「この風は なに」
Poem by 鬱樹
冷たくも暖かいこの風は なに
胸の塊を砕くように厳しく
ささやかに痛いこの風は なに
背中の羽を持ち上げるように強く
光のように駆けるあの鳥は なに
描いた直線は暗闇でも眩しく
孤独をおそれないあの鳥は なに
希望の歌を忘れることなく
どこからか聞こえるこの旋律は なに
美しさと神秘に満ちた世界
私たちを包みこむこの旋律は なに
小さなぬくもりが輝く世界
溜め息
嘆き
もうダメかもしれない
諦めかけている
それでも
夜のしじまを破るこの陽射しは なに
私はまだ始まったばかり
激しく大地を叩くこの陽射しは なに
震えはつたない足に伝わり
生きてく力を揺り起こすのです
comment
美しいものとそうでないもの
醜いものとそうでないもの
それらが混濁するこの世界
目の前に辛い景色が広がるとき
誰かの前には仄かな幸せが灯ると
信じて
信じて