「あずみ2 Death or Love」☆☆
監督:金子修介
脚本:水島力也 川尻善昭
出演:上戸 彩 石垣佑磨 栗山千明 小栗 旬 高島礼子 平幹二朗 遠藤憲一 根岸季衣 神山 繁 永澤俊矢 北村一輝 前田 愛
みなさん、世界3大がっかりを知っていますか? 知らない? では覚えておきましょうね。試験に出ますよ。シンガポールのマー・ライオンとブリュッセルの小便小僧、そしてこの「あずみ2」です。(笑)
前作「あずみ」は僕の2003年ベストワン。刺客と“人”の狭間で悩む少年少女のゆれる姿に泣かされたし、アクション時代劇としての描写も美しく、とても心に残る傑作でした。今回はその続編、しかも僕の中でも5本の指に入るであろう信頼度の高い金子監督の新作。いやおうなしに期待していましたよ。うーん。
だいたいあずみやほかの登場人物の気持ちがあまり伝わってこないんだよね。今回サブタイトルに「Death or Love」とあるようにラブストーリーでもあるかのような宣伝がされているけど、全くそんなことなく、いつ君達そんな気持ちになったんだ?という感じ。恋というよりは仲間意識でしかないじゃん。特にあずみのほうは昔好きだった“なち”にそっくりな奴がいたから戸惑っているだけで、ありゃあ恋じゃないね。大人になりかけの少女の戸惑いなんてまるでなし。
そのそっくりさんの銀角にしてもなんであずみにこだわったのか全く分らない。その仲間たちにしてもそう。君達大切なものあったじゃないか。そのこと忘れてないか? あずみの過酷な運命を知って守るべきものとして目覚めたとかじゃないもんね。気持ちが伝わらないことこの上なし。
主要人物がわりとあっさりとポロポロ死んでいくんだけど、その死に方がなんか意味のない、情けないものが多いのも気にかかりますね。あずみの目の前であずみをかばって死ぬとかなら心も動くってもんだろうけど、大切な仲間があずみのいないところであまりにもあっさり死んじゃうなんてっていうパターンもあり、全然盛り上がらないし。
あと完全に不意を撃ったはずなのにいまそこにいる標的たる中心人物でなくて端っこにいる雑魚から殺す刺客とか、もう完全に相手は動けなくなっているのに、致命的重傷を負ったとはいえどう見ても充分殺せる敵を残して味方の元へ逃げ「殺せませんでした」とか言って絶命する奴とか、それにただの野党かと思ったら忍者軍団と対等以上に戦っちゃったりして、いたるところに不自然な行動や展開も目につく。あずみが最終決戦になったらいつのまにか今まで着ていなかった衣装に着替えていたりもしてびっくり。(^^;)
あと基本的に殺陣がゆるい! 前作の流れるようなカメラワークと立ち振舞いに比べてなんとモタモタっとしていることよ。あずみの剣も動きもなんかスピードなく感じる。ばばばばばザクザクッっていう爽快感があまり感じられない。あれだと何十人もバッタバッタと敵を切り裂くイメージがわかないでしょう。いかに前作がよくできていたか分かります。
怪獣アクションではあれだけ見事なものを作り上げた金子監督も、時代劇アクションはいまひとつ乗り切れなかった感じがします。上戸さんはまあ普通。作品自体の贔屓目からか、やはり前作の方が魅力的にも思えます。他の出演者にも前作のオダギリさんのようなこれっていう人はいなかったなあ。
あぁそう言えば高島さん、濡れ場はきちんと脱いでね。(^^;) 脱がないなら脱がなくて全然かまわないから、そこでのセリフはその前に終わらせて、さあこれからと言うところで場面を変えれば済むことなんじゃないのかね。ああいうの嫌いなんだよなあ。
と、2作目は僕の中では失敗に終わってしまいましたが、3作目に期待の持てるエンディングではありました。あのあとあずみがどう生きるのかはとても興味があります。ぜひ作って欲しいです。次もぜひ監督を変えて、例えば行定勲さんとか橋口亮輔さんあたりに挑戦してもらうとか、いっそのこと矢口史靖さんとか周防正行さんとかどう?(笑)
なお、3大がっかりには「コペンハーゲンの人魚像」が入ることも多いようです。(^^;)
2005.3.19
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