「稀人」☆☆☆
監督:清水 崇
脚本:小中千昭
出演:塚本晋也 宮下ともみ 中原和宏 蜷川みほ 菅田 俊
「THE JUON」が全米公開後に凱旋公開された清水崇監督としては実はこの「THEJUON」とほぼ同時並行で企画され、撮影、完成はこちらの方が後。すなわち最新作になります。ホラー番長シリーズとして都内単館で公開されたファンタジックホラーです。
最近清水監督の「寿恩(JUON)」という本を読んだんですが、そのなかで「最近撮った映画の中ではこれが一番自信があるのでぜひ観てほしい」というようなことを書かれていたのでこの映画に少し興味を持っていたところ、ふと調べたら最近まで楽しみに観ていた「ウルトラマンネクサス」の後半の準ヒロイン、瑞生を演じていた宮下ともみさんがこの直前に主演したのがこの映画だったということがわかり、即DVDを借りてきてしまいました。
”恐怖”に深い興味を持ったフリーカメラマンの男が、恐怖を求めて迷い込んだ東京の地下洞で岩につながれていた少女を見つける。自宅に彼女を連れ帰った男は彼女に”F”という名をつけ世話をするようになるが、彼女は言葉も話さず、立ち上がることもない。また一切の食事を受け付けず、どんどん衰弱していく。しかし偶然、彼女の唯一の食事が、人間の血液であることを知る。
物語はほとんどがこの男の主観で語られて、全篇モノローグがうるさいくらいに続けられます。恐怖の正体も、Fの正体も、結局は男の主観の中で完結しています。真実はある程度のものは明かされるのだけど、それが本当に正しいものなのかは明らかになっていないように思う。ってそもそも真実があるのかすらよく分からない。正直言って話はよく分からないです。
でも男のFに対する愛情とも友愛ともとれる感情の美しさ。得体の知れない化け物でありながら、彼女を守ろうとして育てようとしてそばにいようとしていく姿の悲しさ。男の姿に妙な切なさを覚えるのは僕だけではないでしょう。
しかしいつもの(ってほど観てないけど)清水監督とはちょっと作風が違う感じ。脚本が本人でないこともあるでしょうが、少なくとも「呪怨」シリーズのような映像や音響的なインパクトは押さえ気味。怖さを押し付けるというよりは、怖さって何か考えてねと観客に伝えているようですね。もちろん怖くはありませんでした。
主演の二人が素晴らしい。もともと塚本さんは演技者としての才能も並じゃないよね。宮下さんは「ネクサス」の時からは想像もできないような難役を見事に演じていて感心。そのモンスターの動作は人間では決してないものだし、ヌードにもなってたり、血を求めて一心不乱に男の顔を嘗め回すなど、「ネクサス」で瑞生萌え〜していた人たちは必見でしょうね。(笑)
2005.8.2
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