「溜め息の隙間から」
Poem by 鬱樹
狭いエレベーターの中で
目がじわじわと乾いてくる
壁が迫ってくるようで
思わず天井のファンを見上げる
扉が開いたって何処も同じ
降りたいと思う場所じゃない
最上階まで行ってそれから次は?
地下のボタンを押すしかない
重力が胃の中で渦巻く
空気が足りなくて唾を飲み込む
早く次の場所に着いて欲しいと
願っていないことに気付いて
急に誰かに謝りたくなった
箱は駐車場で止まり
仕方なく足を踏み出す
一番小さな車を捜して
静電気を気にしながら鍵をさす
ダッシュボードに入れた地図は
一度も使ったことがない
トランクの中の荷物だって
いるのかいらないのか分からない
時々知らない場所に行きたくなる
いつもと違う方向に曲がってみる
狭い道に入り込んでしまうと
やっぱりここも”箱”だと気付いて
誰かにハンドルを譲りたくなった
フロントガラスの空に
雲が被さる
雨が落ちる
稲妻が刺さる
電線が揺れる
高層ビルが鳴る
大好きな歌を歌う
ヤケだとは思わないで
眠れないほどの期待の嵐は
きっと溜め息の隙間から生まれる
だから諦めない。
comment
「溜め息の隙間」
2000年君はとっても宙ぶらりん
20世紀の”大トリ”のはずなのに、終末感は1999年君の方が目立ってたし
2000年代のトップバッターだけど、新しい世紀の仲間には入れないし
行き場のない2000年君の気分は、きっとこんな感じ(大嘘)