「カナリア」☆☆☆
監督:塩田明彦
脚本:塩田明彦
出演:石田法嗣 谷村美月 西島秀俊 甲田益也子 りょう つぐみ 水橋研二 戸田昌宏 品川 徹 井上雪子
だいたい塩田監督の映画って分かりにくいよね。上手だし考えさせられる題材だし心に響くものが多いんだけど、なんだかんだ言っても完全に理解しきるのは難しいものがほとんどだよね。もちろん分かる人には分かるんだろうけど、私のようなレベルの低い観客にはどうにも塩田監督の映画は分かりにくいですよ。
この映画にしても、結局最後に何が起きたのか、私は分かりませんでした。彼はこれからどうするんだろう。それ以前に、彼はどうやって(どういう過程を経て)あそこに現れたんだろう。最大の謎は、あの姿はなんだったんだろう。うーん、わからん。
多大な犠牲者を生んだ残虐テロを引き起こしたカルト教団。その居住施設では親に連れられ入信し、しかし親とは引き離され生活する子供たちがいた。教団なきいま子供たちはほとんどが親族に引き取られていたが、ただ一人祖父母から引取りを拒否された少年がいた。更生施設を脱走した彼は妹を奪還するために道中で知り合った少女と共に祖父母の家へ向かう。
お話の流れとして、ロードムービーとして、退屈することはまあなかったんでよかったんだけど、それでもなんか基本的な部分で違和感もある。あの少年って、そんなに人格的に破綻しているわけでもなく、ただつらい過去を背負っているために多少屈折しかかっているに過ぎないように思う。少女や妹や昔の仲間などにはなんら攻撃的な部分は持たないわけだし、祖父母が受け取りを拒否するほど曲がりくねった存在にはとても見えないんですよね。
むしろ彼と行動を共にする少女の方がかなりやばい感じがする。少年の屈折の理由はかなり特殊だけど、少女の方は悲惨めいてはいるもののどこにでもあるようなものだから。
彼らはこの後も生きていくことが出来るんでしょうか。
しかしカルト教団での生活の悲惨さ、その狂信的な信者の姿は観たくないものベストテンに入るなあ。石井輝男の「地獄」とあわせて観るとなおさら”宗教”というものを見違えてしまいそう。(^^;)
2005.6.16
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