「飛 行」
Poem by 鬱樹
私の乗ったこの飛行機が
冷たい海に落ちたとしたら
凍えてひねり潰される前に
時間を越える扉を抜けて
どこまでも逃げよう
沈み込んだ闇の奥で
機体は魚の住処となり
私は幾千年の化石となり
地上からヒトがいなくなり
空から星が降りしきる
速さを増した星とともに
やがて何かが訪れて
逞しくうねる蒼の波と
風になびく緑に曳かれ
ブンメイの碑を探し当てる
それはコンピュータではなく
ましてや消費社会でもない
崇めるように強固な建物と
大地から創られた道具と
幾千年も生き続ける
私の骨
私が選んだこの飛行機に
過ちが潜んでいたとしても
消せない迷いを浮力に変えて
どこまでも飛んでゆく
太陽が何度消え去っても
この身体ほど確かなものはなく
この心ほど自由なものはないから
comment
だからもっとしなやかに
生きてゆきたいんですけどね。