広島電鉄
  (市内線・宮島線)

1号線:広島駅〜紙屋町〜広島港
2号線:広島駅〜紙屋町〜広電宮島口
3号線:西広島〜紙屋町〜広島港
5号線:広島駅〜比治山下〜広島港
6号線:広島駅〜紙屋町〜江波
7号線:横川駅〜紙屋町〜広電本社前
8号線:横川駅〜江波
9号線:八丁堀〜白島 他 臨時系統あり
営業キロ:35.1km(全線複線)
 うち軌道線19.0km(併用軌道18.7km、専用軌道0.3km) 鉄道線16.1km
軌間:1435mm  電圧:DC 600V  表定速度:10.4km/h(1系統)、19.9km/h(宮島線直通2系統)など

元気な路面電車の代表格といえるのが、広島電鉄です。広島市中心部を縦横に走り、JR駅、中心市街地、港を結ぶ、総延長19kmのネットワークを形成しています。さらに2系統の電車は宮島線(法的には鉄道)に直通し、宮島口(宮島へは連絡船が接続)までの周辺都市を結んでいます。かつては鉄道型車両も在籍し線内運用もあったのですが、現在は市内線とは一体化されているので総計35kmの路面電車ネットワークとみなすことができます。日本の路面電車では最も多くの乗客を輸送し、数多くの連節車両、数多くの超低床LRVを運行しています。混雑が著しいこともあって、市内線単体の表定速度は全国で最も低い部類に属しますが、電停の高規格化(屋根付、ベンチ付の長いホーム)や結節改良(JR駅、バスとの接続、船との接続など)が進んでいるのも特徴です。


[見所] [乗車リポート] [写真] [施設更新] [延伸計画]

中心部:

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広域地図(宮島線含む):
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[見所]

・電車の見所
・沿線の見所 →路線規模は小さいが中心市街地を走る

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[乗車リポート]

広島の路面電車の特徴はなんといっても都市の基幹交通として機能していることです。JR広島駅の駅前広場を降り立つと、すぐに堂々たる駅前電停が目に飛び込んでくるのが印象的です。初めて訪れたとき、「基幹交通」としての路面電車を見慣れていない私にとっては大変なカルチャーショックでした。新旧織り交ぜて、単行から5連節(全長30m)まで様々な電車がひっきりなしに出入りしている様子は大変新鮮な光景でした。




・2系統(広島駅前〜紙屋町〜西広島〜宮島口)

広島駅前を発着する電車の中でひときわ目立つのが、本線格にあたる宮島線直通(2系統)の連節車です。超低床LRVをはじめ、ほとんどが比較的新しい車両で運転されています。広島駅を出ると、しばらくは細い道をゆっくりと走ります(大通りを直進するようにする改良構想あり)。広島港方面(5系統)の軌道と分岐した後は、紙屋町に続くに大通りを直進していくことになりますが、駅間は極めて短く、中心街にあたる紙屋町にいたっては通りをはさんで2回停車するほどです(紙屋町東・紙屋町西)。乗客の数も大変多いので乗り降りにも時間がかかり、この区間の表定速度は全国最低クラスです(10km/h程度)。複数の系統が集まっているため、電車の本数は大変多く、大通りの中央を進む様子はまさに圧巻です。

 

紙屋町電停(東・西)は、地下街(シャレオ)の開業に合わせて大きく改装されました。交差点側の横断歩道はなくなった代わりに、両電停からは地下街へ階段で直結されています(交差点の反対側は横断歩道に直結)。 紙屋町からは広島港方面へ向かう路線が分岐していきます。この辺りを過ぎると、急に景色が開けます。平和記念公園の北側、原爆ドームの脇を通り、かつての爆心地にあたる相生橋を渡ると、再び市街地となり、江波〜横川駅に敷設された軌道とのT字路に差し掛かります。電車はT字路を左折し、横川からの軌道に合流しますが、土橋で再び分岐、右に曲がって狭い道に入ります。細街路・専用橋・細街路とまるで路地裏のような所を走りぬけますが、小網町、天満町の2つの電停はノーガード電停になっており、線路のクランクとあわせて改良が求められているポイントです。左・右とクランク状にまがり平和大通りに入ります。平和大通りの走行環境はまずまずで、西に向かって進んで、西広島駅に至ります。

 

2000年に訪れたときは、旧駅舎(2度停車)でしたが、2002年に訪れたときは欧米のLRTをイメージさせる近代的な駅舎に生まれ変わりました。線路とホームの両方が大屋根に覆われた開放的な様子が印象的でした。ここから先は、鉄道である宮島線区間になり、運賃的には市内均一料金はここまです。宮島線は、全線が専用軌道であり、電車の速度もぐっとあがります。とりわけ地面が近い超低床車ではスピード感はかなりのものでした。終点の宮島口駅が近づくと海沿いを走るようになり、夕焼けに染まる瀬戸内海が印象的でした(とりわけ阿品東周辺)。併走する山陽本線に比べるとずっと駅数が多いのですが、西広島〜宮島口の表定速度は30km/h程度(33分)とそれなりの速達性があります。そんなこともあって市内区間は非常に時間がかかるものの、宮島線を含む2系統全体の表定速度は20km/h程度と、まずまずの水準となっています。




・1系統(広島駅前〜紙屋町〜広島港)

1系統は広電の創業時にさかのぼる由緒正しい路線です。市内線に完結した路線ですが、2系統(宮島線直通)と並ぶ本線格となる系統です。2000年に訪れたときは旧型の単行車両(元・京都市電の1900形など)の姿が目立ちましたが、2002年に訪れたときには連節車の導入が急速に進んでいました。車掌の乗務が必要になるもののバスと比べて圧倒的な収容力を感じました。

2系統の電車と同じように進んでいきますが、紙屋町で分岐して南下します。基本的には道路中央、本通電停では、地下を走るアストラムラインに乗り換える事が出来ます。しばらくはにぎやかな中心市街地を通ります。国道2号を越えると、だいぶ落ち着いた景色になってきます。鷹野橋電停直前には大きなS字カーブがあります。道路改良にあわせて整備された区間ですが、鷹野橋電停は、長大ホーム・屋根つき・ベンチつきの高規格電停第1号です(それ以前の電停でも他の都市より大型の電停が多いですが)。

皆実町6丁目からは5系統(広島駅前〜広島港)の電車と合流します。しばらくは軌道敷+1車線程度の細い道の中を進みます。海岸通電停を越えると右折して広島港旅客ターミナルを目指します。私が訪れたときは道路中央の併用軌道でしたが、その後の道路整備で、2009年現在では、道路脇のサイドリザベーション、実質的に専用軌道となっています(一部は芝生軌道化)。さらに左折して、広島港旅客ターミナルに達します。2003年の大規模な改良と小延伸(200m)の結果、さらに右折して、改築された広島港旅客ターミナルへ直結する形で、大規模なターミナル電停が整備されました(宇品電停→広島港(宇品)電停へ改称)。




・3系統(西広島〜紙屋町〜広島港)

西広島から紙屋町を経由して広島港へ達する経路ですが、西広島から紙屋町までは2系統と共通のルート、紙屋町から広島港までは1系統と共通のルートを通ります。全体に単行の電車による往復が多い印象ですが、朝の一部の電車は宮島線からの直通も数本設定されていて、大型の連節車で運行されているようです(一部は広電本社前まで)。




・5系統(広島駅前〜広島港)

広島駅前から広島港へ直行する系統です。広島駅をでると、すぐに分岐して比治山線に入ります(的場町電停)。ひたすら道路中央の併用軌道を直進していきます。皆実町6丁目からは、紙屋町を経由してきた1系統と合流して広島港へと至ります。1系統・2系統に比べると、単行の車両が目立つ印象でした。中心市街地を通らない分、比較的スムーズな運行が行われている印象でした(表定速度が目だって速いわけではないですが)。




・6系統(広島駅前〜江波)

広島駅前から紙屋町を経由して江波へ至る系統です。広島駅前を出て土橋までは2系統と同一のルートですが、6系統の電車は、そのまま江波線を直進し、終点・江波まで走ります。江波線に入ると、中心市街地からは若干距離があるので、若干開けた印象で、スムーズに走行していました。ひたすら道路中央の併用軌道を走りますが、終点・江波電停の直前で右折して専用軌道に入ります。専用軌道に入ってすぐに終点の電停となりますが、線路はそのまま車庫へと続いています。オリジナルの単車をはじめ様々な旧型車両が並んでいました(動態保存車としてときおり走行)。江波車庫の奥は、ちょっとした丘になっていて(江波皿山公園)、私が訪れたときには桜がきれいに咲いていました。主に単行の電車で運行されていました。

 



・7系統(横川駅前〜紙屋町〜広電本社前)

JR横川駅から都心に至る系統です。横川駅前電停を駅前ターミナルに移設した後に設定された新しい系統です。横川駅前電停ですが、私が訪れたときには、駅前を走る大通り中央に設けられた1面1線の小規模なものでした。JRとの結節改良のために、2003年春には、駅前広場に直結するルートに移設され、西広島・広島港同様に大屋根の備えられた立派なターミナル電停になりました。結節改良に連動した形で都心直行の新ルートとして設定されたのが7系統です。これに合わせた形で横川線内の電停の高規格化も進んだようです。十日市町で左折して、本線に入り、3系統の電車と共通のルートを通って、紙屋町、広電本社前へ至ります。


・8系統(横川駅前〜江波)

JR横川駅前から、ひたすら南下して江波に至るルートです。私が訪れたときには、横川駅前を発着する唯一の定期路線でした。現在では、十日市町までは7系統と共通のルート、十日市町から土橋までは2,3系統の電車も合流し、さらに土橋から先、江波までは6系統の電車と共通のルートを走る事になります。このように様々な系統が設定されているのが広島電鉄の特徴です。8系統は、中心市街地を通らないルートなので、単行の電車(主に旧型車)で運行されていました。


・9系統(八丁堀〜白島)

白島線内のみ往復するミニ系統(1km少々)です。八丁堀電停は、他の系統とは独立して設置されていました。複線の併用軌道が大半ですが、終点の白島電停は1面1線の電停で、すぐに折り返せるようになっていました。広島電鉄では唯一の支線内で独立した系統ということで、9系統のみの乗車では割安の運賃(他は150円の所を100円)の設定で、ICカードの先行導入などの実験も行われていました(2009年3月より他系統でも本格導入)。


(2000年3月、2002年3月訪問)

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(2009.4.15)


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