「はつ恋」


監督:篠原哲雄
脚本:
出演:田中麗奈 真田広之 原田美枝子 平田満 

 やさしい映画ですね。僕は好きです。

 「ラブストーリーを君に」という映画は母親が娘にこの世の思い出として恋をさせてあげようというストーリーでしたが、この映画はその逆の立場のお話ですね。娘は母親の命が残り少ないのでは?となんとなく感じていたのでしょうかね。でも大切な思い出は父親とのものではないはずだと思い込んでいるのでしょうね。
 そんな中で見つけたあの手紙に彼女が深い興味を示すことは当然に思います。彼女は母親の昔の恋人を見つけ出しますが、もしかしたら自分の父親だったかもしれない(なんてことは摂理的にありえないのだけど、心情的には理解できる範疇でしょう)男に自分も何かを感じとってしまったようです。違うタイプの映画になってくると、この娘本人とこの男のベタベタの禁断的ラブストーリーもありえるのですが、ここではある種ままごと的な二人のふれあい劇になってしまいました。しかしこのままごと劇がなかなか爽やかでかつ暖かさを感じることのできる描写満載で、とても気持ちがいいのです。最初は母親のためであったはずの馬子にも衣装作戦が途中からは明らかに自分のためになってしまい、また男の方にも自分の娘のような感情が沸き立ち、最後にはほとんど本当の親子のような関係になってしまいます。その二人のやり取りを見ているだけでも、この映画は楽しく、心に伝わるものがあるのでした。好きです。