監督:崔 洋一
脚本:崔 洋一 鄭 義信
出演:ビートたけし 鈴木京香 新井浩文 田畑智子 オダギリジョー 松重豊 中村優子 唯野未歩子 濱田マリ 塩見三省
激動の人生。怪物の人生。戦後の在日朝鮮人が成り上がっていくにはこのくらいの怪物でないとダメだったのでしょう。圧倒的な迫力と暴力、財力に行動力。己の欲望には忠実に、他人の苦難など関係ナシ。他人の目も関係ナシ。ただひたすらわが道を歩んだ豪傑の人生。
その怪物の人生に、その家族はどう立ち向かったのでしょうか。イヤ、結局はほとんど立ち向かえなかったのです。一生苦難を歩み続け、屈辱に耐えながら歩んだ人生でした。逃げ出した娘には更なる不幸が襲う。男が望んだものでないのがまた因果を感じて恐ろしいです。この映画はこの家族の悲劇を描いたものです。
そんな男ですが、忠義をつくす舎弟はいるし、一旦囲った愛人を例え病気になろうとも最後まで責任を持って見守る”感情”はあります。2人目の愛人に何人も何人も子供を産ませて、息子を欲しがる気持ちがあります。恐らく一番欲しかったのは「家族」であり「家庭」でしょう。でも不器用すぎ、表現能力のない男は暴力でしか主張が出来ないのです。そこに悲劇があり、憎悪が生まれるのです。
でもだからって、こんな男に感情移入できないのが当然。見ていて彼を擁護する人はほとんどいないでしょう。憎らしさの隙間に垣間見る人間らしさに多少ハッとするだけで、やはり憎らしい存在です。決して関わりたくはないですね。
正直、話も好きではないです。愛がないし、悲惨だし。
ビートたけしさんははまり役だけど、イメージ通り過ぎるのが逆に損している感じ。鈴木京香さんは年齢相応なのは最初だけでどんどん老けていってしまうので若干の違和感。おかげでたけしさんの年齢との差がよく分からない。新井浩文くん、田畑智子さん、松重豊さんなどはまあまあ。濱田マリさんが脱いだのにはビックリ。(笑)
2004.11