「Deep Love アユの物語」


監督:yoshi
脚本:yoshi
出演:重泉充香 古屋敬多 藤谷祥子 黒田アーサー 竹中直人 風見章子 本田博太郎 二木てるみ 青木直子 東江里子


 原作は結構売れているらしい若者向け小説。携帯配信かなんかされていたらしく、4作まで出ているヒットシリーズだ。僕も手にしたことくらいはあるが、横書きなのが印象に残っているくらいで特に読んでません。
 ヒット小説だけに映画を観る人の多くは(と言うか小説の読者くらいしかこの映画を観なそうだし(^^;))その結末を知っているのかもしれませんが、まったくの白紙で観た私にとっては後半は結構意外な展開でした。そういう話だったとは。

 特にさしたる理由も目的もなく、ただダラダラと援助交際を続けている女子高生が、ふと出会った優しいお婆ちゃんとふれあい、またそのお婆ちゃんに縁のある少年に出会うことで変化していく様を描いた青春映画である。
 驚いたのは原作者が脚本を書くのみならず、監督デビューまでしていること。それがうまくいってれば話題性もあるし別に文句はないんだけど、やっぱいま一つうまく機能していないのかなあ。必要最低限のことを描写して描かない時間のことまで伝えようとしているんだけど、ただただ断片的なツギハギになってしまっているような感じなのが残念。
 なれてない監督なんだなあと一番感じたのは、女の子たちに妙に気を使いすぎていること。援助交際がメインテーマのひとつなのに、主演の子と友人の子が援助交際するシーンで最初から最後まで服を一切脱がず、やったのかやらんのか画面だけじゃ全然分からないと言うのはどうしたものよ(説明的なセリフとお金もらっているカットで分かる)。主演の子は別のシーンではスカートに顔や手を入れられたり、脱いで背中までは見せていたりもするからまったくダメってことじゃないようなので、せめて下着にくらいにはさせとかないとねえ。変な気の使い方は映画の質を落とすんだからさ。
 その主演の重泉充香さんは役を作ろう作ろうと一生懸命なのが伝わってくる感じ。抑えて抑えてゆっくり歩こうとしているのがちょっと不自然なのは御愛嬌。役柄には合っていたようです。
 ただし個人的には主演の子よりも妙に明るい友人役の藤谷祥子さんが好き。この子が出てくると画面がちょっと和らぐね。上記の小説シリーズの3冊目は彼女の話らしいので映画化希望だったりもする(笑)。彼女にもそれなりにドラマがあるしね。

 話としては前半なんの思い入れも持てなかった主人公に最後にはそれなりに愛着も持てるようになり、ラストには軽く心も動かされる。一番の悪役だった奴にきちんと天罰が下るのにはちょっとホッとしたよ。悪い話ではないと思うので、ここはそれなりの監督にきちんと作ってもらいたかったとちょっと思ってしまうのはたしか。

 それにしてもナンでこんなところで竹中直人さんなんだと思ってたら、後でまた出て来たのでちょっと納得。一目で同じ人だと分かる点がポイントでした。



2004.5