
5952 9-8
  医者の玄関に 豊年の年
  薬礼に作物が積まれ
5953 9-8
  杉戸の腰に 正直な猫
  杉戸→品川遊廓 特に張見世 の下座の遊女☆川柳辞彙 猫→岡場所の安女郎☆川柳辞彙 ???
5954 9-8
  紫ハ よし町へ来て うすく成
  紫→江戸 ☆川柳辞彙 よし町→蔭間茶屋 江戸っ子らしくなくなる?
5955 9-8
  両国橋を 誉る大橋
  両国橋→大川にかかる 大橋→新大橋または永代橋 盛り場が多いので?
5956 9-8
  みつから床を 上る御悋気
  床→とこ 上る→あげる? 奥様の悋気 普段ならお端が上げる?
5957 9-8
  堅多へおりて 振返る厂
  堅多→堅田 厂→雁 近江八景堅田の落雁をきどる
5958 9-8
  十五のかふろ 禿てハなし
  もう新造に近い
5959 9-8
  やり羽を 先へわたして 帯を〆
  やり羽→遣羽子 はねつき ☆国大 羽つきでまず身繕い
5960 9-8
  つめられてから 先の皃見ル
  つめる→男から女への求愛でつねる つねられてから男の顔を
5961 9-8
  仮りの宿 崩れ懸て 面白キ
  仮りの宿→一時的な住まい これも風流
5962 9-8
  相傘て立 子をろしの門
  中條流の前に佇む男女
5963 9-8
  しのひ習の 先ツハ大股
  しのひ習→人目を避けて習う?人目を避けて行くことを覚える? 先ツハ→まずは まず早く歩くことが肝要?
5964 9-9
  傘ハ すほめたうちか 他人也
  親しければ開いたまま?
5965 9-9
  気の狂ふ 日ハ草り取 小侍
  草り取→ぞうりとり 武家で 主人の草履を持つ供 小侍→こざむらい 旗本屋敷等で使い走りをする帯刀の少年 遊廓のお供で待ちぼうけ?
5966 9-9
  むかしのうそハ 烏帽子狩衣
  業平とか
5967 9-9
  弟の客に 兄のつらつら・
  つらつら→念入りに☆国大 将来のお嫁さんかも
5968 9-9
  後添の 焚付て居る きりきり・す
  後添や妾がきりぎりすを嫌う句が多いが何か理由が?
5969 9-9
  師走も二十日 過の高慢
  人をせかしまくるので
5970 9-9
  何もしらすに 仕廻姫君
  仕廻→しまう 終わる 深窓から奥へ嫁入りで俗世間のことは何も知らずに
5971 9-9
  飛ふとぶたれる 江戸の清水
  上野の清水観音堂 京の清水ではない
5972 9-9
  いつしかに 南都の女 酢か過て
  南都→奈良 酢が過ぎる→度が過ぎる ☆江語辞 大和は昔から酢の産地
5973 9-9
  雪礫 憎いの裏と 表也
  雪礫→ゆきつぶて 男に雪玉をぶつける
5974 9-9
  面白く 酔ふ女房に 子かなくて
  所帯ずれしていない
5975 9-9
  行燈か 二ツに見へて 戻られす
  千鳥足?
5976 9-9
  貴布根へたまる 世の中の無理
  貴布根→貴船 きぶね 丑の刻詣りで有名
5977 9-9
  店替の 後ハ筋違 天の河
  店替→たながえ 引越 筋違→すじかう 引っ越すと夜空も違う
5978 9-9
  我思ひ 幾度か戸に 挟まれて
  女に戸を閉められ
5979 9-9
  深みへ行を 茶屋ハ見て居
  茶屋→吉原の引手茶屋 客を女郎屋へ案内する ☆江語辞 道楽の深みにはまるのを
5980 9-9
  乗懸の 浮ひてハ沈む 小松原
  乗掛→馬の両側に明荷を渡し布団を敷いて乗る 小松原→松原 街道を離れて見ていると旅人が上がったり下がったり
5981 9-9
  疝気をたゝく 町の拍子木
  疝気→陰嚢などの病気による 腰痛や下腹痛 ここでは股間の意か 町→ちょう 吉原仲の町☆川 柳辞彙 拍子木を打つ様子?
5982 9-10
  置て出る 駕の銭にも 呼子鳥
  呼子鳥→かっこうともほとと ぎすとも猿ともいう 駕篭からおりるとほととぎすの声が?銭をひったくられる?
5983 9-10
  民のけふりの うまひ物喰
  高き屋にのぼりてみれば煙たつ民のかまどはにぎはいにけり☆仁徳天皇 民も昔より旨いものを喰っている
5984 9-10
  切火の側に 丸くなる猫
  切火→きりび 火打鎌と火打石で火を打ちかけて浄めること☆江語辞 側→そば? 猫→踊り子 仕事前のお浄化めで頭を下げる?
5985 9-10
  出女の いつも十九ハ 哀也
  出女→宿場遊女 年をごまかすにも無理が
5986 9-10
  からくりの 初終も ゑひす講
  からくり→やりくり算段 初終→はじめおわり? 始めと終わり☆国大 十月と一月の恵比寿講の間に商いの大事の節季がある?
5987 9-10
  神主の 口に蹴らるゝ 納メ馬
  納メ馬→おさめうま 奉納する馬? 神主が声をかけて歩みを促す
5988 9-10
  寒の水 蓋取て見る 春の空
  寒の水→小寒から節分の間に 汲み置いた水 ☆そのまんまか
5989 9-10
  渕ハ瀬に 成た当坐の 恥かしき
  十三才?
5990 9-10
  褌に 鳥の来て鳴 宮の下
  褌→ふんどし 腰巻 箱根の宮の下温泉? ???
5991 9-10
  鳩吹声に 念者たをれる
  鳩吹→はとふく 両方の掌を 合わせて吹き鳩の鳴き声のような音を出す ☆国大 念者→男色の兄分 若衆の声変わりがショック
5992 9-10
  うち付て 一分の消る 黄八丈
  黄八丈→黄と黒の縞の織物 下女の晴れ着等町娘風か 死罪の白子屋お熊が着ていて人気が落ちた☆川柳辞彙 小見世の一分女郎?
5993 9-10
  稲つまの 閨へ折込む 物の声
  閨→ねや 寝室 物→神や霊や妖怪? 雷で人間離れした悲鳴をあげる?
5994 9-10
  野守か金を 拾ふ陽炎
  野守→立入禁止の野の番人 陽炎→かげろう 落ちている金が光って?
5995 9-10
  寝かせは声の 消る帆柱
  三十石夜船?
5996 9-10
  銭の火箸へ 懸るうつみ火
  うずみび→灰にうめた炭火 ☆国大 火鉢をかきまわしていたら灰に埋まった銭を発見
5997 9-10
  羽折に足らぬ 母のうたゝ寐
  息子の夜遊びを待って眠った 母に羽織をかけたら羽織の方が大きかった 不孝を悔いる気持ちが少し
5998 9-10
  馬喰丁 草枕とハ よみ兼て
  馬喰丁→ばくろちょう 田舎の訴訟人が宿泊 旅籠なので
5999 9-10
  紅閨も 郭公から 窗か明キ
  紅閨→婦人の寝室 郭公→ほととぎす 窗→窓 閉まりがちな窓も初音に開く
6000 9-11
  夕雨の 隣から来る 草の茎
  夕雨→ゆうだち ???
6001 9-11
  旦那寺迄 字を聞に行
  無筆の檀家が
6002 9-11
  冬瓜を 案山子か抱て 初嵐
  初嵐→立秋後初めて吹く強い 風☆国大 ☆そのまんまか
6003 9-11
  落書を 洗ひ仕廻へは 人通り
  タッチの差で見られる前に 消せてよかった
6004 9-11
  蓑虫の 吹ちらされて 帯の上
  ???
6005 9-11
  子福者と 誉て女房の 皃を見
  子福者→こぶくしゃ 子宝に恵まれている人☆国大 なるほど
6006 9-11
  蓮切の 一葉一葉・に 水かゝみ
  蓮の葉ごとに露が溜まって 水鏡に
6007 9-11
  菜の花の 咲ころ蝶の ひとりはみ
  ひとりはみ→ひとりばみ ひとりだち☆国大 ☆そのまんま
6008 9-11
  五六人 かさす扇の すさましき
  すさまじい→驚きあきれる かぐや姫の昇天か何が
6009 9-11
  手勢すくつて かつく相談
  すくつて→すぐって 選りすぐっで かつく→かつぐ? 誘拐する 偽装誘拐の駆落の手筈を
6010 9-11
  献立の 極る空ハ 長閑にて
  極る→きわまる 決まる 長閑→のどか 春の季語 何か春の食べ物が? 白魚?
6011 9-11
  火をうつ音ハ 一日の音
  一日の始まりの音
6012 9-11
  寂莫として 和尚大口
  寂莫→じゃくまく ひっそりとものさびしいさま ☆国大 大口でも寡黙
6013 9-11
  袖曳は ならぬといふ字 目にて書
  袖曳→そでひき 袖を引っばり注意を向けさせること☆国大 あるいは袖引酒袖引煙草の略 ???
6014 9-11
  静な声の 揃ふほたん見
  牡丹屋敷で見せて貰うので
6015 9-11
  今少 寐足りぬ皃へ 杜若
  今少→いますこし 杜若が咲いたよと早朝
6016 9-11
  傘も 折々・京の 露しくれ
  露時雨→晩秋の頃時雨のよう に一時さっと降る雨☆国大 ???
6017 9-11
  新造ハ 眼鏡を懸て かしこまり
  隠居の客の眼鏡をかけてみる
6018 9-12
  看病に 好ミか出来て 安堵也
  看病人のえり好みができる ようでは随分元気に
6019 9-12
  はるか枕の 逃る寐かへり
  寝相が悪い
6020 9-12
  浪人の 仙台河岸を うち詠
  詠→ながめ こんなに沢山米が入港するのに何故俺の所へは来ぬ
6021 9-12
  泉岳寺 横に歩行て 草臥る
  歩行て→ありくで 四十七士の墓を見て行く時横歩きに
6022 9-12
  了簡も 思案も夜着の 袖へ出る
  ???
6023 9-12
  すれすれ・に 一年くらす 草り取
  三両
6024 9-12
  しのふ山 人に云れぬ たはこ入
  恋文が入っている?
6025 9-12
  内陣ハ 皆さむく成 土用干
  成→なる 風が通って
6026 9-12
  暮六を くすりと思ふ 物思ひ
  暮六→くれむつ 日没頃 鐘の音でふっと正気に
6027 9-12
  どつちも智恵の 足らぬ置去り
  吉原行きの置去り? 置去りにする方もされる方もあとで気まずい
6028 9-12
  溜息をして 凄く成医者
  凄い→気味が悪い よほど悪いのかと
6029 9-12
  蚊屋とれは 宵の思案ハ 消へて行
  寝ながら一晩悩んでいたが起きてみればそんなに悩むことでもないような
6030 9-12
  結納へ ひつんで居ルか その娘
  ひずむ→ゆがんだ形になる 居ルか→いるが 本意でなく拗ねている
6031 9-12
  子を産て 九軒の敷居 高く成
  お産の前後で外出もならず義理を欠いた?
6032 9-12
  気・のうかぬ 佛御前も 跡て知れ
  気・のうかぬ→気が晴れぬ? 祇王祇女のもとへ来て
6033 9-12
  髪結か 替て人の 天窓也
  天窓→あたま これまでの髪型と違い自分とは思えぬ
6034 9-12
  取分て 闇に尊き 御垣守
  御垣守→みかきもり 宮中の諸門を警固する人 衛士は夜こそ格好いい
6035 9-12
  家鴨の臑を なふる箍懸
  臑→すね 箍懸→たがかけ 桶職人 ???
6036 9-13
  母ハ木うりの やうな姫瓜
  姫瓜→小さいまくわ瓜の一種
6037 9-13
  新参ハ 恋に賢き 歩行ふり
  歩行ふり→ありきぶり ???
6038 9-13
  盗れた日の 翌ハ鉾の日
  翌→あす 祭りの前に金屏風が?
6039 9-13
  又しても 河内かよひの 云出され
  河内通い→業平の浮気の故事 それにひきかえお前は
6040 9-13
  日なたに事を 欠ぬ四阿
  四阿→あずまや ☆そのまんま
6041 9-13
  さゝ浪に 合羽を洗ふ 志賀の浦
  万葉集の塩焼く海人
6042 9-13
  突袖をして 居ハる腹立
  突袖→つきそで 袖の中に手 を入れて袂の先を前方に突き出すこと 居ハる→すわる ふてくされて
6043 9-13
  星に気の 付くけいせいハ 頼母しき
  物着星に気づいた
6044 9-13
  逃やうと 思ひ込てハ 男也
  男装して脱廓?
6045 9-13
  屋かたのうちを 欠るおとり子
  屋かた→屋形船 欠る→駆ける 踊り子→芸者 船遊びの大騒ぎ?
6046 9-13
  やよひ哉 鯛をつかへは 鯛か来
  鯛を贈ると鯛を貰う 雛祭り? 鯛の旬でもある
6047 9-13
  噂の尼の 指を見に行
  指を切った遊女あがりの尼
6048 9-13
  新地がが・んと 夜ハ明にけり
  新地→新開地 深川新地 埋立地で夜が早く明ける?
6049 9-13
  いもせ山 泣草臥て さし向ひ
  妹背山→歌枕 妹山と背山 妹背は夫婦や恋人や兄妹 泣草臥て→なきくたびれて
6050 9-13
  請状も せぬ奉公と 成にけり
  下女に手がついて妾に
6051 9-13
  瞽女のはつして 日待つふれる
  外す→席から抜ける ☆江語辞 日待→寝ずに日の出を待って拝む行事だが飲食遊芸する 三味線を弾く人が抜けて
6052 9-13
  三味線堀へ うつる作り木
  三味線堀→不忍池から隅田川 へ流れる忍川の一部 近くに秋田藩の藩邸あり 作り木→思う枝振りにするため針金などで曲げた木
6053 9-13
  はね元結 三千坊を 煩ハせ
  はね元結→はねもとゆい 江戸中期に流行した女性用の 元結で若い女性が好む☆国大 三千坊→比叡山の異称☆川柳辞彙僧も悩ます?
6054 9-14
  正宗と 今の女房の 入替り
  家宝を質入れしてまで入れあげて
6055 9-14
  見せ物に 喰つふさるゝ 五月雨
  雨で見せ物小屋が繁盛?
6056 9-14
  還俗に 馴れても袖の 取廻し
  僧だった頃の仕草が
6057 9-14
  立田山 裾から見れハ 上気して
  立田山→生駒の紅葉の名所 上の方から紅くなる
6058 9-14
  雨の蝿 うたかた人を かき廻し
  うたかた→少しの間も☆国大 五月蝿い
6059 9-14
  家見の路次へ 大工出むかふ
  家見→いえみ 新築祝い ☆江語辞 建てた大工がお客を迎える
6060 9-14
  女に勝て 恥かしい公事
  公事→訴訟 そもそも訴訟になることが
6061 9-14
  殿守ハ 口から先へ 年か寄
  殿守→とのもり 主殿司 とのもりづかさ 宮中の雑役をする女官 主殿司で今様の名手鏡山のあこ丸☆梁塵秘抄口伝集
6062 9-14
  隠居へ孫を はこふ雨の日
  孫の守りを頼む 晴れた日は子供は外で遊びたがるので
6063 9-14
  仲人か 来てもたとへる 皃かなし
  どんな顔かと訊かれて
6064 9-14
  組屋敷から 見へる苗しろ
  組屋敷→御家人の集団住宅 ☆江語辞 町はずれにあったらしい ☆組屋敷小鳥屋ほどは聞きおぼへ☆江語辞
6065 9-14
  降らはさみたれ 程の長文
  長雨の徒然に長い手紙を
6066 9-14
  筋かひに梳く 髪も挨拶
  筋かいに→斜めに 人前に出る時さっと櫛を使う
6067 9-14
  肴店 嵐か喰て 寄麗也
  肴店→魚店 さかなだな 魚などをあきなう店☆国大 寄麗→奇麗 海が荒れて魚が入荷せず
6068 9-14
  晦日に来れは 旅と見らるゝ
  目黒不動の縁日の二十八日に 品川に来ると旅には思えぬ?
6069 9-14
  高安ハ 手一はい成 坐頭の坊
  高安→業平が通った河内の女の意☆川柳辞彙 ???
6070 9-14
  とり上婆々・の 弟子の六十
  高齢者が多かった?
6071 9-14
  鳥居から 女の影の 山かつら
  山かずら→明け方山の端に かかる雲 明け方☆国大 早朝の百度参り?
6072 9-15
  馬鹿にしたとハ 違ふこんにやく
  蒟蒻→いくじのない人☆国大 震えるものをいう? 誉めて蒟蒻といっている ???
6073 9-15
  大さかつきか 出ると居直る
  居直る→正しく座り直す ☆江語辞 宴もたけなわで大盃が出て
6074 9-15
  堀の若衆の 見る影もなし
  掘→山谷堀☆江語辞 若衆→男色の弟分 このあたりでは何といっても吉原が
6075 9-15
  あわひを取らぬ 日にハ髪ゆふ
  海女の休日
6076 9-15
  惣仕廻して ほら貝をふく
  遊廓を貸し切りにして気炎を
6077 9-15
  影法師と 並ひの岡を 二人行
  影法師→かげぼし かげぼうしと二人連れ
6078 9-15
  四五枚読て 夢のうきはし
  夢のうきはし→ 夢の中のあやうい通い路 何かを読みかけてうたた寝
6079 9-15
  一日見せの 広い十月
  恵比寿講で店には誰もいない
6080 9-15
  蛭かなけれは 終出来る金
  終→つい 最後に 蛭は血を吸う者か 放蕩息子がいなければ財産が
6081 9-15
  師走を取て 廻す印判
  印判→いんばん 支払いを中心に物事が動く
6082 9-15
  かなつんほうて 子に恩ハなし
  かなつんほう→かな聾 ???
6083 9-15
  又化さるゝ 舟の横皃
  すれちがった舟の女の横顔 一瞬のことでことさら美しく見える?
6084 9-15
  人面疔に 箸紙か出来
  人面疔→じんめんちょう 人面瘡 人の顔の形をしたできもの 吉原の三会目となればどんな醜男でも専用の箸袋が
6085 9-15
  昔思ふ あさちか宿の 角力取
  あさぢか宿→浅茅が宿 浅茅などの生い茂って荒れはてた家 ☆国大
6086 9-15
  御鬮乗物 大部屋か舁
  御鬮乗物→みくじのりもの 舁→かく ???
6087 9-15
  奴の皃の 替る居風呂
  居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 熱かったり寒かったり
6088 9-15
  灯火に 官女のしつむ 小柴垣
  灯火→ともしび 小柴垣→柴垣の低いもの 小柴垣草子?☆川柳辞彙 禁裏が舞台の秘画
6089 9-15
  九重へ出る 伊達な煩ひ
  九重→宮中 ???
6090 9-16
  塗箸に 小春のさくら 挟まれる
  小春→冬の初めの春に似た 温暖な気候 十月☆国大 返り咲きの桜
6091 9-16
  延上る 皃ハ互の はんし物
  延上る→のびあがる はんし物→判じ物 絵や字に意味を隠し当てさせるなぞ 人混みの中で
6092 9-16
  三角に 成て雑煮の 淋しけれ
  餅が残り少なくなって端を
6093 9-16
  粟嶌を 二階の皃へ さし上る
  粟嶌→宮作りの下に四・五尺の棒がついたものを持ち淡島明神の縁起利益を語って銭を乞う☆江戸商売図絵
6094 9-16
  神鳴か 落て狐も 落にけり
  親父にしかられて花魁への熱が
6095 9-16
  若い智恵 二ツ田を行 畦を行
  田舎の逢い引ぎ
6096 9-16
  時雨るゝ空に 赤い吉原
  不夜城
6097 9-16
  枇杷の花 目に見る年と 成にけり
  枇杷の花→冬小さい花が咲く 目立たぬ花に気持ちが向くようになった?
6098 9-16
  池上て 尻をつめれは 雉子の声
  池上本門寺の御命講? 人ごみの中でこっそり求愛したが不首尾で大声を けんもほろろは雉子の声?
6099 9-16
  二三日 拵物の みたれ髪
  拵物→こしらえもの ほんものをまねて作った物 にせ物 嫁入り道具☆国大 ???
6100 9-16
  行程の 駕の戸の明く かゝみ山
  駕→かご 鏡山→近江の歌枕 ☆そのまんまか
6101 9-16
  玉手箱 明たる跡を ほうり出し
  ☆そのまんまか
6102 9-16
  狼功者 憎い面也
  狼功者→おおかみごうしゃ 狼→隙を見せると襲いかかる 狼連? 転んだら喰おうという送り狼?☆川柳辞彙 どっちにしても色男が有利
6103 9-16
  冷麦も 冬ハうとんと 召れけり
  夏の残りの冷麦を
6104 9-16
  坪皿ハ とこに有ても 恐しき
  坪皿→つぼざら 賽賭博で賽 を伏せるのに用いる壷 とこに→どこに どこでも開帳
6105 9-16
  まくら並へて 年の寄聞く
  共白髪
6106 9-16
  山茶花か 散て人の気 人に成
  山茶花→さざんか 気→気持ち 気分 春近く気持ちが和らぐ?
6107 9-16
  出女の 物にねちれて 立尽し
  出女→宿場遊女 ねじれる→ひねくれる☆国大 普段は旅人を引っばりこむが ストライキ?
6108 9-17
  大三十日 碁盤の出るハ 勇々・しけれ
  勇々・し→ゆゆし 非常にすぐれている☆国大 掛取に逃げ隠れせず
6109 9-17
  人の来るのを 待て立婆々・
  同行者が来る迄座っている
6110 9-17
  後の夫も 人参の相
  美人妻で腎虚 人参は精力剤でもあった
6111 9-17
  赤い合羽と 瞽女の相傘
  赤合羽→武家の下僕が雨中に 着用 中間の異称☆江語辞 瞽女→ごぜ お屋敷に呼ばれた瞽女を雨中迎えに
6112 9-17
  二人を隠す 寺の穴蔵
  駆け落ちをかくまう? 破戒和尚が妻子を隠す?
6113 9-17
  湯とうふの 上へちろりの 腰を懸
  ちろり→お酒の燗をする道具 湯豆腐の鍋にちろりを掛ける
6114 9-17
  壁に耳 ありと思ふて 云ぬ也
  ☆そのまんまか
6115 9-17
  粕壁の 裾の短き 麦の秋
  粕壁→かすかべ 春日部 日光街道の宿場 米麦集散地 麦の秋→初夏 麦刈りの農夫の様子?
6116 9-17
  調法な 物の邪广なハ 女房也
  ☆そのまんま
6117 9-17
  くつわ虫 きりきり・す程 派かきかす
  くつわ虫はうるさい印象であまり歌に詠まれない? 枕草子の「虫は」にもきりぎりすはあるが
6118 9-17
  うつくしい 火の透通る 付木の火
  付木→杉等の薄片の端に硫黄を塗ったもので薪などに火を移すのに使う ☆そのまんまか
6119 9-17
  痩せて居るかと 折ふしハ聞
  痩せて居るか→痩せて居るが嫁にいった娘や奉公の子が実家に来た時親が心配して?
6120 9-17
  追かけて 見られた人へ 手を合せ
  口止め
6121 9-17
  泣ほくろから 後家しみて来
  後家しみて→後家じみて ☆そのまんま
6122 9-17
  銀二両 何中々・の 付届ケ
  何→なに ???
6123 9-17
  はくらんの かくらんのとて 仕廻けり
  はくらん→霍乱の訛☆江語辞かくらん→霍乱 激しい吐き下し 日射病とも 結局何の病かわからないが
6124 9-17
  此しぎと 追人に頭巾 取て見せ
  しぎ→仕儀 次第☆江語辞 追人→おって 頭を丸めた? 髷を切られた?
6125 9-17
  慰みに 医者をするとハ 恐しき
  ☆そのまんま 免許は不要
6126 9-18
  まよひ子の をのか太鼓て 尋られ
  迷子の子の太鼓を叩いて探す
6127 9-18
  ちきりの行衛 葉取女房
  ちぎり→一貫目以上の物を 計るさお秤☆江語辞 葉取→はどり 葉煙草を刻むため揃えて巻く☆江語辞 ちぎりの竿で煙草を巻く?
6128 9-18
  四阿に 肝のつふれる 皃か見へ
  四阿→あずまや 耳なし芳一の話の先祖か
6129 9-18
  そろ盤つくて 立るにしきゝ
  錦木→男が女の家の門に立てる求愛の標で取り込むと受諾親の意向も計算して根比べ?
6130 9-18
  うかむせの 帳を親父に 見付られ
  うかむ→浮む 助かる 頼みの隠し帳簿? 酒豪の酒屋浮瀬の酒量帳? 江戸店は安永なので違うかも☆川柳江戸名物図絵
6131 9-18
  遺言の 大事を明す 十二月
  年末のやりくりのために重大な遺言が 持参嫁取りが
6132 9-18
  行者の尻の 尖るさむしろ
  さむしろ→狭筵 筵 毛皮の引敷だけでなく筵もたずさえた姿
6133 9-18
  高々・と日の くれる木綿屋
  大伝馬町一丁目は木綿店と 云い木綿問屋ばかり長屋建てに続いていた☆川柳辞彙
6134 9-18
  よもきふへ たまたま・這入る 赤合羽
  蓬生→草深い荒れた地の家 赤合羽→武家の下僕が雨中に着用 中間の異称☆江語辞 ???
6135 9-18
  我勝た 皃をして居る 鶏合
  鶏合→とりあわせ 闘鶏 どっちの鶏も勝った顔
6136 9-18
  さる物と いふも一ツの 道具也
  然る者→侮りがたい者 ☆江語辞 道具→男根?☆江語辞
6137 9-18
  生酔の 無理か通れは 夜か明る
  一晩つきあわされて
6138 9-18
  まじめに成て 帰る皿借
  皿借→さらがり ???
6139 9-18
  女形 皃見せ前に 見さかされ
  顔見世興行の前にうわさが
6140 9-18
  登され手代 黒いさかやき
  のぼす→都へ送る 商家の奉公人が不始末をして本店や郷里に送り返される「つけのぼせ」か
6141 9-18
  牝馬と並ふ 牛の根性
  牝馬→ひんば 根性→性根 心根☆江語辞 何を考えているやら
6142 9-18
  恋風も 辰巳に成れは むつかしい
  辰巳→深川岡場所☆川柳辞彙風の方向の洒落
6143 9-18
  をかしい事に うとい爺親
  おかしい→おもしろい ☆江語辞 爺親→てておや
6144 9-19
  淋しさハ 灰の落付く 台所
  あまり使われない淋しい台所
6145 9-19
  真綿すくめに 思ひきらせる
  真綿で首を絞めるように じわじわ遠回しに説教?
6146 9-19
  むくらの宿を 喰立る毛見
  むぐら→八重葎 雑草が生い茂った草庵 毛見→検見 役人が稲の刈入れ前に作柄をみて年貢高を定める役人が百姓を喰いものに
6147 9-19
  一ツ前 足か黒くて はちもみち
  一ツ前→重ね着した衣類の前をまとめて合わすこと☆国大はじもみじ→黄櫨紅葉 かさねの色目の名☆国大 慌てて着て裸足で逃げた恥?
6148 9-19
  拂子にて 晦日も捌き 給ひけり
  拂子→ほっす 高僧の持つはたきのような物 支払いも何事も払子で指図
6149 9-19
  母のきけんの 響く穴蔵
  きけん→機嫌 母の呵る声が穴蔵まで
6150 9-19
  禿をにらめ にらめ・おはくろ
  お鉄漿をつけていて口がきけない花魁が禿を睨む
6151 9-19
  なまかみにした 文に食傷
  食傷→食べ過ぎていやになる こと 食中毒 花魁の催促の暮の文 書いたあと噛んで紅をつける☆江戸吉原図聚
6152 9-19
  よひ男 とう廻ても 損ハせす
  とう廻ても→どうまわっても☆そのまんま
6153 9-19
  名に骨を折る 院の百性
  院→私領地? 百姓→公民? ???
6154 9-19
  ほころひ見出す 妾の愛相
  愛相→あいそう かわいらしさ☆江語辞 正妻の落ち度を探す
6155 9-19
  猫の尻目も 物盗む時
  尻目→眼球だけ動かして後方を見やること☆江語辞 ☆そのまんま
6156 9-19
  吸口も 青いかち成 天の河
  吸口→吸い物に浮かべて芳香を添える柚子や木の芽など 成→なる ???
6157 9-19
  最う腰元の 云かねる年
  最う→もう 腰元奉公も長くなって
6158 9-19
  孕んた馬の 絹川を越
  絹川→鬼怒川☆川柳辞彙 ???
6159 9-19
  関取の 乳より下に 人たかり
  ☆そのまんま
6160 9-19
  親類に しゐつふさるゝ 嶋戻リ
  しゐる→強制する あざむく☆国大 島流しから戻って 祝いで飲み潰される? 親類にあざむかれる?
6161 9-19
  杉へ来て 心の直る 松の風
  曲がったのが真っ直ぐに
6162 9-20
  師走の座頭 置所なし
  みんな忙しくて
6163 9-20
  嵐の跡を 母の行水
  ???
6164 9-20
  腹の立 日ハ引出しか 明ぬ也
  泣きっ面に蜂
6165 9-20
  大屋から 南天の葉を 皆にする
  南天の葉→祝儀の赤飯の重箱 に敷く☆川柳辞彙 皆にする→使ってしまう なくしてしまう☆江語辞 大屋の娘の髪置とか
6166 9-20
  甚之助 若衆の手際 見せて置
  甚之助→元禄の俳優嵐甚之助 若衆形の大先輩☆川柳辞彙
6167 9-20
  その昔 訳ケか有ての 妹聟
  妹聟→いもとむこ 妹の婿 桜井半兵衛の話か何かが
6168 9-20
  灯火の そろそろ・さむき 神無月
  ☆そのまんまか
6169 9-20
  二十五の 暮より皃か 若く成
  二十五→男の厄年 年を越せば厄が明けるので
6170 9-20
  晴天に 欠落の身の 置所
  欠落→かけおち 家出 逐電 ☆江語辞 人目についてはいけないので 外出もままならず
6171 9-20
  年寄若く 咄す抱守
  年寄→老人☆江語辞 抱守→だきもり 子を抱いて 守をするだけの乳母☆江語辞 乳母と話して気が若くなる
6172 9-20
  燈灯か 嫌らいて憂名 立そめる
  燈灯→ともしび 憂名→うきな ???
6173 9-20
  行水の戸を 咳て押へる
  咳で行水中を知らせる
6174 9-20
  煎薬に ほうり出される ふり薬
  売っているふり薬より医者の 煎じ薬の方が効きそうな気が
6175 9-20
  鎌倉海老に こりる百性
  鎌倉海老→伊勢エビ みたことがないのでびっくり
6176 9-20
  渋柿・の また十月に 気か付す
  柿・→柿 誰ももいでくれないので
6177 9-20
  関の小まんも うす色を呑む
  関の小万→人形浄瑠璃 恋女房染分手綱に出る遊女 仇討ちの関の小万はもっと後
6178 9-20
  侘言か 少遅くて 蚊に喰れ
  家を閉め出され
6179 9-20
  菜売か置て 帰るてふてふ・
  菜売に田舎から蝶が付いて来ていて
6180 9-21
  欲のない 土産物也 うつの山
  東海道宇津谷峠名物十団子
6181 9-21
  親の闇 外のおとりハ 目に付す
  付す→つかず 可愛い我が娘の踊る姿しか
6182 9-21
  挽臼も はなせはあかの 他人也
  挽臼→ひきうす 噛み合っている臼も二つに離されてしまえば
6183 9-21
  灯を消して 見れハ心か 行あたり
  暗くしてみると思い当たる
6184 9-21
  火の中を 通た文に うす煙
  嫉妬の炎で少し焦げだ
6185 9-21
  皃もちいさく 見へる腹立
  ☆そのまんまか
6186 9-21
  狸を拝む 穴の間違
  蛇でも燻そうとして狸の巣を ?
6187 9-21
  うしろに置て 気の詰る皃
  遊びの相談か何かの時女房が 後ろで見張っている?
6188 9-21
  松ヶ岡 目へさす乳の 哀れ也
  乳飲み子を残して駆け込み寺へ来たのでまだ乳が張る 目にごみが入った時乳をさす
6189 9-21
  灯ハ急度して 年の寄る寺
  急度→きっと 確かに きちんと 古刹の様子?
6190 9-21
  関守ハ 痺の足を たつか弓
  痺→しびれ たつか弓→手に握り持つ弓 ☆国大 手束と立つの洒落
6191 9-21
  厄介の 茅の輪を抜て 口を聞
  夏越の祓いの茅の輪くぐり 皆神妙な顔をしてくぐる
6192 9-21
  さひしい時に 見付出す煤
  煤→すす 寝転んでいてふと見つける
6193 9-21
  暁の うまい雲漕く わたし舟
  琵琶湖の浅妻の遊女が乗る 浅妻舟?
6194 9-21
  あきらめて 居る女房の 淋しかり
  道楽亭主に怒り疲れ淋しさが 夫婦喧嘩しているうちが花
6195 9-21
  茶腕鉢屋に 尼の近付
  茶腕鉢屋→茶碗鉢屋 ちゃわんばちや 茶碗や鉢類を売ったり交換し たりする行商人☆江語辞 尼さんのささやかな道楽?
6196 9-21
  あさつきの かハゆらしきハ 年のうち
  年の内→年中☆国大 太い葱に育つわけでもない
6197 9-22
  久兵衛か 堅法華から 事起り
  ☆桃李芳園 堅法華→かたぼっけ 法華宗に凝り固まった信者☆江語辞 八百屋お七の父?
6198 9-22
  ちらちら・蔵の 見へる葛飾
  葛飾→かつしか 下総の江戸寄りの地名 農村だが江戸に近く発展
6199 9-22
  駕を釣らせて 恩にする皃
  お妾?
6200 9-22
  のし包 迄反ル指て 結ひすて
  のし包→熨斗鮑を包むための折紙☆国大 ???
6201 9-22
  峠を見ると 重く成る足
  あそこまで上るのか
6202 9-22
  うき世の端を 歩行水無月
  歩行→ありく 水無月→六月 暑いので日陰を
6203 9-22
  大屋を尻に 敷て草の戸
  尻に敷く→相手を軽くみてわがままにふるまう☆国大 草の戸→粗末なわびしい住ま い☆国大 店だてをくらって?
6204 9-22
  盗れた 足跡洗ふ 口惜しき
  盗人に入られた上に後始末迄 せねばならず
6205 9-22
  晩かた買へは 樒目にたつ
  樒→しきみ 枝葉を仏前に供える木 仏壇や墓参り用なので朝買うものが
6206 9-22
  思ひ切気て 日課さつかる
  毎日する仕事を貰って遊びを 思い切る?
6207 9-22
  旅の空 家来へ近く 成にけり
  日頃は遠い主従の間も旅では 近く
6208 9-22
  木の間の雨の 抜足て降
  たまった雨がだしぬけに降って来て濡れる
6209 9-22
  衣の中て そたつ鶏頭
  鶏頭のつぼみの様が
6210 9-22
  生酔の 覚るまくらに 棒を見て
  生酔→なまえい 酔っばらい覚る→さめる? 花見の警備役人にこづかれて
6211 9-22
  懸た所の 怖い琴爪
  引っかくわよ
6212 9-22
  御駕か下りて 念頃に濡
  念頃→ねんごろ ???
6213 9-22
  いなはの雲の 中に御やしろ
  いなば→因幡 稲葉の雲→田一面の稲穂が揺れるさま 因幡の白兎と出雲大社?
6214 9-23
  去ル御方へ 直の成た皃
  去ル御方→さるおんかた 直→ね 値 お妾へいくのが決まった娘
6215 9-23
  門番に つもられて居ル 九十九夜
  深草少将の百夜通い つもる→みくびって馬鹿にする どうせ今夜もふられる
6216 9-23
  親指か 小指を切ると 書せたり
  親指→主人や亭主 新造の代筆?
6217 9-23
  物思ふ手て 直す清書
  清書→きよがき 習字の手本 浄書
6218 9-23
  二十五日の 皃を誉られ
  二十五日→寺子屋の休み 顔が墨で汚れていない
6219 9-23
  出家落来て よい咄する
  落ちる→ある場所からひそかに逃げていく☆国大 破戒僧?
6220 9-23
  初雷に 閉門か明く
  初雷→立春後初めて鳴る雷 閉門→監禁刑の一つで門を閉じ出入りを禁ずる 刑期が明けで落雷で火事?
6221 9-23
  十出る智恵の 九ツハ夜
  よい考えは夜に出やすい
6222 9-23
  出店ハ今に しらぬ勘当
  出店→でだな 支店 勘当されて久しい放蕩息子 支店ができたことも知らない
6223 9-23
  駿河て下に すハる西行
  笠懸松の故事? 死んだ西住を悼んで?
6224 9-23
  淋しい銭を 遣ふ松風
  松風→干菓子の名☆川柳辞彙自身番などが買った駄菓子 千鳥鳴くとしまが磯の松風にうら寂しくも澄める月かな☆頓阿
6225 9-23
  縄をほとひた 新造を買
  折檻されるような新造を 好んで隠居が揚げる
6226 9-23
  逃した鳥の 帰る食時
  食時→めしどき 飼鳥が逃げたが腹が減ったら戻って来た
6227 9-23
  徐けて行 人の心の 御納戸茶
  徐けて行→よけていく 御納戸茶→おなんどちゃ 緑がかった浅葱色 流行色 心変わり?
6228 9-23
  煤掃ハ 仰向て居て 寐乱
  煤掃→すすはき 寐乱→ねみだれる
6229 9-23
  夢の売人か 取次に出る
  売人→うりて 引手茶屋?
6230 9-23
  松風と 代り合てハ 千鳥啼
  二人禿が交互に泣く
6231 9-23
  悋気に落る 蚊屋の厂かね
  厂かね→かりがね 九月蚊屋 四隅に雁の絵 亭主が戻らず独り寝の蚊屋を蹴って
6232 9-24
  尼の添寐に 金か寐て居
  尼さんでもお金は大事?
6233 9-24
  ひよ子のはやく 育つ北浜
  北浜→きたはま 大坂の米市や金相場会所のあった所☆国大 米市場や米問屋あり米が散らばっている?
6234 9-24
  また頼母しき 朔日の夢
  また→まだ? 朔日→ついたち 二日の初夢は良くなかった?
6235 9-24
  筏さし 陸へ上れは 只の人
  ☆そのまんま
6236 9-24
  初松魚 見れは辛子ハ 安い物
  初松魚→はつがつお 辛子味噌で食べる
6237 9-24
  挑灯に 追廻さるゝ 前わたり
  挑灯→ちょうちん 前渡り→廓のひやかし ☆江語辞 素見客が引手茶屋からの客の箱提灯に追い立てられる
6238 9-24
  替た所の 意地を張る後家
  替た→かわっだ 意地を張らなくてもよい所に
6239 9-24
  法花へ毒の 廻る鎌くら
  法花→ほっけ 浄土宗鎌倉光明寺のお十夜?
6240 9-24
  中ノ町ても 棒ハきゝ物
  中ノ町→吉原仲の町 棒→自身番などの棒 利者→幅の利く人 売れっ子 ☆江語辞
6241 9-24
  餅屋から 心の付ぬ 隅田川
  両国橋西詰の幾世餅?
6242 9-24
  捨金と 誰か名を付て はつかしき
  捨金→すてがね 捨てたと同様な金銭 罰当たりな
6243 9-24
  秋の終りに 一ツ減る神
  立田姫は秋の女神
6244 9-24
  雑司谷より 若い浅草
  音羽の私娼窟と浅草の二十軒茶屋?
6245 9-24
  才蔵はかり 誉られて来る
  三河万歳 才蔵の技量が重要で
6246 9-24
  門徒寺から ふり袖の質
  門徒→浄土真宗 妻帯可なので
6247 9-24
  手代の奢 二代めに付く
  奢→おごり 先を見越して若旦那の味方?
6248 9-24
  食か過ると 人のない寺
  食→めし 食事の時間は食堂に僧がみえ るが
6249 9-24
  病上り 帷子出ると うれしかり
  帷子→かたびら 夏に着る麻などのひとえもの 軽いので
6250 9-25
  葉さくらの 科ハ隔てる 鐘の声
  科→とが 短所 罪 入相の鐘が聞こえにくい?
6251 9-25
  捨た男を 拾ふたそかれ
  人恋しく
6252 9-25
  鳥井のうちへ 井戸替を引
  井戸替の人足を引き上げる時 縄がお稲荷の鳥居の中迄
6253 9-25
  笑ひし帯の めくり逢ふ中
  幼なじみ?
6254 9-25
  帆のよく見へる 方へ正客
  正客→主客 品川か高輪での宴会?
6255 9-25
  出家をとけぬ さみたれの空
  出家を遂げぬ? すっきりしない?
6256 9-25
  あふない事の 多い牛若
  弁慶にしても熊坂長範にして も
6257 9-25
  四月蚊屋釣る たち花の窗
  窗→窓 はやくも蚊が?
6258 9-25
  大事の所を 禿見て行
  禿も目ざとくなり
6259 9-25
  師走の文の 財布から出る
  花魁の催促の暮の文
6260 9-25
  泣子の聲を 誉る墨染
  墨染→僧 出家したらよい声でお経を?
6261 9-25
  越た所て 若く成る年
  厄年は大人しくしていて
6262 9-25
  大晦日 鳴らぬ雪駄か 病上り
  ???
6263 9-25
  萩を直して 萩にして逢
  直す→遊興を時間延長する 萩寺の帰りに吉原へ
6264 9-25
  大さかつきを 誉る追善
  故人も酒飲み
6265 9-25
  臼にも成らぬ 杣の遺言
  杣→そま きこり ???
6266 9-25
  祢宜迄留守を 遣ふ十月
  留守を遣う→居留守をする 神無月で神主も
6267 9-25
  涼しさの 下を見やれは 恐しき
  大川の橋から下を? あるいは絶景の地から崖下を ?
6268 9-26
  女の中に 清盛の声
  白拍子に囲まれて
6269 9-26
  乳母か覚へる 聟君の鑓
  古い乳母が聟の幼時の端午の節句を覚えている? バレ?
6270 9-26
  はしらこよみを 抱付てよむ
  柱暦を貼った柱に
6271 9-26
  ひよ子の中へ 這入る立聞
  思わず庭へ踏み込んで?
6272 9-26
  三十日をすねて 朔日の文
  三十日→みそか 朔日→ついたち ???
6273 9-26
  紋日の翌を わたる鵲
  鵲→かささぎ 七夕も紋日
6274 9-26
  松魚の反リを 撫る包丁
  松魚→かつお 松魚を料る
6275 9-26
  二百十日の 通る牛嶌
  牛嶌→うしじま 浅草川の東で今戸の対岸の 現在の向島 川の土手あり ☆江戸文学地名辞典 川沿いで風が強い?
6276 9-26
  うつくしい 手に水銀の 露を置
  水銀は堕胎薬
6277 9-26
  一人家来の 陰膳に飽く
  毎日お下がりを食べさせられ?
6278 9-26
  遠い悋気の 届く追風
  故郷の女房の文が速く届く
6279 9-26
  暦の中て 聟を尋る
  まず吉凶で聟選び
6280 9-26
  灯をとほそふて くさる程漏
  灯火をつけようとして皿に油を注ぎ損ねる? ???
6281 9-26
  鎮守崩せは 遺言の金
  屋敷の鎮守の社に隠し金が?
6282 9-26
  はやうち肩の にきやかに死
  早打肩 にわかに肩に充血して人事 不省となる病気で今日の脳溢血☆川柳辞彙 狭心症とも ☆江語辞
6283 9-26
  うつくしい手を 居風呂へ吸ふ
  居風呂→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 奥様の手が風呂に吸い込まれる様子?
6284 9-26
  金平ハ 女に有て おもしろき
  金平→きんびら 坂田金時の子で架空の人物 荒々しい振舞をする少女のあだ名 ☆川柳辞彙 女の名の場合があったらしい
6285 9-26
  尋あたれは 凄い柴の戸
  凄い→気味が悪い 柴の戸→粗末なすみか 尋ねて当ててみると予想以上のあばら屋で
6286 9-27
  見知る人なき 鵜つかひの皃
  皆見るのは鵜ばかり
6287 9-27
  文を拾ふて 哀かる僧
  煩悩を気の毒と
6288 9-27
  関取か来て 箸かつかへる
  大喰らいで争いに
6289 9-27
  後夜の鐘 そろそろ・憎い 響やう
  後夜の鐘→ごやのかね 夜半から朝までの鐘☆国大 衣々の別れ
6290 9-27
  鬼うち豆て 煤掃の意趣
  鬼打ち→節分の豆まき 煤掃の胴上げの恨みを節分の豆を当てて晴らす
6291 9-27
  人一さかり 崕ばたを行
  一さかり→若い遊び盛り 崕ばた→がけばた 崖っぶち若いうちは皆危ない道を
6292 9-27
  いつく嶌見て 残る壱両
  いつく嶌→厳島 宮島の遊廓で遣う?
6293 9-27
  御師もしはらく 咄す入聟
  御師→おし 伊勢の御師 伊勢神宮の下級神職☆江語辞 年末に伊勢暦と御祓箱を配る 毎年得意を廻る 今年婿入りした婿に挨拶
6294 9-27
  離別てから 顔ハ心に 寄らぬ物
  離別てから→さってから 離縁してから 気持ちを表情に出さない
6295 9-27
  捨子もらひの しよほしよほ・と来
  慣れぬ乳もらいに?
6296 9-27
  ふたり寐なら 金ハ湧物
  寐→ねる 湧物→わきもの 自然にわき出るもの☆国大 一人扶持は食えぬが二人扶持は食える
6297 9-27
  うれしい夢の 昼見たく成
  現実にしたい
6298 9-27
  六月思ひ あたる僧落
  思いあたる→ここは 思い当てる 思いつくか 僧落→そうおち 落→逃げる 格が下がる ☆国大 暑くて僧をやめようかと?
6299 9-27
  わたらすに見る 住吉の橋
  住吉橋→大坂道頓堀川の橋 橋の上から住吉大社の高燈篭を望めたという
6300 9-27
  女のうまく ぬれる賀茂河
  ???
6301 9-27
  留守居を呼て 留守の日ハなし
  藩の外交官で茶屋の常連の 御留守居? いつでも出て来る
6302 9-27
  金元たへて 死てゐる皃
  金元→興行の資本主 経済上 の後援者☆江語辞 資金源が断たれて
6303 9-27
  年程に しらしら・明の 面白き
  朝早く目がさめるようになり
6304 9-28
  泊り合せて 口書に乗
  口書→くちがき 奉行所で容 疑者関係者を訊問して作る調書☆江後辞 旅先で騒動に巻き込まれ
6305 9-28
  夜更て皃の 痒き高殿
  高殿→たかどの 高い建物 高楼 ☆国大 ???
6306 9-28
  低く物言ふ 伶人の母
  伶人→れいじん 雅楽を奏する官吏☆国大 上品な家柄
6307 9-28
  つふれた声を 誉る節分
  真剣に豆まきして声をつぶし た
6308 9-28
  軒のあやめの 覗く居ふろ
  居ふろ→すえふろ 風呂桶でわかす風呂 端午の節句に備え五月四日夕 軒に菖蒲と蓬を葺く
6309 9-28
  辷た数も 咄す妹狩
  辷た→すべった 妹狩→いもがり 妹許 妻や恋人の住んでいる所へ ☆国大 夜道で転んだとか
6310 9-28
  やよひの匂ふ 寺の十月
  御会式に桜の柄の振袖?
6311 9-28
  六日の賀茂に 馬糞淋しき
  五月五日の加茂のくらべ馬の 翌日
6312 9-28
  我に呑れて 裸百貫
  裸百貫→男は丸裸だけでも銭百貫文の値打ちがある(諺) ☆江語辞 お前に有り金呑み尽くされて
6313 9-28
  聞古したる 婆々・の世かたり
  同じ話を
6314 9-28
  紀の関守か 香蘇散盛る
  香蘇散→こうそさん 風邪や魚の食中毒の薬らしい 紀の関は和歌山市湯屋谷辺り ???
6315 9-28
  男の死霊・ 聞分ケかよき
  源融の幽霊は宇多院に呵られ 消える
6316 9-28
  火を焚はかり 間日の奉公
  間日→まび 休日 仕事と仕 事の間の日 ☆国大
6317 9-28
  扶持方の 袋て来るも 哀也
  扶持方→ふちかた 切米支給 蔵宿から俵一杯にもならぬ僅かな扶持米を貰って来る
6318 9-28
  水道に反の 合ぬ松風
  水道→すいどう 反→そり 反が合わぬ→気が合わぬ☆江語辞 江戸っ子と松風では
6319 9-28
  食を喰ふのも 凄い川留
  食→めし 凄い→気味が悪い 川止→大井川などの川越停止 路銀が足りるか?
6320 9-28
  しのふ山 呼れて犬も 二心
  二心→謀反心☆国大 毎度忍んで来る男に番犬も 手なずけられ
6321 9-28
  新地か出来て 無理な細道
  新地→新開地 深川新地?
6322 9-29
  さくら草買ふ 鉢の子の銭
  鉢の子→鉢 托鉢の鉄鉢 ☆江語辞 僧が桜草買う?
6323 9-29
  懸人 とちへ向ても かしこまり
  懸人→かかりうど 居候 そこの家族全員に気を遣う
6324 9-29
  借金の 元を女房と 気か付す
  女房と仲が悪くて吉原へ
6325 9-29
  躍た皃の すたる看病
  踊り子を女房にしたが
6326 9-29
  小言て紙燭 出来る六月
  娘の夕涼みを呵る?
6327 9-29
  しらぬ皃にて 庚申に来
  庚申の夜は色事は禁だが そんなことは無視
6328 9-29
  いやな咳せく くれ竹の宿
  せく→咳をする☆国大 呉竹の→夜 伏す 末などの 枕詞 女三ノ宮?
6329 9-29
  岡崎を 油かきりに 弾て居
  岡崎→唄三味線の入門曲 行灯の油の続く限り
6330 9-29
  菊に醤油の かゝる達广忌
  達广忌→だるまき 十月五日達磨大師の忌日で 禅宗の法会
6331 9-29
  村中の 邪广かとふとふ・ わたり始
  邪广→じゃま かえって長生きして三代の橋の渡り初め?
6332 9-29
  鉄槌と迄 妾のをとろへ
  鉄槌→かなづち ???
6333 9-29
  裁そこなふて 物さして痒
  裁→たち 痒→かく 布の裁断に失敗しやれやれと背中を
6334 9-29
  一雨降て 黒い大磯
  黒い→粋な☆国大 大磯虎御前の虎が雨?
6335 9-29
  縫箔の 片手ハ波の 下を行
  縫箔職人の片手は波模様の布 の下に
6336 9-29
  二階へ上る 年程の音
  階段を上がる音に年令があら われる
6337 9-29
  太夫と太夫 四位の挨拶
  何とか朝臣みたいに何とか太夫と呼び合うとか?
6338 9-29
  親孝行に 蚊柱かたつ
  二十四孝の呉猛 裸になって親のかわりに蚊に 刺される
6339 9-29
  朝食か 済と明石に 帆か見へる
  朝食→あさめし 「ほのぼのと明石の浦の朝霧に島がくれ行く舟をしぞ思ふ」 ☆柿本人麻呂 早起きのまじないの歌で朝下の句を詠む
6340 9-30
  落た馬の 草にあやまる
  落た→おとした 落馬した主人ではなく草の方を向いている
6341 9-30
  日陰へ廻る 乳母の片言
  男が来て物陰へ
6342 9-30
  傘て仕出した 山郭公
  仕出す→やりはじめる もう け出す おしゃれする☆国大 山郭公→やまほととぎす ほととぎすの異名 五月雨でいよいよ鳴く
6343 9-30
  ちゝぶ道者の ぐつぐつ・と寐
  道者→巡礼 ぐつぐつ→不平 をいうさま☆国大 秩父三十四カ所巡り 約百キロの行程だが山道もあり草臥れる
6344 9-30
  僧正の 恥かしそうに 緋の衣
  僧正になりたてで緋の衣も まだ気恥ずかしい
6345 9-30
  読み習ひにハ 不機嫌な皃
  読み習う→読んで学習する 勉強中?
6346 9-30
  結ふほと延て 尼の元復
  結ふ→ゆう 元復→げんぶく 還俗した尼さんの髪が伸び丸まげを結い鉄漿をつけ眉をそる
6347 9-30
  ぶせうな足に 懸る枝折戸
  枝折戸→しおりど 小枝などを並べて作った簡単な開き戸 足で開け閉めしようと
6348 9-30
  品河も 子を捨させる 所也
  ???
6349 9-30
  寒声つかふ 関の仲間
  寒声→冬の早朝戸外でする 音曲の稽古 仲間→ちゅうげん 武家の下僕☆江語辞 通る声が仕事に役立つ?
6350 9-30
  五十年 通り仕廻へは 鹿の声
  人生も終盤と成る頃鹿聞などの風流がわかるように
6351 9-30
  寐に来る鳥に 所化ハ出て行
  所化→しょけ 修行僧 夕暮れから托鉢に?
6352 9-30
  陸奥て耳たつ 牛若の声
  耳立つ→みみだつ 耳ざわりに聞こえる 聞いて心にとまる☆国大 平泉で目立ったろうと?
6353 9-30
  百草を 覚た人の 物凄し
  百草→ももくさ たくさんの草☆国大 物凄い→気味が悪い 神農みたい
6354 9-30
  雲を吐き 雲を吸込む 峯の松
  ☆そのまんまか
6355 9-30
  明て廿チか 正月の皃
  十九の女の厄年が明けて 晴れ晴れとした正月
6356 9-30
  小指の爪の 長い関守
  暇で耳垢そうじばかり
6357 9-30
  去り状遣つて 内か見へすく
  去り状→離縁状 嫁の荷物が無くなると家の中が透いて
6358 9-31
  凄いほと 車明るき 下もみち
  下紅葉→物の下のほうにある紅葉☆国大 照り返しで火の車みたい?
6359 9-31
  四月八日を 伯母のしこなし
  四月八日→灌仏会 しこなす→馴れ馴れしくしすぎる 当然顔でする☆江語辞
6360 9-31
  かんこ鳥 淋しい足シを 鳴に来
  かんこ鳥→かっこう うき我をさびしがらせよかんこ鳥☆芭蕉
6361 9-31
  湯殿はるかに 下女の大声
  居風呂で不祥事
6362 9-31
  江口の牽頭 舟もこく也
  昔の江口の遊女 舟で出る ☆謡曲江口 牽頭→たいこ 舟を漕ぐとうたた寝の洒落
6363 9-31
  皆火にくへる 神主の埃
  埃→ごみ 左義長とかでついでに
6364 9-31
  伯母を当に はたなの上に 乗て来
  当に→あてに 心あてに ☆江語辞 はだな→波多菜大根 相州産の細長い大根☆江語辞 相模下女が江戸に奉公に
6365 9-31
  踏れた町の 名を聞て来
  踏れた→借金を踏み倒された恥をかかされた ☆江語辞
6366 9-31
  師走の猿の しはられて居
  忙しい時に悪戯されぬよう
6367 9-31
  一ツ宛 階子て前を 合せけり
  宛→ずつ 階子→はしご 階段 身なりを整えながら遊廓の階段を登る?
6368 9-31
  痞も持て 歩行くらがへ
  痞→つかえ 病気や精神的悩みで胸が苦しいこと 歩行→ありく 鞍替→芸娼妓 が抱主を替えること☆江語辞 悩みも一緒に
6369 9-31
  古郷へ帰る 紺のだいなし
  紺屋の生まれの由井正雪 故郷の駿府へ逃げて自刃
6370 9-31
  寐しなに橋を わたる六月
  寝苦しいので夢の浮き橋?
6371 9-31
  あさかほ壱人 乗懸て供
  乗懸て→のりかけで 乗懸→馬の両側に明荷を渡し布団を敷いて乗る 朝顔の鉢も乗せて
6372 9-31
  女のたはこ 刻む四阿
  四阿→あずまや 賃粉切りに頼まず自分で 節約?
6373 9-31
  ほつちりと 目を明く上に しら幣
  しら幣→しらにぎて 生地のままの白いにぎて にぎて→神に祈る時榊につける布☆国大 巫女の神懸かり?
6374 9-31
  儒者を立ても 古郷に借リ
  儒者→儒学者 江戸に出て来て儒学者として身を立てたが故郷に借金が?
6375 9-31
  ほめられた子の 鼻をかませる
  誉められたのでいうことを きいて鼻をかむ
6376 9-32
  烏の目にも 懸る誓文
  熊野の牛王宝印に書いた 起請文の約束を破ると熊野で烏が一羽死ぬという
6377 9-32
  との玉川も 負ぬ気て居
  歌枕の六玉川 それぞれ趣きがあって
6378 9-32
  連か武士にて 二度に夜か明
  連→つれ 後朝の別れだが武士の客は 時間厳守で先に帰る
6379 9-32
  三くたり書て 煮切らぬ聟
  三くたり→みくだり 煮切らぬ→にえきらぬ 離縁状を出すと入り婿の方が出て行く羽目になるので
6380 9-32
  厂の声 夜着とふとんの 中を行
  厂→かり 夜着→掛け布団にする着物型のもの
6381 9-32
  思案の終り 子の皃を見ル
  やはり子が可愛いので危険なことあるいは離縁を止める
6382 9-32
  ねつみの穴へ それ程の智恵
  鼠にも鼠穴に逃げ込むくらいの智恵はある
6383 9-32
  若竹に 成と住居の 手くらかり
  竹がどんどん育って家の中が薄暗く
6384 9-32
  足を病 馬に夕日の 落かゝり
  歩みが進まず
6385 9-32
  母の寐耳へ 度々・の水
  どら娘か放蕩息子 寝耳に水が何回も
6386 9-32
  よもきか宿を 灸すへか出
  お灸のモグサはよもぎから 作る 粗末な蓬生の家は灸には 便利?
6387 9-32
  朝の早稲田を 風車行
  早稲田→牛込の高田寄り 風車が名物の雑司ヶ谷の鬼子母神から音羽の岡場所にいき朝帰り
6388 9-32
  荒神ハ 去られる皃を うち詠
  詠→ながめ 竈の前の離縁される女房
6389 9-32
  頓死の皃へ 印籠か降
  印籠は薬入れ
6390 9-32
  七日の松の 足元をふく
  正月七日門松を抜いて小松を挿す
6391 9-32
  裸て礼に 歩行雨乞
  歩行→ありく 待望の雨が降って濡れても うれしい
6392 9-32
  寐ると寐皃の 出来る突出
  初めて客をとる娼妓 いつも泣き顔だが眠れば
6393 9-32
  捨子の昔 知て指さす
  口さがない人が
6394 9-33
  日のもる寺に よい出家住
  粗末な寺に清貧の僧が
6395 9-33
  くらい道具に 残す若党
  若党→武家屋敷の雑用をする 身分の低い家来 中間の上 ☆江語辞
6396 9-33
  孝行に うつ蕎麦切ハ 静也
  放蕩息子の三蒲団の蕎麦とは違って? 孝行息子が親に蕎麦を打つ?
6397 9-33
  明店を見て 廻るつれつれ・
  明店→あきだな 空いた貸家 ひまつぶし
6398 9-33
  めうか谷から 馬鹿な公事出る
  めうか谷→茗荷谷 昔は茗荷畑があった☆川柳辞 彙 公事→訴訟 物忘れが原因の訴訟?
6399 9-33
  古御所さむく さいかちの尖
  さいかち→マメ科の落葉高木 幹や枝にトゲあり 尖→とげ 将門の相馬の古御所? バリケード?
6400 9-33
  足て足 洗て這入る 八重むくら
  八重葎→ 雑草が生い茂った草庵 ☆そのまんま
6401 9-33
  あつまくたりの 見せ馬か来
  見せ馬→別の馬を売りつける ために見せる替え玉の馬 あるいは祭礼に見物させる馬 関東は馬の産地?
6402 9-33
  物思ふ 向を通る 蝸牛
  蝸牛→かたつぶり いつのまにか時がたって
6403 9-33
  餅の火の 巨燵へ来れハ 夜か明
  歳末の徹夜の餅搗ぎ
6404 9-33
  物書ぬ 女を誉る 大むかし
  清少納言や紫式部みたいな才女はどうも苦手で
6405 9-33
  遠い思案の 町人にする
  武家でないほうがこの子の ためになる
6406 9-33
  出代りや 三粒降ても 気ハ心
  別れの涙雨
6407 9-33
  初鰹 かまくらからの 捨ことは
  捨言葉→すてぜりふ☆江語辞 鎌倉から揚がる初鰹
6408 9-33
  二ツ三ツ 四ツと違ハぬ 和哥の友
  二つや三つや四つ五つ十にも 足らぬみどりごが☆地蔵和讃 どんぐりの背比べ?
6409 9-33
  一とせを 見へつかくれつ みかん籠
  蜜柑籠→捨子の意☆川柳辞彙 捨て子の親がこっそり様子を見に来る?
6410 9-33
  つくはの雪解 陰の奉公
  雪解→ゆきげ 雪がとけて生じた水☆国大 筑波山水系の酒造り?
6411 9-33
  十月知れる 神主の智恵
  神無月の収入源があるか
6412 9-34
  草の名を 呼はこたへる 御末の衆
  呼は→よべば 御末の衆→おすえのしゅ 源氏名
6413 9-34
  舅に成て あつい六月
  舅→夫または妻の父 嫁や聟の手前だらしない格好はできず
6414 9-34
  袖笠て 雨の蛍に 遺るゝ
  袖笠→袖を笠代わりにする 遺るゝ→つかわるる? 袖で蛍を雨から守る?
6415 9-34
  湯殿へ廻す 瞽女の傘
  ???
6416 9-34
  さむい咄の とうふから出
  豆腐屋に下駄をやった伊達綱宗?
6417 9-34
  尻に敷れて 亭主落つく
  家内安全
6418 9-34
  九ツに寐ぬ 怖い根性
  九ツ→午前零時ころ 夜這い準備?
6419 9-34
  恋しき人に 逢へは日かくれ
  ☆そのまんまか
6420 9-34
  奉加帳 皃のしれたる 所迄
  抜参りのカンパなど 知っている限りの人に廻す
6421 9-34
  一雫 呑むも小言の 口ふさけ
  口塞→間食 口どめ料 ☆江語辞 酒をすすめて小言を抑える
6422 9-34
  五間つゝ 飛たあげくの 墨衣
  飛た→とんだ ???
6423 9-34
  赤子の貰ふ 家のからくり
  からくり→計略 たくらみ やりくり算段 いろいろ考えて子を貰う?
6424 9-34
  つほねまかせに 厚い白粉
  局→局見世の女郎 ☆江語辞 白粉→おしろい 下級女郎の厚化粧?
6425 9-34
  着替たて 昔の残る 世捨人
  古いお仕着せなどで経歴が
6426 9-34
  取上はゝ来て 出にくかる娵
  取上はゝ→とりあげばば 娵→よめ 陣痛が引いてしまい
6427 9-34
  隠さぬか よいと云れて 膝を立
  親にも正直に話すよう諭され
6428 9-34
  草分斗 傘をさし
  草分→くさわけ 荒地を開き 一村の基をつくった者☆江語 辞 斗→ばかり 農民でも特別扱い?
6429 9-34
  女形 煩て居て 入梅か明く
  入梅→つゆ ???
6430 9-35
  あふなく死て 仕合な人
  あぶなく→あやうく☆国大 仕合→しあわせ ☆そのまんまか
6431 9-35
  言名付 うつふいて居 皃てなし
  言名付→いいなずけ うつぶく→うつむく よく知っている
6432 9-35
  笠から先へ 投る草臥
  草臥→くたびれ ☆そのまんま
6433 9-35
  朱坐のむす子の 疱瘡を誉
  朱坐→しゅざ 朱の製造販売特権をもつ商人 ☆国大 痘瘡の子の周りに赤いものを揃えるので商売繁盛
6434 9-35
  堪忍の ならむ所て 酒かさめ
  一思いにと考えたところで 正気に戻る
6435 9-35
  膠て付た やうな関守
  膠→にかわ 座ったまま動かず
6436 9-35
  馬子に抱れて 母のわる口
  宿場女郎の愚痴?
6437 9-35
  泣て行子を 盥から呼
  親子の行水
6438 9-35
  階子へ懸て 戻す木はさみ
  階子→はしご 木鋏→庭木などの刈り込みに用いる長い柄のついたはさみ ☆国大 同時に使うものなので一緒にしておく
6439 9-35
  愛岩から 見れハつきちハ 舟の内
  ☆王母林 愛岩→愛宕 芝の愛宕山 つきち→築地 三十軒堀の東南の埋め立て地 舟の形?
6440 9-35
  荷先の使 煤に追るゝ
  荷先の使→のさきのつかい 荷前使 献上された初物を伊勢神宮や諸陵墓に奉る十二月の朝廷の使い☆国大 煤→すす 煤掃の頃に近い?
6441 9-35
  初て撞た 鐘に身震
  ☆そのまんま あるいは無間の鐘?
6442 9-35
  前の夫に 子迄隠れる
  家庭内暴力夫
6443 9-35
  蓮にふたりハ 狭いやくそく
  あの世では同じ蓮で暮らそうと
6444 9-35
  乳を呑さして 覚ない顔
  知らぬ子も混じって?
6445 9-35
  ねたり課せて 古近江か来
  ねたり課せて→ねだりおおせて 古近江→こおうみ 名人石村源左衛門の作った三味線☆川柳辞彙 御妾がねだって買わせる


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