「幻の光」


監督:是枝裕和
脚本:荻田芳久
出演:江角マキコ 内藤剛志 浅野忠信 木内みどり 赤井英和

 この映画はじわじわ来ますね。ある日自分の愛する人がいきなり死んでしまったら。それも自殺の可能性があり、その理由が全く思い当らなかったら。これはつらい。5年くらいじゃ立ち直れないだろう。いや、一生ひきずって当然だろう。
 この映画のあらすじはだいたい知ってました。でもひとつだけ勘違いしていました。きっと2番目の旦那はひどい奴で、それで尚更前の旦那をひきずるのだろうって。でも2番目の旦那はめちゃくちゃできたいい奴じゃないか。本当に愛することができる旦那でしょう。それでいてふとしたことから前の旦那が頭から離れなくなるなんて。判っているのに気になって仕方ない。無理もないだけにつらい。結果として完全に忘れることなんて一生できないでしょう。でもあの旦那と、家族と倖せになることが大事なことなんだから。
 若いふたりが自転車にペンキを塗るシーン、仲良くなった子供ふたりが田んぼ(?) のふちや置き去られた船で遊ぶシーン、昼間愛しあった後(であろう)のベタベタじゃれあってるシーン、西瓜を食べて種をフッとか飛ばしてるシーン、葬列の最後をゆっくりとついていくシーン、そしてラストの縁側のシーン、じっくりと撮った美しいシーンが多くてじ〜んときた。