監督:那須博之
脚本:那須真知子
出演:伊崎央登 酒井彩名 渋谷飛鳥 宇崎竜童 阿木燿子 冨永 愛 ボブ・サップ 伊崎右典
一応僕も原作漫画は持っているんです。この映画に挑むにあたって、一番重要なことは原作漫画をどれだけ忘れることが出来るか、それにつきると思っていました。あの原作を2時間に収めるなんて到底不可能だと思ったし、それを目指すには相当なアレンジと省略が必要で、原作からは大きく違う展開に組み替えられたものでないと映画としては成り立たないだろうなと思っていました。原作と違うからダメ、そう言うスタンスではこの映画は評価できないだろうな、と。
、、、でも原作どうのこうのではありませんでした。それ以前に、それ以上に破綻しまくっていました。ある意味凄いっす。(^^;)
氷の下からよみがえった悪魔・デーモンと合体しデビルマンとなった少年が、デーモンから人間を守ろうと決意するが、人間は自滅の道を歩み始める。そのときデビルマンは何を考え、どう行動するのか。というのが大まかなストーリーだと思います。これは原作とほぼ同じ祖筋なのですが、その描写と展開はかけ離れていました。っていうか、この祖筋を追うのが精一杯で、祖筋を最初から理解していないとたぶんよく分からんじゃないかという映画になってしまいました。これってうまく繋がっているのかしらん。
だいたい一番の肝は人間が人間を信じられなくなってお互いを殺しあうってことだよね。じゃあなぜ信じられなくなったのか。デーモンが化けている可能性があるからでしょ。でもどういった姿がデーモンが化けている人間なのか、人間に化けたデーモンが何をするのか、これじゃよく分からないよ。人間に取り付いたデーモンがどれほど危険な存在なのか、ここに描かれたもの(子供を殺そうとする親くらい?)だけではどうにもピンと来ないっしょ。だってシレーヌやジンメンは明らかなデーモン(怪物)で、人類共通の敵でしかないもんね。あれで隣の人間を信じられなくなる理由にはなりえないし、国家間を超えた戦争にまで発展する理由にはまったくつながらないです。人間に化けているデーモンがその正体を現して人々を恐怖に陥れるはっきりした描写がないから、その後の展開に説得力がないんでしょうね。
それには女の子が腕から変な液体を出すくらいのことで、デーモンの脅威は伝わらないんです。そりゃ気持ち悪い存在だけど、そこまででしょう。こうなってしまった人間をどう排除するかっていう動きにはなっても、そうなってもいない人間にまですべての人が疑心暗鬼になって行動するにはいたらないでしょうよ。つまりは襲い来るデーモンの脅威がぜんぜん観客に伝わってこないのは致命的です。
その後の展開にしたって、わずかにTVのキャスター(ボブ・サップ(--;))がその状況をセリフで説明してくれるのみで、実際に世界で何が起きているのかは全くイメージできない。この世紀末的状況が全く描かれてないのです。あれじゃあわざわざ映像化する価値ないでしょう。
それになんなのよ、デーモンの拠点って。そんなつるんで一箇所にいるくらいなら、わざわざ人間に化けている必要ないじゃん。(^^;) あと、了くん。君はなんで拳銃なんかで戦うんだ? もっと凄い力を持ってるんだろ?(^^;)
CGの出来もいいんだか悪いんだかよく分からない。はっきり言えるのは僕の趣味ではないってこと。明らかにあそこまで他の映像と質感が違ってしまったら僕には受け入れられません。いっそのこと全編あの質感でアニメにしちゃえばよかったのに。
評判の悪い主演二人の棒読み演技は、僕はそんなには気になりませんでした。人間でなく感情の起伏も少ない彼らなら、あんな感じでも許容範囲。酒井彩名さんはまあまあで、渋谷飛鳥さんの方がちょっと好きでした。(笑)
それにしてもKONISHIKIさんとか、小林幸子さんとか、何しに出てきたの? まったく。
永井豪さんもよくこれで映画化をOKし、出演までされているなと思うけど、たぶん脚本だけ読んだ時点ではそれなりにうまくまとまっている感じだったんでしょうな。
2004.10