Since 1996
by はる
for Japanese only

2004年5月以降 人目のご訪問者です。('96.8〜'04.05・・・130,000人位)

「明日への遺言」☆☆☆

監督:小泉堯史
脚本:小泉堯史 ロジャー・パルバース
出演:藤田まこと ロバート・レッサー フレッド・マックィーン リチャード・ニール 富司純子 西村雅彦 蒼井優 田中好子

 大平洋戦争後、B級戦犯として裁判にかけられた岡田資はこの裁判を法戦として戦いぬくことを決意する。岡田の戦いは裁判に関わる全ての人々の心を動かしていく。

 恐らくはほぼ実話であろうと思われる、昭和の歴史の一面を描く実録もの。個人的にはこう言った映画を観ておくことは重要だと位置づけしています。でもこれはあまりピンとこなかったなあ。
 たぶんこれは僕の知識不足と認識の低さに因るものだと思うんだけど、主人公のスタンスがイマイチ理解しきれなかったんだよね。その主張は米兵を殺したのは無差別虐殺に対する処罰であると言うもの。そしてその責任は自分にあり、部下は命令に従っただけであるということ。僕にはそう聞こえたんですが合ってますかね。
 でも僕の理解力だと、合法の処罰であるとすれば無罪であるという主張になり、自分だけに責任があるとするなら有罪を認めている気がします。つまり僕の中ではこの2つの主張は矛盾に感じてしまうのです。
 ってことは上で書いた理解が間違っているのでしょう。つまり僕にはこの映画からメッセージが伝わらなかったことになりますね。
 一番描き方として分からなかったのは、途中で裁判官があの行為はアメリカでは認められている”報復”に当たるのではないかという質問をあくまでも”処罰”であると主張したことです。あれで一番の目的が「無罪を得ること」なのか「自分一人の責任にすること」なのかがぼやけました。
 そして結果は史実の通り本人は死刑、部下たちも全員有罪です。本当に彼は勝利したんですか? ごめんなさい、分かりません。(^^;)

 僕は小林よしのりさんのA級戦犯の本を読んだことがあるのですが、そこでは東京裁判に代表される戦後裁判の不当さ不平等さが強調されていました。この映画でも、もっと岡田さんは正しい、それを死刑にした裁判が間違っているという視点を織り込んでいっても良かったかもしれません。でないと岡田さんが戦って得たものの意味が薄くなってしまいますからね。

 裁判シーンの淡々とした雰囲気やその合間に映される人間味のある交流の様子などは好き。藤田まことさんの静かなる熱演もよし。でもあのナレーションはいただけないなあ。

 しかし本当に僕らは近代史というものを全く教わってきていないことをこういう映画によって改めて教えられますね。何とかならないものでしょうか。

(MOVIX清水)

2008.3.22


 

サーチ:

Amazon.co.jpアソシエイト