「虹の女神 Rainbow Song」☆☆☆☆
監督:熊澤尚人
脚本:桜井亜美 斎藤美如 網野酸 後藤亜稀子
出演:市原隼人 上野樹里 蒼井優 酒井若菜 鈴木亜美 相田翔子 小日向文世 佐々木蔵之助
映像制作会社でかけだしADとして働く智也の下に、学生時代の仲間のあおいが死んだという知らせが届く。当時あおいは自分の撮影する自主映画の主人公に無理矢理智也を引き入れていた。それ以来かけがえのない仲間として付き合ってきた二人であったが、あおいは夢のために渡米していた。
いい映画でした。切ない映画というのもたくさんあるけれども、この映画も相当切ない映画の部類に入るでしょう。あおいの気持ちに心揺り動かされます。智也の淡い恋の背中を押すとき、智也に怒りをぶつけるとき、智也に思いが伝わらない屋上など、あおいを見ていると涙が出ますね。
という切なくて個性的な難役を見事にこなした上野樹里さんが今までで最高ともいえる演技を見せて秀逸。彼女なくしてこの映画は成り立たなかったといえるでしょう。
何気に素晴らしかったのが父親の小日向さん。娘を亡くして打ちひしがれているのに周りに気を使って明るく振舞う姿がやはり涙を誘う。この人はいい人をやれば本当にいい人に、ヤな奴を演じると本当にヤな奴に見えるところがいつも凄いなあと思います。
相田翔子さんも見事な怪演。ああいう愛し方もあるだろうしあれでハッピーエンドになるドラマもあるでしょうが、実際やられると引くだろうなあーとしみじみ。ただエピソードとしては面白かったけど、物語上の意味はいまいちつかめず。
蒼井優さんも相変わらずいいし、市原隼人くんもいつもながらではあるが好演。出演陣に不満はないなあ。
難があるとすれば手持ちでユラユラする画面にちょっと慣れるのに時間がかかったことと、章に区切られているのがなんかうざったいことかなあ。章名テロップなんて要らないのに。
僕も大学時代は8mmで映画を撮っていたので撮影風景とかカメラ談義とかスプライサーでの編集作業とかエライ懐かしくて琴線触れまくり。でも僕らはコダックじゃなくて富士だったなあ。まだ今でも8mmってあるんだなあと思ったら、富士も来年で撤退なんだって! あおいが撮った「THE END OF THE WORLD」の自主映画っぽさがめちゃくちゃよかった。
とにかく全編にわたって泣けてしまう佳作。ぜひ。
2006.11.2
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