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ECM NEW SERIES の歩み
A NEW SERIES TIMELINE

Album cover reproduced by courtesy of ECM Records, Munich
●ジャケット写真はECM Recordsの許諾のもと、掲載しております。(musicircus


 
2004
 
 ティグラン・マンスリアン Tigran Mansurian の魂の奥底から響く音楽を集めて、キム・カシュカシャン Kim Kashkashian が奏で上げた一枚。本作は、ひいき目で見なくとも、彼女のアルバムを通じて最も印象的な作品といってよいでしょう。《モノディア Monodia》では、ヤン・ガルバレク、レオニダス・カヴァコス、ヒリヤード・アンサンブル、クリストフ・ポッペン指揮ミュンヘン室内オーケストラ、そしてもちろんキム・カシュカシャン自身の演奏がフィーチャーされています。ここにまさしく重要な声明が発せられたのです。

ティグラン・マンスリアン
「モノディア」

[ヴィオラ協奏曲「…そして私は再び時間に取りつかれた」]/ヴァイオリン協奏曲/ソプラノ・サクソフォンとヴィオラのための「ラクリメ」/ヴィオラと四声のための「信仰告白」]

キム・カシュカシャン(ヴィオラ)/レオニダス・カヴァコス(ヴァイオリン)/ヤン・ガルバレク(サックス)/ヒリヤード・アンサンブル/ミュンヘン室内オーケストラ/クリストフ・ポッペン(指揮)

ECM New Series 1850/51
 
 オーストリア出身のピアニスト、ティル・フェルナー Till Fellner の登場です。バッハの平均律クラヴィーア曲集を、非常に思慮深く、同時に感性豊かな観点に立って奏でています。巨匠アルフレッド・ブレンデル Alfred Brendel はこう語りました──「彼はバッハを異なったやり方で演奏している。そして、おそらく、それを私よりも上手くやり遂げている」。

J.S.バッハ
「平均律クラヴィーア曲集
1巻」

ティル・フェルナー(ピアノ)

ECM New Series 1853/54
 
 トリオ・ミディーヴァル Trio Mediaeval の2枚目となるアルバム《ソワール、ディテル(夕べ、彼女は言った) Soir, dit-elle》では、現代作品と古い時代の作品との比率が前作と逆になっており、ギャヴィン・ブライアーズ Gavin Bryars とアイヴァン・ムーディ Ivan Moody がこの3人の女性歌手グループのために書いた作品が含まれています。成功をおさめたデビュー盤と同様、本作もとりわけアメリカにおいて非常に大きな反響を呼び起こしました。

トリオ・ミディーヴァル
「ソワール、ディテル(夕べ、彼女は言った)」

ECM New Series 1869
 
 エレニ・カラインドルー Eleni Karaindrou がテオ・アンゲロプロス監督の映画作品『エレニの旅 The Weeping Meadow』ために書いた音楽は、個性的かつ叙情的、悲劇的な響きの色彩で覆われています。彼女の音楽を奏でる演奏家たちは、これまで十年以上にわたって彼女と緊密な共同作業を続けて見事な成果を実証していますが、本作でも、哀しく痛ましい、感覚に強く訴える演奏を行なっています。

エレニ・カラインドルー
『ウィーピング・メドウ』
(テオ・アンゲロプロス監督作品『エレニの旅』のための音楽)

ECM New Series 1885
 
 ヒリヤード・アンサンブル Hilliard Ensemble の活動30周年を祝して、かれらのECMでの20枚目にあたる新作、神秘的でうっとりした夢想へと誘うマショー Machaut のモテット作品集がリリースされました。

ギヨーム・ド・マショー
モテット作品集

ヒリヤード・アンサンブル

ECM New Series 1823
 
 ヴァレンティン・シルヴェストロフ Valentin Silvestrov による《ラリッサに捧げるレクイエム Requiem for Larissa》。作曲者の亡き妻への追悼曲ですが、「現代に作曲された最も重要なレクイエムのひとつ」として賞賛されるべき作品です。

ヴァレンティン・シルヴェストロフ
「ラリッサに捧げるレクイエム」

ウクライナ国立合唱団“ドゥムカ”/ウクライナ国立交響楽団/ヴォロディミール・シレンコ(指揮)

ECM New Series 1778
 
 ギヤ・カンチェーリ Giya Kancheli 特有の力強さを備えた作品《ディプリピト Diplipito[訳註=ディプリピトは、グルジア全土に見られる2つの陶製の太鼓を組み合わせた楽器]。チェロ奏者トーマス・デメンガ Thomas Demenga と、カウンターテナー、デレク・リー・レイギン Derek Lee Ragin をフィーチャーした作品です。

ギヤ・カンチェーリ
「ディプリピト」

[チェロ、カウンターテナーとオーケストラのための「ディプリピト」/ピアノと弦楽合奏のための「ワルツ・ボストン」]

トーマス・デメンガ(チェロ)/デレク・リー・レイギン(カウンターテナー)/シュトゥットガルト室内管弦楽団/デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮、ピアノ)

ECM New Series 1773
 
 ヘルムート・ラッヘンマン Helmut Lachenmann が社会への異議申し立てとして作曲した世紀末オペラ《マッチ売りの少女 The Little Match Girl》は画期的な出来事でした。その「東京ヴァージョン」のCD化です。この録音は、ラッヘンマンが生み出す根本的に詩的な音楽の生成過程を、これまでにない洞察力によって明らかにしています。

ヘルムート・ラッヘンマン
音楽劇『マッチ売りの少女』
(東京ヴァージョン)

森川栄子、ニコール・ティッベルス(ソプラノ)/菅原幸子、辺見智子(ピアノ)/宮田まゆみ(笙)/ヘルムート・ラッヘンマン(語り)/シルヴァン・カンブルラン(指揮)/
SWR交響楽団/他

ECM New Series 1858/59
 
 「ルイ・ステーを讃えて Hommage á Louis Soutter」というサブ・タイトルが付されたハインツ・ホリガー Heinz Holliger のヴァイオリン協奏曲では、このスイス人の画家と音楽家ユジェーヌ・イザイ Eugène Ysaÿe との交流が考察されています。「経歴的」な構成で組み立てられた、迷宮を思わせるこの作品において、たえず中心に位置して主役を演じているのが、並外れた嗅覚と強度を併せ持つトーマス・ツェートマイアー Thomas Zehetmair です。ツェートマイアーは本アルバムで、まるでそれが自らに課せられた使命でもあるかのように、巨大な壁として聳えるユジェーヌ・イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタをも演奏しています。

ハインツ・ホリガー
「ヴァイオリン協奏曲」

[ハインツ・ホリガー:ヴァイオリン協奏曲「ルイ・ステーを讃えて」/ウジェーヌ・イザイ:ヴァイオリン・ソナタ
3番「バラード」]

トーマス・ツェートマイアー(ヴァイオリン)/南西ドイツ放送交響楽団/ハインツ・ホリガー(指揮)

ECM New Series 1890
 
 アルバム《聖歌、讃歌と踊り Chants, Hymns and Dances》は、アニヤ・レヒナー Anja Lechner とヴァシリス・ツァブロプロス Vassilis Tsabropoulos によって届けられた、グルジェフ George I. Gurdjieff の音楽に対する新しい自由の領域です。本作には、古代ビザンチンの讃歌に基づいたツァブロプロス自身の作品も収録されています。

G.I.グルジェフ/ツァブロプロス
「聖歌、讃歌、舞踊」

アニヤ・レヒナー(チェロ)/ヴァシリス・ツァブロプロス(ピアノ)

ECM New Series 1888
 
 


(c) ECM Records, Munich. Used by permission.

 
  ※本記事は、ECM のウェブサイトで発表されたテキストを、著者スティーヴ・レイク氏ならびに ECM Records の許諾を得て翻訳掲載するものです。musicircus  

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