「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」


監督:深作欣二 深作健太
脚本:深作健太 木田紀生
出演:藤原竜也 前田 愛 忍成修吾 酒井彩名 末永 遥 竹内 力 石垣佑磨 前田亜季 ビートたけし 三田佳子 津川雅彦

 間違いなく賛否両論。ちょっと映画を観なれた人だと、否のほうが多いくらいかもしれません。いわゆる突込み所満載のような気もします。前作とのつながりや設定そのものに対する疑問点、多少中途半端にも思えるメッセージ的なセリフや展開、主要キャラクタの思いがけない心変わりなど、不満に思える部分もやはりあります。
 でも僕は入り込めちゃいました。僕にとってはもんくなしに楽しめる(楽しめる、はやや語弊もあるけどね)エンターテイメントでした。前作は先に原作を読んでいたこともあり展開の意外性はほとんどなかったのですが、今回はそう言うこともなく、どうなるのかハラハラしながら観てしまいました。
 なにより凄いのはやはりその戦い自体の意味のなさ。わざわざ中学生側の人を減らそう減らそうとするそのルールはとても相手を倒すためのものではない。中学生に武器だって十分なものは与えられない。戦争自体に意味はないのです。意味はなく、ただ殺し合いだけをさせられているだけ。前作以上にその個々の死の意味は薄くなり、意味のない、ただ不条理な死が次々と重ねられていく恐怖だけが増しています。おかげでその戦争描写の緊張感はすごいです。誰がどう死ぬか、などといった興味を持つひまもないスピーディな展開には圧倒されました。疲れました。もちろん良い疲れです。

 ぜひ観ていろいろ確認して欲しいので多くは語りませんが、戦闘は意外な方向に進んでいき、描写も後半更に派手になっていきます。やりすぎ、という意見もあるでしょうが、徹底した非情な展開は僕は評価しますね。これまた130分以上の短くない映画ですが、全然退屈しないですごすことができました。

 しかし藤原君演じる七原秋也は少しキャラが変りすぎにも思えます。前作ではもっと命の大切さを考える主人公だったと思うのに、ここでは進んで戦いに身を投じている。いくら3年あったとはいえ、いくら過酷な体験をしてきたとはいえ、あそこまで変れるものでしょうか。
 前田愛さん、忍成修吾くん、石垣佑磨さんらも好演。個人的に好きだったのは坂本真さん。彼にはちょっと泣けた。(藤原、石垣、坂本は「仮面学園」トリオだ)
 しかし酒井彩名さん、末永遥さん、加藤夏希さん、神戸みゆきさんらはみんなぱっと見似ていて(詳しい人は一目で分かるのでしょうが)、動いているとどうにも区別がつかなかった。もう少しタイプをバラして欲しかったなあ。(^^;)


 2回目を観てきました。

 なんだかんだですっかりハマっている私は、それに先立ちノベライズとガイドブックを読んで、各キャラクターの顔と設定をだいたい覚えておきました。誰がどこで死ぬのか、どこでどんな決断をするのか分かって観ていると、その人がその前にどんな行動をとり、どんな表情をしているかなど新たな面白さがあるからね。

 昔の「太陽にほえろ」じゃないけどさ、思い入れのあるキャラクタが死ぬところって言うのは、実はとても印象的なシーンなのよ。いまだに松田優作と言ったらなによりも「なんじゃこりゃあ」だもんね。(笑)
 この映画でもいっぱい印象的になるべき人死にシーンがあるけど、結局どうにもそんなには残っていない。要するにこの映画の僕的にイカンところは、思い入れの出来る前にみんな死んじゃうところなのですよ。

 だいたいこの映画は出演者が多過ぎで個々の描き分けはほとんどできてないでしょう。個性が無いのは死に方だけではありません。42人いれば42人分の個性があって当然なのに、個性が見て取れるのはほんの5、6人でしょう。1回で観て印象に強く残るのは忍成くん、酒井さん、前田さん、坂本くんとあじゃさんくらい(と、あと人によっては2,3人いるかもしれないけど)じゃないかな? 最初のほうで船の上で死んじゃったり、爆発に巻き込まれたりしちゃう子達はぜんぜん存在感が無いまま。せめて終盤一人一人死んで行く所までたどり着けばいいけど、あの速い展開ではそうでもない人達は全然覚えていられませんて。
 ノベライズは死に方や死ぬ順番はもとより、そもそもの戦闘の意味や最終大決戦の理由なども少し違うのでそれをそのまま反映できないにしても、あれ読んじゃうとやはり映画は時間が足りてないなあと思うわけです。

 だから普通は映画を観ながら思い入れを作っていくんだけど、この映画に関しては映画を観てないときにキャラクタに思い入れを作ってみてみました。ノベライズはノベライズでしかないから映画と完全一致はしないんだけど、それでも同じ名前の生徒達にひとりひとり個性と性格、生い立ちなどが描かれているので、映画を観てもああそうなのかなと参考にしつつ、はたまた小説との違いを感じつつ、死んだシーンなどを印象付けていきました。

 結局、僕などは人が死ぬシーンは好きなのよね。(^^;)

 それから2回観ると、1回では全然気がつかなかった小さな描写もよく目に付く。姉と弟は目だけで再会を確認しているし、呪いの人形を投げたら爆発なんてシーンもあった。僕には1回であそこまで気がつく能力はないよ。(^^;) 2回観てよかったです。