「高千穂神楽の夜は永く」 高千穂神楽拝観記

高千穂町三田井「浅ヶ部神楽」

(熊野三社大権現)

拝観日 場所 備考
2000/12/25-26 興梠某氏邸 全日程拝観

2001年12月25〜26日(「自然派宣言!/クマ探し日記」より抜粋)

 目覚めると外は薄っすら雪が積っている。こりゃ、寒くなりそうだ。弁当を大小2個、熱いお茶のポット、スナック、防寒具、撮影機材一式を用意。そうそう、焼酎2本も忘れちゃならない。この日僕が向かったのは山ではなく、高千穂町内のある集落。高千穂神楽のなかでも特に保守的とされるこの地区の夜神楽の日なのだ。「ここの夜神楽を見ずして、高千穂神楽を語るなかれ!」とは、高千穂神楽の調査を続けているO氏の弁だ。ここの神楽の全日程(約24時間)の撮影に挑戦する。

 この日の神楽宿(夜神楽の舞台となる民家)にたどりついたのはお昼ごろ。丁度、O氏もご到着だ。関係者への挨拶を済ませ機材を準備していると、間もなく最初の神事が始まった。ほしゃ(舞い手)、関係者、神官ら一同が集い、ピンとした空気が神楽宿を包む。

 本格的な神楽舞が始まったのは午後4時ごろ。この日の神楽宿は見物客用のスペースが特に狭く、その一方で人気の夜神楽ということで、多くの写真家、そしてTV取材がつめかけた。以前福岡で世話になった写真家S氏の姿も。僕はO氏と共に神楽宿一番乗りだったのに、遅くに来たオバちゃん連中に最前列席を奪われた。悔しいが、こっちも引くわけには行かない。2列目からオバちゃんの頭上や顔の横にカメラを突き出して、遠慮なくシャッターを切らせてもらう。最前列に陣取るならそのくらいは覚悟してもらう。

 フィルムは持っていたポジ(スライドフィルム)の在庫すべてを持ち込んだが、36枚撮り8本、24枚撮り7本しかない。本来なら36枚撮りで40本くらいは欲しいところだが、予算の都合でこれだけで全過程を撮りきらなくてはならない。コマを節約しつつ、要所を押さえる。隣りのO氏が神楽の進行を先取りしてアドバイスしてくれるので助かった。

 夜は冷え込み時折雪も舞った。外はとっくに氷点下だろう。吹き抜け状態の神楽宿は、中にいても気温がどんどん下がる。それでも見物客は減らず、窮屈な撮影状態は続いた。もちろん移動しながらの撮影など無理。時間の長さと共に、この寒さ・混雑は神楽撮影を難しくする要因だ。深夜になりウトウトし始めたオバちゃん連中の頭越しに撮影を続ける。が、明け方にはさすがに僕も睡魔に襲われはじめた。要所を落さないように、神経を集中させる。

 すっかり夜が明けた後、10時ごろからいよいよ終盤。これまで見ているだけだった見物客も行事に参加して、神楽宿全体が一体になった。これが夜神楽のクライマックスか!僕は丁度最後のフィルム1本でこの最終章を撮り終えた。11時すぎ、一同を前にしての神官の祈祷と挨拶で長い夜神楽の幕が降りた。空はすっかり晴れていた。足腰と目の疲れがひどい。

(後略)

 

「岩潜」の舞

「戸取」の舞


 

  番付表   実際の順番
彦舞 彦舞
太殿 太殿
神降 神降
鎮守 鎮守
杉登 杉登(前半)
      入貴神
      杉登り(後半)
      鎮守(子供)
地固 地固
      戸取(中学生)
幣神添 幣神添
武智 住吉
太刀神添 五穀
10 弓正護 10 八つ鉢
11 沖逢 11 弓正護
12 岩潜 12 沖逢
13 地割 13 袖花
14 山森 14 御神体
15 袖花 15 本花
16 本花 16 太刀神添
17 五穀 17 七貴神
18 七貴神 18 大神
19 八つ鉢 19 岩潜り
20 御神体 20 武智
21 住吉 21 山森
22 伊勢神楽 22 地割
23 柴引 23 日の前
24 手力雄 24 柴引き
25 鈿女 25 伊勢
26 戸取 26 手力雄
27 舞開 27 鈿女
28 日の前 28 戸取
29 大神 29 舞開
30 御柴 30 御柴
31 注連口 31 注連口
32 繰下し 32 繰下し
33 雲下し 33 雲下し

 ここで配布された番付表は、高千穂町が制作しているもの。式三番のあと、練習した子供たちに舞を披露してもらうため、番外の番付が加えられた。

 


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