「高千穂神楽の夜は永く」 高千穂神楽の謎(初歩的な…)

いつどこでやるの?


 そもそも夜神楽は何時何処で開催されるのか…??

 高千穂の夜神楽が行われるシーズンは「冬」である。まずはこれ、基本ね。元来農村・農民のお祭なんだから、農閑期でないと忙しいじゃん。だいたい11月中旬から2月中旬にかけて。

 高千穂町役場や観光関係の施設では、毎年そのシーズン中の神楽の予定表が配布されているし、該当するHPでも公開されている。たとえば、2001〜2002年シーズンの予定表によると、11月17日〜2月10日にかけ、同町内21ヶ所で「夜神楽」が行われることが紹介されてある。具体的は日取り&場所は毎年変わるので、こういった資料を参照してもらおう。

 誤解しないでほしいのだが、この21ヶ所全体でひとつの神楽行事…ではない。それぞれ一つ一つが完全独立完結した行事なのだ。もともと夜神楽奉納行事は、昔でいう「村」、つまり一つの神社を氏神として祭る地域共同体を単位とした「村祭」だった。現在ではこれが各公民館に属する地区単位の行事として受け継がれている。今でも各地区では、それぞれの「氏神」たる地区の神社から「御神体」を神楽宿にお招きして神楽奉納が行われるし、神楽の予定表にも地区ごとの氏神社名が明記されている。

 というわけで、「高千穂の夜神楽」とか「高千穂神楽」とかいう呼び方は、こういった各地区単位の神楽奉納行事の「総称」でしかないのである。

 それと、この予定表に紹介されているのは、そのシーズン中に「夜神楽」の形で行われる地区の数であり、かつてはもっと多かったし、近年でも年によって変動がある。「夜神楽」をやらなくなった地域では、略式の「日神楽」が行われたりするが、残念ながら、戦時中の人手不足などにより全く廃れてしまった地区が少なからずあるようだ。一般に農業従事者、農家が多い地区ほど夜神楽の維持に熱心だといわれている。

 各地区の日取りは、本来は「旧暦の○月○日」と決まっていたようだ。近年まで頑なに旧暦にしたがって開催する保守的な地区も存在したが、現在は週末(金・土曜日)や祝日の前日に設定されているのが普通。夜神楽の開催は、事前の準備からかなりの人手を要するので、また、見物人や観光客への便宜も含めこれは仕方のないところだろう。

 期間としては上記の通り11月中旬から2月中旬ということになるのだが、中でも11月下旬から12月上旬に集中し、この時期は毎週末に3地区くらいが重なったりする。近年は年末年始にはないのが普通で、1・2月の開催は週1地区程度。ただ、ずっと昔は旧暦12月3日(新暦で1月頃)の「猪掛祭」が終わった後、各村の祭=夜神楽が行われていたというので、新暦で言うところの1・2月頃に集中していたのではないかと思う。

 

 あ、そうそう、ひとつ断っておかないといけない。上記で説明したのは各地区の「村祭」として開催される「夜(日)神楽奉納行事」の話。というのも、神楽の舞が奉納されるのは何も、村祭だけではない。村祭以外でも、なにかお祝い事の席ではしばしば神楽舞の奉納(披露)がある(もちろん、こういう席で一晩中舞うわけではない)。

 お正月、各神社のお祭り、結婚披露、宴道路や橋の開通式(大規模な神楽舞のパレードが組まれたこともあったらしい)。要するに、高千穂のオメデタイ席には、神楽と焼酎が欠かせないのである。とはいえ、暑い最中に神楽の衣装や神楽面を着けて舞う…となれば、それは舞人にとっては、相当な「ヂゴク」らしいが。古文書にも真夏に神楽を舞った記録などが残っているようだ。

 

 さて、神楽が実際に執り行われる場所を「神楽宿(かぐらやど)」と呼ぶが、これは別項で。(神楽宿の謎)


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