監督:是枝裕和
脚本:是枝裕和
出演:柳楽優弥 北浦 愛 木村飛影 清水萌々子 韓 英恵 YOU 串田和美 岡元夕紀子 平泉 成 遠藤憲一 寺島 進
どうしてこんなことになってしまうんでしょう。ここに描かれる出来事は、あまりにヒドイ。現実に起きたことをモチーフにしていることもあって、つらく心に刺さる。我家にも小さい子供がいるので、なおさらそう思うのかもしれません。
自分の(自分だけの)幸せのために4人の子供を置き去りにする母親の神経は全く理解できず、怒りばかり浮かぶのでそこに言及するとやたらの長文になってしまいそうなのでとりあえずは割愛。語るべきは子供たちの生き方でしょう。
いい加減だけど大好きな母親のために不満らしい不満はほとんど言わない子供たち。帰ってくることを固く信じて外には出ないという言付もしっかり守っている。しかし母親は帰ってこない。だんだんとその生活は苦しくなっていく。
子供たちは本来は「子供」であるはずなのに、そこに本来あるべきの子供らしさはどんどん失われていきます。でも彼らは早く「大人」になっていくのではありません。子供らしさを失っていくことで「子供」でも「大人」でもない、他の何かになっていくのです。ただ、生きていくためにじっと我慢して生きているのです。その姿を見るだけで悲しいです。終盤に起きてしまう大きな出来事も、彼らの生活の中では来たるべくして来るような出来事であるゆえに、そこだけが悲しいのではありません。そこに至るまですべてが悲しい出来事でした。
うちの子だったらアポロチョコなんか1箱1日で食べちゃうし、あんなクレヨンなんかすぐ無くすだろうしさ。実感できない程の乖離です。
この監督の作風として、物語の進行のためには直接的に必要ではないんじゃないかと思われるような何気ない描写がいたるところにちりばめられていて、話の流れがあまりに緩やかであるがゆえに落ち着かない退屈に陥りそうな時間帯もありました。観ている間は多少評価低めにも感じていたのですが、見終わってからのほうがジワジワ来ています。って言っても感動ではなく、つらい気持ちのほうなんですけどね。
カンヌで大きな賞を取った柳楽優弥くんですが、個人的には主演男優賞を取る程には感じませんでした。新人賞くらいなら分かるんだけどね。まあ確かに表情などは素晴しいので、微妙なニュアンスの伝わりにくい海外ならではと言うところでしょうか。次作に期待しておきます。
それにしてもYOUさんははまり過ぎで本人の印象悪くなりそうでちょっと可哀相かも。(^^;)
2004.9