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KTX特設コーナー




2004年4月に開業した韓国の高速鉄道(KTX)のコーナーです。

釜山駅で出発を待つKTX


列車の前後に電気機関車(+1両の補助のモーター、機器室付きの客車)が付く
いわゆるプッシュプル方式。乗客が乗る客車部分には(機関車の後ろに連結されて
いる客車を除けば)新幹線などの各車両にモーターがある方式と違いかなり静か。

まずは切符購入。
切符売り場のモニター
KTX開業に合わせて韓国の鉄道も色々な面が改良されたがこれもその一つ。
窓口で購入するとき端末の画面が窓口氏が見ているものと同じものがデュアル
画面で顧客側にも見えるようになっていて、あいている列車を指さすだけで切符が
買える。クレジットカードも使用可能だが、韓国の国内で発行されたカードは手前の
機械で自分で暗証番号を入れるのに対して、海外発行のカードは暗証番号方式で
ないので、事前に海外カードと行って渡さないとならない。(殆どの係員は分かって
いたが一回国内のカードのやり方でやってエラーになって使えなかったことがあった)

画面のデザインなどはインターネットのサイト(韓国語版英語版)と同じなので、
わかりやすい。(因みに左側が一般室、特室の残席数)なお釜山駅(多分ソウル駅
にも)には外国人優先窓口があり英語が話せる丁寧な係員がいる。(他の窓口でも
紙に書けばいい話ではあるが)以前に比べて鉄道庁の係員の応対が非常にソフト
になった感じがする。

料金は従来のセマウル号と比べて2割高、ムグンファの倍。もともと割安感から
ムグンファに人気があったが,韓国の交通機関全般の運賃が安いこともあって
KTXは割高感が否めない。ソウル〜大田、釜山間の各交通手段の費用(単位:ウォン)
と所要時間を比較した。

ソウル〜大田間 所要時間 発車間隔 ソウル〜釜山間 所要時間 発車間隔
KTX(一般席) 19,700 55分 30分+α 45,000 2時間34〜52分 30分
KTX(特室) 27,600 同上 同上 63,000 同上 同上
セマウル号(一般席) 12,500 1時間50分 1時間 33,100 5時間(KTX開通前は4時間10分〜30分) 2時間(ムグンファと合わせると1時間)
ムグンファ号 8,400 2時間10分 1時間 22,300 5時間40分 2時間
飛行機 66,500 1時間(空港〜市内、チェックインを考慮すると2時間) 大韓とアシアナ合わせて30分
高速バス(優等) 10,200 2時間 10分 27,500 5時間50分 15分




自動改札機に切符を通していざホームへ。釜山駅では駅舎から奥の8・9番ホームから
発車。(昔はセマウル号が駅舎よりの1番線から発車でいかにも優等列車という感じ
だったのに・・・)どの駅も従来の列車とはホームが分かれている。但し新幹線のように
完全に別の鉄道のようではなく、改札も共通。

列車入り口。フランス直輸入なためデザインもおフランステイスト。
扉は外側にスライドし、閉まるときには埋まるタイプ。

一般室の車内:向きが固定(車両中央部に向いた集団見合い方式)されている座席が2-2配置で並ぶ。 特室の車内:向きが変えられる座席が2-1配置で並ぶ。
従来のセマウル号に比べれば格段に狭い一般室。とはいえ飛行機のエコノミークラスに比べれば広い。 特室のシート。足を投げ出しても当たらない程度、昔のセマウル程度は確保されている。

客車は高速性能を追求するため断面が小さい。また客車と客車の間に台車がある
連接台車方式なので長さも18メートル強と25メートルある新幹線と比べると車内が
狭く感じる。但し連接台車方式としては大きい(日本で連接台車方式を採用している
小田急ロマンスカーと比べるとかなり大きい)。この連接台車のため両端の床が斜め
になっている。連接台車方式は車輪の数が少ないため騒音は小さい。
(例:普通の車両がガタン・ゴトンとレールを刻むのに対しガタンの一回だけ)

座席は一般室は向きが固定式でちゃちな感じがする。この向きが固定式というのが
非常に不評らしいが、乗った限りではちょっと大げさに騒ぎすぎのような気がする。
(もともと私が後ろ向きが気にならない性格だからかもしれないが)韓国人だって前の
セマウルなどでグループで旅行するときは向かい合わせにしていたのだから、要は
慣れの問題だとは思うのだが・・・結局6月からは後ろ向き席は5%引きになるそう。
日本の新幹線でも3つの座席がくっついた部分が固定式のものが有ったが、一部
マニア以外はあんまり気にしなかったような気がする。

(一般席の座席)

シートピッチも狭いし、リクライニングも昔の国鉄の簡易リクライニングの要に手前にシートを
ずらすタイプで「倒れる」要素は少ない。テーブルは前の座席から引き出す方式でこれもやや
機能的でない気がする。と色んな意味で「お」フランス的要因てんこ盛りではある。とはいえ
飛行機のエコノミークラスと比べれば騒ぐほどのものではないでしょう。因みに客室内は全車
禁煙、喫煙コーナーのようなものもなし。(これは以前はデッキが喫煙コーナーだったセマウル
なども同じ)

KTXのトイレ
トイレ。オーソドックスではあるがやっぱり狭い

1編成は電気機関車+モーター、機器室付き客車(一般室)+特室客車4両+一般室11両
+一般室自由席1両+モーター、機器室付き客車(一般室自由席)+電気機関車の20両の
構成。車内にはジュースやスナックの自販機は有るが食堂車やスナックカーはなくて残念。
ホームに弁当販売店があるのと車内で海苔巻きを売っていた。車内販売はたまに控えめに
静かにやってくる。特室にはドリンクサービスがあってジュースや缶コーヒー、ミネラルウォーター
等を選ぶことが出来る。あとはホドカジャ(クルミ型の焼き菓子)売りが車内を回っていただけ。
ホドカジャ売りも遠慮がちに「ホドカジャ、ホドカジャ」とつぶやいているだけなので目立たない。

さていざ出発。韓国国鉄は在来線の軌道幅もKTXと同じ1435mmなので、電化されていれば
既存の設備を使える。そのためソウル〜光明、大田駅付近市街地、東大邱駅付近市街地〜
釜山駅間は在来線をそのまま走る。
そのため最初に乗った釜山〜東大邱間では特に変わった印象は持たなかった。
違うとすれば、非常に静かだということ。これは前述した動力集中プッシュプル方式と連接台車の
恩恵によるものと思われるが、もう一つ空調機の吹き出し口が窓の脇に設けられていることも大きい。
ここから出てくる空調の音が走行音をかなり消している。



(窓の脇の空調吹き出し口)


シートポケットには非常口などが書かれた「安全のしおり」が、そしてモニターにも非常用設備の使用方法が
流れる所は飛行機のようだ。扉が開かないときなどは専用のハンマーで窓を割って外に出るのだが、モニターの
ビデオでも実演してくれる。それによると紙みたいにシート状に割れるガラスになっているようだ。
次に乗った東大邱〜大田間は市街地は既存線をかなり長い間走るが郊外に出ると専用線に入り、
いよいよ本領発揮。この区間は峠越えが有ることもあってトンネル区間が多い。日本の新幹線も
そうだが車窓自体はトンネルが多くてあまりいい見栄えはしない。

さて高速走行に入っても、くどいようだが客車にはモーターがないので頑張って走っていますという
感じがあまりしない。しかし架線支柱が飛んでいく様子はまさに高速鉄道といった感じである。
やはり振動や走行音は在来線をそろそろ走っている時とだいぶ違う。途中金泉付近に高層アパート
群が建っているのを除けば、農村地帯を飛ばしているなと思っていたらもう郊外に来て徐行開始。
計画されているが財政難その他で着工が遅れている大田、大邱市街地の(さらには大邱〜釜山間
の)専用線建設が進めば、もう少し高速性能を活かすことが出来るのにな、と当たり前のことだが、
既存設備を有効利用できるという点は逆に高速性能を生かし切れない事をも意味するので、この辺は
難しい所だ。

すれ違うKTX。専用線部分はトンネルや高架が多いが、盛り土部分も多い。


東大邱駅

大田駅。KTX開業に合わせ各駅はガラスを多用した建物に改装して駅の雰囲気も
明るくなった。

東大邱駅の内部。発車案内表示 大田駅の切符売り場。
東大邱駅の駅名表示
大田駅待合室。韓国独特の街頭テレビは健在 KTX開業に合わせて駅名表示なども新しいデザインに
車掌が乗降時にご挨拶。左に客車間の連接部分にある連接台車とその空気バネが見える
ソウル駅は従来の駅舎の南側に新築された駅舎を使用。 ソウル駅も他の駅同様ガラスを多用した明るい造り。

ソウル駅は、地下鉄駅と駅前広場の駅からエスカレータで直結されている。エスカレーターを上ったところが2階のホールなのだが
KTXの改札口は更にエスカレータを上った3階。紛らわしいことに、セマウル、ムグンファの改札は2階中央にある。2階のホールは
当日、前売りに分かれた切符売り場、中央に改札口と観光案内所(外国人案内所も)、ホテル予約などの旅行社、両替も出来る銀行
(但し営業は17:00まで)奥に鉄道会員専用窓口という配置。ホールの右手にはハンバーガーショップなどのファーストフード、
3階には軽食などのフードコートがある。旧駅舎との間にはロッテが経営するアメリカ式の巨大スーパーがあり食料品などのお土産が
買える。 


今回のKTX開業に合わせて韓国国鉄はダイヤ改正を行った。
KTXが走る京釜線は在来列車のセマウル号やムグンファ号が残るものの
本数が大幅に削減。セマウル号の停車駅はムグンファ号の停車駅と同等に
増加、ムグンファ号との差があまりなくなり、往時にはソウル−大田−東大邱−
釜山にしか停まらなかった看板列車も随分寂しい存在になってしまった。
KTXに連絡する形で東大邱〜慶州〜ウルサン間には区間運転のセマウル号が
運転されるようになった。
東大邱駅で出発を待つセマウル号
看板列車の座を降り寂しげなセマウル号

セマウル号の車内。特室無料開放だった。ぴかぴかのKTXから乗り継ぐと
車内もうらぶれた感じがする。

また今回トンイル号が廃止されたため、従来都市周辺の短距離をトンイル号として
走っていた列車は通勤列車と名前を変え、ディーゼルカーによる運行になった。
一方、長距離のローカル線はムグンファ号となったため、各駅停車のムグンファ号
というのが存在するようになった。


慶州→釜田のムグンファ号の車内


釜田に到着したムグンファ号。最後尾は電源車。

KTX開通に合わせて乗車券も自動改札対応のものに変更された。
下は東大邱→大田、特室利用の際の切符。なお切符は領収書として使用するため、
降車時に申し出れば自動改札機に通さず出してもらえ、記念として持ち帰ることが出来る。


さてKTXの開業によりKTXが停まらない区間や慶州に行くときなど列車を
乗り継ぐケースが生じるが、KTXと在来線の切符を同時に購入すると乗り継いだ
在来線部分が30%割引になる制度
が導入された。下は乗り継ぎ切符。



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