「アイランドタイムズ」☆☆☆☆
監督:深川栄洋
脚本:深川栄洋
出演:柳沢太介 仲里依紗 児島美ゆき 寺田農 細田よしひこ
人口が200人に満たない東京の離島、青ヶ島。新聞も届かないこの島で、中学3年生の昌治は定期的に島の様子や出来事を記事にした自作の新聞を作って島のみんなに配っていた。この島には高校はないため、中学を出たらほとんどの子供は島を出る。その卒業まで間近な冬になって、昌治と同じ中3のクラスに転校生の少女がやってくる。どことなく暗い影のあるその夕希に、昌治は好意を覚えて新聞の紹介記事にし、島を案内する。
フジテレビのめざましどようびと言う番組からの企画で、一般の映画館ではほとんどかからず、離島の公民館などでメインに上映された映画のようです。先日観て気に入った「狼少女」の深川栄洋監督の新作であり、またそのときに観た予告編で興味を覚えたのでDVDを借りて観ました。
これがまたとてもよかった。中学生くらいでまだ世の中のことはおろか自分のこともよく分かってないような子供が、何もかも分かったような思い込みでその後の人生を決め込んでしまいそうになることって良くありそうな気がする。それに過去のちょっとした傷がやはり中学生くらいだと人生のすべてに影響してしまうほどの大きさに思い込んでしまうこともやはり良くあると思う。青春は青春ならではの苦しみがある。オトナからすればなんでそんなと思うような苦しみを彼らはそれぞれ抱えているのでしょう。
3人の苦しんだ少年少女のうち、一番大きな傷があったのかもと思う1人はきっかけを得ることであっさりとその傷を乗り越えていく。1人はその苦しみを自分の中で昇華させて外には出してこない。もう1人は揺れ動く心が本当にどちらに向かうべきなのかの答えを自分では出し切れないまま次のステップにとりあえず進む。みんなそれぞれの道が定まったところで映画は終わるけど、実はこの先に何があるのかはまだ分からないんだよね。まだ彼らの青春時代は続くのです。
しかし描写が瑞々しいのよ。めちゃくちゃキレイな島(舞台の青ヶ島は実在!)の景色は素晴らしいし、その中での主人公たちの生き生きした姿はとても気持ちがいい。1人しかいないクラスに可愛い女の子が転校して来たらそりゃあトキメクよなあ。喜んで島を案内するよなあ。上に書いたような悩みも含めて、まさに青春のころの喜びや想いが見事なまでに表されていて素晴らしい。
ラスト近くの昌治と夕希が座る高台のベンチのシーンが秀逸だね。ドキドキしつつも大爆笑。
主演の柳沢太介くんは初めて見たけど、なかなかの好演。仲里依紗さんも「時かけ」で声は聞いていたけど、顔は初めて見た。こちらも好演。演奏会は素敵でした。深川栄洋監督は一気に注目監督に格上げだね。
一般公開されていないのでなかなか観る機会は無いかと思いますが、とてもいい映画なのでたくさんの人に観てもらいたいです。
(DVD/iMac)
2007.4.22
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