「リリイ・シュシュのすべて」


監督:岩井俊二
脚本:岩井俊二
出演:市原隼人 忍成修吾 伊藤 歩 蒼井 優 大沢たかお 稲森いずみ 市川実和子

 うううう〜〜〜こき下ろしたい〜〜〜。でもできないよ〜〜〜〜。(^^;)

 この映画、好きか嫌いかを選べといわれたら、やっぱり嫌いです。あまりにも観ていてきつい描写の数々。しかしその一つ一つのシーンが鮮烈に心に残ってしまいました。2日で4本観たうちの1本ですが、ふと思い出すのはこの映画のシーンばかり。ここまで心に残る映画は、たとえどんな内容であろうとも、捨て去ってしまうわけにはいかないです。なんでこんなに息苦しいのか、きちんと昇華しないとこの映画を忘れちゃうことはできそうにありません。
 いじめのシーンそのものがキツイのは当然だけど、それ以上にその奈落に足を踏み込んでしまった少年少女達が悩み苦しむ感情の流れがとても苦しい。特に二人の少女のそれぞれの姿が心に残る。かたや売春を強要された帰り道の行動と凧上げのシーン、そしてもう一人の合唱コンクールの立ち姿とつらいことがあった翌日の毅然として登校する姿。これらの根底に流れる彼女らの心情を察するに心動かされずにいられません。また主人公の少年が追い込まれ、歌手リリイ・シュシュだけに心のよりどころを残し、そして結局あることをきっかけに思いを爆発させた行動に出る流れも自然。いじめたほうの少年の叫びにもある意味共感。でも到底許せるわけもない嫌悪感が残るのも見事過ぎです。
 しかもこれらの感情をほとんどセリフなしで描写する力あふれる映像のオンパレード。本当にすごいです。間違いなく2001年を代表する映画の一つに数えられるでしょう。でもやっぱりイヤな映画ではありますね。もう一度観るかといわれたらちょっと考えちゃうな。