「高千穂神楽の夜は永く」 高千穂神楽拝観記

高千穂町岩戸「東岸寺神楽」

拝観日 場所 備考
2001/12/13 東岸寺公民館 日神楽・舞は拝観できず

2001年12月13日(「自然派宣言!/クマ探し日記」より抜粋)

 冷たい雨がふるぐずついた天気。

 実は2日前の夜、お向かいの御主人から「この地区の神楽があるのでぜひ来い」とのお誘いを受けていた。年明けには引越しを控えているので、この機会を逃すと地区の皆さんにろくな挨拶も出来ないままになってしまう。バイトを終えて帰宅すると、僕は一升ビンを抱えて地元の公民館へと急いだ。

 この地区の神楽は「日神楽(ひかぐら)」だ。高千穂で「本式」の神楽といえば、神迎えの儀式から始まり全33番、夜を徹して舞う「夜神楽」だ。しかしそのためには「ほしゃ」と呼ばれる舞い手(男性のみ)が20人以上が必要なのだそうだ。「夜神楽」を執り行なう地区として今シーズンの予定表にあるのは21ヶ所だが、実は、十分な数の舞い手を地区内だけでそろえるのが難しく、他の集落からの応援なしでは成り立たないところが増えているらしい。そして、どうしても「夜神楽」が出来ない集落で行われるのが、昼間一部の舞(一般には最初の7番)だけを舞う「日神楽」なのだ。つまり、「日神楽」は単に時間帯が違うだけではなく、略式の神楽、ということになる。

 公民館では「舞」はすでに終わり、宴が盛り上がっていた。呼んで頂いたお礼と同時に、「舞」に間に合わなかった事を詫びつつ酒宴に加わった。お向かいのオヤジさん、酒屋の御主人など、馴染みの顔もいるが、多くは初対面の方ばかり。しかし、すでに「クマ探し屋」の名は知れ渡っており、暖かく迎え入れて頂いた。

 丁度1年前、ここから少し山のほうに行ったところでクマらしき動物に遭遇した女性がいた。熊本在住というこの女性は、実はこの地区の出身で、この神楽に会わせて帰省してきていたらしい。ご本人には会えなかったが、目撃の直後に山に様子を見に行った人々こそ、今まさに焼酎を酌み交わしているこの方たちだった。「クマ騒動で、神楽どころじゃねぇしてよぉ!」と、当時を振りかえっては大笑い。

 夜になり、残った数人で同じ地区の方のお宅へお邪魔する事にした。翌日はバイトの予定もない。心置きなく焼酎三昧。


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