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かつては都市の基幹交通として1965年の時点で総延長600km近かった路面電車も、地下鉄への代替やクルマ社会化の流れに押され、総延長は200km程度(2009年現在)とかなり縮小してしまいました。しかし今日もなお全国20あまりの都市(*)で生活や観光の足として活躍しています。近年では、改良された路面電車システムが、バスと地下鉄の間を埋める「新たな交通システム」として見直されつつあります。2006年春にはローカル線を転換する形で富山ライトレールが開通し、大きな注目を集めました。ここでは主に日本国内の路面電車の現況を紹介します。
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路面電車の定義: ここでは道路上を走行する区間(併用軌道)のある路線を主に取り上げています。東急世田谷線は併用軌道を持ちませんが、1)軌道法による路線であること、2)路面電車型の車両を用いていることと、3)併用軌道区間(現在は地下化された本線部分)もあった歴史的な背景から路面電車の仲間として取り扱っています。他に筑豊電鉄(鉄道だが路面電車型車両を用いて運行し、かつては路面電車に直通)、江ノ島電鉄(鉄道だが小型の電車で併用軌道区間を持つ)、熊本電鉄(鉄道かつ大型の電車を用いているが併用軌道区間あり)を路面電車の仲間に入れることもあります。 |
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表定速度の計算: 各路線の表定速度の正確な資料が見当たらなかったため(状況の変化で大きく変化している路線もあり)、新たに計算しなおしました。「えきから時刻表」などのネット上の時刻表サービスの路線時刻表から日中の所要時間(13−15時代)を求め、路線延長から区間表定速度を計算しました。余裕時分を含めているダイヤが組まれている場合と草でない場合が考えられ、必ずしも実情を反映していない可能性もありますが、乗車経験がある場合はその印象も記載しています。 |
阪堺電軌
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恵比須町〜住吉〜浜寺駅前、天王寺駅前〜住吉〜住吉公園 営業キロ:18.7km(全線複線) 全区間 軌道線(併用軌道7.3km、専用軌道11.4km) 軌間:1435mm 電圧:DC 600V 表定速度:19.2km/h(阪堺線)、17.3km/h(上町線) |
岡山電軌
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岡山駅前〜東山・清輝橋 営業キロ:4.7km(全線複線) 全区間 軌道線(全線併用軌道) 軌間:1435mm 電圧:DC 600V 表定速度:15.0km/h(東山線) |
広島電鉄
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1号線:広島駅〜紙屋町〜広島港 2号線:広島駅〜紙屋町〜広電宮島 3号線:西広島〜紙屋町〜広島港 5号線:広島駅〜比治山下〜広島港 6号線:広島駅〜紙屋町〜江波 7号線:横川駅〜紙屋町〜広電本社前 8号線:横川駅〜江波 9号線:八丁堀〜白島 他 臨時系統あり 営業キロ:35.1km(全線複線) うち軌道線19.0km(併用軌道18.7km、専用軌道0.3km) 鉄道線16.1km 軌間:1435mm 電圧:DC 600V 表定速度:10.4km/h(1系統)、19.9km/h(2系統)など (*)2系統は宮島線直通(鉄道) |
伊予鉄道
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1, 2系統:松山市駅〜古町〜上一万〜松山市駅(環状線) 3系統:松山市駅〜道後温泉 5系統:松山駅前〜道後温泉 6系統:本町6丁目〜道後温泉 他 坊ちゃん列車等あり 営業キロ:9.6km(複線5.4km、単線4.2km) うち軌道線6.9km(併用軌道6.4km、専用軌道0.5km) 鉄道線2.7km 軌間:1067mm 電圧:DC 600V 表定速度:12.2km(1,2系統)、13.1km(3系統) |
松山城を中心とした環状の路線や道後温泉への路線を持ち、JR松山駅、伊予鉄郊外線松山市駅、大街道(中心市街地)にも接続している。なお伊予鉄松山市駅は同じ事業体ということもあってか駅前ターミナルに乗り入れているが、JR松山駅から電停までは若干の距離があった(それほど気になる距離ではないが)。
長崎電軌
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1号:赤迫〜大波止〜正覚寺下 3号:赤迫〜桜町〜蛍茶屋 4号:正覚寺下〜西浜町〜蛍茶屋 5号:石橋〜西浜町〜蛍茶屋 他 臨時系統(2号, 7号, Z号)あり 営業キロ:11.5km(複線11km、単線0.5km) 全区間 軌道線(併用軌道10.2km、専用軌道1.3km) 軌間:1435mm 電圧:DC 600V 表定速度:14.6km/h(1系統) |
熊本市交通局
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田崎橋・上熊本駅前〜辛島町〜健軍町 営業キロ:12.1km(複線11.9km、単線0.2km) 全区間 軌道線(併用軌道11.8km、専用軌道0.3km) 軌間:1435mm 電圧:DC 600V 表定速度:12.4km/h(2系統) |
私にとって初めて乗車した路面電車は熊本市電であった。もう10年以上も前の話なのであるが、当時は路面電車と言えば過去の乗り物という観念が頭にあり、熊本駅前に降り立ったとき、そこに待ち構えていたピカピカのスマートな電車には驚かされた。当時の最新鋭車「9200型」であった。その後、熊本市電には、輸入の超低床車が日本で初めて導入され、全国的な注目を集め、路面電車復権の動きが加速されることになったのであった。
土佐電鉄
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御免町〜はりまや橋〜伊野(*) 高知駅前〜桟橋通5丁目 営業キロ:25.3km(複線18.3km、単線7km) 全区間 軌道線(併用軌道22.3km、専用軌道3.0km)(**) 軌間:1067mm 電圧:DC 600V 表定速度:18.7km/h(御免線)、14.9km/h(伊野線)、13.7km/h(桟橋線) (*)系統分断されている (**)郊外の併用軌道(御免線)は専用軌道的(未舗装・道路脇) |
鹿児島市交通局
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鹿児島駅前〜交通局前〜郡元〜谷山 鹿児島駅前〜鹿児島中央〜郡元 営業キロ:13.1km(全線複線) 全区間 軌道線(併用軌道9.1km、専用軌道4.0km)(**) 軌間:1435mm 電圧:DC 600V 表定速度:17.6km/h(1系統)、14.8km/h(2系統 高見馬場〜郡元間) |
名古屋鉄道
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揖斐線・市内線:(岐阜駅前〜)新岐阜駅前〜徹明町〜忠節〜黒野 美濃町線:新岐阜〜競輪場前〜日野橋〜関(新岐阜直通) 美濃町線:徹明町〜競輪場前〜日野橋(市内区間) 営業キロ:36.6km(複線4.6km、単線32km)(*) うち軌道線23.9km(併用軌道14.2km、専用軌道9.7km) 鉄道線12.7km 軌間:1067mm 電圧:DC 600V(/1500V)(**) 表定速度: 揖斐線・市内線 最速21.5km/h(急行) 美濃町線 最速27.3km/h(新岐阜〜新関) 市内は15km/h程度 (*) 廃止直前の値・岐阜駅前〜新岐阜駅前(0.3km)は休止 (**) 美濃町線・新岐阜直通は各務原線経由のため複電圧 |
岐阜市内線と揖斐線は直通運転が行われており実質的に一体化していました。全線併用軌道・複線の市内線に対して、揖斐線は、単線ながら全線専用軌道の鉄道線でした。車両についてほとんどは770型(新性能連接車)、780型(連結運転可能なインバータ車)といった新型車によって運行されており、廃止直前の時点では全線(黒野〜新岐阜;岐阜〜新岐阜間は休止済)に渡って日中1時間4本が確保されており、廃止路線の中ではかなり利便性の高い水準にあった路線と思われます。ちなみに味のある旧型車も何両か在籍しており、これが鉄道愛好家たちの注目を引いていたのがこの路線の特徴でもありました。その中でも、大正生まれ、すなわち現役車の中では日本最古の車両の一つである510型は、丸みを帯びた前面と丸窓形式の戸袋窓が人気の電車で、廃止に伴う廃車は実に惜しいものがあります。