監督:滝田洋二郎
脚本:斉藤ひろし
出演:小林薫 広末涼子 岸本加世子 金子賢 大杉蓮
映画全体を通して、小林薫さんの心情が痛く心に伝わってくるお話でした。正直、泣けました。ヨイ映画です。奥さんを失った悲しみ、しかし実は娘を失ったのであるという状況
(ただしこのことに対する感情は今一つ見えてこないのが難点か)、 愛する妻は生きているのに、身体が娘のものである以上抱くこともできない。妻はこの状況に適応しようとして新しい人生を有意義に過ごそうとするが、夫の立場では頭で分かっていても感情がなかなか受け入れられない。再婚の話が出てもそれを受けることもできない。とにかくこの映画の核はすべて小林さんの心情で、母娘の存在はそれを装飾しているものくらいに思いました。もちろん広末さんもよかったのですが、やはりこの映画を支え、成功したのは小林さんの功労です。
しかしやはりラストは考えさせられますね。あのふたりの選択がよかったのかどうかが分かるのは、まだまだ先のことになるでしょう。
しかしながらもし、自分が事故で死んだとして、しかしとなりにあった身体の中で意識が目覚めたとしたら、あんなにあっさりその状況を受け入れられるものでしょうか。(^^;) 「私、死んだの?」「信じられないかもしれないけど、私は私なの」みたいなセリフがその場で言える人は、よほどの空想家か、非人間的な理解力を持つ超人なのではないかなあ。大抵の人なら大パニックに陥ってしまうと思いますよね。少なくとも僕だったらその状況を理解するまで相当の時間を要しそうです。
ところで娘の心が妻の体に入ったのだったとしたら、このお話もぜんぜん違うお話になってしまうね。(笑) その場合の悩み度は両者ともに更に増大でしょうか。