「それでも」 Poem by 鬱樹

 

薄雲が広がる空に

蹴り上げられた靴は

季節の風を受けて

遠く高く舞い上がり

だけど最後には落ちてゆく

 

私たちはそんなふうに

空に手を強く伸ばし

仰ぎ見る希望に向けて

遠く高く跳び上がっても

結局最期には死んでしまう

 

君はその思いに沈み込み

この先何十年かに増え続ける

眠るまでの憂鬱を振り切って

羽根を生やして飛んでいった

あの薄雲の向こうに

 

幸せになれる保証なんてどこにもない

血に流れる悲しみの行き場もない

胸に空く虚しさだって埋まらない

 

存在さえ揺らぐ私たちに

最初から生まれてきた意味なんてなかったのかもしれないけれど

 

それでも生きていて欲しかった

 

 


 

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今朝咲いた花の色

昨夜見た星の空

日陰に涼むお隣の猫

よく煮込んだカレーの匂い

電話から聞こえる笑い声

 

たったひとつでもいいから

かけがえのないものを持って生きること

 

※背景は『Nature』(空の写真素材集HP)よりお借りしました。

 


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