「花よりもなほ」☆☆☆☆
監督:是枝裕和
脚本:是枝裕和
出演:岡田准一 宮沢りえ 古田新太 香川照之 田畑智子 寺島進 浅野忠信 國村隼 原田芳雄 中村嘉葎雄 上島竜兵 千原靖史 木村祐一 夏川結衣 加瀬亮 石堂夏央 遠藤憲一 田中哲司 中村有志 絵沢繭子 平泉成 石橋蓮司 勝地涼 田中祥平 トミーズ雅 南方英二
平安の日々が続く江戸時代。父の仇を追いかけて江戸に出てきた青木宗左衛門は長屋暮らしを続けながら仇を探す日々を送っていた。しかし実は宗左衛門は剣の腕はからきしで、とても仇討ちなどできそうもない。長屋に住むおさえと進之助の母子とも仲良くなり、平穏な日々を送っていた。しかしある日、仇の十兵衛が名を変え近くに住んでいることを知る。宗左衛門は仇を討つことができるのか。
何気に傑作ではないか、これ。
へっぴり侍は世を忍ぶ仮の姿で、実は剣の達人。最初のほうでメタクタに打ち負かされるのも実は演技で、仇討ちの場面になったら一刀両断スパーっと相手を切り捨ててまたアンドン生活へと戻っていく。そんな必殺かたそがれ清兵衛かどら平太かみたいなドラマかと勝手に思っていたんですが、本当にへっぴりなの。(笑) ある意味驚いた。でもこう考えるとそういう時代劇はもう既に山とあるんだから、いまさらわざわざ是枝さんが作るもんでもないもんなと思い直す。
親を殺され復讐心に燃えて敵討ちだけに人生を費やす人もいるでしょうが、そうではない人生の過ごし方、そうではない親孝行の仕方というものもあるという視点には感心させられ感銘を受けました。宮沢さんが息子に言うセリフや石橋蓮司さんが去り際に発する言葉に感動しちゃうね。
人が死んだり殺されたりしたあとに残る憎しみや悲しみを昇華するのは難しいけど、その人が生きていたときに残してくれたものには素晴らしいものがたくさんあるでしょうし、それを大切にすることでいろんなものを乗り越えていくことができるんですね。もちろん犯人側としては罪を罪として罰を受けることは重要でその部分を無くすことはできないんだけど、被害者側としては犯人を憎んで苦しんでいくだけで人生を送っていくのはやはり悲しいですからね。
最後の”仇討ち”シーンはどうかなあ(^^;)と思う部分はあるものの、それでもとてもいい映画でした。ラストカットの岡田准一は本当にいい顔をしている!
なお浅野忠信さんがまったく逆の立場になる「誰がために」とセットで観ることをお勧めしておきます。(?)
2006.6.23
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