「メ ザ メ」

Poem by 鬱樹

 

 

満ちた玉ねぎを刻んでる

ひとりぼっちのキッチンで

目が痛むこの瞬間に

どれだけの人が泣いているのか

手から転がる音に連れられ

心が内を彷徨い始める

 

窓の外のもっと遠くの

熱砂の国や雪の国

色のある人やない人も

怯えてるのはみな同じ

生きてる時間の皮を剥いて

最後に芯がなかったらどうしよう

玉ねぎみたいじゃなかったらどうしようって

 

 

空っぽのキーボードを叩いてる

換気の良くないビルの中で

首がきしむこの瞬間に

どれだけの人が報われないか

背伸びのように天を仰げば

もう考えが駆け出している

 

たったひとつの水で繋がる

言葉も距離も分からない国

お金のある人やない人も

怯えてるのはみな同じ

残った時間を叩き続けて

記録の山に埋もれたらどうしよう

何も残らなかったらどうしようって

 

 

キッチンで

ビルの中で

乾いた大地や風の丘で

目覚めを待つのはみな同じ

愛によく似た毛布を抱え

怖い夢からいつかは自由に

 

 

 


 

comment

 

ヒトは自然から乖離したその日から

”生きる意味”とか”自分の価値”なんてものを求め始めた

他の動物たちはただひたすら

生まれて、必死で生き抜いて、果てで大地に還る

そこには種の保存以外に

”意味”や”価値”が見えるかい?

 


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