古川柳お約束集1(一般人物)

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☆このお約束集は古川柳という仮想現実世界のキャラクター設定です。よって、問題な内容もありますが、これらを知っているだけでも古川柳はかなり理解しやすくなると思います。
遊里関係 花魁 遣手 新造 禿 番頭新造 妓夫 お針 廻し方 四郎兵衛 文使い 太鼓持ち 踊り子 羽織 陰間 女衒 夜鷹 比丘尼
家庭・町内 嫁 亭主 聟 娘 若旦那 息子 隠居 後家 乳母 下女 せなあ 掛り人 大屋 自身番
武家関係 長局 御留守居 奥家老 国家老 腰元 お妾 殿様 仕送り 後押え 玄関番 旗本・御家人 草履取り 味噌用人 浅黄裏 小侍 浪人 辻番 臥煙 蔵宿 関守 下座見
店・店員・開業 伊勢屋 越後屋 丁稚 茶番 手代 番頭 信濃者 酒屋 御用 矢取女 医者 外料 目医者 仲條 寺子屋 質屋 請宿 帳屋 山奥屋 黒鴨 豆腐屋
芝居関係 木戸番 仕切場 火縄売り 河童 留場 女形 木戸芸者
職人 針妙 大工 元結こき 塗師屋 漆かき 綿摘み 紺屋 髪結床 鏡研 米搗 賃粉切り 取揚婆 料理人 瞽女 坐頭 検校
行商・路上の商売 車引 四つ手駕篭 傀儡師 三河万歳 節季候 鳥追 馬方 飛脚 地紙売り 黒木売り 小間物屋 見倒し屋 貸本屋 竹馬 絹売 薺売り でれん あるき 定斎屋 姫糊売 夜蕎麦売 古骨買
宗教 和尚 囲れ 大黒 納所 所化 僧正 釜払 梓弓 神楽巫女 虚無僧 伊勢の御師 鉢たたき
その他 配当座頭 松右衛門 通り者
  ☆遊里関係

【花魁】
 昼三(呼出し)が吉原で最高位(張見世の真ん中)
 (昼三が昼夜各三分 附廻しが昼夜各二分 座敷持ちが昼夜二分夜一分)
 冬でも素足
 厚い上草履を履く
 お鉄漿はつけるが眉は剃らない
 箪笥などを沢山持っているが実は貧乏で箪笥は空
 初会・裏・馴染みとなるにつれてうちとける
 三会目で床花(二両二分とか)を素っ気なく貰う
 (三会目で花魁も物を食べ、客は客らしく扱われ、客の名を書いた箸紙が用意される)
 客に来てくれるようしばしば手紙を書く(年末には暮の文という催促の手紙を書く)
 紋日に常連客を登楼させることが重要
 三蒲団という高級蒲団を客に作らせる(敷初 蕎麦も振る舞われる)
 (畳替えはまだ安い無心)
 客が重なると別の座敷に移ることあり(貰い引き)
 嫌いな客を振るのに背中を向けたりニセ癪をおこしたり文を書いたりする
 畳算という簪を使った占いをする
 紙の蛙に客の名を書いて針を刺すと来るという
 営業では前帯、外出時後帯
 二十七才ころ年明(年季明け)
 越後出身多し

【遣手】
 太っている
 鍵束の入った鍵袋を持っている
 貪欲
 花魁に馴染みがつく時一分貰う(その一分金の真贋を噛んで確かめる)
 禿や新造を折檻する
 細見で左下隅に名前あり

【新造】
 若い
 眠い
 空腹
 ペットに二十日鼠を飼う
 ご隠居によく指名される
 客が重なった花魁の代理(名代)に出て客の話相手だけすることがある
 禿らとともに不義な客の大門待ち伏せをすることあり(伏勢)
 (つかまった客は髷を切られ振袖を着せられる)
 「袖留」のお披露目をして座敷持ち・部屋持ちになる

【禿】
 子供
 空腹
 ほうずきが好き
 二人ペア
 多くは将来新造になる女児だが、臨時雇いの禿や男児の禿もいたという
 花魁の調度の鍵を袂に入れている
 花簪
 禿→引込禿→新造 と新造までに三回名前が変る

【番頭新造(番頭)(番新)】
 花魁のマネージャー役をする古参の新造

【妓夫(ぎゅう)】
 若い者ともいう
 妓楼で客引きや雑事を処理する男衆

【お針】
 妓楼の裁縫師

【廻し方】
 吉原の掛け金集金係
 集金できないと「掛暇」という一時帰休となりアルバイトをする
 さがり取ともいう?
【四郎兵衛】
 吉原大門の番人
 踏込袴などで男装して脱廓する遊女(変成男子)を大門で捕まえる

【文使い】
 遊女からの手紙を馴染み客に人目につかないように届ける茶屋などの男衆

【太鼓持ち】
 「神」ともいう
 清潔でない一張羅の黒羽二重を着て本田髷もどきを結っている

【踊り子】
 女芸者で三味線が得意
 振袖を着ているがあまり若くない(年をごまかし十九だという)
 二分で転ぶ
 母親が付き添っていることがある
 猫という別名あり(泥鰌ともいう)

【羽織】
 深川の羽織芸者

【陰間】
 芳町
 美童の頃は坊さんが客
 年たけてくると後家や御殿女中が客
 上方出身
 将来女形になることも(舞台子)

【女衒】
 吉原に売られる女性を集める人身売買人
 娘を四ツ手駕篭に乗せていく(娘は親の薬代などのために売られる)
 非道
 善兵衛とか源兵衛とかいう
 吉原に近い砂利場(地名)などに住む

【夜鷹】
 柳原 材木屋が近い
 妓夫がついていることも
 筵囲いの掛小屋を毎夜作る

【比丘尼】
 尼僧体の私娼
 船上を職場とするのを舟比丘尼(丸女)という

  ☆家庭・町内

【嫁】
 容姿が良いと持参金なし(裸嫁という)や逆に支度金を貰って嫁入り
 (疱瘡にかからない娘を「ふくろもち」といい美人の代名詞 ふくろもちの股をくぐると疱瘡除けになるという)
 疱瘡の後遺症があると、持参金(百両)や沽券と多くの嫁入り道具を持って嫁入り
 初婚だと嫁入り道具は漆臭い
 結婚数日後に里帰りすることを里開きという
 嫁入りすると実家で雛分けをする
 結納後お歯黒(鉄漿)をつける(半元服)
 (初鉄漿の時七カ所から分けて貰う 鉄漿の壷は無褌の男に跨がれると発色が良いという)
 妊娠すると眉を剃る(本元服)
 鎌倉松ヶ岡の東慶寺に駆け込んで三年(丸二年間)尼になっていれば嫁の側から離婚できる。
 百人一首(歌がるた)が得意
 琴が得意(三味線もひけるが琴の方が得意)だが披露するのは抵抗する
 姑に監視されており、いびられる
 姑が亡くなると自分の振袖から作った袱紗で重箱をつつんで四十九日の牡丹餅を配る
 美人の女房は亭主の毒(腎虚)
 出産時苧で髪を結い、産籠に産後七日間ほど居る
 三十三が厄年
 「嫁手柄」は男の子を産んだ意

【亭主】
 女房に隠れて吉原へ行きたがる
 女房が留守だと悪友を家へ呼んで博打などの悪いことをする
 持参金付嫁に頭があがらない(離縁する時は持参金を返済しなければいけないので)
 遊興費のために嫁入り道具や娵の着物を質入れする
 間男をみつけたら殺してもよいことになっているが五両で示談にすることが多い
 去り状(離縁状)を一方的に出せる
 四十二が厄年で、この年に二才になる男子はいったん養子に出される(四十二の二つ子)
【聟】
 嫁やその家族に遠慮して付き合いでも吉原へ行けず自分だけ戻る
 去り状(離縁状)を出すと自分が出て行くことになる

【娘】
 (娘が生まれたら嫁入りのたんすにする桐の木を植え、雛を買いに行く)
 十三才と十六才で第二次性徴がある
 振袖を着ている
 労咳の娘は黒猫を飼うと治るという
 四火の灸をすえる(労咳に効くという)
 十九才(厄年)に労咳で亡くなることがある(その振袖を寺に納めて一部は衣屋に頼んで天蓋になりあとは古着屋に売られる)
 二十才にもなれば結婚をせかされ、水茶屋や報恩講で見合いをする
 不祥事のあった娘は下総の稲毛の伯母に預けられる
 妹の方が姉より美人で早く嫁にいく

【若旦那】
 悪友にさそわれて吉原に入れあげる
 銀ぎせるを持ち、黒羽二重に本田髷
 (若旦那だけではないが)雪や花見や紅葉や参詣や市や葬式にかこつけて吉原へいく
 いずれ伯父さんや親父に説教され、挙げ句に蔵の座敷牢に入るか銚子へ預けられるか勘当される

【息子】
 中流以上の良家の息子
 青年一般をさす場合も

【隠居】
 若い新造買いを好む
 「提灯で餅を搗く」状態のことあり
 八十八の米寿には自筆で寿などの字を書いた餅を配る

【後家】
 赤い信女ともいう
 役者や芳町陰間好き
 数珠を持っている

【乳母】
 太っている
 歌がるたが苦手
 好色とされることが多い
 幼子の実子は他人に預けてあって里扶持を払う
 三月五日に奉公に来て、翌年三月五日に出替り

【下女】
 歌がるたが苦手
 三月五日に奉公に来て、翌年三月五日に出替り(田舎の兄=せなあが迎えに来る)
 出替りをせず延長することを居成(いなり)・重年という
 採用面接の時食事をとれば奉公の意志表示になる
 しばしば複数の男の夜這などの対象になる
 蚊屋に紙帳を使う
 相模下女は好色
 知識が少ないことや字が下手なことを揶揄される場合多し

【せなあ】
 下女の田舎の兄

【掛り人(かかりうど)】
 居候
 遠慮して暮らす
 出居衆ともいう?

【大屋】
 間男事件の証人になる
 町入能に招待される
 (上下を着て傘と錫の瓶子と菓子を賜る 道成寺が演じられる時雨が降る 御舞台の瓦の欠片を持ち帰ると病除けになる)
 (他に紙包みの菓子や銭も賜るという)

【自身番】
 町内の警備用詰所
 町内の家主が交代で詰める
 町内の事件や捨て子を扱う
 自身番の番小屋の番人を番太郎という


  ☆武家関係

「お」や「御」がつけば武士関係

【長局】
 御殿女中 
 源氏名がある
 椎茸や片はずしという髪型
 太っている
 御宰(御菜)という下男を使う (御宰籠という籠を持っている その籠には萌黄の紐が付いている)
 公用外出時(御代参など)に不忍池の出会茶屋で逢引をしたり芳町の陰間茶屋へ行ったりする
 鋲打という立派な女駕を使う
 水牛や象牙で出来たものを持っている
 車引と相性が悪い
 取締り役の老女をお局(お年寄 老女)という
 御殿女中の身の廻りの世話をする腰元を茶の間という
 高貴の場所の乳母は覆面をする
 大奥長局の出入り口を七ツ口という

【御留守居】
 藩の外交官で茶屋の常連
 踊り子と仲がよく邸宅に呼ぶことも

【奥家老】
 老人 
 御殿女中や奥の管理を任されている

【国家老】
 実直で殿様や江戸屋敷の浪費をいさめる

【腰元】
 しばしば殿様にちょっかいを出される

【お妾】
 出自は貧乏
 殿様に夜おねだりをして兄を士分に取り立ててもらったり実家に五人扶持を貰ったりする
 士分になった兄は落馬の名人
 男の子を産むと権勢をふるう
 鸚鵡を飼っている
 三味線が得意(異称を紫檀・表という)(奥様は琴が得意で異称を桐・奥という)

【殿様】
 一年ごとに地元と参勤交代
 江戸上屋敷の奥方とお妾の間にはさまれる

【仕送り】
 大名や旗本の財政再建担当者

【後押え】
 大名行列後尾の警護役
 殿様の名を言って歩く

【玄関番】
 退屈

【旗本・御家人】
 貧乏
 蔵宿に借金に行く
 釣りが好き
 年礼にお供のアルバイトを雇う

【草履取り】
 おぞう ともいう
 主人のお供をする雇い人
 主人が遊んでいる間よく待たされる

【味噌用人】
 貧乏旗本屋敷で家事万端をする家来

【浅黄裏(武左・新五左)】
 江戸屋敷勤めの田舎侍
 野暮で吉原ではもてない
 門限が厳しい(暮六ツ)ので吉原では昼遊びをする

【小侍】
 旗本などの屋敷で使い走りをする少年
 刀を差してはいるが子供

【浪人】
 貧乏
 尾羽打ち枯らすと辻謡(門付の一種)

【辻番】
 武家地の警備番所の番人
 経費削減のため老人が多い
 梅毒にかかっていることが多い
 樫の棒を持っていたり杖代わりにしたりする

【臥煙(がえん)】
 大名・旗本屋敷の大部屋に住む火消し担当の中間
 新しくできた酒屋などに緡を押し売りする

【蔵宿】
 浅草御蔵前にあった札差
 旗本御家人の禄米を代行して受け取って売り払う
 禄米を担保に金融もした

【関守】
 しかめつらで座っている
 特に出女(江戸から出る女性)を取り締まる
 抜け詣りの小僧の前を出させる(女でないことを確認する)
 女性の検査は「人見女」が実施した

【下座見(見付番)】
 見付で大名登城の際槍印で何の守様御登城と触れ拍子木を打ち膝を直して送迎する役人


  ☆店・店員・開業

【伊勢屋】
 商家で吝嗇
 単に吝嗇の人をもいう

【越後屋】
 (人物ではないがここに書きます)
 駿河町全部(道の両側)が越後屋呉服店で間から冨士がよく見えた
 現金正札掛値なしで値切りがきかない
 嫁入り衣装・御妾の買い物から吉原の三蒲団や八朔の白無垢、奉納幟まで扱う
 前をうろつくとなんでなんでと声がかかる
 お得意には店の名の入った傘を貸し出す(傘には不要に大きな番号がふってある)
 大きな買物をすると奥で食事や酒サービス
 店内に竹を植えた小さい庭あり
 二階に万引き監視員あり
 主人から丁稚まで松坂など上方出身
 三囲稲荷を信奉

【丁稚】
 仕着せの伊勢縞(松坂)を着る
 斎日が商家の休暇で閻魔参りなどへ行く
 大きい呉服店で手代と帳場の間の伝票・代金の運搬をした丁稚を判取りという
 アーイーと長い返事をする

【茶番】
 大呉服店で客にお茶を出す小僧

【手代】
 番頭と丁稚の間
 大店の呉服屋では名前を書いた紙が後ろに貼ってあった
 四つ過ぎに四つ手駕篭で吉原へ急ぐ
 江戸の支店で使い込み等不始末をした奉公人を上方の故郷に戻すことをつけ登せという

【番頭】
 忠義な番頭を白鼠という

【信濃者(おしな)】
 信濃出身の奉公人
 大食
 冬期の百日間(十一月頃から翌年二月二日)江戸へ出稼ぎして一分が相場
 (信越地方からの冬季労働者を椋鳥という)

【酒屋】
 産婦の気付けに使う酢を買う客に夜起される
 (参考)酒の銘柄
  隅田川→ 浅草並木町 山屋
  剣菱→ 神田昌平橋外 内田屋(丸に二引の商標)
  満願寺→ 池田
  七つ梅→ 池田
  山川→ 白酒

【御用】
 酒屋の丁稚
 樽ひろいともいう
 注文を聞いて廻り届けるので町内の事情に通じ、また使われる
 奉加帳を博打打ちにまわしたりして伊勢への抜け参りの資金を集める

【矢取女(矢取・度紋)】
 楊弓場(土弓場・矢場 浅草寺境内などにあった)に勤める
 客に向かい合って左で弓を射てみせる

【医者】
 薬取り(薬を取りに来る患家の使用人)をやたら長時間待たせて繁盛しているふりをする
 患者を盛り殺すことも多い
 払いは盆暮れの二回
 年末の支払いをすると屠蘇をくれる
 藪医者は行き倒れを診させられる

【外料(がいりょう)】
 外科医者
 外傷以外に性病の治療もした
 性器の外傷の治療

【目医者】
 目医者の看板は目の絵の下にくすしと描いた(目薬屋は下にくすり)
 浅草聖天町の馬島玄有が有名

【仲條】
 堕胎専門の女医者
 両国の薬研掘にあったのが有名(踊り子の多い橘町の裏)
 腰瓦ともいう?

【寺子屋】
 六、七才で初午の日に入門 翌日より授業
 八ツ(午後二時ころ)放課
 毎月二十五日休み(天神様にお参り)
 おしおきに机の上で線香立を持って立たせたり机をしょわせたりした
 年一回畳銭二〜三百文取った
 手習いは坂に車を押すごとく油断をすれば後に戻るぞ☆俚諺
 手習い子を坂に押す車という

【質屋】
 質草に縄をかける
 利息は百で四文
 三月目に利息催促?
 八ヶ月たつと質流れ(利息だけ払って期限を延ばすのを利上げという)

【請宿(宿)(他人宿)】
 奉公希望者の身元引き受けて奉公先の斡旋をする
 芳町に多くあり
 請状(身元引受人が奉公先に出す身元保証書)を一分で出す
 主に妾の斡旋をするのを慶安という

【帳屋】
 帳面などの文房具屋
 店先の笹竹が看板

【山奥屋】
 獣肉屋
 麹町の平河町三丁目に多くあった
 肉を傘の反故紙で包んだ

【黒鴨】
 供をする下僕
 はっぴ・股引とも紺の無地

【豆腐屋】
 洗濯用に豆腐汁も分けた


  ☆芝居関係

【木戸番】
 芝居小屋の木戸番(観客の入り口を鼠木戸という)
 頭の上で結ぶ長い二重の頬かぶりをする
 鶉の桟敷番や馬の足役になることも

【仕切場】
 鼠木戸の側にある札売場

【火縄売り】
 芝居小屋で煙草用の火縄を売ったり混んだ客の整理をする
 火縄は入場券がわりでもある

【河童(合羽)】
 芝居の呼び込みで客を引っ張り込む
 茶(二文)や捻棒という菓子(四文)や松風を中売りもする

【留場(はな番)】
 芝居小屋木戸内に詰めている若い者
 場内の喧嘩や病人の処置にあたる
 舞台の下にいて見物が騒がしい時制する役を舞台番という
 只見客(油虫)をつまみ出す役を土間洗というらしい

【女形】
 舞台の外の日常生活でも女性のような姿と行動をする
 芝居小屋の部屋は二階(中二階)(立役は三階 下廻りは階下)

【木戸芸者】
 二丁町で名代役者の声色を遣う


  ☆職人

【針妙】
 町屋の一般家庭に雇われる裁縫師
 (娼家の裁縫師は「お針」、武家の裁縫師は「御物師」という)
 (参考)音羽の滝の歌を詠むと紛失した針が出るという
 (参考)夜なべの針仕事では行灯の灯心を針でかき立てた後行灯の紙に刺して油を拭う

【大工】
 根津遊廓のお得意
 字が下手

【元結こき】
 もとどりの根元を縛る紐をつくる職人
 仕事場が広い

【塗師屋】
 漆塗り職人
 紙帳(紙製の蚊屋)の中で仕事をする

【漆かき】
 日向の路上で仕事

【綿摘み】
 塗桶という福禄寿の頭のような台を使って綿を延ばし綿帽子などを作る
 女主人を綿の師匠という
 弟子の娘に売色させる場合も

【紺屋】
 「紺屋のあさって」という嘘をつく
 手が染まって汚れている
 二階などに干場がある
 愛染明王を信仰し品川で二十六夜待をする

【髪結床】
 油絵の障子がある
 上総出身

【鏡研】
 老人
 加賀出身
 丈の短い着物を着ている
 あぐらで仕事する
 水銀を使う

【米搗(六祖)】
 大食
 早朝に来る
 着込んでいて仕事が進むと脱いで行く
 秋刀魚やこはだをおかずに出される
 とうがらしをおかずにすることも
 休憩中は鶏を警戒する

【賃粉切り】
 葉煙草をきざむ職人

【取揚婆】
 産婆
 急いで来る
 急ぐときは大名行列も横断できる

【料理人】
 宴会のある個人宅へ出張して料理をする職人
 材料の使い方が大胆で良さそうな部位も平気で捨てる

【瞽女】
 遊芸で生計を立て、一団で諸国を廻る
 古川柳の世界ではセクハラの対象になりやすい

【坐頭】
 三味線や按摩を業とする
 宴会や屋形船に呼ばれる
 金貸しをして金を貯め、検校になるのが夢
 借金の催促はきびしい
 江ノ島参りをする(検校になる願掛け)

【検校】
 坐頭から勾当(五百両)をへて、千両の金を京都久我家に納めてなれる
 T字型の撞木杖を持ち紫の衣を着る
 旗本と姻戚になりたがる
 手を引くお供がついている
 江ノ島参りをする(検校になったお礼)


  ☆行商・路上の商売

【車引】
 御殿女中と仲が悪い
 女を見ると格好をつけたがる

【四つ手駕篭】
 吉原行きの特急
 吉原行きの時チップを要求し色々文句をいう
 息杖という杖を持つ
 客の下駄をかける折釘がついている
 相棒を棒組という
 品川では見世に直接乗りつけられた(吉原は大門まで)

【傀儡師】
 子供相手の大道芸人で、飽きられ消え行く商売
 最後に鼬を出す

【三河万歳】
 三河から来る太夫と年末の才蔵市で現地調達する才蔵のコンビでする正月の芸能
 素襖を着ている
 才蔵が卑猥な仕草をするので嫁は逃げる
 才蔵は座っている時はおとなしいが立つと多弁・卑猥になる

【節季候(せきぞろ)】
 年末(報恩講頃から年末)に現れる物乞いの一種
 編笠をかぶり宝尽しの紙の前垂れをしている
 竹を叩き囃しながら祝詞を唱えて門内に躍り込む

【鳥追】
 正月に来る門付の女芸人

【馬方】
 馬が腹太鼓をする

【飛脚】
 十七屋が有名(十七屋は固有の屋号)

【地紙売り】
 扇に貼る紙を売る(夏の商売)
 放蕩あげくの色男や陰間あがりが多い
 頭にかぶった手ぬぐいの端を口に含む

【黒木売り】
 洛北の八瀬や大原から出て生木を蒸した黒木を売る
 黒木を頭にのせている
 牛を連れていることがある

【小間物屋】
 化粧品などを訪問販売する
 怪しい商品も扱う

【見倒し屋】
 古物商
 古道具を買い叩く

【貸本屋】
 風呂敷で背負って得意先をまわる貸本屋
 好色本も

【竹馬】
 古着行商
 端に赤い布をつけた竹馬を持ち歩く

【絹売】
 絹の行商人
 大金を持っているので強盗に襲われやすい

【薺売り】
 正月六日に薺を売る
 老人か子供

【でれん】
 下駄の歯入れ

【あるき】
 村役などの使い走りをする小者
 始終あちこち動き回っている

【定斎屋】
 真鍮の金具の付いた薬箪笥をかついで歩く
 暑気あたりの薬を売る
 炎天でも笠をかぶらない

【姫糊売】
 老婆が売り歩く
 店の場合は丸い曲げ物の看板

【夜蕎麦売】
 一杯十六文
 迷子や駆落をみなかったか訊かれる
 賭場近くへ来る(よく売れるので)

【古骨買】
 古傘を回収
 一本古傘を持っていないと棒を持っているだけで何屋か不明


  ☆宗教

【和尚】
 後家に手を出す
 「囲れ」という妾を路地などに囲っている
 吉原や品川にいく時は医者に変装する
 (増上寺の僧は高輪で着替えて品川へいく)
 谷中感応寺門前の私娼街いろは茶屋(よしずのすだれが特徴)や芳町の陰間茶屋のお得意
 遊里では「山」「玄」と呼ばれる
 正月の4日以降に檀家の年始に寺納豆を持っていく
 盂蘭盆の棚経で廻れる限り廻る
 伊勢神宮参拝時は附鬢をつける

【囲れ】
 和尚の隠し妾
 目立たぬ路地住まい
 もとは貧乏で手に職がある
 僧の妻帯は罪なので周囲の住人に気をつかう

【大黒】
 和尚の妻

【納所】
 寺の会計や雑務を担当する僧
 俗人がする場合俗納所という

【所化(しょけ)】
 修行中の僧
 歳暮や年始で檀家に納豆を配る

【僧正】
 緋の衣

【釜払(釜じめ)】
 巫女の類いで、月末に台所で火をたき鈴を持って舞いへっついのお祓いをする
 山伏の女房(照日の巫女という)など年配の巫女が多い

【梓・梓弓】
 死んだ人や生きた人の霊の口寄せをする巫女
 その場で「唐の鏡」は母や妻をさす

【神楽巫女】
 神社の神楽堂で神楽を舞う巫女
 客寄せのため美人が多い
 観客は十二文のおひねりを投げる
 百文出すと剣を持って舞う
 千早と緋の袴

【虚無僧】
 編み笠を被り尺八を吹き門付をする
 下総小金の一月寺から来る普化宗の僧
 浅草東仲町(浅草寺広小路の向かい)に一月寺番所あり
 敵討ちや女敵討ちの敵を探すための仮の姿

【伊勢の御師(いせのおし)(御師)】
 御祓箱と伊勢暦を配る(ひじきも)
 下級の大神宮神職で年の暮に伊勢から来る
 上下を着ている

【鉢たたき(茶筅売り)】
 年末に鉦や瓢箪を叩き勧進する半僧半俗の空也僧


  ☆その他

【配当座頭(はいとう)】
 祝儀不祝儀の家を廻り金を貰う

【松右衛門(まつえ)(えもん)】
 凶事慶事の家におしかけ金品や酒をねだる

【通り者】
 博打打ち
 口中に小粒銀を含んでいることがある
 盆に借金逃れに大山詣りをする


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