「CASSHERN」


監督:紀里谷和明
脚本:紀里谷和明 菅正太郎 佐藤 大
出演:伊勢谷友介 麻生久美子 寺尾 聰 樋口可南子 小日向文世 宮迫博之 佐田真由美 要 潤 西島秀俊 及川光博 大滝秀治 三橋達也 唐沢寿明 

 「阿弥陀堂だより」の二人の子供が、こんなことになっちゃうなんて、、、。(^^;)

 はるか昔のTVアニメは観ていたような観ていないような気がするけど、その姿やこの映画の予告編でも使われていた「キャシャーンがやらねば誰がする」といった決めゼリフコピーはよく覚えていました。とは言ってもたぶん小学生だったと思う。中身はまったく覚えてなかったです。こんな話だったっけか。

 しかしおかしいなあ。前半〜中盤までの話を見ていれば、こんな「何故生きるのか? 何故戦うのか? 愛とは? 人間とは?」といったような哲学めいた謎かけをするような映画とは思いませんでしたよ。細かい説明や辻褄あわせなどなく、新造人間や新造細胞、キャシャーンは生まれてその力を発揮しだし、大迫力の映像で敵をばばばばばばばばばばばばばばばあばばばばっばばっばばばっば〜んと叩きのめす映画ではなかったでしょうかね。
 実際新造人間達が帝国を築きあげる過程とか、人間に宣戦布告する最初の展開なんかなんの細かい説明もなく、ものすごい唐突。キャシャーンが突然フルパワーを全開にしてロボットたちを蹴散らす姿も突然。この映画はそれでいいんだと思ってたので、まったく気にならずにこの映画のビジュアルを楽しんでいました。

 でもそんなこと考えさすの? 生きる意味? 戦う意味? 知らないよ、そんなの。そういうのを考えさせる映画じゃないジャン。それならそれでもっと前半から例えば新造細胞の仕組みから理詰めで組みたてるべきでしょう。斬新なビジュアルと懐古心メインのトンデモ映画のはずが、終盤急に違う色の映画になっちゃってませんかね。
 そういうのは他の映画に任せて、キャシャーンが大活躍して敵を蹴散らしてめでたしめでたしでよかったような気がするんですけどね。少なくとも途中まではそういう映画だったような。ただ敵対関係が複雑なので、誰にどう勝てばいいのか、良く分からなかったけどさ。
 終盤、衝撃の事実が発覚するんだけど、登場人物達には衝撃でも、観客にはどう衝撃的なのかいまひとつ分からないというのはなんとも。もっと世界観とか、人間と新造人間の心の動きを僕らに理解させないと。君たちそれがナンでそんなにショックなんだ?(^^;)

 まあ、そのビジュアル面はたしかに凄いと思います。独自の世界を見事に構築しているし、こういうのは正しいCGの使い方だと思います。大迫力の戦闘シーンなど僕は好き。

 それより驚いたのは紀里谷くんが、監督・脚本だけでなく、撮影までしていること。こんな全国公開の映画のカメラまで回しちゃう監督って珍しいのでは? 次作があるかはわからないけど、今回と同じような色の映画はもう作れないだろうから、次はどう出るか楽しみ。