「Dolls」


監督:北野 武
脚本:北野 武
出演:菅野美穂 西島秀俊 深田恭子 武重 勉 三橋達也 松原智恵子 岸本加世子

 狂おしいほどの愛、という言葉がありますが、文字通りに狂おしき愛に生きた人達のお話でした。3組の男女の愛が描かれるのですが、どれも普通ではない状況での純粋な愛の姿を見せてくれています。不本意ながらも社会的地位を得るべく恋人を捨てた男とそのために精神を病んだ女。恋人が再び現れるのを信じて待ちつづけた女と、それを知った男。事故で顔に傷を負ったアイドル歌手とその大ファンの青年。
 どの話もみな何かを感じさせてくれることは間違いないのですが、個人的には深田恭子さん演じるアイドル歌手とおっかけ青年お話が好き。怪我をした愛するアイドルのためにあそこまでしてしまう青年は凄い。純粋で深い愛情を感じる。でも(海外の映画祭で上映され絶賛されたというお話だけど)アイドル歌手という文化はわりと日本独特のものだと思うから、あそこまでアイドル歌手に入れ込み愛することのできる人の存在のニュアンスは日本人以外にはちょっと分かり難いのではないでしょうかね。

 それにしても菅野美穂さんは凄い。綺麗な歩き方すら忘れているのであろう姿はもちろん、ペンダントをかざした表情などは圧倒的に心に響く。悲しいお話だけど、彼女の表情で多少救われた気もします。

 映像、色使いは確かに綺麗でしたね。大好きな映画ということはありませんが、退屈せずに観れました。