監督:高橋伴明
脚本:青島 武
出演:萩原聖人 裕木奈江 山本太郎 大杉 漣 塩見三省 池内万作 鳥羽 潤 小嶺麗奈
こういう史実ものの映画を観るたび、感想を書くたびに実感するのが、歴史・事件に対する知識の乏しさ。はっきり言って連合赤軍のしたことなんて、ほとんど把握してませんでした。この時代は僕が生まれてからです。僕が生きている時間にこんなことがあったんですね。でも今回、この映画で事件のあらましを知ることができました。逆に一番有名であるがゆえにほとんど描写されなかった浅間山荘の部分だけが、僕の知識から欠落してしまった形かも。(^^;)
劇中劇と言う作法はこの題材では見事としか言えないでしょう。この事件をほとんど知らない、漠然としか知らないであろう若い俳優達がこの事件を演じることによって何を感じ、そしてそれぞれの役の人達に何故こんなことを?を問い掛ける。メイキング・インタビューという設定を置いたために俳優達のそれぞれの言葉をスクリーンに映すことに無理がないし、また自分たちの理解の範疇を超えすぎているために戸惑い、役をつかむのに苦しむ俳優達の姿は、まさにこの事件に接する観客の姿でもあります。少しでも半革命的だと判断された仲間達を「総括」と称して次々にリンチし殺してしまう。なんであんなことをしてしまうんだろう。そこにどんな未来があるんだろう。全く理解できません。単にその行動を描写するだけでは、全く理解できずに共感もない単なる不条理な殺人描写映画になってしまったでしょうが、この劇中劇と言う作法を取ったっために演じる俳優達に共感することで一緒に理解しようとする道を選ぶことができます。この方法は大成功だと思います。居酒屋のシーンなどもとても面白いし。
ところで裕木奈江さん、小嶺麗奈さんという、僕の好きな女優ベストワン・ツーの初の共演映画なんですね。小嶺さんは出番も少なくて残念だけど、裕木さんはほぼ主役と言える大活躍で強烈な印象を残してくれます。ようやくきた世間にも認められる代表作になるかもしれません。