栗原@MUZINA Pressの「親指派宣言!」 親指シフト導入レポート3

Macを親指シフト化する!(その2)

純正Apple Pro Keyboardの親指シフト化改造


 eMac純正のApple Pro Keyboard(白)を親指シフトに対応させるための改造に着手した僕は、いろいろ試していくうちにいくつかの改造案を思いついた。順を追って御紹介しよう。


<警告>

 ここではMac純正Apple Pro Keyboardの親指シフト化改造についてご紹介ますが、改造は個人の責任において実施してください。改造により、メーカー保証もきかなくなります。

 

改造の基本

 改造というと仰々しいが、別にキーボードの内部構造やソフトをいじろうという話ではない。二つの親指キーに指定するキーのキートップの長さを調整して、親指シフト入力時の使い勝手を向上させるだけのことだ。このキーボード改造に当たっては、Nickey開発者である福地氏がサイト上で紹介している方法を参考にした。

 基本は親指キーとして指定する2つのキーの境が、キーボード中央(ここではB キーの真下、という意味)か、それに近い位置に来るように調整する。キートップ幅が長すぎるキーは切断するか、短い他のキーで代用し、短すぎるキーはより長いキーを加工して代用する。

 なお、アップル社はキートップ単体の購入には対応してくれなかった。予備パーツはジャンク品などを物色するしかない。Apple Pro Keyboardはまだジャンク品がそれ程出回っていないが、初期のiMacなどに使われていた旧式のApple USB Keyboardも、すべての文字キーと各種機能キーの多くに互換性がある。キートップは黒のみだが、これならジャンク品も入手しやすい。

Apple Pro Keyboardの特徴

 Apple Pro Keyboardの場合、親指キーとして指定すべきキーは左が英数キー、右がスペースキーなのだが、その境は中央から左に大きくずれている。

 右親指/スペースキー(以下、略して「右キー」)のキーベース(キートップがキーボード本体に固定されている部分)は、右親指キーとしてベストな位置(Nキーの真下)にあるので、いろいろな方法が考えられる。少々キートップ幅が短くても支障はないだろう。

 左親指/英数キー(以下、略して「左キー」)のキーベースはVキーの下にあって欲しいところだが、実際には左にキーひとつ分ずれてCキーの下。これにどう対応するかが、この改造での課題。

 また、横からみればすぐに判るが、このキーボードでは最下列キー群(一番手前のスペースキーなど)はその他のキーとはキートップの形状と上下幅が異なる。キートップの入れ換えを行う時には、これを念頭においておく必要がある。

 

キートップの取り外しと加工

 キートップは真上に持ち上げるようにすれば、簡単に外れた。専用の工具を作っているショップもあるようだが、僕の場合、先端が尖っていて曲がったピンセットをうまくキートップの下に潜り込ませて持ち上げるのが好結果だった。

   

 キートップは案外柔らかい素材でできているので、普通のカッターナイフで容易に加工できた。切断する時は、少し長めに切ってから、少しずつ削りながら調整するのがよいみたい。


いよいよ改造

(1)失敗例

 まっ先に思い付いた方法…スペースキーを加工して左キーとして使い、右に延長する方法。Pro Keyboardのスペースキー、USB Keyboardのスペースキー(Pro Keyboardのそれより短い。ジャンクで入手)の両方で試みた。

 しかし、押下時にキーのバランスが大きく崩れ、ちゃんと入力できない。バランスを保つために市販のスプリングを仕込んだり、沈み込みを押さえるためにクッションを置いたり、いろいろ工夫したが、結果は今一つ。結局のところ「親指シフトの快適性」をスポイルしないレベルにはできなかった。で、断念。

(2)代替え案

 代替え案として、左キーをやみくもに延長するのではなく最小限の延長に止め、右キーとの間隔を大きく開けることで誤操作を防ぐ方法を思い付いた。スペース/右キーは短いキートップに交換することになる。

 具体的には、右キーを小さな英数キーに置き換え(スペースキーを短く加工する方法も試したが、操作感が良くなかった)、左キーは本来の英数キーより少しだけ幅の広い右下のControlキーで最小限の延長とする。左キーを操作する時はキー右端(というか、ほとんど角)を押す感じになるが、右キーとの間隔が大きく開くので、左親指で右キーを押してしまう誤操作はなくなる。スペースキーは使わない。右下のControlキー部が開くがとりあえず、とりあえず何かで覆えば良かろう。

 ただ、左キーの右側への延長が十分ではないので、親指の腹でキートップの右の角を押す感じになる。このため手前が低くなっている標準の状態だと、使い勝手が悪い。キートップを上下逆転する(手前が高くなる)ことでかなり改善する。

 この方法は、1台のApple Pro Keyboard上でキートップを差し換えるだけで、追加のキートップを必要とせず、実用レベルも高いのが利点。  

キー位置 使用するキートップ 加工
右親指/スペース 英数 上下反転し、無加工で装着。
左親指/英数 右下のControl 上下反転して装着するが、ノーマル英数キーより少し横幅が広く左側のコマンドキーと干渉するので側面を切除する必要がある。


(3)さらに改良案

 前述の「代替え案」も十分実用的だと感じたが、USB Keyboardのジャンク品を入手できたので、これを使っていろいろ試してみた。で、落ち着いたのが左キーとしてUSB Keyboardのcaps lockキー(左下)を使う方法。

USB Key
ジャンクで入手したUSB Keyboard。その左下にあるcaps lockキーが左親指キーとして有効。ちなみにUSB Keyboard自体はspaceキーのベースがより中央に寄っているので、親指シフト化改造には向いていないと思う。

 USB Keyboardのcaps lockキーはPro Keyboardのそれと外観はほとんど同じだが、実はキーベースの位置が中央より左にずれており、これを左キーの位置に置くと上記のControlキーを使う方法よりわずかに右に延長できる。キー右端を押下してもバランスの崩れないギリギリの線だろう。キートップの上下の反転はできないが、そのままでも操作性は良い。栗原は現在この状態で使っており、非常に良い感触を得ている。富士通のコンパクトキーボードにくらべても、キータッチが軽いので、親指シフトには適していると思う。

キー位置 使用するキートップ 加工
右親指/スペース USB Keyboard用のキーでサイズがあうもの
(栗原はUSB Keyboard用のコマンドキーを使用)
無加工で装着
左親指/英数 USB Keyboard用のcaps lockキー 無加工で装着

 栗原愛用の白いPro Keyboardに、USB Keyboardの黒いキートップを装着すると、そこだけ「歯抜け」になってせっかくの美観は損なわれる。美観より機能を重視する「質実剛健派」の栗原にとっても、あまり気分の良いものではなかった。色を塗る方法もあるのだろうが、面倒だ。で逆転の発想で、ツートンカラーを積極的に取り入れることにした。つまり左右親指キーだけでなく、USB Keyboardと互換性があり、かつ色分けする意味のありそうなキーを選んでUSB Keyboard用の黒キーに交換する(具体的にはtab、delete、左右のshiftの各機能キーのほかF、Jの文字キー、テンキー部のいくつか)。ここまでやると「歯抜け」ではなく、積極的ツートンカラー仕様のキーボードになる(文字キーを左手用・右手用で色分けするのも手だと思う)。やってみると、なかなか実用的だ。

mackey3

改造を終えたApple Pro Keyboard。黒いキートップはすべて下のApple USB Keyboard(ジャンク品)から取ったもの。左キーとして流用してあるUSB Keyboard用のcaps lockキーは、本文にあるとおりキーベースの位置がキートップの左側にずれているので、左親指キーを右に延長するのに好都合。なお、各キーにはタックラベルを貼り親指シフトの文字配列を書き込んである。


  「親指派宣言!」表紙へ


このページに掲載されている文章、画像の無断転用・複製を禁じます。Copyright © 2003-2004 Tomoaki Kurihara. All rights reserved. (Revised on 4, Jan, 2004)