新刊・新着情報・九州クマ問題・調査報告書等・クマ一般・野生動物全般・図鑑類・その他
新刊・新着情報 New!
- 「イノシシから田畑を守る おもしろ生態とかしこい防ぎ方」 江口祐輔、2003、農文協
- 「山の畑をサルから守る おもしろ生態とかしこい防ぎ方」 井上雅央、2002、農文協
一般
「祖母大崩山群に於ける熊の過去帳とかもしか」 加藤数功、1959、「祖母大崩山群」(加藤数功・立石敏雄、しんつくし山岳会)P94-108
九州産クマ問題の原点とも言える、戦前のクマ捕獲の貴重な記録。(「戦前の記録」参照)
「九州動物紀行」 仁科邦男、1978、葦書房(ぱぴるす文庫08)
九州のクマに関して記述されている数少ない一般出版物のひとつ。
「ツチビノキ」(県北の自然を語る会会報) 1989年創刊、県北の自然を語る会・工藤寛(宮崎市)
「九州のクマ追い人」の一人・工藤氏が主宰する同会の会報で、しばしばクマ問題が記事になっている。(引用文献一覧参照)
郷土史料
「高千穂採薬記」 賀来飛霞、1845
江戸時代の草本学者による貴重な記録で、2ヶ所にクマに関する記述がある(「戦前の記録」参照)。古文書だが、その解説にあたる「高千穂採薬記の周辺」 (澤武人、1997)と共に「みやざき21世紀文庫 19」(1997、鉱脈社)に収録されている。
「高千穂町史」 高千穂町、1973
「高千穂町史・郷土史編」 高千穂町、2002
いずれもクマ問題についてそれほど詳しいくはないが、町内での記録に言及してある。
「宮崎県史 資料編 民俗1」 宮崎県、1992
「日之影町史」
両書は郷土史書類としては比較的クマ問題に詳しい。一般には参照しにくい書籍だが、これらの内容は一本化されて、下記「宮崎の狩猟―その伝承と生活を中心に」に掲載されている。
「宮崎の狩猟―その伝承と生活を中心に」 山口保明、2001、鉱脈社
宮崎県内の狩猟(特にイノシシ狩り)について、主に民俗学的な視点からまとめたもの。クマに関しては「祖母山麓の熊狩り」という一節が設けられているが、その内容は「宮崎県史」「日之影町史」(上記)に掲載された関連内容を一本化したもの。新しい内容はほとんどないが、一般書籍で参照しやすくなった。
「宮崎県観光要覧(2003年版)」 宮崎県、2003
各地の観光資源となりそうな諸々のものの情報集だが、そのなかの野生動物のページでクマが掲載され、現状について「熊発見の情報は寄せられているが、確認はされていない。」とし、「絶滅」という言葉は一度も使われていない、という実に妥当な表現になっている。
調査報告書ほか
「大分県祖母・傾山系で捕獲されたツキノワグマについての緊急調査報告書」 土肥昭夫(九州大学)ほか、1988、大分県緑化推進課
1987年に大分県緒方町で射殺されたクマの解剖・現地調査などの結果報告。このクマが野生のものかどうか、九州産かどうか、についてが大きな焦点になっているが、概ね「野生・九州産であろう」との結論になっている。
「九州のツキノワグマ・生息の可能性を求めて」 土肥昭夫、1988、雑誌「アニマ」(平凡社)、1988(10) P34-35
上記「大分県祖母・傾山系で捕獲されたツキノワグマについての緊急調査報告書」 の概略を一般向けにまとめたもの。なお、同号の「アニマ」誌はツキノワグマが特集されている。
「昭和63年度九州地方のツキノワグマ緊急調査報告書」 野生動物保護管理事務所、1989
1987年の大分県緒方町でのクマ射殺を受け、環境庁(現環境省)の委託事業として実施された現地調査の報告書。祖母・傾山系だけでなく、九州山地も含めた九州産クマの生息の可能性を検証している。
「九州のツキノワグマの最近の情報」 土肥昭夫(九州大学)・馬場稔(北九州市立自然史博物館)、2000、日本クマネットワークニュースレター「Bears Japan」Vol.1(3), p35-37
2000年3月〜6月の期間、祖母傾山系で発生したクマ目撃、糞等の発見談についてまとめられたもの。
「九州におけるクマの激減とクマのタタリ」 栗原智昭(MUZINA Press)、2003、日本クマネットワークニュースレター「Bears Japan」Vol.4(1), p2-6(本サイトで公開中)
拙著。古文書から得られた情報から、九州でクマが激減した年代を江戸時代の終盤ごろと推定。また、クマのタタリの伝承やクマ塚の風習の起源もこの時期なのではないか、とする説をまとめたもの。「ツチビノキ」(県北の自然を語る会会報)8-9号(2003)、p12-17にも転載。
関連調査報告書など Report
自然環境保全基礎調査関係
「第2回 自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書(哺乳類)全国版」 環境庁、1979
日本初の全国を網羅的に調査した野生動物分布調査報告書。都道府県レベルの聞き取り調査を集計したもの。初の試みでもあり、調査精度など諸問題について反省点が付記されている。九州のクマについては「確実な生息情報は得られていない。」と記されている。閲覧は生物多様性情報システム(J-IBIS)へ。
「第2回 自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書(哺乳類)全国版(その2)」 (財)日本野生生物研究センター、1980
前年の調査結果を踏まえ、専門家の所見をまとめたもの。ツキノワグマについては文化庁記念物課の花井氏が寄稿し、九州では「すでに絶滅したものとみなしてよい。」との見解を示している。閲覧は生物多様性情報システム(J-IBIS)へ。
「第4回 自然環境保全基礎調査 動植物分布調査報告書(哺乳類)」 環境庁、1993
ツキノワグマに関する記述では「絶滅あるいはほぼ絶滅状態とされる四国、九州からも情報があり、今後これらの地域でのさらに詳しい調査が望まれる。」とある。閲覧は生物多様性情報システム(J-IBIS)へ。
日本版レッドデータブック
「日本の絶滅のおそれのある野生生物(脊椎動物)」 環境庁、1991
日本で最初の動物に関するレッドデータブック。九州のツキノワグマは「保護に留意すべき地域個体群」とされている。データ検索は生物多様性情報システム(J-IBIS)へ。
「改定 日本の絶滅のおそれのある野生生物(哺乳類)」 環境省野生生物課、2002、(財)自然環境研究センター
改訂版のレッドデータブック(データは1998年に「レッドリスト」として公表)。九州のツキノワグマについては1991年の旧版以降議論があったようだが、旧版同様「絶滅のおそれのある地域個体群」とされている。データ検索は生物多様性情報システム(J-IBIS)へ。
各県版レッドデータブック
「熊本県の保護上重要な野生動植物―レッドデータブックくまもと―」 熊本県希少野生動植物検討委員会、1998、熊本県環境生活部自然保護課
「宮崎県版レッドデータブック・宮崎県の保護上重要な野生生物」 宮崎県版レッドデータブック作成検討委員会(編)、2000、宮崎県環境科学協会
「レッドデータブックおおいた〜大分県の絶滅のおそれのある野生生物〜」 大分県自然環境学術調査会野生生物専門部会、2001、大分県生活環境部生活環境課
九州各県のツキノワグマを「絶滅」と断定した初めての公文書。熊本県、宮崎県(いずれも「絶滅」)に続いて、大分県が「野生絶滅」の扱いとした際は、「九州産ツキノワグマの事実上の絶滅宣言」として話題を呼んだ。
そのほか
「動物調査報告書(県北地域)」 宮崎県、1982
県が発行した調査報告書。ただし、調査内容は鳥類に偏り、哺乳類の現地調査はネズミ類のみ。掲載されている「宮崎県北部の哺乳類目録」にはツキノワグマはもちろん、ニホンカモシカ、ヤマネ、アナグマ、コウモリ類などが欠けている。これが正式な報告書として通用したことにショックを覚える。
「滅びゆく森の王者―ツキノワグマ」 岐阜県哺乳動物調査研究会(編・著)、1993、岐阜新聞・岐阜放送
自然・野生動物愛好家である同会の会員たちが持ちまわりで書いた、クマにまつわる様々なテーマの新聞記事をまとめたもの。自然科学的な話題より、猟師たちからの聞き取り調査に基づく民族学的な話題が充実。また小中学校教員の会員が多いという同会らしく、クマ問題を学校教材として取り入れる試みが紹介されている。
「山でクマに会う方法」 米田一彦(日本ツキノワグマ研究所)、1996、山と渓谷社
筆者の豊富なフィールドでの体験を基に、ツキノワグマの生態について一般向けにまとめられた一冊。クマに出会いたい人はもちろん、クマに出会いたくない人にもオススメ。
「四季・クマの住む森」 米田一彦、1997、中央法規
上記の「山でクマに会う方法」を児童向けに要約したような本。小学生高学年〜中学生向けだろう。学校の図書館にはオススメ。
「生かして防ぐクマの害」 米田一彦、1998、農文協
ツキノワグマの被害防止と保護をどう両立するか?現状で考えられる最善の方法を紹介。クマの生態などについてもきちんとまとめられているマニュアル的な本。業務上クマと向き合わなくてはならない行政担当者などには超オススメ。
「ツキノワグマのいる森へ」 米田一彦、1999、アドスリー
筆者の豊富なクマ調査・対策経験をコンパクトにまとめたもの。上記「生かして防ぐ…」を要約したような内容。写真が豊富だが、今一つ見にくいのが残念。外見は絵本のようだが、高校生以上向けだろう。
「ベア・アタックス クマはなぜ人を襲うか T・U」 S・ヘレロ(嶋田・大山訳)、2000、北海道大学図書刊行会
クマ被害と被害防止策の先進地・北米のブラウンベア(グリズリー、ヒグマ)とブラックベア(ツキノワグマの近縁種)について、その被害の現状、背景などを解説した本。クマに殺された野生動物写真家・星野道夫の死についても解説。
「熊と向き合う」 栗栖浩司、2001、創森社
広島県戸河内町の職員として20年にわたってクマ問題に従事してきた筆者の経験と思いを綴ったもの。一般的な自然保護論とは一線を画し、行政マンとして地元住民の生活を最優先した独自のスタンスでクマ問題の核心に迫っている。文章も平易で読み易く、一般から行政関係者に超オススメ。
「奈須正幹の動物ものがたり4・みなぐろグマの森」 奈須正幹 (協力/今泉忠明)、2002、くもん出版
西中国山地を舞台にメスグマ「ミナグロ」の視点でその一生が描かれた物語。ツキノワグマの生態や今日のクマ問題がうまく盛り込まれている。小学校中級以上向けの児童書だが一般向けにも良し。
「熊から王へ」中沢新一、2002、講談社(講談社選書メチエ239)
宗教思想を専門とする筆者が、環太平洋地域に残る熊をカミ、あるいは人間と平等・対等な存在と考える「神話的」文化の真髄にせまっている。クマ文化を考えるなら必読。
「野生動物ウォッチング」 田中豊美、1994、福音館
日本の野生動物たちの生態や足跡・糞などのフィールドサインを丁寧に図解。体裁は絵本だが、内容も精度もハイレベルで、資料・図鑑として通用する。
「日本動物大百科1・哺乳類T」 川道武男(編)、1996、平凡社
日本の哺乳類全般についての一般向け図鑑・解説書類の中で、一番詳しいだろう。
「新アニマルトラックハンドブック」 今泉忠明、1998、自由国民社
足跡を中心に動物の痕跡についてのフィールド版ガイド。
「野生動物に出会う本」 久保敬親、1999、地球丸
写真家の筆者がまとめた日本の野生動物との出会い方。
「森の動物 出会いガイド」 子安和宏、2000、ネイチャーネットワーク
日本の山野に住む野生動物について、生態、痕跡、観察フィールドなどを紹介したフィールド版の一冊。
「野生動物問題」 羽山伸一、2001、地人書館
獣医師であり野生動物の研究と保護に長年携わってきた筆者が、害獣問題、希少野生動物問題などの諸問題について「動物自身の問題ではなく、人間社会のありようの問題」という視点で本質に迫り、法整備、行政システムなど、今日本に何が欠けているかをズバリ指摘する。多少専門的な語も出てくるが比較的読みやすい文体なので、害獣問題などで動物たちを目の敵にしているような方々にもぜひ読んでもらいたい。
「哺乳類観察ブック」 熊谷さとし、2001、人類文化社
野生生物の調査や自然観察会の企画運営などに長年携わってきた筆者が、歯並びの読み取り、足跡標本の採取など、フィールドでの経験からまとめた動物観察ガイド。学者がまとめた本とは一味違って面白い。P226には、栗原そっくりのイラストがあり、笑える。
「ニホンカモシカのたどった道」 小野勇一(九州大学名誉教授・北九州市立博物館館長)、2000、中央公論新社(中公新書1539)
「イノシシから田畑を守る おもしろ生態とかしこい防ぎ方」 江口祐輔、2003、農文協祖母・傾山系でニホンカモシカを追った動物学者の記録。
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