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by はる
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2004年5月以降 人目のご訪問者です。('96.8〜'04.05・・・130,000人位)

「おくりびと」☆☆☆☆

監督:滝田洋二郎
脚本:小山薫堂
出演:本木雅弘 広末涼子 山崎努 余貴美子 吉行和子 笹野高史 峰岸徹 山田辰夫 橘ユキコ 杉本哲太

 オーケストラのチェリストだった大悟はオケの解散によって職を失い、故郷の山形に帰る。そこで求人広告を手に訪れた会社は、遺体を棺に納める仕事・納棺を業務としていた。戸惑いながらも、納棺師の見習いとして働き出す大悟。しかし妻の美香にはその仕事内容を告げられずにいた。

 これはとても良かった。ユーモアあふれる展開の中で人間の偏見や差別の感情を問いかけ、そして最後には感動して泣かされてしまうという見事な映画。アカデミー賞への推薦も決まったと言うし、必見中の必見ではないでしょうかね。

 葬儀の際に死体を清めて送り出す納棺師。その場に立ち会えばとても感謝してその仕事に尊敬することすらあるかもしれませんが、実際にはほとんどの人がその職業に眉をひそめ、家族がその職に就いたとしたら辞めさせたいと思うでしょう。僕もこの映画を観てもなお、自分でしたいとは思えないし、家族にそれを職とする人がいたら不快感を持ってしまう可能性が高いです。これは差別であり、偏見であることは間違いないですが、正直な気持ちでもあるのです。この映画ではこの仕事をとても尊い意味のあるものとして描いていますが、これを観て自分も納棺師になろうという人は、たぶんほとんどいないでしょう。

 だから広末さん演じる主人公の妻が、途中どうしてもその仕事を受け入れることができずにいる様子はとてもよく分かりますし、それが自然な姿であることも間違いないでしょう。彼女の態度を責めることはたぶん誰にもできないのではないかと思います。この映画はいかに自分が偏見に満ちているのかを突きつけられてしまう、実はナイフのように鋭い映画なのではないでしょうか。

 図らずもその職業に就くことになってしまった主人公がその仕事の中に深い意味合いを覚えこんでいき、妻に反対されてもそれを全うしていこうとする姿はとても感動的。上にも書いたけど奥さんや友人、彼を見る参列者たちの姿もみな自然に理解できるものばかりで、共感度も高い。面白くて笑えるシーンも多いし、最後も素晴らしい。とてもいい映画でした。

(静岡ピカデリー)

2008.10.13