「告別」


監督:大林宣彦
脚本:大林宣彦 石森史郎
出演:峰岸徹 勝野雅奈恵 裕木奈江 清水美砂 小林桂樹


 BS digitalで放送されたTV版の劇場公開。観た人の評判も良く、久しぶりの大林ファンタジーでもあり、かつ大好きな裕木奈江さんが準主役クラスとあっては、期待度は高まらざるを得ませんでした。ホント、観れて良かった。ラッキー。

 30年前の世界につながる不思議な電話ボックスを偶然見つけた男が、過去の親友や憧れの少女と話をするうち、自分のつらい現状も手伝って過去を変えたいと思うようになるが、と言うお話。
 正直言っちゃえば甘々でぬるいお話。違う製作者であればもっと毒の入ったとり返しのつかない展開を用意したかもしれません。僕もどちらかと言えばそちらを期待してしまいました(^^;)。 でもそれじゃあ、この映画のテーマにはそぐわないんでしょうね。
 やや疲れた中年の男の家庭や仕事での悩みや懐かしい過去の想い出や残してきた後悔、そして子供への想いなどには共感しまくりで心が揺り動かされました。少女の父親に会いに行くシーン、娘からの手紙を読むシーンなどはなかなかの名シーンですね。でもちょっと峰岸さんのナレーションはちょっとくどかったかな。
 もちろん個人的主演(笑)の裕木奈江さんは最高。回りの人たちに暖かみと愛を贈る存在の女性を演じ、その独特の雰囲気と個性で存在感を示していましたね。病気の上司を抱きしめてあげるところなどは泣けました。

 ところでデジタルハイビジョンを元にした映像がめちゃくちゃ綺麗で、映画館で観る映像とはとても思えないようなモニタ的なクリアな画面でした。慣れてないからちょっと違和感もあるとは言え、フィルムではないビデオ映像を映画館であんなに綺麗に映せるとは驚きでした。本当に巨大なTV画面のようでした。今後こういう映像を観る機会が増えていくんでしょうか。ビデオ映像の映画はあまり好きではないですが、そのうち好きになってしまう可能性もあるかも。
 あと、英語字幕だったんですが、タイトルバックの出演者の名前とかにもかぶっちゃてて、ジャマ。ずらしてくれ〜。(^^;)