監督:松岡錠司
脚本:松岡錠司
出演:妻夫木聡 伊藤 歩 新井浩文 佐藤隆太 近藤公園 三輪明日美 井川比佐志 田辺誠一 塩見三省 余貴美子
昔「マリリンに逢いたい」なる映画があって、犬が好きな犬に会いに行くため海を泳ぐというふれこみのお話だったのだけど、観てみるとその話以上にその周りの人間の話し(特にラブストーリー)の比重が大きくちょっと驚いたのをよく覚えています。
この映画も前情報では高校に住みついた犬”クロ”と高校生、教職員達とのふれあいを描いた話かと思っていたのですが、やはりそれ以上に青春の哀しみと喜びを描いた爽やかなラブストーリーの比重が大きい映画でした。
メインはクロが高校に住みついたときに在校していた2人の男子生徒と1人の女子生徒。3人でうまく行っていたはずのバランスが崩れたあと、10年というとても長い年月を経て、それがある形で結実するまでが描かれています。そのポイントとなる存在がクロなのです。クロがいたことで彼らはお互いを見つめなおします。
だから正直にかつ乱暴に言ってしまえば、そのメインの話しを描くためには、別にクロはいなくてもいいのです。他の存在、要は友人とか家族とか、極端な話、人形とかレコードや本とかでもたぶんこの話は描けるでしょう。クロという犬である意味は僕は薄いと思います。
ただし後半の高校生や大人達のクロに対する想いを描いた部分はそれなりに気持ちが伝わってきますね。病気のクロのために何かをしてあげようと思う彼ら、クロのために職員会議まで行われ、クロのために何百人が集まってしまう。クロがその高校に10年間住み、多くの人達に以下に愛されてきたかがよく分かる。クロはたしかに必要で、クロのおかげで多くの子供達がまっすぐに育っていったのかもしれないとすら思わさせます。
上に書いたメインの話しと切り離しても可能だと僕は感じていますが、それでもクロや彼女を愛する多くの人たちの姿は心をうちます。
ちなみにラブストーリー部分も僕は好き。3人の姿は切なくて大好きです。ヒロインの伊藤歩さん(またも高校生役とはいつまでたっても若い役が多いね(^^;))が告白されて戸惑う演技は絶品。彼女は涙を誘う演技がうまい。めちゃ気に入りました。
しかし犬の演技も凄いよね。うまいもんです。きちんと演技しているもんねえ。
見渡せばアクション大作だらけの中、この夏一番の癒し系映画でしょう。(笑)