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「ニライカナイからの手紙」☆☆☆☆

監督:熊沢尚人
脚本:熊沢尚人
出演:蒼井 優 平良 進 南 果歩 金井勇太 斉藤 歩 前田 吟 中村愛美 かわい瞳 比嘉愛未

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 これはなかなかよかったです。

 沖縄の孤島で祖父と暮らす、幼いころ母親と別れた娘。待てども待てども母親は帰ってこないが、毎年誕生日になると母親から手紙が届く。きっと戻って来れない事情があるんだ。そう思いながらすごす日々。
 高校を卒業した彼女は好きな写真の勉強をするため、祖父の反対を押し切って上京しカメラマンの助手となる。忙しい日々を過ごすうち、やがて20歳の誕生日を迎える。その日は、すべてを説明するとかつての母親からの手紙に書かれていた約束の日であった。

 母親にはその”事情”と、その道を選んだ”理由”がありました。正直言えばその帰ってこないまま手紙を出し続けたという行動はあまり納得がいきません。いいように話が進めばいいんでしょうが、悪い方に転がったら最悪じゃないかね。この映画の彼女のようにとてもしっかりした素晴らしい少女に育ったのは、ある意味結果オーライ、かなりの幸運でしょう。またきちんと説明される前にその事実に気がついてしまったら、それこそ娘の心にはかなりの衝撃が襲うでしょう。取り返しのつかないことを起こしかねない。僕にはできませんね。
 しかし母親がそういったリスキーな道を選びたかった理由、それには充分納得がいきます。僕が選ぶことはないけども、彼女がそれを選んだ気持ちは理解できます。その想いの深さ、やさしさ、哀しさなどは心を突きますね。ああいった愛情の形もあるんでしょう。このあたりの描き方はとても丁寧で感心しました。

 この映画はこういった理由探しのミステリっぽい部分だけでなく、その中で娘がどう成長していくのかがきちんと描かれているのが素晴らしい。特に中盤は母親の話はかなり脇に追いやられていて、彼女が東京でカメラマンの助手として苦労しながら生活する姿がこれまた丁寧に描かれていて、観ている方は彼女がいかに応援するに値する女性になってゆくかを目の当たりにして実感していける訳ですね。
 彼女が最後に涙するときに一緒に僕ら観客が泣けるのは、彼女がこの映画の中でとても愛すべき姿に成長していった証です。

 蒼井優さんがやはり今回も素晴らしい。単独では初主演だけど、もう充分のキャリアを積んでいるのでなんら違和感はありませんね。金井勇太くんもいいなあ。もちろん平良さんや南さんも文句なし。沖縄の海も美しく、とても気持ちよく泣ける映画でした。

2005.6.28


 

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