「空中庭園」☆☆
監督:豊田利晃
脚本:豊田利晃
出演:小泉今日子 板尾創路 鈴木杏 広田雅裕 ソニン 大楠道代 今宿麻美 勝地涼 國村隼 瑛太 永作博美 山本吉貴 渋川清彦 中沢青六 千原靖史 鈴木晋介
秘密を持たないことを家族のルールとしている京橋家。高校生の長女、中学生の長男は真っ直ぐに育ち、家族の絆は固く、話題は常にオープンで明快、笑顔の絶えない理想的な家庭だ。しかし実はそれぞれが大きな隠し事を抱えていた。
出来のいい映画かもしれないし、評判も高いかもしれないし、テーマは深く描写も的確で好きな人は好きな楽しい映画かもしれないけど、僕は好きにはなれない映画だなあと思いました。
秘密の無い家族なんて、僕はありえないと思うし、気持ち悪いと思う。それ以上にむしろそんなルールは家族を破綻させるためのルールのようなものでしょう。家族を守るために家族内でも秘密を持つのが普通です。
だいたい秘密が無いことと、何でも話すということは違うことでしょう。自分が受精したときの情事の場所はどこだったのかと朝食時に話題にする娘は、もうその時点で秘密という言葉の意味を履き違えてないか? それを話さないのは秘密ではないんじゃないか。まして他人がいる前で母親の初体験の話をさせようとするにいたっては、この娘の性格は破綻していると言っていいでしょう。あの母親はそんな娘を育てて理想の家族を作り上げたと思い込んでいる。明らかにこの家族は異常だ。
しかもその異常な家族状態が取り繕われた仮面的状態で、実は影にいろいろな問題を抱えていて、それを隠した状態だと言う。いや、どっちの姿もおかしいって。
もちろん母親の持つトラウマの意味やその過去における彼女の母親との関係の深さなどを鑑みても、あの家族は異常だ。気持ち悪すぎる。その気持ち悪い家族の持つ意味に関してもあまり共感できず。他の誰がどう評価しても、この映画を理解していないと言われようとも、僕は好きではないです。
そういった不安定な家族を象徴つけていると思われる、序盤のユラユラユラと揺れるカメラワークも気持ち悪かった。映像的にすごいと思ったのは終盤の雨中のキョンキョンの叫びくらいかな。
2005.12.19
|