「まぶだち」


監督:古厩智之
脚本:古厩智之
出演:沖津 和 高橋涼輔 中島裕太 清水幹生 光石 研 矢代朝子 片野誠也

 主演の少年たちのすばらしいこと。「バトルロワイアル」も「リリイ・シュシュのすべて」も中学生とは言いながら高校生以上にしか見えない生徒たちに譲歩しながら鑑賞してしまうけど、この映画の彼らは本当に等身大の中学生だ。彼らになら自分の中学時代を照らし合わせることもできるよ。特に主人公の少年(沖津和くん)の、友人たちとの関係、制圧的な教師への反発心、そして突然襲い来る悲しい出来事に対する苛立ち。他の友人達もいいんだけど、僕はあのサダトモ君に首ったけです。たしかに彼なら友人達は頼りきりになったり、逆にちょっとばかしうっとおしく思ったりもするでしょうね。中学生を中学生として描く。これって結構
難しいのに、そう納得させられる演技も、演出もなかなか素晴らしかったです。
 この映画の陰の主役とも言える担任教師。これもまた強烈な印象。生徒をクズと言い放ち、毎日の行動表で管理して、自分の意に介さない文章は全く認めない。それでいて自分の期待通りのことを生徒がしたら無条件で褒め称えたりもする。信念的でもあり、一見正しい人の道を導こうとしているのかもしれないけど、やっぱりあれは間違っているよなあ。僕があの教室にいたら、いやだろうなあ。でも結局従っちゃいそう。(^^;)

 この映画は完全に男の子たちのお話。女の子とは一切口もきかない。教室が画面に映ると一人だけ妙に姿勢がいいやや大人びた美少女系の娘がいたので、この娘は後で絡んでくるに違いないと思ったら全く的外れ。イヤ、別にその娘に目をつけたわけではないのよ。(^^;) でもあの位の男の子たちが女の子に興味がないわけもなく、こう完全に男の子だけで話が進むとはちょっと意外でした。もちろん、それはそれでいいんですけど。
 で、少年達の成長物語として、やはりこの映画は素晴らしいです。少年時代、些細なことで自分を見直すことになったり、悲しい出来事が人を成長させたりするんですよ。多くの人が共感できる映画だと思います。みんなに観てもらいたいです。