栗原@MUZINA Pressの個人的お気に入り! (5)使いやすさを追求したアップルコンピュータの旧型OS
僕が最初にパソコンを購入したのは1993年末ごろの事だったと思う。生物学を専攻する大学院生だった僕にとっては周囲にユーザーが多かった(当時、生命科学系ではMacに人気があった)ことと、このころパソコンの主流だったMS-DOS(Windowsの前身)マシンにくらべズバ抜けた使いやすさのMacが欲しかった。直前までMacといえば目が飛び出るほど高価なのが当たり前だったところに、手ごろな価格でApple
Macintosh LC475が登場し、購入を決めた。
Macintosh LC475に搭載されていたOSは「漢字Talk7」(Mac OS var.7の日本語版)。CPUはPowerPCが登場する前のモトローラ製。標準搭載のハードディスク容量が1GBにも満たない時代だ。その後、ほぼ同等の性能のノート機(Power
Book 520)に買い替え、アフリカへ。2台で合計5年ほど使ったと記憶している。
帰国後はしばらくWindows98を使っていたのだが、どうしても馴染めずに困った。一言で言って、使いにくい。余計なものが表示され過ぎる。MS-DOSよりは飛躍的に使いやすくなっているが、MS-DOSの経験と知識がないと使いこなせないシステムだと感じた。Windowsがバージョンアップする度に言われてきた「Macを超えた」などという言葉は、Macの真の使いやすさを理解していないDOS/Windowsユーザーの偏見だと思う。そしてフリーズを連発する、信じがたいほどの不安定さ。よくMacは不安定と言われるが、僕はMacでこれほど深刻な状態は経験したことがない。こんなものが、パソコンの主流になっているなんて…。
2002年、僕は再びMacを購入。下の写真のeMacだ。ただ、このeMacには新旧2つの全く異なる性質のOSが搭載されていた。僕がかつて使った「漢字Talk7」の正常進化型であるMac OS 9.2、そしてUNIXベースの新OS(通称Mac OS-X)の初期のバージョン 10.1。アプリケーションや周辺機器のドライバソフトによって新OSへの対応に遅れがあり、両OSを使い分けられるようになっていたのだ。
旧OS(クラシックOS)とは全く互換性のない新OSへと移行したのは、安定性の強化と、Windows系ソフトの開発力に対抗するには完全オリジナルでソフト開発に限界のあるクラシックOSより、より普及しているUNIXをベースとすることを選んだ、と聞いている。しかし、実際には各ソフトのMac
OS-Xへの対応はかなり遅かった。さらには、Macユーザーを支えて来た各種のフリーソフトやシェアウェアソフト、あるいは一部の市販ソフトは、Mac OS-Xへの対応を断念する事態に。
それに、Mac OS-Xを実際に使ってみると、クラシック環境とあまりに使い勝手が変わってしまって、戸惑いを感じずにはいられなかった。正直、Windows臭い。Macのオリジナリティがスポイルされた気がする。「だったら、安価なWindowsマシンのほうがよいのでは?」とすら思った。さらに0S
10.1には、どうもまだ問題が残っているらしい、という。熟成が足りないのだ。(後のバージョンアップによってかなり解消したと聞いているが)
その点、Mac OS 9.2はクラシックOSとしては熟成された最終型。トラブルへの対応などもマニュアル化されている。フリーソフトやシェアウェアソフトも過去の遺産をかき集めればなんとかなる。結局、僕のeMacはもっぱらMac
OS 9.2で使うとこととなり、今でもそのMacらしいMacの環境を堪能している。
ちなみにクラシックOSの不安定性は、確かにある。ただ、僕はクラシックOSが当たり前だった時代、友人のMacユーザーに「Macと相性の悪いひとは、Macを使っちゃダメ」とよく言ったものだ。そう、なぜかやたらとシステムエラーやらクラッシュを起こし、何度もシステム再導入…を繰り返す人というのがいたのだ。多分、ソフトとの選び方とか、その使い方とか、設定の仕方とか、無意識にMacに必要以上の負担をかけてしまう使い方をする人達ではなかったか、と思う(使いもしないのに、重たいワープロソフトを複数入れているとか、すごいのが実際にいた)。そういう意味で、僕は最初のMac以降、あまり深刻な状況は経験したことがないので、クラシックOSと相性が良いのだと思う。
今の僕にとって、一番使いやすくて、快適で、相性がよいOSは、間違いなくこのMacクラシックOSなのだ。すでにアップル社はクラシックOSを過去のものとしている。だから、僕とクラシックOSとの付き合いは、きっとこのeMacが最後になるだろう。その次がMac
OS-Xになるのか、Windowsになるのかわからないが、とにかくこいつが生きている間はずっとつきあって行きたいと思う。
このページに掲載されている文章、画像の無断転用・複製を禁じます。Copyright © 1999-2004 Tomoaki Kurihara. All rights reserved. (Revised on 2, May., 2004)