「別冊・自然派宣言!」  栗原@MUZINA Pressの「親指シフト日本語入力導入プロジェクト」

親指派宣言!


 このサイトの読者のみなさんが使っているパソコンには、どんなキーボードが接続されているだろうか?おそらく、ほとんどはJIS配列の平仮名が刻印されたJIS規格のキーボードだろう。しかし、同時にほとんどのみなさんは、そのキーボードを「ローマ字入力」で使用し、せっかく刻印されているJIS配列は無駄になっているはずだ。そして、これまたほとんどのみなさんは、その事に何の疑問も感じたことはなかっただろう。

 

 でも、僕が今から10数年前に初めて使ったキーボードは、富士通製のワープロ専用機「オアシス」に搭載された親指シフトキーボードだった。親指と他の指の2本の指を同時に使うこの親指シフト方式だと、人間工学的に無理があるといわれているJIS配列よりも、ずっと容易にカナ入力ができる。もちろんローマ字入力のように、文章を考えながら同時に日本語をローマ字つづりに変換する頭脳作業は必要ないし、打鍵回数はその約半分ですむ。

 当時、ライターや新聞記者、編集者など、モノ書き業のプロ達の間では絶大な人気を誇ったキーボードだった。現在はJIS配列が標準化されたパソコンの普及によって少数派に甘んじてはいるが、今なお支持者は少なくない。

 僕もその後パソコンを使うようになって10年ほど親指シフトから離れていたが、その10年間でローマ字入力を使いこなした末の結論は、「やっぱり、親指シフト」だった。どんなに使いこなしてもローマ字入力では実現不可能な快適性が、この親指シフトかな入力にはある。

 親指シフトの優位性は、しばしば高速な入力スピードがクローズアップされがちで、それが「親指シフトはプロ用」という誤解を生んだ。しかし、スピードより重要なのは、ローマ字から開放されることによる快適さであるし、特別な練習をしなくても使いこなせるようになる習得の容易さや、ローマ字入力の半分の速度でのんびり打鍵しても作業スピードは変わらない、という初心者にやさしい長所が、もっと注目されて良いと思う。

 パソコンとインターネットの普及によって、キーボードは身近な筆記用具になろうとしている。もはや技術者や一部のマニア達だけのものではない。だからこそ、親指シフトという入力方式は今一度見直されて良い。 (2003年5月)

 注;現在、親指シフト配列は産みの親である富士通社の手を離れ、多数の企業が参加するNICOLAという団体の下で規格が管理され、正式には「NICOLA配列」と呼ばれている。


INDEX


メインページ「自然派宣言!」


このページに掲載されている文章、画像の無断転用・複製を禁じます。Copyright © 2003-2004 Tomoaki Kurihara. All rights reserved. (Revised on 4, Jan., 2004)