「映画監督になる方法」☆☆☆☆☆
監督:松梨智子
脚本:松梨智子
出演:まんたのりお 町田マリー 徳蔵寺ハ崇 松梨智子 いとうよしぴよ 藤井ハ樹 浅野麻衣子 山崎祐子 神本十兵衛 ミック入来 津田寛治 中西ハ毅 奏谷ひろみ 小柳こずえ 小松秀彦 林ハ永佳 中之島三洋 大貫多佳子 安部謙太 青野正己 いながわしろう 山田敬子 宇地原千華 鈴木なつみ 大庭有美子 マイト和彦 川下英哲 チャンス大城 芹澤カトゥ 山口雅弘
映画監督を目指すキタガワは新人発掘コンクールでグランプリを受賞するも、その後の監督デビューには届かずにいた。高慢で自らを天才と信じるキタガワにはどうにも面白くない。そうしているうち彼女のアパートを追い出されたキタガワは友人の山本の勧めでAV監督となり、その作家性で認められていく。一方同じコンクールで準グランプリとなった斉藤はデビューのチャンスを探すうち自らがイチゴちゃんというかぶりものキャラとなり自主映画界でアイドルとなっていく。10年近い歳月が流れたころ、年齢的な限界を感じ始めた斉藤は上映会で再会したキタガワと組み、新たなるステップとしてイチゴちゃん主演のAVドキュメンタリー映画の製造を決意する。
ものすごいものを観てしまいました。なんと言うパワー、なんと言う創造性、なんと言う発想力。大絶賛です。
オープニングのイチゴちゃんの映像から圧倒され、何がなんだか分からないうちに(笑)強烈な主人公キタガワのキャラクターにまた圧倒され、突然始まるミュージカルにも驚かされ、ギャグのおかしさにもエロチックかつグロチックな描写にもひたすら笑ってしまいました。時折挿入されるそれぞれの心象風景の的確でありながら想像を絶するような意外な描写や、映画祭でグランプリを取ったときのキタガワの高飛車コメント、歌って踊って楽しそうなイチゴちゃん、最後のドキュメンタリー制作の驚愕的顛末、どれをとっても想定外の展開の連続にとにかく打ちのめされ通しでした。
それでいてキタガワとその恋人サクラコのケンカのシーンや斉藤と彼女を見守るアラキとが結ばれるシーンなどの丁寧なシークエンスの素晴らしさ。ただバカなだけではない映像の力強さもきちんと持っています。
映画監督への道は本当に険しい。大学時代のサークルのみとは言え自主制作の世界をほんの多少見たことのある身からして、ここに映画かれているような作家たちの苦しみや裏の世界の醜さなんかは充分理解できます。そして映像制作にすべてをかける人たちのこともやはり理解できます。そういった部分でもこの突拍子もない物語でも一人一人に大きく共感してしまいました。みんながんばれ。
先日(2006年11月)の日本映画街フォーラムのパーティにこの監督の松梨智子さんがいらしていました。僕は作品を観たことがなかったので話かけもできなかったのですが、今にして思えばひじょーに残念。実のところあの日お姿を見かけたことがこの映画を観るきっかけでした。順番が逆だったらー。
それにしても主演のキタガワ役のまんたのりおさんのインパクトの強さよ。斉藤役の町田マリーさんも良い。すごいぞ、これ。
ただいろんな意味であまりにも凄いので特に誰にもお薦めしないけどね。(笑)
2007.1.24
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