「EKOEKO AZARAK」


監督:鈴木浩介
脚本:小林弘利
出演:加藤夏希 大谷みつほ 遠藤憲一 光石研 高野八誠 諏訪太朗 

 劇場公開前にWOWOWで放映されていたものですので、劇場版と違いがあるかも知れません。時期が近いから同じものだとは思いますが。

 原作は20年以上も前に連載されていたものだというのに、映像化されたのは近年で、しかもここまで何作も作られるほどに盛り上がるとは思わなかったです。でもその盛り上がりは映画の1作目の完成度の高さと、映画とTVで黒井ミサを演じた吉野公佳さんと佐伯日菜子さんの功績でしょうね。あ、あと管野美穂さんもね。
 この映画版新作はそのタイトルを借りてこれらの過去の実績を利用しただけのもの。過去の話はまったく消し去り、主人公黒井ミサ自体の設定さえも大きく変更してしまっています。過去の「エコエコアザラク」の続きを期待すると大きく裏切られ、それだけで落胆する人も多いでしょう。新たなサスペンスホラーを観るつもりでないと、この映画は駄目ですね。この映画が「エコエコアザラク」である理由はほとんど見つかりません。逆にその名前を用いているがためにミサが魔術使いであろうと先入観を持ってしまうと言う欠点も生んでいます。これは映画の価値を低めているとも言えます。できればこのタイトルと設定はやめて欲しかったです。
 でもその点を除けば、この映画はまあまあ楽しめました。複数殺人現場で一人生き残った少女が世間やマスコミから犯人扱いされて追いたてられ、避けられる様は現実にも有りそうな話だし(「日本の黒い夏−冤罪−」を思い出させる展開)、一旦はその少女を信じようとしていた人たちがほんの小さな出来事(TVの嘘)から一気に恐怖を増幅してその元を離れていこうとする様などはよくできていました。怖いとかではないのですが、展開はなかなか楽しめました。
 ただ上で書いたようにミサが、その意志が有るか無いかはともかく、原因となって人が死んでいっているんではないかと感じながら観てしまうのが難点ですね。あの少女(ミサ)が本当に原因なのかどうか疑いながら観れれば、もっと楽しめる映画だったでしょう。それだけにこの映画が「エコエコアザラク」であることが残念です。企画の立て方のミスではないでしょうか。