「高千穂神楽の夜は永く」 高千穂神楽拝観記

高千穂町押方「五ヶ村神楽」

(中畑神社)

拝観日 場所 備考
2002/11/16-17 岩崎某氏邸 中盤以降拝観

2002年11月16〜17日(「自然派宣言!/クマ探し日記」より抜粋)

 山に入りたくなる良い天気。しかし、昼過ぎに向かったのは高千穂町西部の集落だ。この日は今シーズンの高千穂夜神楽の初日だ。(中略)

 神楽宿に一番乗りしていた「夜神楽男」O氏に続いて、神楽宿に到着。ベストポジションを確保。僕はこの日の集落の神楽はじめて拝見するが、飾り着けなどに独自のバリエーションがあるようだが、概ね典型的なバターン。午後3時半すぎ、身支度を整えた舞人たちが神社に集って最初の祭式が始まった。凛とした空気に包まれる。邪魔にならないよう数回シャッターを切ったが、僕は所用のため止む無く中座。

(中略)

 神楽宿に戻れたのは午後10時前。初日と言うことでなかなかの賑わいだ。O氏の隣に確保してあった席に座りこんで、カメラを構える。舞の内容は、高千穂神楽の一般的なタイプの範疇だ。ただ、「笑える」場面が多い印象。途中に挿入された「道化荒神」が笑わせてくれる「幣神添」、「七貴神」も他所に比べ笑える内容になっていた。もちろん定番のちょっとエッチな「御神体」は「これでもか!」と言わんばかりに笑いを誘う。その後の「餅まき」で粉だらけになったのには参ったが…。

 明け方は睡魔を堪えつつ、厳しい冷え込みに震えた。日が昇って朝8時半頃に終了。初霜が下りた寒い朝だった。居合せたフランス人の旅行者は、「アメリカ先住民の踊りにも似ている。」と随分感動したようだ。

(後略)

「岩潜」。女帯のように太い赤タスキが使われている。

「御神体」の「合体」の場面。神楽宿は大爆笑に包まれた。


  番付表   実際の順番
彦舞 彦舞(19:18開始)
太殿 大伊殿
神降 神降
鎮守 鎮守
杉登 杉登
      直会
地固 地固
幣神添 幣神添(前半)
武智   (道化荒神)
太刀神添   幣神添(後半)
10 弓正護 弓正護
11 沖逢 八鉢
12 岩潜 10 武智
13 地割   直会(夜食)
14 山森 11 七貴神
15 袖花 12 岩潜
16 本花 13 御神体
17 五穀 14 本花
18 七貴神 15 五穀
19 八つ鉢 16 住吉
20 御神体    
21 住吉   直会(御神酒)
22 伊勢神楽 17 柴引
23 柴引 18 伊勢神楽
24 手力雄 19 手力男命
25 鈿女 20 鈿女命
26 戸取 21 戸取
27 舞開 22 舞開
28 日の前    
29 大神    
30 御柴    
31 注連口   式(祝詞)
32 繰下し 23 繰下
33 雲下し 24 雲下(8:20ごろ終了)

 

 序盤は拝観できず、「地固」の途中から拝観(上表右欄の「彦舞」〜「地固」のデータ提供は高千穂町教育委員会・緒方氏)。配布された「番付表」は、高千穂町が制作している三田井地区向けのもので、上表左欄はこれを参照。整えられていた小道具などから察するに、何らかの事情で省略された番付がいくつもあるようだ(「乗り柴」や獅子頭が用意されていたが、それらを使用する「御柴」・「山森」がなかった、など)。聞いた話では、もともと33番はやらないようなので、「33番」にはそれほどこだわっていないのだろう。本文にある通りユーモラスな場面がたくさんあって楽しかった。

 衣装として他所で多用される「女帯」が使われず、代わりに赤い太タスキが何度も使われていた。

 外注連は一見一般的なスタイルだが、大竹が1本であったり、高さのある祭壇のような作りになっていたりと、微妙に特徴がある。彫り物の図柄の種類と配列も独特であるとのこと。このときの神楽宿は古い民家を改築した家だったが、この夜神楽開催のために低い天井を剥がして、古く太い梁に「雲」が吊るされていた。


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