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by はる
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「お父さんのバックドロップ」☆☆

監督:李闘士男
脚本:鄭義信
出演:宇梶剛士 神木隆之介 南果歩 生瀬勝久 奥貫薫 南方英二 田中優貴 AKIRA コング桑田 荒谷清水

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 ウーン、これは全然はまらなかったなあ。結構期待して観たんだけど、ほとんど盛り上がらずに落胆度高し。これはダメでしょう。

 こういう話の基本構造は前半できっちり笑わせておきつつ問題点を浮き彫りにしておいて、後半でそれをいい方に持っていくように一気に盛り上げて最後には感動させるっていうっていうお決まりのパターンでしょう。簡単に言えば笑わして泣かす、ですよね。誤解しないで欲しいのは、型にはまった映画を良しと言っているわけではないということ。型を崩してそれがはまれば一番いいに決まっています。でもこの映画って結局そのパターンにのっとって描こうとしているのは明らかなんだもの。前半では場末のプロレス興行の”寒さ”や大阪の人たちの人情的なやり取り、お爺ちゃんの喧嘩の仕方の伝授なんかでほのかな笑いをつかもうとしているんだし、そのうち息子が父親の仕事(プロレスラー)を快く思わず反発を覚えていることやその理由がだんだん浮き彫りになっていって、父親はその状態を打破するために無謀な大勝負に打って出る。息子はその姿を見て何かが変わって大団円。ほらパターンどおりでしょ。
 だったらきちんとその枠の中で裏切らないものをつくろうよ。だって前半、全然笑えないんだし。笑わせようとしているんだろうけど、笑えないのはやはりツライっすよぉ。根本的に笑いのセンスが僕とは全然違うんでしょうけど、それをひいてもどうにも面白いとは思えないんですよね。例えば客がまばらでしかも試合をロクに見てもらえないスーパー前や漁港でのプロレス興行の様子とか、子供同士で話す小学4年生の女子だけ呼ばれて観るビデオの謎とか、センスがよければもっともっと面白くなると思うんだけどねえ。
 それにクライマックスの泣かせのシーンで、家のTVで父親の試合を見る息子が、試合が始まってずいぶんたってからその戦況を見て思い立ち、急遽会場にタクシーで駆けつける。って、何十分間戦ってんねん。試合終わっちゃうよ。あんなにボロボロになってそんなに耐えられるわけないじゃん。会場まで無理矢理連れて来られていたけど試合を見るのはイヤで控え室にいたことにすればすむことじゃない。笑わせるタイミングならまだしも感動させる段になってそんないい加減なことしてちゃそりゃダメでしょう。さめざめ。
 あとあの最強の外人空手家なんだけど、なんであんな試合を受けるのかね。どんなメリットがあったんだろう。「誰の挑戦でも受ける」って言っちゃったからしかたなく? それなのにあれを「最強決定戦」とか名乗るのはどうかなあ。どう考えてもあんなロートルプロレスラーとの一戦を受ける理由が見当たらないでしょう。その辺何かの因縁を絡めないとね。
 細かいところホント気を遣ってないんだよなあ。
 ビデオの一件にしても、あんな重要なポイントなのに、その場だけの展開で終わっちゃって後に全然活かされていないのはなぜ? あそこで入った亀裂はいつ修復したんでしょうか。
 それから友達がなんであんな行動に出るのか分からないし、なぜ改心したのかも分からないんだけど、あれってどういうこと? 映画の描き方としても意味あったかなあ? 最初は友達を許さなかったのに、最後に成長して許す心を持ったって言うならまだ分かるんだけど、そんなこともないしね。
 いやあいっぱい出てくるなあ。この辺でやめておこう。ごめんね、ネタバレっぽいところもあるね。(^^;)

 あ、でもあと最後にひとつだけ。「お父さんのバックドロップ」なんてタイトルにも意義あり。普段の試合でも決め技はいつもバックドロップでバンバン勝ちまくっているっていうなら分かるけど、この内容ではダメじゃん。「僕のお父さんはプロレスラー」とかの方がいいと思うよ。(←勝手に決めているし)

2005.2.15


 

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