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「くりいむレモン」☆☆

監督:山下敦弘
脚本:向井康介 山下敦弘
出演:村石千春 水橋研二 根岸季衣 大鷹明良 勝俣幸子 三浦哲郁 細江祐子 山本剛志 山本浩司 小沢和義

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 親同士が再婚し兄妹として育った血のつながらないふたりはいつしかお互いを愛するようになっていた。あるとき両親が共に長期の海外出張で家を空けることとなった。最初は何事なく過ごしていた二人だったが、妹が熱を出したのをきっかけに一気に二人は深い関係になってしまう。二人きりの家で恋人同士のような生活を過ごす二人だったが、母親が帰ってきて事態は一変する。

 原作は80年代に一世を風靡した美少女アダルトアニメ。血のつながらない兄妹が戸惑いながらもいけないことをしてしまう姿をアニメでありながらモザイクの入った過激な映像で描写した、このジャンルを確立させたと言ってもいい大ヒット作です。この主人公”亜美”がその後のオタク市場に多大な影響を与えたのは間違いなく、これがなかったら少なくとも日本のアニメの歴史とエロ文化の歴史、もしかしたらビデオ機器の歴史をも書きかえられていたかもしれません。
 ただし残念ながら僕は観たことはありませんでした。そんな面白かったのかなあ。興味はあったけど、その世界に踏み込む(観る)のは勇気がいるよね。(^^;)

 ということで実写化されたことでハードルは何百倍も下がったこのタイトル、やはり題材的には興味があり(笑)、先日観た同じ山下監督の「リンダリンダリンダ」が面白かったので、レンタル屋に並んでいたDVDを借りてきました。
 まあアニメとはかなり違うのでしょう。全然描写はハードではなく、エロよりも兄妹二人の恋愛と感情をじっくりと描いた単なる青春映画でした。主演の子も脱いではいるものの見たい部分は見せない演出で、まあすなわちモザイク入るようなもんじゃなかったです。(笑)

 この題材で描くべきなのは、血はつながらないとは言え兄と妹として長年暮らしてきた男女が、その禁断的な状況の壁をどう乗り越えていくのかという感情の流れでしょう。またその壁を乗り越えてしまった後、その状況をどう戸惑い耐えていくのかということではないでしょうか。しかしこの映画ではそういった背徳感は全く感じられず、二人の恋愛はただの男女のそれとしか思えませんでした。
 相手を好きなのになかなか言えない。”好き”ってどういう”好き”なのかと訊きたい。キスしたいのにできない。一戦を踏み越えたいのにできない。一旦ラインを超えてしまったらその後はもうとまらない。そんなの誰もがしているフツーの恋愛ではないでしょうか。兄妹だから生じるはずの壁が全く感じられないのです。親にバレれるバレないのスリルや、親が二人の様子を怪しがる描写もない。そもそも二人がイケナイことをしている悪びれが全くない。本当に君たち兄妹なのか。
 もっとエロエロに描くならまだいいよ。幼い妹に「お兄ちゃんダメ」と抵抗させるとか(笑)、兄が妹の裸を偶然見ちゃって一気に盛り上がるとか(笑)、その逆でずっと兄に憧れてた妹が意を決して裸になってせまるとか(笑)、そういうAVもしくはピンク映画めいた展開で僕らエロオヤジさんたちを楽しませてくれる映画ならそれでもよかったよ。でも兄も妹もそれなりに大人めいてて、それなりの分別も持てるような性格設定になっている。エロよりもドラマで見せようとしている。それじゃこの描写はダメでしょう。ただの青臭い恋愛ドラマじゃん。

 結局この設定がぜんぜん活かされていないのよね。全く面白くありませんでした。

2005.8.19


 

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